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バカミスとは?おすすめの小説10選を紹介
ミステリー小説が好きなら、バカミスがおすすめです。
バカミスはミステリー小説のなかでも異色作品が多く、王道展開では見られない、個性的で娯楽性が高い作品が多いジャンルです。
今回は、バカミスに関する基本的な解説と一緒におすすめ小説10選を紹介します。
バカミスとは
バカミスとはどういったものなのでしょうか。
まずはバカミスについて、他の作品には見られない特徴なども併せて紹介します。
推理小説に分類される作品
バカミスは、推理小説に分類されるジャンルです。
「おバカなミステリー」や「ばかばかしいミステリー」の略称になります。
そのためジャンルとして確立しているものの、ネガティブな意味合いで捉える人もいます。
バカミスは国内外で出版されていますが、基本的に国内作品に対して使われる単語です。
この「バカミス」が誕生したのは1995年ごろと言われており、王道のミステリー小説では見られない展開の作品が分類されるようになりました。
この個性的な作風がミステリー業界でヒットし、バカミス単体で特集が組まれるなど人気を集めています。
ありえない展開が楽しめる
「バカミス」に分類される作品の傾向としては、王道とは全く違った作風が挙げられます。
トリックだけでなく世界観や作品に登場する人物の設定など、読み手に取って「ありえない」と感じさせる要素が盛り込まれている作品はバカミスにカテゴリーされます。
あくまでリアリズムは二の次で、意外性を追求している点が特徴です。
バカミスのおすすめ小説10選
数あるバカミス作品のなかから、おすすめ小説10選を紹介します。
六枚のとんかつ
第3回メフィスト賞を受賞した作品です。
主人公は保険調査員と友人の推理作家で、二人が次々と遭遇する事件を短編形式で綴られています。
各話でユーモラスなギミックがふんだんに盛り込まれており、読みはじめと読後に感じる印象は大きく異なるでしょう。
バカミスを読んだ経験がない人にとって読みやすい作品です。
三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人
ホラーやミステリーを得意とする倉阪 鬼一郎による作品です。
黒鳥館に招かれた主人公たちが、連続殺人事件に巻き込まれていきます。
物語の舞台設定はミステリーの王道ですが、その展開は読者の予想を大いに裏切ってくれるでしょう。
バカミスの中でも手の込んだギミックが評価の高い一冊です。
屍(し)の命題
第11回鮎川哲也賞を獲得し、建築専門家の知識を活かして個性的な作品を生み出す門前典之によるバカミス小説です。
ストーリーは雪山の別荘に閉じ込められた主人公たちが、殺人事件に巻き込まれていきます。
クローズドサークルの舞台設定や、ストーリーが進むにつれて登場人物が減っていく展開はかの有名なミステリー小説を彷彿とさせるでしょう。
それに加えてバカミスならではのユーモアが盛り込まれており、予想斜め上の結末を楽しめます。
○○○○○○○○殺人事件
第50回メフィスト賞を獲得した早坂 吝のデビュー作品です。
タイトルの伏字部分は読者に対する挑戦状となっており、その一風変わった作風が話題になりました。
内容は主人公がオフ会のために向かった孤島で、次々と殺人事件が巻き起こります。
バカミスのなかでも、工夫を凝らしている個性的な作品です。
嘘つきパズル
第16回メフィスト賞を受賞したウェディング・ドレス」で有名な、黒田研二の小説です。
ストーリーは妻と孤島へ旅行に出かけた主人公が、殺人事件に巻き込まれていきます。
主人公の名前が「間男(はざまくろお)」という設定から奇天烈で、ギャグとダジャレが盛り込まれています。
ホラー小説を彷彿とさせる展開であるのも関わらず、その真逆の要素が組み合わさった異色作です。
スティームタイガーの死走
数々のバカミス作品を生み出している霞流一の小説です。
ストーリーは玩具メーカーの創業者が幻の蒸気機関車を再現し、走らせるイベントを開催するところからはじまります。
しかしそのイベントで様々な不可能犯罪が巻き起こっていきます。
そして事態は思わぬ方向へ進んでいくので、どんでん返しが楽しめる作品です。
黒い仏
「ハサミ男」で有名な殊能将之による小説です。
物語はとある秘宝と殺人事件を中心に巻き起こります。
この無関係のふたつの要素が、ストーリーが進むにつれて段々と結びついていく流れはバカミスらしい展開が楽しめるギミックです。
特に中盤からの展開は、あっと驚く要素が楽しめるでしょう。
落日のコンドル
プロの暗殺者がターゲットを追いかけて乗り込んだ船で事件が巻き起こる作品です。
主人公の仕事仲間が殺されてしまい、その犯人捜しをすることになります。
海の上というクローズドサークルで殺人事件が起こる展開は、ミステリーならではの世界観です。
ストーリーの中にはアクションシーンも盛り込まれており、バカミスらしい娯楽性が高い一冊です。
翼ある闇メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩のデビュー作品です。
舞台は洋館で、連続殺人事件が起こります。
首なし死体や密室殺人など、本格ミステリーを思わせる要素が盛り込まれている点が評価が高い作品です。
しかし無能な探偵とそれをうのみにする刑事など、バカミスらしいあり得ない展開が進行していきます。
バカミスの魅力であるどんでん返しを楽しめる小説です。
名探偵の掟
さまざまなジャンルの小説を出版している作家・東野圭吾による短編小説集です。
天下一大五郎シリーズの1作目にあたります。
内容としては、探偵の天下一大五郎が次々と難事件に挑みます。
ミステリー小説を知っている人ならばクスッと笑えるパロディやブラックユーモアが楽しめる作品です。
まとめ
「バカミス」の魅力は、ばかばかしいと思わせてくれるような意外性に富んだギミックや展開が楽しめるのが魅力です。
ミステリーの枠にとらわれない技巧が凝らされているので、読書家にとっても予想できない展開が楽しめる作品を見つけられるでしょう。
娯楽性を追求した作品も多く、本を読む習慣がない人もフラットに楽しめる作品もあります。
ぜひ紹介したおすすめ小説10選を手に取って、バカミスの魅力を楽しんでみてください。