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イヤミスとは?おすすめ長編10選、短編10選を紹介!人気作家も
近年、じわじわと人気が高まっている「イヤミス」。この独特なジャンルの小説は、人気作家の作品がドラマや映画化されることで、より多くの人々の目に触れるようになってきました。
本記事では、イヤミスのおすすめ長編10選、短編10選をご紹介します。短編集は比較的短時間で読み切ることができ、テンポよく様々な作品を楽しめるため、イヤミス入門としても最適です。また、イヤミスの定義や魅力、人気作家についても詳しく解説していきます。
イヤミスとは何か?
イヤミス(嫌ミス、いやミス)とは、「嫌な気持ちになるミステリー」の略称です。読了後に読者を不快な気分にさせる、救いのない結末や、悲しみや無力感に満ちた展開が特徴です。しかし、そのネガティブな感情こそが、逆説的に読者を惹きつける要因となっています。
従来のミステリーとは異なり、イヤミスでは必ずしも事件の解決や犯人の逮捕といったカタルシスが得られるわけではありません。むしろ、人間の暗い側面や社会の歪みを鋭く描き出すことで、読者に深い考察を促します。
イヤミスの魅力
イヤミスの最大の魅力は、その心理描写の深さにあります。登場人物の内面に深く踏み込むことで、自身の心の闇と向き合うことになります。また、緻密に張り巡らされた伏線と、それが回収される瞬間のスリルによって、作品の世界に没頭できるでしょう。
イヤミスは社会問題や人間関係の機微を鋭く描写することが多く、現代社会への批判的な視点を提供します。この現実との近接性が、読者に「自分の身にも起こりうる」という恐怖と共感を同時に与えるのです。
イヤミスの人気作家
人間の心の内を巧みに表現する「湊かなえ」、狂気に満ちた世界観の「沼田まほかる」、妙にリアルに感じるイヤミスの「真梨幸子」はイヤミスの三大女王と呼ばれています。
イヤミスの三大女王
- 湊かなえ
- 沼田まほかる
- 真梨幸子
イヤミスの世界を堪能したい方におすすめの作家さんたちです。イヤミスの三大女王の作品も紹介していくのでぜひご覧ください。
イヤミスのおすすめ長編10選!
物語のどんでん返しや、人間の欲望や嫉妬、罪などをリアルに描く展開は、一度読み始めると引き込まれ、最後まで止まらなくなる中毒性があります。そんなイヤミス作品の中でも、長編でじっくり楽しめるおすすめの10作品を厳選しました。思わず息を呑む衝撃の結末や、読む手が止まらなくなる心理描写をお楽しみください。
告白
湊かなえの「告白」は、デビュー作でありながら「週刊文春ミステリーベスト10」や本屋大賞で1位に輝いた傑作ミステリーです。
物語は、娘を失った女性教師が生徒たちに語りかける「告白」から始まります。教師、生徒、犯人、家族などの視点から語られる「告白」形式で、真実が次第に明らかにされ、張り巡らされた伏線がつながる瞬間には、思わず息を呑むことでしょう。冷酷で淡々とした語り口が衝撃を増し、結末に至るまで緊張感が張り詰めます。
リバース
湊かなえの「リバース」は、TBS金曜ドラマ化もされた緊迫のヒューマンミステリー。
主人公・深瀬和久は、コーヒーを愛する平凡なサラリーマン。しかし、「深瀬和久は人殺しだ」という謎の手紙が彼の日常を揺さぶり、大学時代の仲間4人にも同様の手紙が届くことで物語は急展開します。
深瀬が手紙の主を追う中で、仲間たちの知られざる一面が明らかになり、友情や贖罪の意味が浮き彫りに。最後の最後に待ち受ける衝撃のどんでん返しが、読者を湊かなえワールドへと引き込みます。
殺人鬼フジコの衝動
「殺人鬼フジコの衝動」は真梨幸子の作品。
虐待や貧困の中で育ち、男運にも恵まれず、運命に翻弄されながら殺人の道を歩むフジコの生涯を描いた衝撃的な物語です。次々と殺人を重ねるフジコの姿には、不遇や嫉妬、見栄、欲望といった負の感情が色濃く渦巻いています。
はしがきからあとがきまでが物語。最後の一行は衝撃です。陰鬱で不穏な結末が心に残る、イヤミスの真髄ともいえる作品です。
ユリゴコロ
「ユリゴコロ」は、沼田まほかるによるイヤミスの傑作です。
主人公・亮介が実家で見つけた数冊のノート。そのノートは幾度も殺人を犯した人間の内面が細かく描かれている手記でした。この手記を残したのは誰なのか、そしてそれが自分の家にあった理由とは。
湿度を帯びた筆致で描かれる、人間の暗い情念と謎に惹き込まれる物語です。
鬼畜の家
北川家で次々と発生する不審死の背後に潜む、驚愕の実態を描いた物語。
家族を次々と手にかけ、保険金や資産を巧妙に奪っていく母親の姿。唯一生き残った末娘の視点から語られる異常な家庭の全貌と、母による計画的な犯罪には震撼させられるばかり。どんでん返しが仕込まれた結末は、読後に嫌悪感さえも味わわせる究極のミステリーです。
さんくすないと
深夜のデパ地下で行われるイベント「サンクスナイト」に当選した12人の女性。この夜、彼女たちはスイーツやお惣菜を自由に食べ尽くす特権を与えられます。閉ざされた空間で次第に嫉妬や憎悪、欲望がむき出しに。
食欲をそそる美味しそうな描写と、血や汚物が飛び交うグロテスクな情景が強烈に表現されています。誰が何のためにこの状況を作り出したのか、謎解きのような展開に引き込まれるでしょう。
GOTH リストカット事件
「GOTH リストカット事件」は、乙一による6篇の連作短編集で、第3回本格ミステリ大賞を受賞したミステリーです。
高校生の「僕」と、クラスメイトの森野夜を中心に展開。森野が拾った手帳をきっかけに、2人は山中の死体に遭遇するなど、異常な犯罪に巻き込まれていきます。
各章で異様な事件やグロテスクな描写が描かれますが、短編の終わりには不思議と嫌悪感が薄れ、意外なほど読後感はスッキリ。ミステリーならではのトリックが冴え渡る一冊です。
ボトルネック
主人公がたどり着いたパラレルワールドでは、産まれてこなかったはずの姉が存在し、その世界では全てが順調に進んでいることに気付かされることに。自分のいない世界の方が周囲が幸せに見える現実に、主人公は自身の価値を見失い、生きる意味を問いはじめます。
物語が進む中で張り巡らされた伏線や推理が冴え渡り、ラストには深い余韻と哀しみが感じられる物語です。人生の価値について考えさせられる一冊でしょう。
代償
過去の因縁が絡み合うスリリングな展開が魅力の作品。物語は、主人公・圭輔の学生時代における苦しい経験と、物語の鍵を握る達也の複雑な人間性を描く第一部から始まります。そして、第二部では弁護士となった圭輔が達也の弁護を引き受けることに。最後まで手に汗握る展開が続き、圭輔が向き合う「代償」の重みが読者に深い印象を残す一冊です。
連続殺人鬼カエル男
ある街を舞台に起こる連続殺人事件を描いたスリリングなミステリー。2020年の「このミス」大賞ドラマシリーズ「連続殺人鬼カエル男」の原作小説です。
若手刑事の視点を中心に物語が進んでいき、次々と犠牲者が現れる中で、被害者の共通点や犯人像、次のターゲットが謎に包まれ、読者を引き込んでいきます。著者ならではの二転三転するクライマックスの展開が息をつかせません。
イヤミスのおすすめ短編10選!
ここでは、イヤミス短編集を紹介します。これらの作品は、それぞれ異なる角度からイヤミスの魅力を堪能できる逸品ばかりです。短編集という形式は、読者が様々な作風や主題を比較的短時間で楽しめるという利点があります。
イヤミス短編集
真梨幸子のイヤミス短編集。タイトル通りの裏切らないイヤミスの短編集です。真梨幸子らしい6つの作品がつまっています。イヤミスに心が持つか心配な人はまず読んでほしいおすすめの一冊です。
表紙のショートケーキもポップですが、どこか毒々しくてイヤミス感を演出してくれます。読み終わるころにはイヤミスの魅力にハマっていることでしょう。
あなたの不幸は蜜の味イヤミス傑作選
辻村深月、宇佐美まこと、篠田節子、王谷晶、降田天、乃南アサ、宮部みゆきの人気女性作家のイヤミスのアンソロジー。それぞれの作家さんの特徴が出る作品が集まっていて読み応えがあります。
女性特有の嫌な部分を人気作家7人がしっかりと描いてくれています。イヤミス特有のどんでん返しに心がハラハラさせられるイヤミス傑作選です。
「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」
江戸川乱歩の作品を現代風にアレンジした短編集です。江戸川乱歩の7作品を歌野晶午が最新テクノロジーを使って大胆にアレンジしています。後味の悪さもどんでん返しもばっちりです。生々しい人間の醜さを味わえます。江戸川乱歩好きの方にぜひ読んでいただきたいです。
汚れた手をそこで拭かない
普通の日常にじわりじわりと恐怖が近づいてくることがリアルに感じられる作品です。白がどんどん黒に変わっていくように主人公がイヤミスの世界に引き込まれていきます。作品のリアルさがまるで自分の事のように感じてしまう恐さがある作品です。日常に刺激が欲しい方におすすめです。
許されようとは思いません
芦沢央の短編集。全部で5話の主人公たちが追い詰められていく様子に読んでいる側も息苦しくなります。「姉のように」では多くの人が重く苦しい気持ちになることでしょう。苦しい中に伏線が張り巡らされているので目が離せません。読後にタイトルの「許されようとは思いません」が重くのしかかってくる作品です。
江戸川乱歩傑作選
大正、昭和に活躍した江戸川乱歩。「イヤミス」という言葉がまだ世に出ていない頃にイヤミスを書いていた偉人です。長く愛されている江戸川乱歩の作品たちは「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」などアップデートされて今でも根強く人気です。ぜひ、昭和の狂気に満ちた強烈なイヤミスを体験してください。
痺れる
沼田まほかるの短編集。彼女らしい気持ち悪く、エグい9話が楽しめます。老女が秘密を独白する「林檎曼荼羅」、中年女性の不穏な衝動を描いた「ヤモリ」など9話の救われない悪夢に引き込まれてしまいます。一度読んだら止まらない短編集です。沼田まほかるの特徴を1冊で網羅できます。沼田まほかるが気になる方にはぜひ、手に取ってみてください。
望郷
イヤミスの女王、湊かなえの短編集。2016年には特別ドラマとしてテレビ放送された人気短編集です。湊かなえの出身地、瀬戸内海の因島をモデルに描かれた作品です。小さな町の閉鎖感が重く辛くリアルに表現されています。短編集ならではのテンポ感で読むことができて、伏線の回収も鮮やかです。読み終わった後はイヤミスならではの気持ちよさがあります。
ハッピーエンドにさよならを
「ハッピーエンドにさよならを」は、歌野晶午による全11話の短編集。タイトル通り、すべての物語がハッピーエンドとは縁遠く、リアリティ溢れるバッドエンドが描かれています。身近な題材が中心ながらも、予想を超える展開に引き込まれ、驚きと読み応え抜群です。少しダークな物語を楽しみたい方にぴったりの一冊です。
私たちが星座を盗んだ理由
ファンタジーな物語から現実的な話まで、多彩な世界観が広がる5話の短編集です。最後の一行で予想外の結末を迎え、読者を驚かせるどんでん返しが魅力となっています。
ブラックファンタジーやイヤミスの要素もたっぷり詰め込まれており、スリルと不気味な余韻を楽しめます。特に表題作のラストは、タイトルから想像するようなファンタジーな印象を裏切るような衝撃の展開が待っており、イヤミス好きにはたまらない一冊です。
まとめ:おすすめのイヤミス小説
本記事では、イヤミスのおすすめ長編10選と短編10選を紹介しました。これらの作品は、人間の醜さや社会の闇を鋭く描き出しています。人気作家たちの巧みな筆致により、日常に潜む非日常的な出来事が生々しく描かれ、読者を作品世界へと引き込みます。
イヤミスの魅力は、その後味の悪さにこそあります。読了後も長く心に残る余韻は、読者に深い思索をもたらし、時には自身の生き方や社会との関わり方を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。
怖いもの見たさの好奇心から、あるいは文学的探究心から、ぜひこれらの作品を手に取ってみてください。イヤミスの世界が、あなたの文学体験に新たな一頁を加えることを願っています。