子供向けに作られた物語である「童話」。読み聞かせの定番として根強い人気がありますが、近年ではそのテーマ性や教訓が共感を呼び、大人からも注目を浴びています。
この記事でわかること
- 代表的な童話の特徴と魅力
- 年代やテーマ別の選び方
- 海外・国内のおすすめ童話8選
- 童話の選書に関するFAQ
今回の記事では、おすすめの童話作品を紹介します。読み聞かせ向けの作品や幼児がひとりで読める作品など、わかりやすく解説しますので、ぜひ選書の参考にしてください。
目次
童話とは?特徴と魅力
「子供向けの物語」の総称を指す、童話。民話や伝承、寓話、創作など、さまざまなルーツを持っています。童話の多くは子どもに向けた教訓やメッセージを含んでおり、幼い時期の言語発達や情緒を育むものとして親しまれてきました。
世界三大童話
グリム童話:ドイツのグリム兄弟が収集した民話。素朴で少し残酷さのある昔話が多く、教訓性が高い。
イソップ寓話:古代ギリシャ発祥の寓話。動物や自然現象を主人公とした短い話が多い。道徳的なメッセージがある。
アンデルセン童話:デンマークの作家、アンデルセンによる創作童話。心の機微や成長を描く、人間味のあるストーリーが特徴。
童話の作品選びに迷ったら
童話作品の選書のポイントを解説します。
作品の年代で選ぼう(古典~現代)
古典の童話は、民話や伝承をもとにした素朴でシンプルな物語が多く、読み手に教訓をしっかり伝えたい方におすすめです。一方、現代の童話は、心理描写やテーマが多様で、子どもの興味や個性に合わせて選びやすいのが魅力とされています。
「まずは定番をしっかり読みたい」という場合は古典作品、「いまの気分や悩みに合う物語を探したい」なら現代作品をチェックしてみましょう。
作品のテーマで選ぼう(教訓モノ、ファンタジー、家族など)
童話は「教訓」「ファンタジー」「家族」など、テーマによって雰囲気が大きく変わります。道徳的な考え方を伝えたいときは教訓モノ、想像力を伸ばしたいときはファンタジーなど、その日の気分に合わせて気軽に選んでみましょう。読み聞かせをする場合は、子供自身に作品を選んでもらうのもおすすめです。
海外のおすすめ童話5選
海外発祥のおすすめ童話を紹介します。
「赤ずきん」グリム童話
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世界中で愛されているグリム童話の代表的な作品です。
「約束を守る」「危険を予測する」など基本的な生活ルールを学べる物語として、古くから多くの国で親しまれてきました。出版されているバリエーションが豊富なため、優しいタッチの絵本からちょっとスリルのあるものまで幅広く選べるのも特徴です。子どもの性格や年齢に合わせて、お気に入りの一冊を見つけましょう。
「裸の王様」アンデルセン童話
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19世紀のアンデルセン童話です。
王様が「見えない服」を信じ込み、周囲も本音を言えずに流されてしまう……という有名な物語です。本当のことを言う勇気や、自分の目を信じることの大切さを伝える童話として知られています。読み終えたあとに「どうして誰も言えなかったんだろう?」と親子で話を広げやすいのも魅力のひとつ。幼児期の読み聞かせにおすすめの作品です。
「星の王子さま」サン=テグジュペリ
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1943年に出版された、児童文学作品です。
旅を続ける王子が、出会った大人たちの奇妙な行動から「愛とは何か」を少しずつ学んでいく本作。登場する大人たちは皆どこか滑稽ですが、彼らの行動には現実社会を映す深いメッセージが込められています。読む年代によって受け取る意味が変わるため、大人になってからこそ心に響く名作として世界中で長く愛されています。
「赤毛のアン」L・M・モンゴメリ
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1908年に出版された、カナダの児童文学です。
孤児院を離れ、養父母のもとで暮らし始めた少女アン・シャーリー。明るく好奇心旺盛な彼女が、学校や友人との交流を通していきいきと成長していく物語です。自然描写やユーモアも豊かで、読み応えがあります。小学校中学年頃の年齢でも楽しめる内容ですので、子どもの自立した読書におすすめです。
「わすれられないおくりもの」スーザン・バーレイ
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1986年に出版されたベストセラー絵本です。
森のアナグマが仲間に残した最後の贈り物を通して、思いやりや命の大切さを教えてくれる物語です。「死」の意味をやさしく伝える名作として、小学校の教科書にも採用されました。大切な人を失った悲しみを乗り越えることや、思い出を受け継いでいく大切さをあたたかく描いています。大人が読んでも心に響く一冊です。
国内のおすすめ童話3選
国内のおすすめ童話を紹介します。
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治
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宮沢賢治の代表的な作品です。
少年ジョバンニが銀河鉄道に乗り、親友のカムパネルラとともに幻想的な星々の世界を旅する様子を描いています。詩的でやわらかい文章ながら、人生や死について考えさせられる深いメッセージ性があります。子供の想像力を育むきっかけにも。大人にもおすすめの作品です。
「ごんぎつね」新美南吉
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小学校の教材の定番とも言われている名作童話です。
いたずら好きで悪さばかり繰り返していた子ぎつねの「ごん」。村人・兵十の母が亡くなってしまったことをきっかけに、償いをしようとしますが……。短編ながら感情の動きが丁寧に描かれており、心に残る読後感が味わえる作品です。読み聞かせにもおすすめ。
「走れメロス」太宰治
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太宰治の短編小説です。
青年メロスが、友の命を救うため王に挑み全力で走る姿を描いた本作。信頼や友情の大切さ、誠実さを描き、勇気や自己犠牲の意味を考えさせられます。臨場感のある疾走シーンは、「この先どうなってしまうの?」という緊張感も味わえます。ひとりで読むなら小学校高学年から、読み聞かせは低学年からがおすすめです。
童話の作品選びに関するFAQ
- 読み聞かせには、どんな童話がおすすめですか?
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幼児期には、わかりやすく短い古典童話がおすすめです。すでに読書習慣がついている場合は、長編の児童文学作品を数日に分けて読むのもよいでしょう。
- 大人も楽しめる童話はありますか?
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あります。「星の王子さま」「わすれられないおくりもの」「銀河鉄道の夜」などがおすすめです。アンデルセンの童話も大人の読者層から人気があります。
- 海外と日本の童話にはどんな違いがありますか?
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海外の童話は寓話的で「教訓」を重視する傾向があり、日本の童話は「情緒や人情」を描くものが多いとされています。両方を読むことで文化や価値観の違いを味わえます。
- 初めて童話を読むなら、どの作品がおすすめですか?
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子どものころに読んだことのある名作をもう一度手に取るのがおすすめです。懐かしさと新しい気づきが両方得られ、童話の世界を自然に楽しめます。
童話作品に触れて、読書のすばらしさを感じよう
子どもも大人も楽しめる「童話」。多彩な世界観で、人生や人間関係の大切なことを自然に学ぶことができます。読むたびに新しい発見があり、心に残る教訓も得られるのも魅力のひとつ。お気に入りの童話を見つけて、ぜひ読書のひとときを楽しんでみましょう。