江戸川乱歩賞の受賞作品おすすめ10選!探偵小説を楽しもう

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江戸川乱歩賞とは、日本推理作家協会により、探偵小説の優秀作品に与えられる文学賞です。推理作家への登竜門として知られ、受賞作はドラマ化・映画化されているものも多くあります。この記事では、江戸川乱歩賞のおすすめ受賞作品を10選紹介します。探偵小説、推理小説がお好きな方は必見ですよ。

目次

江戸川乱歩賞とは?

英字小説と時計

江戸川乱歩賞、また、賞の名前に由来している江戸川乱歩について解説しましょう。

江戸川乱歩賞の概要

江戸川乱歩賞とは、1954年、江戸川乱歩の寄付をもとに、日本推理作家協会により、優秀な長編探偵小説、推理小説に贈られる文学賞です。1992年の第38回からは受賞作が単発ドラマ化、あるいは、映画化されています。推理小説家の新人賞として、非常に人気があり、競争率の高い文学賞の一つです。

江戸川乱歩とはどのような作家?

江戸川乱歩は、1894年三重県出身の小説家で、戦前から戦後にかけて日本の推理小説の基盤を築き、同ジャンルの普及に貢献しました。代表作には『怪人二十面相』『人間椅子』などがあり、人間の深層心理や異常性を描いたエロティシズム、怪奇的な要素を含むことが多いことが特徴です。また、探偵・明智小五郎シリーズは後に少年探偵団シリーズとして子供向けに展開されるなど、作品は多岐に渡ります。

江戸川乱歩賞の受賞作品おすすめ10選

本と小さな鍵

これまでに江戸川乱歩賞を受賞した作品の中から、一度は読んでほしいおすすめ作品を紹介します。どれも読みごたえたっぷりですよ。

『滅びのモノクローム』(三浦明博)

三浦明博の『滅びのモノクローム』は、第48回江戸川乱歩賞受賞作品です。広告代理店に勤める日下は、骨董市でフライフィッシング用のリールを手に入れます。店主からおまけに貰った古い16ミリフィルムには、戦時中に封印された過去を暴く重要な秘密が隠されていました。登場人物の人間ドラマ、過去の残酷さが胸に響く小説です。

『顔に降りかかる雨』(桐野夏生)

桐野夏生の『顔に降りかかる雨』は、第39回江戸川乱歩賞受賞作品です。主人公・村野ミロの親友、・宇佐川耀子が、ある日1億円を持って失踪します。耀子の共謀を疑われ彼女の行方を追うミロは、耀子に1億円を預けた男・成瀬と協力して解明に乗り出します。

桐野夏生のハードボイルド『村野ミロシリーズ』の第1作です。

『放課後』(東野圭吾)

東野圭吾の『放課後』は、東野圭吾のデビュー作であり、第31回江戸川乱歩賞受賞作品です。私立清華女子高校の教師・前島は、いくつも降りかかる身の危険から、自身の命が狙われていると確信します。犯人を突き止めようとする前島のまわりで、ある事件が発生し、物語が展開します。

「好きな江戸川乱歩賞作品」を選ぶアンケートでも人気1位を獲得した、人気作品です。

『テロリストのパラソル』(藤原伊織)

藤原伊織の『テロリストのパラソル』は、第41回江戸川乱歩賞受賞作品で、第114回直木賞受賞作品でもあります。主人公・島村は長年身を隠すように暮らしていたアル中のバーテンダー。ある日、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が一転します。

「このミステリーがすごい!」でもランクインするなど、実力派ハードボイルド小説です。

『ぼくらの時代』(栗本薫)

栗本薫の『ぼくらの時代』は、第24回江戸川乱歩賞受賞作品です。作者と同姓同名の主人公・栗本薫は22歳の私立大学生。アルバイト先のTV局内で起きた女子高生連続殺人事件を、バンド仲間の信、ヤスヒコと一緒に解決しようと乗り出します。

作品が世に出た1970年代という時代も色濃く反映されている1冊です。

『アルキメデスは手を汚さない』(小峰元)

小峰元の『アルキメデスは手を汚さない』は、第19回江戸川乱歩賞受賞作品です。女子高生の美雪は、「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残してこの世を去ってしまいます。その後、クラスメイトが教室内で毒殺未遂、また行方不明者が出るなど、不可解な事件が続発。学園が舞台の青春ミステリーです。

『高層の死角』(森村誠一)

森村誠一の『高層の死角』は、第15回江戸川乱歩賞受賞作品です。有名ホテルの社長が、完全な二重の密室で殺害されます。捜査に浮上する容疑者には鉄壁のアリバイがあり、刑事たちは苦労しながらトリックを暴き出していきます。のちにテレビドラマ化された森村の代表作です。

『脳男』(首藤瓜於)

首藤瓜於の『脳男』は、第46回江戸川乱歩賞受賞作品です。連続爆破事件が発生し、刑事である「茶屋」たちは容疑者を絞り込み、ついにアジトに踏み込みます。そこで謎の男「鈴木一郎」を共犯者として逮捕するも、正体は不明のまま、そして彼は精神鑑定にかけられます。

人間の感情、自我など、普遍的なテーマを斬新なストーリーで取り上げている作品です。

『カラマーゾフの兄妹』(高野史緒)

高野史緒の『カラマーゾフの兄妹』は、第58回江戸川乱歩賞受賞作品です(のちに『カラマーゾフの妹』に改題)。ドストエフスキーの代表作『カラマーゾフの兄弟』の続編という設定のこちらは、カラマーゾフ事件から「十三年後」、イワンが特別捜査官として、未解決事件の真相を探るために帰省するところから始まります。

壮大なスケールの名作『カラマーゾフの兄弟』をぎゅっと凝縮して、緻密な世界を作り出している1作です。

『道徳の時間』(呉勝浩)

呉勝浩の『道徳の時間』は、第61回江戸川乱歩賞受賞作品です。ビデオジャーナリストの伏見が住む鳴川市で、殺人事件と、『道徳の時間を始めます。殺したのはだれ?』というメッセージが置かれている事件が発生します。伏見に舞い込んだドキュメンタリー映画の仕事を進めていくうち、過去と現在が奇妙につながっていきます。

のちの文庫化で大幅に加筆されているので、そちらもおすすめです。

本格派ミステリーを楽しむなら江戸川乱歩賞の受賞作を!

推理作家としての登竜門、江戸川乱歩賞の受賞作品について紹介しました。本記事で紹介した作品は、いずれも優れた長編推理小説ばかりです。読み始めればその緻密なトリック、鮮やかな推理に引き込まれるでしょう。本格派のミステリーを楽しみたい人はぜひチェックしてみてくださいね。

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この記事を書いた人

図書館勤務、会社員を経て現在ライターとして活動中。幼い頃からの趣味である読書を活かし、言葉に関するコラム記事やライフスタイル記事などを執筆。好きなジャンルは心理学・哲学・小説など。地元メディアでの取材ライターとしても活動している。

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