イヤミスの女王として知られる湊かなえ。読後に嫌な気持ちになりながらも、手が止まらない魅力で多くの読者を虜にしています。
本記事では、湊かなえ作品の選び方から、初心者におすすめの作品、隠れた名作まで、15作品をピックアップしてご紹介します。映画化・ドラマ化された人気作品も含め、あなたにぴったりの一冊が見つかるはずです。
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目次
イヤミス女王「湊かなえ」とは
湊かなえは、1973年広島県生まれの小説家。主にミステリー小説を執筆しています。
2008年にデビュー作は高く評価され『告白』で第6回本屋大賞を受賞し、一躍注目を集めました。著者は、緻密な心理描写と、読後に嫌な余韻が残る独特の作風で「イヤミスの女王」と呼ばれています。20作品以上が映像化されるなど、ミステリー界を代表する作家の一人です。
イヤミスとは
「イヤミス」とは「読後に嫌な気持ちになるミステリー」の略語です。
湊かなえ作品の特徴である、人間の暗部を鋭く描き出し、読後に後味の悪さが残る作風を指します。その巧みな心理描写と展開の面白さで、読者を惹きつけてやみません。
湊かなえ作品の選び方
湊かなえの作品は数多くあり、どれから読み始めるか迷う人も多いですよね。自分の好みや読書スタイルに合わせて、以下のポイントを参考に選んでみましょう。
話題作・映像化作品から選ぶ
映画やドラマ化された作品は、すでにストーリーのイメージがつかみやすく、湊かなえワールドに入りやすいのが特徴です。映像で気に入った作品の原作を読むことで、より深い解釈や新たな発見を楽しめます。また、話題作は多くの読者の支持を得ているため、読後の感想を共有する楽しみも広がります。
長さで選ぶ
初めて湊かなえ作品を読む方は、いきなり長編に挑戦するのではなく、短編集や中編から始めるのがおすすめです。短編集なら一話完結で読みやすく、さまざまなテーマや作風を楽しめます。慣れてきたら、より複雑な展開や深い心理描写が魅力の長編小説に挑戦してみましょう。
受賞作品から選ぶ
本屋大賞や山本周五郎賞など、各賞を受賞した作品は、作品としての完成度が高く、湊かなえの真骨頂を味わえます。特にデビュー作『告白』は、本屋大賞を受賞し、その衝撃的な内容で多くの読者を魅了しました。受賞作品は、湊かなえの作風や特徴を知るのに最適な入り口でしょう。
湊かなえおすすめの本15選
数多くの作品を世に送り出してきた湊かなえですが、どの作品から読み始めるべきでしょうか。ここでは、デビュー作から映像化作品まで、特に読んでおきたい15作品をピックアップしてご紹介します。
告白
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湊かなえの人気学校小説「告白」。自分の幼い娘を殺された女教師が、クラスの生徒に真相を告白するところから始まる衝撃作。デビュー作にして本屋大賞を受賞した代表作です。
複数の視点から物語が進み、緻密に張り巡らされた伏線が見事に回収されていく展開は圧巻。一体犯人は誰なのか。最後の展開には驚かされるでしょう。映画化され、松たか子の怪演も話題となりました。
夜行観覧車
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高級住宅街の医師が妻に殺された事件を通して、エリート家族の闇を描いたミステリー。向かいの家族の視点から見た事件の真相が、徐々に明らかになっていく構成が秀逸です。家族のあり方を問いかける重厚な人間ドラマとしても読み応えがあります。
白ゆき姫殺人事件
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美人会社員の殺人事件をめぐり、SNSや週刊誌による憶測報道が飛び交う中、真相に迫っていく社会派ミステリー。現代社会における情報の怖さと、人々の心の闇を鋭く描き出しています。井上真央主演で映画化され、話題を呼びました。
Nのために
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超高層マンションで発生した夫婦の変死事件。目撃者である4人の男女の証言から、事件の真相が徐々に浮かび上がります。湊かなえ初の純愛ミステリーと銘打たれた本作は、それぞれの登場人物が抱える「N」への想いが複雑に絡み合い、予想外の結末へと導かれていきます。
少女
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親友の自殺を目撃したという転校生の告白から始まる、2人の女子高生の物語。「人が死ぬ瞬間を見たい」という衝動から、それぞれ老人ホームと小児科病棟でボランティアを始める2人。死というテーマに真摯に向き合う青春小説でありながら、湊かなえならではの衝撃的な展開も秀逸です。
母性
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女子高生が自宅の中庭で亡くなっているのを発見したところから始まる母娘の物語。11年前に遡る母の手記と娘の回想を通して、真相が浮かび上がっていきます。「母性とは何か」という普遍的なテーマに、作家自身の実体験も織り交ぜながら挑んだ意欲作です。
未来
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デビュー10周年を記念した意欲作。不遇な環境で育つ少女のもとに、20年後の自分からという手紙が届くところから物語は始まります。過去と現在、そして未来へと繋がる物語を通して、絶望の中にも希望を見出すことの大切さを描いた感動作です。
カケラ
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美容整形をテーマに、人々の容姿に対する執着や偏見を描いた作品。美容クリニックの医師である主人公が、幼なじみから聞いた同級生の悲劇的な出来事をきっかけに、過去の真実に迫っていきます。「美しさ」という概念を通して人間の本質に迫る意欲作です。
贖罪
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15年前の女児殺害事件を目撃していた4人の少女たち。被害者の母親から投げかけられた「許さない」という言葉は、彼女たちの人生を大きく狂わせていきます。「罪」と「贖罪」をテーマに、過去に背負った十字架を背負って生きる人々の姿を描いた傑作です。
高校入試
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県下最高峰の公立高校で起きた入試問題漏洩事件を軸に展開するミステリー。教師、受験生、保護者それぞれの視点から描かれる緊迫した展開と、現代の教育現場が抱える問題を鋭く描き出した社会派作品です。
ユートピア
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美しい海辺の町で、障害を持つ少女のためのボランティア活動をきっかけに起こる悲劇を描いた作品。善意の裏に潜む人々の欲望や偏見を丁寧に描き、「善意は悪意より恐ろしい」というテーマを突きつける問題作。山本周五郎賞受賞作品です。
絶唱
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阪神淡路大震災を経験し、それぞれの「死」に向き合う4人の物語。南の島・トンガへと向かう彼らの再生の物語を通して、喪失と再生、そして人生の希望を描き出した連作短編集です。重いテーマながらも心に響く感動作となっています。
リバース
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平凡なサラリーマンの深瀬が、恋人に「人殺しだ」と告発される手紙が届いたことから始まる物語。過去の事件の真相が少しずつ明らかになっていく中で、予想もしない展開が待ち受けています。男性視点で描かれた初の作品としても注目を集めました。
ブロードキャスト
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陸上の夢を諦めた高校生が、放送部に入部したことをきっかけに再び希望を見出していく青春小説。湊かなえ作品としては珍しい爽やかな青春ストーリーでありながら、その中にも独特の緊張感が走る意欲作です。
境遇
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幼い頃に親に捨てられたという共通の過去を持つ2人の女性を主人公に、誘拐事件の真相に迫っていく物語。「真実を公表しなければ息子の命はない」という脅迫状をきっかけに、彼女たちの境遇が交錯していきます。初のドラマ化作品としても注目を集めました。
湊かなえのおすすめ作品を楽しもう
湊かなえ作品の魅力は、緻密な心理描写と予想を裏切る展開にあります。一度読み始めると止まらない展開と、読後に残る後味の悪さは、他の作家には真似できない独特の世界観を作り出しています。
本記事で紹介した15作品から、ぜひあなたの入門編を見つけてみてください。きっとあなたも湊かなえワールドの虜になるはずですよ。