芥川龍之介「歯車」の短く簡単にあらすじを紹介!手紙の最後の一文とは…

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自分と立場が違う人を理解することは、とても難しいことです。

「男と女」「上司と部下」「有名人と一般人」など、相容れない存在は世の中に数多く存在します。

『歯車』は、芥川龍之介の作家としての苦労を記した作品です。

本記事では、『歯車』のあらすじを中心に紹介します。

目次

歯車の作品概要

歯車

『歯車』は1927年に「文藝春秋(10月号)」で発表された芥川龍之介の短編小説です。

芥川龍之介の命日が1927年7月24日ですので、『歯車』は芥川の死後に世に出たことになります。

『歯車』が発表された1927年付近の作品の特徴として芥川自身の心象を表しているという点が挙げられ、『河童』『或阿呆の一生』などがその代表作です。

歯車の登場人物

『歯車』の主要な登場人物は芥川龍之介、レエン・コオトを着た男、芥川の姉夫婦、芥川の妻とその家族です。

『歯車』は芥川自身の体験をもとに書かれた小説であり、物語はすべて芥川龍之介の視点を通して読者に伝えられます。

歯車のあらすじ

『歯車』のあらすじを紹介します。

  1. レエン・コオト
  2. 復讐
  3. まだ?
  4. 赤光
  5. 飛行機

1. レエン・コオト

僕は知り合いの結婚披露宴に向かう途中の自動車で、レエン・コオトを着た男の幽霊の噂を耳にしました。

ある停留所で自動車を降りると、待合室のベンチにレエン・コオトを着た男がぼんやりと外を眺めて座っています。

僕が省線電車に乗り込むと、レエン・コオトを着た男も同じ電車に乗ってきました。

電車を降りてホテルに向かうと、僕の視界に半透明の歯車が現れました。

歯車は自然に消えましたが、その代わりに激しい頭痛に襲われたのです。

僕はそのまま披露宴会場へ向かいましたが、気持ちは憂鬱になるばかりでした。

部屋に戻ると姉の娘から電話があり、姉の夫が轢死したのと知らせを受けました。

姉の夫は季節はずれのレエン・コオトを着ていたそうです。

2. 復讐

ホテルで目覚めてから外を散歩していると、制服を着た青年に「A先生ではないですか?」と声をかけられ、僕はとても不快になりました。

そのあと立ち寄った本屋で「ギリシャ神話」のある一節に打ちのめされてしまったのです。

「一番偉いツオイスの神でも復讐の神にはかないません。」

3. 夜

僕は夜の10時ごろホテルに戻り、いま計画中の長編小説のことを考えました。

すると、先輩の彫刻家と偶然再会し、2人で話をすることになりました。

彼との会話は、よく考えてみると女の話ばかりだったような気がします。

僕は彼がいなくなったあとに「暗夜行路」を読み始め、涙を流しました。

歯車がまた目の前に現れてどんどん増えていきましたが、僕は無理やり眠りにつきました。

4. まだ?

僕はホテルの部屋で短編を書き上げたことに満足し、銀座の本屋に出かけました。

すぐにホテルの部屋に戻って新しい小説にとりかかると、不思議なくらい筆が進むのです。

しかし、その勢いも長くはもちませんでした。

死は姉の夫に迫っていたように、僕にも迫ってきていました。

けれども、僕は不安の中に一種のおかしさを感じています。

それがなぜなのか、僕にもわかりません。

再びペンを手に取ると、もう1度新しい小説を書き始めました。

5. 赤光

僕は、ある老人を訪ねました。

そこでキリスト教の信者にならないかと誘われたのですが、僕は神の奇跡を信じることができません。

僕は悪魔の存在しか信じることができないのです。

帰り道で胃痛に襲われた僕は、ウイスキーを求めてバーの前に立ち止まりました。

しかし、ランタンの赤い光に怯えて中に入ることができませんでした。

ホテルに戻ると、甥から手紙が届いていました。

その手紙の最後には「歌集『赤光』の再販を送りますから…」と記されており、僕はまたしても打ちのめされてしまったのです。

6. 飛行機

僕は得体の知れない不安を解消するために、妻の実家に行くことにしました。

喧騒にまみれた東京から逃げてきたつもりでしたが、ここも「世の中」であることに変わりなかったのです。

突然響いた飛行機の音に、僕は思わず空を見上げました。

同時に、なぜあの飛行機は僕の頭の上を通ったのであろうと疑問に思いました。

半透明の歯車はまた数を増やしながら、絶えず回り続けています。

僕は部屋に戻って激しい頭痛に耐えながら、じっと目をつぶっていました。

すると、妻が「なんだかお父さんが死んでしまいそうな気がしたものですから」というのです。

これは僕の一生の中で最も恐ろしい経験でした。

誰か僕の眠っているうちにそっと絞め殺してくれるものはいませんか?

歯車の解説・考察

『歯車』は、芥川龍之介が生きる不安を吐露したような作品になっています。

姉の夫の死を知った芥川は、自分にも死が迫っていることを感じていました。

「死」というものの漠然とした不安に駆られ半透明の歯車の幻覚を見ている芥川でしたが、心のどこかで死の覚悟ができていたのでしょう。

それどころか、はやくこの世の中という地獄から抜け出したいと思っていたのかもしれません。

そんな芥川の姿を見た妻の文(ふみ)も衝動的な不安に駆られてしまい、芥川に声をかけます。

芥川はこの経験を一生で最も恐ろしいと形容していますが、いったいどういうことなのでしょうか?

結論からいうと、芥川は死を選ぶことで地獄から抜け出そうとしていたにもかかわらず、妻の文はそれを禁忌だと認識していることに恐怖を感じたからだと考えられます。

芥川は執筆活動に疲れ、周囲の人から「先生」と呼ばれることに不快感を抱いていました。

それにもかかわらず、『歯車』の中では熱心に新作の執筆に取り組んでいます。

作家である芥川が執筆活動に熱心になることは当然のことです。

しかし、自らを苦しめている執筆活動に執着している姿は、異常であるといえるでしょう。

作家としての人生に疲れ、東京から妻の実家に遊びに来た芥川でしたが、そこでも彼は苦しみから逃れられませんでした。

最終的に他力本願になり、芥川は死を望んでいます。

神の奇跡ではなく、悪魔を信じる芥川の心象がよく現れている作品でした。

歯車のあらすじ:まとめ

『歯車』のあらすじを中心に紹介しました。

芥川龍之介作品のあらすじはほかにも紹介しています。

気になる人は、あわせてチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

金沢大学の文学部で近代文学を専攻していました。在学中の読書量は、年間約250作品を超えています。好きなジャンルは純文学とイヤミスで、作中から自分独自の解釈を生み出すことが私の読書の楽しみです。

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