中学生におすすめの感動小説10選！人気作品と選び方のポイントを解説

中学生にとって、本との出逢いは人生において大切なことを学べる素晴らしい機会です。読書は新しい知識を得られるだけでなく、時に寄り添い、心の支えとなってくれます。

この記事では、中学生におすすめの『感動小説』を紹介します。「読書が苦手」という方向けに、本の選び方についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

これから読書に挑戦したいという方も、もっとおもしろい本を知りたいという方も、お気に入りの一冊を見つけてみましょう。

中学生におすすめの「本の選び方」

中学生が感動小説を読む際の、「本の選び方」について解説します。

「どんな本を読めばいいかわからない」「自分に合っている本を見つけたい」という方は、次のポイントをおさえて選書してみましょう。

興味のあるジャンルから選ぶ

スポーツ、恋愛、ミステリー、伝記など、「感動小説」と呼ばれる作品のジャンルは多岐に渡っています。どの本を読むか迷った時は、「自分の興味のある分野」から手に取ってみてください。アニメや映画などの原作小説から選ぶのもおすすめです。

まずは「気になったタイトル」から気軽に読んでみましょう。

本の長さで選ぶ

「本の世界に没頭したい！」という方はシリーズ物の小説、「読書が苦手で一冊読み切れるか不安…」という方はサクッと読める短編集がおすすめです。感動小説に限らず、本にはいろいろな長さの作品があります。一冊でひとつの話が完結するものや、一冊の中にまったく異なる作品がいくつか収録されているもの、短編集でありながら登場人物や世界観がつながっているものなど、作品によって実にさまざまです。

自分の読書スタイルに合わせて、読みやすい長さの本を選んでみてください。

中学生におすすめの感動小説10選

中学生におすすめの感動小説を紹介します。

『カラフル』森絵都

1998年に刊行された、名作青春小説です。産経児童出版文化賞を受賞しており、2010年にはアニメ映画化されました。

主人公は、生前の罪により輪廻のサイクルからはずされた「ぼく」。天使業界の抽選にあたり、自殺を図った少年・小林真の体にホームステイして「修行」をすることになりました。自分の罪を思い出すために「小林真」としての生活を強いられた「ぼく」が、苦悩や葛藤を乗り越え自分を見つめ直す様子が描かれています。

家族や友人との関係に悩む学生に優しく寄り添ってくれる作品です。読みやすい文体で描かれているので、読書に馴染みがない方にもおすすめ。

『1リットルの涙』木藤亜也

1人の若い女性が、中学生の時に発症した難病と闘った実話を記した作品です。2005年にテレビドラマ化され、大きな反響を呼びました。

15歳の夏に「脊髄小脳変性症」を発症した少女・亜也。数々の苦難が襲いかかる中、日記を書き続けることが彼女の生きる支えでした。徐々に身体が動かなくなってしまう中で、懸命に前を向く著者の姿が描かれています。「生」や「幸福」について、あらためて見つめ直すきっかけとなる一冊です。

『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス

アメリカの作家ダニエル・キイスの代表作で、世界的ベストセラーとなった作品です。

主人公は、幼児並みの知能しかない32歳のチャーリー・ゴードン。知能を向上させるという特別な手術を受け、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に「天才」へと変貌していく様子が描かれています。この作品の特徴は、「チャーリーの日記」という形で物語が進んでいくところ。ひらがなだらけの文章が徐々に難解になっていく様子に、チャーリーの変化を生々しく感じることができます。ぜひ読んで欲しい一冊です。

『風が強く吹いている』三浦しをん

箱根駅伝を目指す大学生たちを描いた青春小説です。2009年に実写映画化、2018年にテレビアニメ化されました。

主人公は陸上の天才、蔵原走。とある事件をきっかけに「二度と陸上競技はしない」と決めた彼が、大学の先輩ハイジと出逢い、初心者ばかりの仲間と共に箱根に挑戦する様子を綴っています。見どころは個性豊かな10人のメンバー。ぶつかり合い、認め合いながら切磋琢磨する様子に胸が熱くなる作品です。

長編小説ですが、わかりやすく親しみの持てる文体で綴られています。読書に慣れていない方にもおすすめの作品です。

『西の魔女が死んだ』梨木香歩

感動小説の傑作ともいわれる作品です。2008年に実写映画化されました。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まい。西の魔女と呼ばれるおばあちゃんから「魔女の手ほどき」を受けますが、魔女修行で大事なことは『何でも自分で決める』ということでした。喜びも希望も、もちろん幸せも─……。

登場人物の心の内側がとても丁寧に、美しく描かれています。人生で大切なことは何かを教えてくれる、おすすめの作品です。

『青空のむこう』アレックス・シアラー

イギリスの小説家、アレックス・シアラーの代表作です。

交通事故で突然命を落とし、死者の国へ行った少年ハリー。彼方の青い世界へ行くはずでしたが、「やり残したこと」のために死者の国で出逢ったアーサーを連れて住んでいた街へ舞い戻ります。家族のあたたかい愛や、いまを生きる大切さを教えてくれる感動の作品です。切ないストーリーの中にたくさんのユーモアが詰め込まれています。

とても読みやすい作品ですので、ぜひ手に取ってみてください。

『かがみの孤城』辻村深月

2018年に本屋大賞を受賞した作品です。ベストセラーの人気作品で、2022年に劇場アニメが上映されました。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた主人公のこころ。突然光り始めた鏡に城のような不思議な建物が現れ、こころと似た境遇の7人が集められていました。なぜこの7人がこの場所に集められたのか─…。思春期の葛藤や苦悩が繊細に描かれた本作は、深い感動と共感を得られます。ぜひ多感な10代に読んで欲しい、おすすめの作品です。

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ

イギリスで暮らす著書と中学生の息子を綴ったノンフィクション小説です。発刊以降さまざまな賞を受賞し、話題となりました。

人種も貧富の差もごちゃまぜの元底辺中学校を舞台に、著者と息子の思いもよらない日常の様子が描かれています。人種差別的な移民の子やジェンダーに悩む少年など、まるで世界の縮図のような学校での出来事を痛快に綴った本作。英国の文化や時事問題もわかりやすく綴られています。

読んだ後は、見える世界を広く感じることができるはず。落涙必至のリアルストーリーです。

『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』汐見夏衛

小説投稿サイトの作品が元になった、累計発行部数100万部以上のヒット作です。2023年に映画化され話題となりました。

すべてに反発し家を飛び出した中学2年生の百合。目を覚ますと戦時中の日本にタイムスリップしていました。偶然出会った彰の誠実さと優しさに惹かれていく百合ですが、彼は特攻隊員で、命を懸けて戦地に飛び立つ運命だったのです。

涙なくしては読めないストーリーは必読。戦争について深く考えさせられる作品です。

『図書館戦争シリーズ』有川浩

2006年に刊行されて以降、多くの人から支持されているベストセラー小説です。映画をはじめ、コミカライズやテレビアニメ化で大ヒットしました。

近未来の日本を舞台に、「本」を守るため闘う人々を描いた本作。SF小説でありながら恋愛要素やヒューマンドラマが多面的に盛り込まれており、読み応えのある作品です。登場人物のいきいきとした描写に読む手が止まらないという声も。読後は清々しい爽やかな感動と満足感が得られます。読書好きの中学生にぜひ読んで欲しい作品です。

お気に入りを見つけて感動の読書体験をしよう

中学生におすすめの感動小説はさまざまなジャンルにまたがっています。自分の興味のある分野や読書スタイルに合わせて、気軽に本に触れてみましょう。読書を通して、広い世界を感じてみてください。