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おすすめしたい横溝正史の探偵小説!名作8選も紹介
横溝正史の小説は映画やドラマなど、多くの作品が映像化されています。なじみのある作品が多く、あまり探偵小説を読まない人でも知っている人が多いかもしれません。本記事では、おすすめしたい横溝正史の探偵小説について紹介します。
横溝正史の小説の作風と作中の探偵を紹介
横溝正史の小説は、疎開先や人里離れた土地、避暑地などを舞台にしている作品が多く見られます。自然が豊かな場所で行われる犯罪を扱っているというイメージがあるかもしれません。横溝正史の作風や作中の探偵について紹介します。
ドロドロした雰囲気と緻密なトリックが魅力のミステリー
横溝正史の作品は、地方の因習や濃密な人間関係を描いているせいか、ドロドロとした雰囲気の中で話が進む作品が見られます。異常な雰囲気に飲まれずに、緻密な仕掛けや、人間の心理を利用したトリックが使われている場面も少なくありません。
横溝正史の作品の探偵
横溝正史の小説に登場する探偵は、機械のような冷たい感じの性格ではありません。飄々としながらも、どこか人間味を感じさせる人物がほとんどです。代表的な作中の探偵を3人紹介します。
金田一耕助
金田一耕助は、横溝正史の小説の中で代表的な探偵。よれよれの和服にボサボサの長髪、身長は160cmほどで平凡な雰囲気をもつ人物です。しかし、人懐っこい笑顔で多くの女性が心ひかれる不思議な魅力の持ち主。事件の核心に迫ったり、隠された事実を知ったりすると、興奮してかきむしるのがくせです。
捜査の手法は、科学的な捜査を警察に任せて結果を聞き、事件の関係者の証言を論理的に組み合わせて最終的な解決をするというもの。関係者の人間性や人脈を探るのを重視している印象です。理不尽な犯人や関係者には厳しい態度を取りますが、同情できる犯人は見逃したり、自決をうながしたりするような側面があります。
由利麟太郎
由利麟太郎は、戦中から昭和30年代前半くらいまでを舞台にした小説に出てくる探偵。舞台は東京や大阪など、都会が主。パイプや葉巻を好む愛煙家で、金田一耕助よりもおしゃれな雰囲気です。
もとは警視庁の捜査課長を務めた人物ですが、なんらかの事情で辞職します。(『白蝋変化』や『石膏美人』の文中では、警視庁内の政治的な圧力で失脚したと推測)その後は私立探偵として活躍しました。事件の依頼があると、新聞記者の三津木俊助を助手として、コンビを組んで捜査にあたります。
人形佐七(にんぎょうさしち)
江戸の神田、於玉ヶ池(おたまがいけ)に住む岡っ引きで本名は『佐七』。『人形佐七』はあだ名で、京人形のような美男子という意味で付けられました。気前が良く、度胸もあり頭脳明晰で一見非の打ち所がなさそうですが、女好きなのが玉に傷。妻のお粂(くめ)にヤキモチを焼かれています。
佐七を巡る人々との会話のテンポが良く、凝ったトリックと合理的な推理が特徴。ただ、おどろおどろしい雰囲気と性描写がきつく、好みが分かれるかもしれません。
横溝正史のおすすめの探偵小説8選
横溝正史の作品の中でも、探偵が活躍するおすすめの小説のあらすじを紹介します。8選あり、好みの小説があったらぜひ手に取ってみてくださいね。
『女王蜂』
伊豆地方の南にある月琴島で育った大道寺智子。18歳の誕生日に、父と弟の住む東京の屋敷に引き取られることになっていました。月琴島から出る際に、父宛てに『智子を呼ぶな』と脅迫状が送られます。金田一耕助は彼女の護衛を依頼されました。智子の亡くなった母にはいわく付きの謎があり、さらに、智子を巡って連続殺人事件が発生します。
『獄門島』
俳句を使った見立て殺人です。同じ部隊の友人の戦死を伝えに、瀬戸内海の獄門島に向かった金田一耕助。3人の異母妹の行く末を心配していた友人の言葉が気になって仕方ありません。戦友の葬儀が行われた後に妹の1人の遺体が異常な状態で発見されました。逗留先の寺の住職のつぶやきも聞き捨てならず、金田一は事件の調査を開始します。
『本陣殺人事件』
雪で囲まれた家屋での密室殺人です。本陣の跡取り息子と小作農出身の娘の婚礼が行われた旧家の屋敷。あくる日の明け方、新郎新婦の寝室から琴の音色と悲鳴が響きわたります。雪の上に侵入した足跡もなく、密室状態の中で新郎新婦が殺害されていました。花嫁の叔父は金田一探偵の後援者で、事件の解明を依頼します。
『八つ墓村』
映画化の際のセリフで有名な作品です。終戦後、徴兵先から帰国した天涯孤独の若い男。法律事務所で、親族が彼を探していると伝えられます。彼の父は旧家の当主で、残虐な仕打ちをして恨まれている存在でした。遺産を巡る騒動と連続殺人が勃発し、関連する事件の調査をしている金田一探偵から、怪しい動きに注意するよう警告されます。
『悪魔が来りて笛を吹く』
元子爵家の気丈な令嬢から、亡父の相談を受けた金田一耕助。元子爵は大規模な犯罪の容疑を疑われたこと以外に、一族に潜む『悪魔』を一家の恥として気にしていたようです。子爵家に関わる殺人事件にも関係していると考え、子爵が直前に旅行した神戸に出向き、聞き込みをする金田一。『悪魔』の正体について、異常な事実が浮かび上がります。
『真珠郎』
同僚に誘われて旅行に出かけた大学講師の椎名。湖畔の邸宅の一室を借り、家主のと魅力的な姪と知り合い、真珠郎という美少年を見かけます。家主に殺人者として育てられた真珠郎は、家主を殺害後に洞窟の中に逃げて行方不明。一連の事件に心を痛めて体調を崩した椎名は、探偵の由利麟太郎の訪問を受けます。
『蝶々殺人事件』
戦中の日本を舞台にした小説です。オペラ『蝶々夫人』で人気の『原さくら歌劇団』。東京公演を終え、大阪に向かいます。夫も弟子も劇団関係者も困惑する中、座長のさくらの姿が見えません。スタッフがコントラバスのケースを落とすと、バラの花が敷き詰められたさくらの遺体が入れられていました。夫の依頼を受けて由利探偵が捜査を開始します。
『人形佐七捕物帳』
神田の岡っ引き、佐七こと人形佐七捕が活躍して、事件を推理して解決する短編小説です。すべてを揃えるのは非常に難しく、選集であれば、紙の書籍や電子書籍で入手可能。以下のような書籍が出ています。
- 『自選人形佐七捕物帳』(角川文庫)
- 『人形佐七捕物帳傑作選』(角川文庫)
- 『名月一夜狂言 人形佐七捕物帳ミステリ傑作選』(創元推理文庫)
おすすめしたい横溝正史の魅力は見事なトリックと人情味のある探偵
横溝正史の作品は緻密なトリックと人情味のある探偵が魅力的です。密室トリックや、見立て殺人を扱い、矛盾がなく読者も納得の出来栄え。探偵は、機械的に謎を解くわけではなく、人間くさい一面が見られます。極悪非道な犯人、人を貶める関係者には強い態度で詰り、犯人でも同情できる人間には優しい視線を注ぐこともありますよ。