しゃばけシリーズは、畠中恵の時代ファンタジーです。体の弱い若だんな・一太郎と、彼を守る妖たちが、江戸で起こる事件を解いていきます。読む順番は、2001年の1作目『しゃばけ』から、2026年7月の第25弾『おにがわらう』までの刊行順。ほかに、文庫で出た外伝が2冊あります。
2025年10月に放送されたTVアニメ(全13話)の原作は、公式サイトによると文庫の1〜3巻です。この記事では全25作と外伝を刊行順の一覧にし、文庫になっている巻、アニメ・ドラマと原作の対応、シリーズが完結したかどうかまでを整理します(2026年9月時点)。
しゃばけシリーズ全作品の一覧【刊行順・2026年9月時点】
本編25作と外伝2作を、新潮社の刊行順に並べました。単行本・文庫とも新潮社から出ています。「文庫」の欄が「未刊」の巻は、2026年9月時点で単行本だけです。
| 巻 | 作品 | 単行本 | 文庫 | 形式 |
| 1 | しゃばけ | 2001年 | 2004年 | 長編 |
| 2 | ぬしさまへ | 2003年 | 2005年 | 短編集 |
| 3 | ねこのばば | 2004年 | 2006年 | 短編集 |
| 4 | おまけのこ | 2005年 | 2007年 | 短編集 |
| 5 | うそうそ | 2006年 | 2008年 | 長編 |
| 6 | ちんぷんかん | 2007年 | 2009年 | 短編集 |
| 7 | いっちばん | 2008年 | 2010年 | 短編集 |
| 8 | ころころろ | 2009年 | 2011年 | 連作 |
| 9 | ゆんでめて | 2010年 | 2012年 | 連作 |
| 10 | やなりいなり | 2011年 | 2013年 | 短編集 |
| 11 | ひなこまち | 2012年 | 2014年 | 短編集 |
| 12 | たぶんねこ | 2013年 | 2015年 | 連作 |
| 13 | すえずえ | 2014年 | 2016年 | 連作 |
| 外伝 | えどさがし | ― | 2014年 | 短編集(文庫のみ) |
| 14 | なりたい | 2015年 | 2017年 | 連作 |
| 15 | おおあたり | 2016年 | 2018年 | 短編集 |
| 16 | とるとだす | 2017年 | 2019年 | 連作 |
| 17 | むすびつき | 2018年 | 2020年 | 連作 |
| 18 | てんげんつう | 2019年 | 2021年 | 短編集 |
| 19 | いちねんかん | 2020年 | 2022年 | 連作 |
| 20 | もういちど | 2021年 | 2023年 | 連作 |
| 外伝 | またあおう | ― | 2021年 | 短編集(文庫のみ) |
| 21 | こいごころ | 2022年 | 2024年 | 短編集 |
| 22 | いつまで | 2023年 | 2025年 | 長編 |
| 23 | なぞとき | 2024年 | 未刊 | 短編集 |
| 24 | あやかしたち | 2025年 | 未刊 | 短編集 |
| 25 | おにがわらう | 2026年 | 未刊 | 短編集 |
巻数は、新潮社が各巻の紹介で付けている「第◯弾」に合わせました。外伝の2冊は、新潮社の数える巻数に入っていません。
しゃばけシリーズとは|病弱な若だんなと妖たちが事件を解く時代ファンタジー
しゃばけシリーズは、江戸の廻船問屋兼薬種問屋・長崎屋の一人息子、一太郎(若だんな)を主人公にした時代ファンタジーです。若だんなは体が弱く、すぐに寝込んでしまいますが、祖母が大妖であるため妖の姿が見えます。店の手代の仁吉と佐助も、正体は妖です(新潮社の公式サイトによる)。
作者の畠中恵は1959年、高知県生まれ、名古屋育ち。漫画家アシスタントや書店員を経て漫画家になり、その後、都筑道夫の小説講座に通って作家を目指しました。2001年に『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受けてデビューし、2016年にはシリーズとして第1回吉川英治文庫賞を受けています。シリーズの累計部数は1000万部を超えています(2026年7月・新潮社の発表)。
「しゃばけ」の意味
「しゃばけ」は漢字で「娑婆気」と書き、現世に執着する心、世俗的な名誉や利益を求める心を指します(デジタル大辞泉)。
しゃばけシリーズの主な登場人物
- 若だんな(一太郎):長崎屋の一人息子。病弱だが頭が回り、妖が見える。1作目では数えで17歳
- 仁吉:長崎屋の手代。正体は、万物を知るとされる妖の白沢
- 佐助:長崎屋の手代。正体は犬神で、六尺近い大男
- 鳴家(やなり):身の丈数寸の小鬼。「きゅわきゅわ」と鳴く
- 屏風のぞき:離れにある古い屏風の付喪神。皮肉屋で、若だんなの遊び相手
- おぎん:若だんなの祖母。齢三千年の大妖・皮衣
- 松之助:1作目では桶屋で働く青年。若だんなの兄
- 栄吉:菓子屋・三春屋の跡取りで、若だんなの幼なじみ。菓子作りが苦手
しゃばけシリーズの読む順番は刊行順|短編集でも巻ごとに時間が進む
しゃばけシリーズは、1作目と第5弾『うそうそ』、第22弾『いつまで』が長編で、ほかは短編集か連作です。短編集は1話ずつ読めますが、兄・松之助の縁談(第6弾)、若だんなの許嫁(第13弾)、両親の留守に長崎屋を任される1年(第19弾)と、人間関係と若だんなの立場は巻を追って変わっていきます。途中の巻から入ると、登場人物の関係が分からない場面が出てくるので、1作目から刊行順に読むのが基本です。
最初の1冊の選び方
- 基本:1作目の『しゃばけ』から。登場人物と長崎屋の事情がひと通り分かる
- 短い話で合うか試したいなら:第2弾の『ぬしさまへ』。1話ずつ読める短編集
- アニメを見た人:アニメの原作にあたる1〜3巻を読んでから、第4弾『おまけのこ』へ
外伝と関連本を読むタイミング
外伝は2冊とも文庫だけで出ています。『えどさがし』には明治の銀座で仁吉が人を捜す話、『またあおう』には若だんなが長崎屋を継いだ後の話が入っています。どちらも本編より先の時間を描いた話を含むので、本編を読み進めてからのほうが楽しめます。
ほかに、シリーズのガイドブック『しゃばけ読本』『新・しゃばけ読本』、作中の料理33品を再現したレシピ本『しゃばけごはん』、幼い若だんなと鳴家を描いた絵本『みぃつけた』があります。いずれも本編の巻数には入っていません。
Audibleで聴ける巻
2026年9月時点で、本編の1〜23巻と外伝『またあおう』がAudible(オーディブル)で聴けます。1〜20巻は聴き放題の対象で、1作目の朗読は歌舞伎俳優の中村隼人です。Audibleには30日間の無料体験があります(無料体験後は月額1,500円・2026年9月時点)。
しゃばけシリーズ全作品のあらすじ【刊行順】
新潮社の紹介をもとに、各巻の内容を結末に触れない範囲でまとめます。年は単行本が出た年です。
『しゃばけ』|若だんなと妖が連続殺人を追うシリーズ1作目(2001年)
病弱で外出もままならない若だんなが、夜に殺しを目撃します。やがて薬種屋を狙った殺しが続き、若だんなは妖たちの力を借りて下手人を追います。第13回日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞作です。アニメの各話のあらすじを見ても、この長編が話の軸になっています。
『ぬしさまへ』|仁吉に殺しの疑いがかかる短編集(2003年)
手代の仁吉に、殺しの疑いがかかります。栄吉がつくった饅頭をめぐる騒ぎなども収めた、シリーズ初の短編集です。
『ねこのばば』|佐助の本心を描く「産土」を収めた短編集(2004年)
新潮社の紹介は「福の神か、災いか」。佐助の本心に迫る「産土」など全5篇を収めています。
『おまけのこ』|栄吉との大喧嘩や鳴家の冒険を描く短編集(2005年)
若だんなと幼なじみの栄吉が大喧嘩をする話や、小鬼の鳴家が冒険する話など全5編。アニメの原作にあたる1〜3巻の次の巻です。
『うそうそ』|若だんなが箱根へ湯治に行く長編(2006年)
若だんなが初めて旅に出て、箱根へ湯治に向かいます。1作目以来の長編です。
『ちんぷんかん』|三途の川と松之助の縁談を描く短編集(2007年)
大火のあと、若だんなは三途の川のほとりに立っていました。兄・松之助の縁談の話も入っています。
『いっちばん』|大天狗との知恵比べを収めた短編集(2008年)
妖たちが贈り物探しをし、若だんなは大天狗と知恵比べをします。全5編です。
『ころころろ』|若だんなの目が見えなくなる連作(2009年)
若だんなの目が見えなくなります。仁吉が手がかりを求めて奔走する連作です。
『ゆんでめて』|屏風のぞきが行方不明になる連作(2010年)
屏風のぞきが行方不明になります。新潮社が「もう一つの物語」と紹介する連作です。
『やなりいなり』|恋の病と厄神を描く短編集(2011年)
恋の病が流行り、厄神がやってきます。作中の料理の作り方(れしぴ)が付いた5話です。
『ひなこまち』|「助けて下さい」の木札から始まる短編集(2012年)
「助けて下さい」と書かれた木札が届き、若だんなのもとに相談事が次々と持ち込まれます。
『たぶんねこ』|仁吉が記憶を失う連作(2013年)
跡取り3人が稼ぎを競う話や、仁吉が記憶を失う話が入った連作です。
『すえずえ』|若だんなの許嫁と仁吉・佐助の決断を描く連作(2014年)
若だんなの許嫁の話が持ち上がり、仁吉と佐助もそれぞれ決断を迫られます。
『なりたい』|「何かになりたい」願いをめぐる連作(2015年)
「何かになりたい」という願いをめぐる5つの話です。
『おおあたり』|富札の大当たりと仁吉・佐助の小僧時代を描く短編集(2016年)
金次の富札が、百両の大当たりになります。仁吉と佐助が小僧だったころの話も入っています。
『とるとだす』|倒れた父のため若だんなが常世を目指す連作(2017年)
父の藤兵衛が倒れ、若だんなは常世を目指します。
『むすびつき』|若だんなの前世を描く連作(2018年)
若だんなの前世と、輪廻転生をめぐる全5話です。
『てんげんつう』|天眼通の男と許嫁の家の災難を描く短編集(2019年)
先を見通す天眼通の力を持つ男が現れ、若だんなの許嫁・於りんの家に災難が続きます。
『いちねんかん』|若だんなが長崎屋を任される1年間の連作(2020年)
両親が湯治に出かけた1年間、若だんなが長崎屋を任されます。
『もういちど』|若だんなが赤ん坊に戻る連作(2021年)
若だんなが赤ん坊の姿に戻ってしまい、もう一度成長していきます。
『こいごころ』|妖狐の笹丸と老々丸が訪ねてくる短編集(2022年)
妖狐の笹丸と老々丸が、長崎屋を訪ねてきます。2024年11月に文庫になりました。
『いつまで』|「五年後の江戸」に飛び込む17年ぶりの長編(2023年)
悪夢に飛び込んだ若だんながたどり着いたのは、「五年後の江戸」でした。新潮社は「シリーズ17年振りの長篇」と紹介しています。2026年9月時点で、文庫になっている最新の巻です(2025年6月)。
『なぞとき』|妖たちと謎解きの賭けをする短編集(2024年)
若だんなが妖たちと謎解きの賭けをします。奉公人の独立を世話する話も入っています。2026年9月時点では単行本だけです。
『あやかしたち』|長崎屋の離れを賭けた妖たちの勝負を描く短編集(2025年)
長崎屋の離れを賭けた勝負に、日の本中の妖が集まってきます。2025年9月に単行本で出ました。
『おにがわらう』|狐の凶事と本物の鬼を描く第25弾(2026年)
狐をめぐる凶事が続き、ついには本物の鬼まで現れます。全5篇。2026年7月29日に出た、2026年9月時点の最新刊です(新潮社の作品ページ)。
『えどさがし』|明治の銀座で仁吉が人を捜す外伝(2014年)
新潮社が「シリーズ初の外伝」と紹介する文庫オリジナルです。明治の銀座で仁吉が人捜しをする話が入っています。
『またあおう』|長崎屋を継いだ後の話を収めた外伝(2021年)
2冊目の外伝で、これも文庫オリジナルです。若だんなが長崎屋を継いだ後を描く「かたみわけ」などが入っています。
しゃばけのアニメ・ドラマと原作の対応
しゃばけは、TVアニメ1作とスペシャルドラマ2作になっています。
| 映像作品 | 放送 | 原作 | 若だんな役 |
| TVアニメ『しゃばけ』 | 2025年10月3日〜12月(フジテレビ系ノイタミナ・全13話) | 文庫1〜3巻 | 山下大輝(声) |
| ドラマ『しゃばけ』 | 2007年11月24日(フジテレビ系・土曜プレミアム) | 『しゃばけ』 | 手越祐也 |
| ドラマ『うそうそ』 | 2008年11月29日(フジテレビ系) | 題は第5弾と同じ | 手越祐也 |
TVアニメ『しゃばけ』の原作は文庫1〜3巻
アニメの公式サイトは、原作として文庫の『しゃばけ』『ぬしさまへ』『ねこのばば』の3冊と、漫画版『しゃばけ』を挙げています。各話がどの短編にあたるかは公式には示されていませんが、各話のあらすじを見ると、1作目の長編(薬種屋を狙った殺し)が軸になっています。アニメの続きを原作で読むなら、1〜3巻を読んだうえで第4弾『おまけのこ』に進むのが確実です。
アニメーション制作はBN Pictures、監督は大川貴大。声の出演は、若だんなが山下大輝、仁吉が沖野晃司、佐助が八代拓、屏風のぞきが浪川大輔、おぎんが井上喜久子です。配信はPrime Videoの独占で、第2期の発表は2026年9月時点でありません。
漫画版と舞台
漫画版はみもりの作画で、新潮社のバンチコミックスから全4巻(2018〜2023年)が出て完結しています。舞台も、2013年の「しゃばけ」や2017〜2018年のミュージカル版など、何度か上演されています。
しゃばけシリーズは完結した?最新刊と文庫の予定【2026年9月時点】
しゃばけシリーズは完結していません。2026年7月29日に第25弾『おにがわらう』が出たばかりで、新潮社は2026年をシリーズ25周年としています。第26弾の予定は、2026年9月時点で発表されていません。
新刊の時期には傾向があります。第12弾『たぶんねこ』(2013年)以降の14冊のうち13冊が7月に出ており、例外は2025年9月の第24弾『あやかしたち』だけです。文庫は単行本の約2年後に出てきましたが、2024年7月の『なぞとき』は、2026年9月時点でまだ文庫になっていません。
編集長のひとこと:アニメから来た人にも、しゃばけは1巻から読んでほしい
田中寛大月間検索数(推計)を見ると、「しゃばけ」はアニメが始まった2025年10月に約20万回まで増え、2026年8月には5,400回まで減りました。一方で「しゃばけ 小説」は2026年8月が720回で、放送前の前年同月(210回)の3倍を超えています。「しゃばけシリーズ 順番」も880回で、前年同月の720回を上回りました。アニメの放送が終わっても、原作の小説を調べる人は放送前より多いままです。
そういう人にも、1巻の『しゃばけ』から刊行順に読むことをすすめます。公式サイトが原作に挙げているのは文庫の1〜3巻ですが、各話がどの短編にあたるかは示されていません。そのうえ原作は、兄・松之助の縁談、若だんなの許嫁、長崎屋を任される1年と、短編集でも巻ごとに話が進みます。アニメで知っている話でも1巻から読んでおいたほうが、どの出来事が先にあったかを取り違えずに済むと考えています。
しゃばけシリーズについてよくある質問
- しゃばけシリーズは何巻まで出ていますか?
-
2026年9月時点で、本編は2026年7月29日に出た第25弾『おにがわらう』まで出ています。ほかに文庫オリジナルの外伝が『えどさがし』『またあおう』の2冊あります。文庫になっているのは第22弾『いつまで』までです。
- しゃばけシリーズは完結していますか?
-
完結していません。2026年7月に第25弾が出ており、新潮社は2026年をシリーズ25周年としています。第26弾の予定は、2026年9月時点で発表されていません。
- しゃばけのアニメの原作は何巻ですか?
-
アニメの公式サイトが原作として挙げているのは、文庫の『しゃばけ』『ぬしさまへ』『ねこのばば』(1〜3巻)と漫画版『しゃばけ』です。1作目の長編が話の軸になっています。アニメの続きを読むなら、1〜3巻を読んだうえで第4弾『おまけのこ』へ進むのが確実です。
- 若だんなは結婚しますか?
-
第13弾『すえずえ』で許嫁の話が持ち上がり、第18弾『てんげんつう』の紹介では於りんが「許嫁」として出てきます。2026年9月時点の新潮社の紹介文からは、結婚したかどうかは分かりません。
- 「しゃばけ」とはどういう意味ですか?
-
漢字で「娑婆気」と書き、現世に執着する心や、世俗的な名誉・利益を求める心を指す言葉です。
- しゃばけはAudibleで聴けますか?
-
聴けます。2026年9月時点で、本編の1〜23巻と外伝『またあおう』がAudibleにあり、1〜20巻は聴き放題の対象です。第24弾『あやかしたち』、第25弾『おにがわらう』、外伝『えどさがし』は、Audibleのシリーズ一覧に入っていません。
まとめ|しゃばけシリーズは1作目『しゃばけ』から刊行順に
- 読む順番:1作目『しゃばけ』(2001年)から第25弾『おにがわらう』(2026年)まで刊行順に
- 外伝:『えどさがし』『またあおう』は本編より先の時間の話を含むので、本編を読み進めてから
- アニメを見た人:原作の1〜3巻を読んでから第4弾『おまけのこ』へ
- 文庫で読むなら:2026年9月時点で第22弾『いつまで』まで。第23〜25弾は単行本だけ
ほかのファンタジー小説を探すならファンタジー小説のおすすめ30選、耳で聴けるものならAudibleのファンタジー小説おすすめ9選、江戸を舞台にした小説なら宮部みゆきのおすすめ10選も参考にしてください。次に読む本を自分の好みに合わせて選んでほしい場合は、読書タイプチェックをもとに本を選ぶ選書サービス「雨音選書」もあります。










