桜庭一樹は、ライトノベルから文学作品まで幅広く手がけている作家です。少女の繊細な成長や葛藤を描いた作品が多く、純粋さと残酷さを共存させた独特の世界観が人気を博しています。
この記事でわかること
- 桜庭一樹のプロフィールと代表作
- 作品選びのポイントとコツ
- 桜庭一樹のおすすめ小説8選
- 桜庭一樹の選書に関するFAQ
この記事では、桜庭一樹さんのおすすめ小説を紹介します。選書のポイントも解説しますので、あわせてご参照ください。
目次
桜庭一樹とは?経歴と主な作品
桜庭一樹さんは、1971年鳥取県生まれの作家です。1999年にライトノベル作家としてデビューし、2003年に刊行した「GOSICK -ゴシック-」シリーズで注目を集めました。2007年「赤朽葉家の伝説」で日本推理作家協会賞、2008年「私の男」で直木賞を受賞しています。
代表作
2003年「GOSICK -ゴシック-」
2004年「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」
2005年「少女には向かない職業」
2006年「赤朽葉家の伝説」
2007年「私の男」
桜庭一樹の作品選びに迷ったら
桜庭一樹作品の選書のポイントを解説します。
受賞歴のある作品から選ぶ
ライトノベルから一般文芸まで、さまざまなジャンルで受賞歴のある桜庭一樹さん。選書に迷ったら、高い評価を得た作品から選んでみましょう。
1999年「夜空に、満天の星」(改題:AD2015隔離都市 ロンリネス・ガーディアン)ファミ通エンタテインメント大賞佳作
2004年「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」このライトノベルがすごい!3位入賞
2007年「赤朽葉家の伝説」日本推理作家協会賞受賞
2007年「私の男」直木賞受賞
映像化作品から選ぶ
桜庭一樹さんの作品は映像化もされています。原作となった小説を読んでみましょう。
2006年「少女には向かない職業」ネットドラマ化
2011年「GOSICK -ゴシック-」テレビアニメ化
2012年「伏 贋作・里見八犬伝」映画化(映画版タイトル:伏 鉄砲娘の捕物帳)
2014年「赤×ピンク」映画化
2014年「私の男」映画化
桜庭一樹のおすすめ小説8選
桜庭一樹さんのおすすめ小説を紹介します。
「GOSICK -ゴシック-」
リンク
2004年に刊行されたミステリー小説です。桜庭一樹さんの代表作のひとつであり、テレビアニメ化されています。
舞台は20世紀初頭、ヨーロッパの架空の小国ソヴュール。名門学園に通う留学生・久城一弥は、図書塔に住む天才少女ヴィクトリカと出会う。不愛想で天邪鬼、意地っ張りな彼女に振り回されながら、一弥は数々の難事件に巻き込まれることに──。
ミステリーと青春が交錯する人気シリーズです。桜庭一樹さんの作品を初めて読む方におすすめ。
「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」
リンク
2004年刊行のライトノベルです。2007年にコミカライズされています。
「早く大人になりたい」と願う女子中学生のなぎさ。何もない田舎町で過ごしていた彼女は、ある日都会からやってきた転校生・海野藻屑と出会う。純粋さと歪さを交えた藻屑に苛立っていたなぎさだったが、やがて2人は心を通わせるようになり……。
儚い友情と現実の残酷さがぶつかり合う、少女の痛みを描いた青春ミステリーです。
「荒野」
リンク
2008年に刊行された長編小説です。「恋の三部作」と呼ばれる三篇が収録されています。
山之内荒野は、中学1年生の女の子。入学式の日、制服を電車のドアに挟まれてしまったところを助けてくれた少年に心を奪われるものの、なぜか冷たい態度を取られてしまう。
まだ恋を知らない荒野の、甘酸っぱくて瑞々しい成長を描いた作品です。少女から大人の女性になる過程が繊細に綴られています。
「私の男」
リンク
2008年の直木賞受賞作品です。2014年に実写映画化されています。
震災孤児となった少女・花を引き取った淳悟は、父親代わりとして彼女を育てることに。しかし、愛と罪の境界を曖昧にした2人の関係は、やがて破滅的な歪みを帯びてしまい……。
愛情と依存、罪と救済を描いた衝撃作品です。
「赤朽葉家の伝説」
リンク
2006年に刊行されたミステリー小説です。日本推理作家協会賞を受賞しています。
「未来が見える少女」として、鳥取のとある村で伝説となった赤朽葉万葉。彼女を祖母に持つ瞳子は、家族の秘密を探るうちに赤朽葉家の長い歴史と向き合っていくことに。
三世代にわたる女たちの愛と謎、そして喪失を描いた、壮大な家族の物語です。
「赤×ピンク」
リンク
2003年に刊行されたライトノベルです。2014年に映画化されています。
六本木の廃校で夜な夜な開催される非合法格闘技イベント「ガールズ・ブラッド」。さまざまな衣装に身を包み、激しい闘いが繰り広げられるその場所で、まゆ、ミーコ、皐月の3人が抱えきれない少女性をぶつけ合う。
女の子の心の葛藤と成長を真摯に綴った連作短編集です。
「少女には向かない職業」
リンク
2005年に刊行されたミステリー小説です。2006年にネットドラマ化しています。
離島で暮らす中学生・大西葵は、2度も人を殺してしまう。夏休みに1人、冬休みにもう1人。罪を共有した葵と静香の行く先は──?
どうしようもない家庭環境に蝕まれ、闘うしかなかった2人の少女の物語です。
「名探偵の有害性」
リンク
2024年刊行の桜庭一樹さんの最新作です。
かつて名探偵と助手としてコンビを組んでいた50代の男女が、平成の時代を振り返りながら過去の推理を辿る旅にでる。
どこかノスタルジックな読後感を味わえる、新感覚ミステリーです。読みやすい文体でエンタメ性が高いので、読書に慣れていない人にもおすすめです。
桜庭一樹の作品選びに関するFAQ
- 桜庭一樹の小説を初めて読むなら、どの作品がおすすめですか?
-
「GOSICK -ゴシック-」「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」がおすすめです。どちらも少女の機微を主題にしており、桜庭一樹さんらしい世界観を感じることができます。
- 桜庭一樹の作品にはどのような特徴がありますか?
-
人間の成長、とくに10代の少女を描いた作品が多いです。純粋で無垢な感情と残酷な現実が交差する独特の世界観で、幅広い読者層から支持されています。
- 桜庭一樹の直木賞受賞作品は何ですか?
-
「私の男」です。2008年に受賞し、その後映画化されています。父と娘の倒錯的な愛を描いた作品です。
- 桜庭一樹の最新刊は何ですか?
-
2024年8月刊行の「名探偵の有害性」です。SNS社会である現代を舞台に、元探偵が平成初期を振り返る旅の様子が痛快に描かれています。
桜庭一樹の美しくも切ない世界観に没頭しよう
桜庭一樹さんは、繊細で儚げな心理描写と残酷で重苦しい社会の空気感を巧みに描く作家です。どこか甘く切ない文体で、独特の世界観を生み出しています。ぜひお手に取ってみてください。