ミステリーやサスペンス、ホラーなどの小説を数多く生みだしている道尾秀介。直木賞をはじめとしてさまざまな文学賞を受賞していることでも有名です。
この記事では、道尾秀介の作品の魅力やおすすめの小説10選を紹介します。初心者から本格ミステリーファンまで楽しめる作品を選びました。ぜひ参考にしてください。
目次
直木賞作家「道尾秀介」の経歴
道尾秀介は、1978年大阪府生まれの作家です。2004年、ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作『背の眼』でデビューを果たした後、『シャドウ』で本格ミステリ大賞、『カラスの親指』で日本推理作家協会賞を受賞。2010年には『龍神の雨』で大藪春彦賞、『光媒の花』で山本周五郎賞を受賞し、翌2011年『月と蟹』で直木賞を受賞するなど、デビュー以降、着実に文学賞を重ねてきました。
また、小説家としての活動に加え、谷本賢一郎とのユニット『DEN』を結成しライブを行うなど、音楽活動も精力的に行っています。2020年2月には自身が作詞・作曲を担当した楽曲でソロアーティストとしてデビューし。小説と音楽という異なる表現方法で創作活動の幅を広げています。
道尾秀介作品の魅力
道尾秀介の作品は、叙述トリックを駆使した本格ミステリーから、ゾッとするホラー、コミカルなエンターテインメントまで、幅広いジャンルで人気です。従来の枠にとらわれない斬新な表現で、新たな読書体験ができますよ。
道尾作品には「道尾マジック」と呼ばれる独特の世界観があり、人々の感情のもつれや事件の裏側にある人生を巧みに描き出しているのが特徴です。緻密な伏線と驚きの展開、そして読了後に深い余韻が残ります。重厚な作風でありながら、幅広い層から支持を集めている作家です。
道尾秀介のおすすめ小説10選
とくに読んでおきたいおすすめの10選を紹介していきましょう。
『背の眼』
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白峠村で児童失踪事件が続く中、作家の道尾は不可解な霊の声を聞き、霊現象探求家の真備を訪ねます。そこで目にした4枚の心霊写真には、被写体の背中に人間の眼が写り込んでおり、さらに、被写体全員が撮影後数日以内に自殺を遂げていたといいます。
美貴の助手・凜とともに、この怪奇現象の謎に挑む物語。第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作です。
『カラスの親指』
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詐欺師として生きる中年二人組の前に、ある日突然少女が現れました。やがて同居人は5人と1匹に増え、「他人同士」による奇妙な共同生活が始まりますが、それぞれが抱える残酷な過去が彼らを追い詰めていきます。
驚きの展開と感動的な結末で魅せる、第62回日本推理作家協会賞受賞作。道尾秀介初の直木賞ノミネート作品です。
『向日葵の咲かない夏』
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終業式の日、欠席した級友の家を訪れた「僕」は、首を吊って死んでいたS君を発見。しかし死体は突然消え、一週間後、S君は姿を変えて現れ「殺された」と訴えます。「僕」は妹のミカとともに、級友の死の真相を追い始めます。
2009年オリコンベストセラー文庫部門第1位の青春ミステリーです。
『ソロモンの犬』
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大学生4人組の平凡な夏は、幼い友人・陽介の不慮の死によって一変します。飼い犬に引きずられての事故死とされたが、現場での友人の不可解な様子に違和感を覚えた秋内が、動物生態学の間宮助教授に相談を持ちかけたところ、物語は展開。
青春の哀しみと滑稽さを描いた異色のミステリー作品です。
『シャドウ』
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「人は、死んだらどうなるの？」。幼い頃の会話から3年後、凰介の母は病死。父との二人暮らしが始まって間もなく、幼馴染みの母親の自殺を皮切りに不幸が続きます。父との平穏な生活を願う小学5年生の少年が直面する衝撃の真実とは？ 本格ミステリ大賞受賞作です。
『龍神の雨』
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母を事故で失った兄妹の添木田蓮・楓と、両親を亡くした溝田兄弟の辰也・圭介。それぞれが継父母と暮らす中、蓮は妹を傷つけた継父への殺意を抱きます。雨の中で死が訪れ、四人の運命が交錯し、物語は展開します。
大藪春彦賞受賞のミステリー作品です。
『月と蟹』
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小学生の慎一と春也が始めた「ヤドカミ様」への願い事遊び。些細な願いは次第に深刻なものへと変化し、子供たちの祈りは大人たちと自分自身に暗い影を落としていきます。
鎌倉を舞台に、瑞々しい筆致で描かれる直木賞受賞作です。
『N』
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犬と謎を追う教師、しゃべる鳥と高校生、殺人の真相を知る英語教師、謎の侵入者、奇跡を目撃した看護師、ペット探偵を追う刑事。読む順序によって世界観と真実が変化します。
6つの独立した物語を好きな順番で読むことで720通りの読み方が生まれる、新しい形の小説です。
『ラットマン』
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アマチュアバンドのギタリスト・姫川亮が練習スタジオで遭遇した不可解な事件。メンバーの隠された素顔が明らかになる中、亮の過去の記憶がよみがえっていきます。仲間や家族、愛の本質を問う物語です。
『いけない』
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各章の最後で物語が一変するトリック、再読で浮かび上がる隠された真相、そして終章ですべての物語がつながり新たな真実が明かされる仕掛けなど、読了後に感想を語り合いたくなること必至の一冊です。読者参加型の新しいミステリー小説を楽しんでください。
道尾秀介の世界を楽しんでみよう
道尾秀介の小説は、従来のミステリー小説の概念を超えた斬新な形の作品が数多くあります。その中でも、必読の10冊を紹介しました。読み進めながら味わえるドキドキや、読後の深い余韻を、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
