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アガサクリスティーのおすすめ小説10選!隠れた名作や作品の魅力も解説
イギリスの作家アガサクリスティーの本は、ベストセラー小説として各国で読みつがれています。
日本国内でもドラマ化されている小説も多く、ご存知の方も多いでしょう。
アガサクリスティーの小説の中でも、おすすめの作品を紹介しています。
アガサクリスティーのおすすめ小説10選
「ミステリの女王」とも呼ばれるアガサクリスティーのおすすめ小説10選は以下のとおり。
話題を巻き起こした作品もありますよ。
そして誰もいなくなった
絶海の孤島に、謎の「オーエン夫妻」から招待された8人の客と使用人夫婦。
それぞれ罪人であると音声が流れ、童謡の「10人の兵隊」の歌詞の内容に沿って殺されていきます。
殺人とともに兵隊のオブジェも順々に減り、怯える当事者達。
では、最後の生き残りが犯人なのでしょうか。
いわゆる「見立て殺人」のジャンルに属し、緊迫感のある内容で人気の作品。
アガサクリスティーは同名の舞台用の脚本も書いています。
実は「10人の兵隊」の童謡の作詞者は2人いて、結末がそれぞれ異なるのです。
舞台用にはもう1つの歌詞を採用し、小説版とは違うエンディングが用意されています。
オリエント急行の殺人
中東での仕事を終えた探偵のエルキュール・ポアロ。
帰途の「オリエント急行」は満員でしたが、乗り合わせた電車会社の重役の計らいで、一等客室を空けてもらうことになりました。
大雪のため、クロアチアで急行が立ち往生し、殺人事件が発生します。
刺殺された大富豪は、アメリカの少女の誘拐と殺害事件の容疑者だと発覚。
ポワロは、居合わせた医師や重役とともに捜査を開始します。
一等客室の乗客達は、貴族や軍人、庶民とさまざまで一筋縄ではいきません。
それぞれの目撃証言や鉄壁のアリバイに苦労します。
結局のところ、誘拐事件の被害者と縁がある人物が多数を占めることが判明しました。
ポワロの事件の報告は2つ、果たしてどちらが正しいのでしょうか。
アクロイド殺し
夫に先立たれた夫人が睡眠薬を飲みすぎて、亡くなります。
薬の量を間違えたのではなく、自殺をしたのではと噂になりました。
夫人の交際相手と目される富豪のアクロイド氏が、友人のシェパード医師に相談します。
彼女の自殺は確かなようで「夫を毒殺した。恐喝されている」と夫人から告白されたとのこと。
アクロイド宛に、卑劣な恐喝犯の名前が書かれた夫人の手紙が届けられます。
医師の心配をよそに、一人で手紙を読むことにしたアクロイドは何者かに殺されてしまいました。
偶然にも医師宅の隣に、探偵ポワロが引っ越してきて、事件の捜査を依頼されます。
ポワロに事件簿の作成を勧められたシェパード。
殺人の容疑者は被害者の義理の甥、義妹、姪、使用人、見慣れぬ若者などです。
こちらの小説は、犯罪から目をそらすためのトリックが用いられていることで有名です。
読者に対して「犯人の情報が隠されていて公正ではない」と、批評家や同業の作家の間で話題になりました。
ABC殺人事件
ポワロと友人ヘイスティングス大尉の住まいに、ABCを名乗る人物から「アンドーヴァーを警戒するように」と犯罪予告の手紙が届きます。
書かれた日付のとおりに、アンドーヴァーのタバコ店の経営主アッシャー夫人が殺害され、ABC鉄道案内が置かれていました。
その次は、犯行予告の通りにベクスヒルでイニシャルがBBの奔放な若い女性。
チャーストンでCCのイニシャルをもつ老齢の裕福な男性が殺害され、同じようにABC鉄道案内が添えられています。
一向に捜査が進まない警察に苛立ち、被害者の関係者がポワロに志願して、捜査の手伝いを申し出るようになります。
土地とイニシャルが共通する人物をアルファベット順に殺害していくほかに、被害者の共通点が掴めません。
3番めの被害者の妻から、ある人物が訪問していたという証言がもたらされ、それまでの被害者の元にも来ていたことがわかります。
4番目のドンカスターの殺人で、犯人の決定的な証拠があがります。
スタイルズ荘の怪事件
アガサクリスティーのデビュー作。
第一次世界大戦で負傷したヘイスティングス大尉は、兵役を解かれてイギリスに戻りました。
友人の家(スタイルズ荘)に招待され、友人の継母が20歳以上年下の男性と再婚したことに驚きます。
継母が持病のせいで具合が悪くなり、発作を起こして亡くなりましたが、殺人の恐れがあります。
ヘイスティングスはイギリスに亡命中の旧友、ベルギーの元警察官エルキュール・ポアロに捜査を頼むことにしました。
最も疑わしいのは継母の夫で、彼の従妹の継母の友人も、財産目当てだと非難する始末。
しかし、ヘイスティングス大尉の友人やその妻、弟、屋敷に引き取られている若い女性など、疑わしい人物が続々と出てきます。
白昼の悪魔
避暑地スマグラーズ島で休暇を楽しみにきたエルキュール・ポアロ。
島の宿泊客に、実業家と女優の夫婦、実業家の連れ子の娘、実業家の幼なじみのドレスメーカーの女性、女優に恨みをもつ宿泊客、元教師を妻にもつ女優の魅力的な不倫相手など。
一見優雅で魅力的な美しい女優を中心に、事件が起こりそうな雰囲気です。
何となく胸騒ぎを感じたポワロは、「白昼にも悪魔がいる」と雑談相手にもらしてしまいます。
恐ろしいことに、白昼堂々と女優が不倫相手との待ち合わせの場で殺害されます。
彼女の夫は疑わしいですが、立派なアリバイが存在するのです。
女優に恨みをもつ者は多く、捜査は難航します。
パディントン発4時50分
友人のミス・マープルに会おうと、パディントン発4時50分の電車に乗った女性。
隣の電車で女性が男性に首を絞められている光景を目撃します。
ことの顛末を聞いたミス・マープルは友人と警察に話をしますが、遺体も見つからず殺人の証拠もみつかりません。
鉄道会社に勤務する甥の息子から、路線について詳しく聞き、ミス・マープルは目撃証言に合う家屋敷を探し出します。
ミス・マープルだけでは内部捜査が難しいため、旧知の切れ者の家政婦ルーシーに依頼し、潜入捜査を依頼。
ルーシーの働きにより敷地の石棺から女性の遺体がみつかります。
しかし、動機が分からぬまま第二、第三の連続殺人が起こってしまいます。
予告殺人
田舎町のタウン誌に、レティシア・ブラックロックの住まいで殺人を案内する広告が載せられました。
レティシア本人は知らずに驚き、同居する甥のいたずらだろうと考えます。
近所の人が好奇心を抑えきれずに集まってしまいます。
予定の時刻になると灯りが消え、「手を上げろ」と男の声がし、銃声が響き渡りました。
犯人の男が死亡し、館の主人レティシアがけがをする事件が起こります。
名付け親のクリザリング卿から、事件に興味をもつミス・マープルを紹介された担当のクラドック警部は戸惑います。
一緒に調べていくと、かつて勤務していた会社の大富豪からレティシアが遺産相続人に指定されていることが判明。
犯行の本命はレティシアで、犯行に及んだ男は口封じに殺されたという見方が出てきました。
大富豪の親族やレティシアの甥や姪、外国人のメイドなど怪しい人物の影がちらほら。
村人やレティシアの友人が殺人鬼の手にかかってしまいます。
火曜クラブ
ミス・マープルシリーズの短編集。
集まりに出席した人が、一般的には知られていない解決されていない謎を持ち出して、話をする会合から、書籍名が作られています。
前編はミス・マープルと甥とそのガールフレンドのジョイスを中心としたメンバー、後編はヘンリー卿の友人バントリー夫妻と招待客のメンバー。
前編と後編と共通する登場人物は、ミス・マープルと警視総監のヘンリー・クリザリング卿(ヘンリー卿)。
人が語った話から推理していく、いわゆる安楽椅子探偵ものです。
ミス・マープル以外は解決できません。
一見、編み物が趣味の可愛らしいおばあちゃんといった雰囲気のミス・マープル。
犯罪とは結びつかなそうな彼女が、自分が観察した人間の性質を通して解決に導いていく様子が痛快です。
カーテン
エルキュール・ポアロ最後の事件のタイトル。
ポワロがイギリスで最初に解決した現場、スタイルズ荘が舞台となっています。
病気で体調がすぐれないポワロはスタイルズ荘に滞在し、旧友のヘイスティングス大尉を招きます。
複数の殺人事件に関わる犯人の証拠を掴むため、動けないポワロに代わって捜査に当たるように依頼。
ヘイスティングス大尉や娘のジュディスにも狡猾な罠が仕掛けられるのです。
ポワロは犯人の名前を明かさぬまま、ヘイスティングス大尉にヒントを残し、自らの死に及んである決断を下します。
アガサクリスティーとは
アガサクリスティーはイギリスの南西部デボンシャー出身の作家です。
多数の推理小説を発表し、別名「ミステリーの女王」と呼ばれ、イギリス推理作家同士の親交を目的とする会「ディテクションクラブ」の4代目の会長を務めました。
個人で最も多くの国の言語に翻訳されている作家でも有名です。
1971年、功績が認められイギリスでの叙勲を受け「デイム・アガサ」という称号を得ます。
アガサクリスティー作品の魅力
アガサクリスティーの作品は、緻密なトリックで人気です。
薬剤師としての経歴を生かして、毒薬を使った殺人事件。
海外での滞在経験を生かして、中東を舞台にした異国情緒あふれる舞台なども目を引きます。
単に事件を追うだけでなく、人物の描写にも優れていて、親しみやすい人物を造形するのも魅力の1つです。
有名な灰色の脳細胞をもつベルギー出身の探偵ポワロ、ごく平凡で優しげな高齢の婦人ミス・マープルが探偵を務めるシリーズがよく知られています。
アガサクリスティーのおすすめ小説を読んでみよう
簡単ではありますが、おすすめのアガサクリスティーの作品を10作紹介しました。
興味がありましたら、ぜひ一読をおすすめします。