吉本ばななといえば、恋愛小説やエッセイなどで有名な作家です。教科書にも掲載されているので、一度は読んだことがあるという人も多いのではないでしょうか。この記事では、吉本ばななの小説・エッセイのおすすめを合わせて10作品紹介します。
目次
吉本ばななとは
吉本ばななは、1964年、東京生まれの作家です。2003年から2015年の間は「よしもとばなな」の筆名で活動していました。
来歴
吉本ばななは、第6回海燕新人文学賞を受賞した『キッチン』でデビュー。『TUGUMI』で山本周五郎賞、『アムリタ』で紫式部文学賞を受賞するなど、多くの作品が賞に輝いています。また、日常や思想を描いた随筆やエッセイも人気です。日本だけでなく、海外でも幅広い読者に読まれています。
作風や魅力
吉本ばななの作品は、小説もエッセイも平易な言葉がつかわれ、若い読者にも読みやすいのが特徴です。ただ、言葉づかいはシンプルでありながら、自己の内面との向き合いや生と死、人とのつながりなどといったテーマが多く扱われています。
吉本ばななの小説は、どこか哲学的な内容を独特の文章や繊細な筆致で表現しており、とくに女性から人気を集めています。悩みを持つ若者や生きづらさを抱えた人にとって、ふっと心を軽くしてくれる存在であるのが魅力です。
吉本ばななのおすすめ小説7選
吉本ばななの小説は数多くあります。ぜひ読んでおいてほしい7作品を紹介しましょう。
『キッチン』
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デビュー作の『キッチン』は、家族の死や孤独、再生をテーマにした小説です。主人公の女性・みかげは、祖母の死後、友人の雄一と、元は父親であった母親えり子との共同生活を通じて心の再生を見出していきます。シンプルで詩的な文章が特徴で、日常の中にある喪失感と癒しが描かれています。
『TUGUMI』
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病弱ながらも強烈な個性を持つ少女・つぐみと、その従姉妹のまりあを中心に描かれた青春小説です。つぐみとまりあ、そして彼女らを取り巻く人々の交流を通じて、生と死、友情、家族の絆を描いています。切なさと優しさ、自然の美しさと人間の感情の繊細な描写は、どこか懐かしさを感じる読者も多いでしょう。
『体は全部知っている』
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『体は全部知っている』は、13の短編・掌編が収録されている短編集です。恋人との関係を通じて体と心のつながり、感情の動きを見つめていくこと、日常のささやかな出来事の大切さ、孤独という深い感情などにスポットライトを当てた、詩的な小説集。吉本ばななの感性を存分に感じられる1冊です。
『アルゼンチンババア』
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17歳の女子高生、みつこは母親を病気で失い、失踪した父が「アルゼンチンババア」と呼ばれる謎の女性と暮らし始めたことを知ります。母親の死後、孤独を抱える主人公は、父親の奇妙な行動に戸惑いながらも、「アルゼンチンババア」との交流を通じて、失われた家族の絆や愛の形を取り戻していきます。
『デッドエンドの思い出』
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吉本ばなな本人が「これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。」と語るのが、短篇集『デッドエンドの思い出』。つらく切ないラブストーリー5編が収録されている本作は、「幸せ」とは何かを考えさせられる1冊です。かけがえのない瞬間を切り取った珠玉の名作が詰まっています。
『もしもし下北沢』
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心の傷を抱えた主人公「よっちゃん」と、その「お母さん」は、新しい人生を始めるべく下北沢に。二人は下北沢でコツコツと日々を重ね、元気を取り戻し、生き直していきます。街と人との温かい関わりに癒される作品です。
『下町サイキック』
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幼いころから超能力を持っている、主人公の中学生キヨカ。目に見えないものが見えるという能力を使って、近所に住む友おじさんが運営する「自習室」の空間を清めるアルバイトをしています。そんな折、家を出た父が自殺未遂をしたという連絡が入り、物語は進みます。超能力を持った少女の生き延びるさまを描いた、最新長編です。
吉本ばななのおすすめエッセイ3選
吉本ばななはエッセイもファンが多いことで有名です。おすすめの3作品を紹介しましょう。
『パイナツプリン』
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1989年に刊行された、吉本ばなな初期の頃のエッセイです。みずみずしい感性と飾らない文体で、音楽や食べ物、映画などの日常に関する話題を綴っています。若いばななさんの世界観が心に響く1冊です。
『ばななブレイク』
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吉本ばなな初のコラム集です。人生を一変させた人々、その人たちの言葉や生き方を紹介する「ひきつけられる人々」などが収録されています。ばななさんの出会った才能豊かな人たちを、独自の視点で描いている作品です。
『幸せへのセンサー』
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「幸せってそもそも何でしょう?」吉本ばななが59年の人生を振り返りながら、この問いに対する考えを話しています。自分にとっての幸せとは何か、という壮大な問いに真摯に向き合うばななさんの答えに、心が温まります。
吉本ばななのおすすめ作品をチェック!
吉本ばななの作品は、生と死、人生などを独自の視点で表現しています。繊細な言葉づかいや感情表現は、国内のみならず海外でも人気です。読むだけで心の傷を癒してくれる吉本ばななの作品を、ぜひ手に取ってみてください。