『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作品おすすめ8選!魅力や楽しみ方は?

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ミステリー小説愛好家の間で高い評価を得ている『このミステリーがすごい!』大賞。この賞は、新たな才能の発掘と、エンターテインメント作品の育成を目的として設立されました。

この記事では、この大賞の概要や魅力、そして歴代の受賞作品の中からとくにおすすめの8作品を紹介します。ミステリーファンはもちろん、これからミステリーを読み始めたい方にも参考になる情報をお届けします。

目次

『このミステリーがすごい!』大賞とは

『このミステリーがすごい!』大賞とは

『このミステリーがすごい!』大賞は、2002年に創設された新人作家のための文学賞です。宝島社が主催しており、ミステリーやエンターテインメント作品の発掘・育成を目的としています。純粋なミステリーだけでなく、ホラーやSF要素を含んだ作品も対象としている点が特徴です。

大賞の賞金は1200万円と高額で、文庫グランプリの賞金も200万円と魅力的です。毎年多くの応募作品の中から、厳正な審査を経て受賞作が選ばれています。

『このミス』大賞の魅力や楽しみ方

『このミス』大賞の魅力や楽しみ方

『このミステリーがすごい!』大賞(通称『このミス』大賞)の魅力は、新人作家の斬新なアイデアと、エンターテインメント性の高い作品に出会えることです。受賞作品は、ミステリーの枠を超えた多様なジャンルの要素を含んでいることが多く、ホラーやSF、ときには恋愛要素なども楽しめます。

新人作家の成長を見守り、お気に入りの作家を見つけるのも醍醐味の一つです。また、過去の受賞作品を遡って読むことで、ミステリー小説のトレンドや変遷を感じ取れるでしょう。

『このミス』大賞おすすめ受賞作品8選

『このミス』大賞おすすめ受賞作品8選

『このミス』大賞受賞作品の中から、読んでおきたいおすすめ作品8つを紹介します。

『チーム・バチスタの栄光』海堂尊

第3回大賞を受賞した本作品は、医療ミステリーの金字塔として知られています。病院を舞台に、手術中の不可解な死亡事故の真相に迫るストーリーが展開。医療現場の実態と緻密な推理が絶妙に絡み合い、読者を引き込みます。

『さよならドビュッシー』中山七里

中山七里のデビュー作である「さよならドビュッシー」は、第8回大賞を受賞しました。ピアニストを目指す少女・遥が、火事で家族を失いながらも夢を追う中で、不可解な事件に巻き込まれていきます。音楽と推理が見事に融合し、遥の音楽の才能が事件解決の鍵となる点が魅力です。映画化・ドラマ化もされ、ミステリー初心者にも親しみやすい作品となっています。

『生存者ゼロ』安生正

第11回大賞を受賞した作品です。北海道根室半島沖の石油掘削基地で全職員が死亡する事件から始まり、陸上自衛官の廻田と感染症学者の富樫が真相究明に挑みます。未知の感染症の脅威と政府の隠蔽工作が絡み合う中、北海道本島でも同様の事件が発生。壮大なスケールで描かれるパニック・スリラーは、読者を緊張感溢れる展開に引き込みます。人類の存亡をかけた闘いを通じて、現代社会の脆弱性と自然の猛威を鋭く描き出した作品です。

『元彼の遺言状』新川帆立

新川帆立のデビュー作で、第19回大賞受賞作品です。物語は、大手製薬会社の御曹司である森川栄治が「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」という奇妙な遺言を残して亡くなったことから始まります。元彼の遺産を狙う敏腕女性弁護士・剣持麗子が、依頼人を「犯人」に仕立て上げようと奔走する様子が描かれています。新川帆立自身が弁護士としての経験を持っているので、リアリティのある法廷シーンも魅力ですよ。

『四日間の奇蹟』浅倉卓弥

第1回大賞の金賞受賞作品です。物語は、ピアニストの道を絶たれた如月敬輔が、知的障害を持つ少女・千織を引き取り、彼女の音楽の才能を育てる様子を描きます。療養所での不思議な出来事を通じて、人生の再生と希望をテーマに展開。デビュー作ながら描写力が高く評価され、ベストセラーとなりました。2024年7月には映画化され、累計127万部を突破した人気作です。

『ファラオの密室』白川尚史

第22回大賞受賞作品です。紀元前1300年代の古代エジプトを舞台に、ミイラとなった神官セティが主人公で、セティは3日間だけ現世に蘇り、自身の死の謎と先王のミイラ消失事件を解明しようとします。古代エジプトの信仰を背景に、密室トリックや不可能犯罪などの本格ミステリー要素を巧みに織り交ぜているのが特徴です。歴史ものでありながら、読みやすい描写と斬新な設定で、エンターテインメント性の高い作品となっています。

『怪物の木こり』倉井眉介

第17回大賞を受賞し、2023年に映画化された作品です。物語は、絵本に登場する怪物の仮面を被った殺人鬼による連続猟奇殺人事件を軸に展開します。次の標的となった弁護士の二宮彰が、実はサイコパスであることが明かされ、殺人鬼との対決を通じて驚くべき真相に迫ります。閉鎖的な山村社会を舞台に、過去の罪と向き合う人間の姿を描き、重厚な雰囲気と鋭い社会批評が特徴的な作品です。

『謎の香りはパン屋から』土屋うさぎ

第23回大賞受賞作品であるこちらは、大阪府豊中市のパン屋「ノスティモ」を舞台とした日常の謎を描いた連作ミステリーです。主人公の市倉小春は、大学一年生で漫画家志望のアルバイト店員。パン屋で起こるさまざまな謎を、パンにまつわる手がかりを元に解決していきます。焼きたてのパンの香りが漂う中、クロワッサンやフランスパン、シナモンロールなど、各章のタイトルにもパンが登場し、読者を楽しませる工夫が施されています。

『このミステリーがすごい!』大賞の世界を楽しもう

『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作品には、従来のミステリーの枠にとらわれない斬新なアイデアと、高いエンターテインメント性を兼ね備えた作品が多くあります。これらを読むことで、ミステリー小説の奥深さと多様性を体感することができるでしょう。

また、この賞は新人作家の登竜門としても機能しています。受賞をきっかけに活躍の場を広げる作家も多く、読者にとっては新たな才能との出会いの場となっています。毎年の受賞作品に注目することで、ミステリー界の最新トレンドを把握することもできます。この記事で紹介した作品を入り口に、魅力的なミステリーの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

すずみなつのアバター すずみなつ ライター

図書館勤務、会社員を経て現在ライターとして活動中。幼い頃からの趣味である読書を活かし、言葉に関するコラム記事やライフスタイル記事などを執筆。好きなジャンルは心理学・哲学・小説など。地元メディアでの取材ライターとしても活動している。

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