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夏目漱石のおすすめの作品10選!特徴なども解説!
夏目漱石の作品は課題図書に選ばれたり、国語の教科書に記載されていたりして、意外と目に触れるところにあるようです。ただ、全て読むのは難しいという人もいるかもしれませんね。本記事では、夏目漱石のおすすめの作品を紹介し、特徴についても解説しています。
夏目漱石の作品の特徴とは?
夏目漱石の本の特徴について紹介します。案外、作風がわかれば手に取りやすいのではないでしょうか。
登場人物の心理描写が丁寧
夏目漱石の登場人物は、心の内や感情の揺さぶられ方などが丁寧に書かれています。恋や友情、家族など、人間同士の関係性や、若者が大人になっていく心の成長などを細やかに描いていて、登場人物に似たような気分になった人も少なくないでしょう。
『月が綺麗ですね』は名訳と評価
夏目漱石は英語教師で、イギリス留学の経験もあります。英文の『I love you』を『月が綺麗ですね』と和訳しました。直訳すれば『好きです』『愛しています』でしょうか。漱石は日本人は奥ゆかしいから、直接的な表現は避けるべきだと考えて訳を考えついたということです。現代の若い世代の間では、『月が綺麗ですね』を告白する時に使う人もいるようです。
現実がありのままに描かれている
夏目漱石の作品は、現実の物事をしっかりとらえてありのままに描写しているのも特徴。『吾輩は猫である』のように登場人物(動物)が一人称で語るだけでなく、客観的に相手を観察して、詳しく描写する視点から描写する場合もあります。
若い世代からも共感されやすい
夏目漱石の作品は、心の動きをしっかりと描写しているため、自分の悩みに置き換えてみることもできます。とくに『坊っちゃん』『こころ』などは、若い世代からも共感されやすいです。現在悩んでいることがあり、解決できずに悩んでいる時でも作品を通じて、解決策や自分の進むべき道が見えてくることもあるかもしれません。
夏目漱石のおすすめ作品を10編紹介!
夏目漱石のおすすめ作品を10編紹介します。人気ランキングから選択しました。
『坊っちゃん』
映像化されている作品で、若い世代にも人気。無鉄砲な坊っちゃん(主人公、本名は記載なし)。下女の清(きよ)以外の家族に疎まれ、自活するために四国の旧制中学に数学教師として赴任しました。
新任の坊っちゃんは生意気な寄宿生と騒ぎを起こすが、仲良くなった数学教師の山嵐は正義感の強い坊っちゃんの姿勢を評価。小ずるい教頭の赤シャツや取り巻きの教師達を相手に対立します。
『こころ』
本作品は図らずも人を裏切って後悔する話が書かれています。登場人物の自殺を通じて、明治が終わり新しい時代が始まることを示しているかのようです。私は海岸で『先生』という男性と知り合い、奥さんとも親しくなりました。
先生は謎めいた存在で、父の見舞いのために帰郷していた私に分厚い手紙が送付されます。その中には若き日の先生と友人『K』、奥さんとの関係が書かれていました。
『吾輩は猫である』
本作品は英語教師の家飼い猫が主人公。ユーモアあふれる文体で、悲しい中でもちょっと間抜けな最期を迎えるところまでを書いています。猫の仕草がとてもリアルで、猫好きな人にもおすすめの小説です。『吾輩』は古典文学にも詳しく、人や物を観察して家族や来客、門下生について考えることが好き。人の心を読み取る力にもたけています。
吾輩は茶色の斑が入った猫ですが、夏目漱石が飼っていた黒猫がモデルとも。作者自身もたいへん可愛がり、飼い猫が亡くなった時には死亡通知を友人達に出したと伝えられています。
『虞美人草』
虞美人草は、主人公欽吾の義妹、藤尾を花にたとえています。藤尾は美しく傲慢な女性ですが、不思議な魅力があるようです。
病気療養中の欽吾は異母妹の藤尾と継母と折り合いが悪く、あからさまに軽んじられています。藤尾は父の遺品を勝手に使い、釣り合う男性の気を引こうと必死。欽吾の友人2人が手玉に取られていますが、藤尾はターゲットを小野という男に絞ります。彼には婚約者がいて、友人達に説得され、藤尾に別れを告げますが…。
『三四郎』
明治の終わりが近い40年代頃を舞台にした作品。九州から上京し、東京帝国大学に入学した小川三四郎の成長物語です。夏目漱石の弟子がモデルといわれています。
小川三四郎は郷里から東京に出てくる際に、電車の席の手配を間違われ見知らぬ女性と相席にされます。世慣れしていない三四郎は、相手の女性とうまく受け答えができず『度胸がない』となじられました。東京で友人や教師と交流して一生懸命に勉学に励みます。電車の女性である里見美禰子に翻弄されながらも、彼女の気持ちは受け身の三四郎にはないようでした。
『草枕』
冒頭の部分が有名な小説。講談のようで文章が堅く、少し読みにくいところがあるかもしれません。作中の登場人物の言葉を借りて、西洋の芸術と日本の芸術の違いを書いている部分があります。
日露戦争の頃に、主人公の洋画家は宿の若女将から『絵を描いてほしい』と懇願されます。しかし、画家はまだ足りない部分があるからと断りました。若女将が満州の戦線に出向く従兄弟の見送りに行くと、別れた夫がお金の施しを得ようとやってきます。彼女に憐れむような表情が浮かび、画家は『その表情があれば絵が描けますよ』と告げました。
『それから』
本作品は、舞台や映画化されているため人気はありますが、文章が読みにくいという評価もされています。主人公の代助は現代でいうところのニートのような存在で、書生を置いて働かずに悠々自適な暮らしをする男。父や兄夫婦は彼を心配して裕福な女性との縁談を持ちかけます。ただ、彼には以前から好意を寄せていた友人の妻がいて、縁談は断りたいところ。
彼女への気持ちを抑えきれなくなり、ついには友人との絶交、家族から怒りを買い絶縁を申し渡されます。働かずに暮らすことができなくなった彼と彼女との今後はどうなるのでしょうか。
『彼岸過迄』
それぞれの短編が合わさって1冊の長編となる本作品。各章の主人公が変わり、登場人物それぞれの視点から描かれるようになっています。須永という男と従妹の千代子の恋愛話を軸がメインです。
標題は、漱石が元日から書きはじめ、彼岸過迄には完成させるという決意を込めたもの。前年に病気が悪化して一時危篤状態に陥った漱石が、おもしろい作品を書かなくてはと強い意気込みを持っていたとのことです。
『夢十夜』
見た夢を元に書いた形を取る、夏目漱石にしては珍しい幻想的な作風の短編集。第一夜~第十夜まで10編からなります。時代は現代(漱石の生きた明治時代)、遥か昔、鎌倉時代、100年後の世界などさまざまです。怪談のような怖さを感じるような話がほとんどです。
『倫敦塔(ろんどんとう)』
夏目漱石がイギリス留学をした際の経験を元に書いた短編小説。生き生きとした現実のことを書くのが特徴の漱石としては珍しく、幻想的な内容です。
余(作者自身)は、ロンドン塔を見学しているうちに囚人となった政治犯のことを想像。幼い頃に叔父に王位を奪われて幽閉された王子達の姿、政争に巻き込まれた9日間の女王、ジェーン・グレイのイメージが浮かび、本当のことか幻なのかわからなくなってしまいます。
夏目漱石は近代文学の作品を読み慣れない人にもおすすめ
夏目漱石の小説は、近代文学にあまりなじみがない人でも読みやすい小説があり、おすすめです。もし、読了できるか心配であれば『坊っちゃん』『吾輩は猫である』のような親しみやすい文章で、ユーモアあふれる表現の作品であれば楽しめるでしょう。慣れてきたら、ほかの夏目漱石の小説に挑戦するといいでしょう。