小野不由美おすすめ作品5選!作風の魅力についても紹介

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ファンタジーや、ホラーとミステリーの要素がかけ合わされた作風を得意とする小野不由美。本記事では、小野不由美の作風や魅力について掘り下げ、おすすめ小説を紹介します。人気作品を挙げたので、ぜひ参考にしてください。

目次

静寂の中に潜む恐怖、読者を引き込む人間心理が魅力的

小野不由美は、1988年に『バースデイ・イブは眠れない』という作品で作家デビュー。翌年から始まった「悪霊」シリーズは人気作となり、『ゴーストハント』シリーズとしてリライトされるほどになりました。また、1991年から30年近くにわたって刊行されている「十二国記」シリーズは、今なお人気の作品です。

小野不由美の作品全体を通していえるのは、キャラクターの感情の機微や葛藤といった丁寧な心理描写が読者の心に深く刺さり、人間ドラマという印象を強く与えることでしょう。

さらにホラー要素が加えられた作品では、日常にひそむ異常性や徐々に増していく恐怖感をあおる巧みな表現が、読者に緊張感を与え、怖いながらも次のページを繰る手を止められなくなります。

小野不由美のおすすめ小説5選

小野不由美の代表作といえば、18年ぶりに新作が発売されたファンタジー作品「十二国記」シリーズといえるでしょう。ですが、小野不由美作品の魅力はファンタジーだけではありません。おすすめ作品を紹介します。

「十二国記」シリーズ『月の影 影の海』

現代世界と異世界とを舞台としたファンタジー作品である、「十二国記」シリーズの第1作です。1作目を含む、4作目までがアニメ化されたことでも有名となりました。

本作品の主人公は、現代日本に生きる女子高校生・中嶋 陽子(なかじま ようこ)。突然現れた謎の男に連れ去られ、目が覚めるとそこは別世界だったー。人々からの裏切り、妖魔との戦いに心身をすり減らしながらも、生きて元の世界へ戻ろうともがき成長していく少女の姿に目が離せません。

人を信じる強さを語りかけてくるこの作品は、現代社会において忘れがちな何かを思い出させてくれることでしょう。

『ゴーストハント』シリーズ

『ゴーストハント』は、小野不由美の作品「悪霊」シリーズをリライトして発売された、全7巻の作品です。ミステリー要素とホラー要素の両方が巧妙に絡み合い、ドキドキ感を味わえます。

高校生である谷山麻衣(たにやま まい)は、ひょんなきっかけから、心霊現象を科学的に調査している研究所のアシスタントをすることに。そこの所長は生意気な自信家の、17歳の美少年。2人は協力して事件を無事解決することができるのか。

次々登場する個性的なキャラクターたちや、軽快なやり取りも楽しめるのが魅力です。夜に読み始めると、すべての謎が解けるまで眠ることができなくなるので、しっかり時間を確保して読み始めるのがおすすめです。

『屍鬼』

全5巻からなる長編作品。テレビアニメ化や漫画化もされています。漫画版では、あえて展開を小説と異なるようにしたとのことで、それぞれ楽しむことができますよ。

土葬という昔ながらの風習が残る、人口1300人余りの孤立した集落。ある夏の日、3人の村人が死体で発見されるところから物語が動き出します。事件性はないものとして扱われたものの、その後から連続する不審死が村を襲い始め、恐怖に覆われていく村人たち。一体村に何が起こったのか。

スティーブン・キング著『呪われた町』のオマージュと小野不由美自身が語る本作品。後半になればなるほど、伏線が回収されつつ先の読めない展開に、思わず息を止めながら読んでしまうかもしれません。

『残穢』

第26回山本周五郎賞を受賞し、竹内結子主演の映画ともなった作品です。「残穢」は「ざんえ」と読み、清浄ではないけがれた悪しきものが残った状態を意味します。

ある日、小説家である「私」に届いた女性読者からの手紙。彼女が住むマンションでは不思議な音や気配がするとのこと。一緒に真相を調査するにつれ、過去の因縁から恐怖は拡大していきます。

実話なのではと感じるほど、リアルな描写のドキュメンタリー・ホラー作品。読了後は、自分にも「穢れ(けがれ)」が染み付いてしまったのではないかと、恐怖のあまり本を手放したくなるかもしれません。

『営繕かるかや怪異譚』

「営繕」とは、建築物の営造と修繕のことを指す言葉です。つまり、建物を建てたり直したりすること。怪異譚と営繕が一体どうつながるのか、疑問ですよね。

舞台は日本の古い家屋。何度閉めても開いている奥座敷。誰もいないはずの屋根裏から感じる人の気配。先ほどそこにいた人は、存在するのかしないのか…。

さまざまな怪奇現象に向き合うのは、大工である営繕屋の尾端。彼は怪異を悪しきものと扱わず、その哀しい存在にそっと寄り添い、人とどう共存できるかを模索していく。

静かな怖さが特徴の本作品は、1章ごとに話が完結する、全6章の短編集です。雰囲気を伝える描写が素晴らしく、懐かしさと切なさを感じることでしょう。

小野不由美が紡ぐ、物語の奥深さを体感しよう

壮大なファンタジーから、ホラー×ミステリージャンルでも高い評価を得ている小野不由美。彼女の魅力の一つは、読者の想像力をかき立てる、丁寧な情景描写といえるでしょう。ぜひ小野不由美ワールドを体感してみてください。

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この記事を書いた人

大学院卒業後、会社員を経て現在Webライターとして活動中。中学生の頃に年間200冊以上の本を読んでいたことから、文章力が大幅に向上し今につながる。普段はライフスタイル記事や料理に関する記事を執筆中。「役に立つかどうか」だけでなく、本によって得られる「今を楽しむ」という没入感を、ぜひ皆に味わってほしいと思いワクワクしながら記事を執筆している。

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