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西村京太郎のおすすめミステリー10選!作風なども解説!
西村京太郎の作品は、警察や電車が舞台になったドラマに映像化されたり、家庭用のゲーム機でアドベンチャーゲームの原作などになったりして親しまれています。電車のトリックだけでなく、社会派ミステリーや本格推理小説にも力を入れて高評価です。本記事では西村京太郎の魅力とともに、おすすめの10作品を紹介しています。
西村京太郎の作風
西村京太郎の作風や特徴について紹介しています。電車愛好家の人であれば、トラベルミステリーから読むのがおすすめです。
トラベルミステリー(鉄道ミステリー)の先駆者
西村京太郎というと『トラベルミステリー(鉄道ミステリー)』が頭に浮かぶかもしれません。作中の殺人事件の容疑者は、多くの場合鉄壁のアリバイを持つことがほとんどです。トラベルミステリーは一種のアリバイ崩しで、犯人が出張先や旅行先に行く際に利用した電車などから殺人のトリックを暴くというもの。
犯行が可能か判断するやり方は以下の通りです。
- 電車以外に経由できる交通機関を確認する。
- 時刻表に記載されていない電車や停車時刻を探す。
- 在来線や特急など、乗り継ぎが可能な電車などを突き止める。
本格物から社会派ミステリーまで
トラベルミステリー以外の作品も書いています。とくに、初期の作品に見られる特徴です。
- 時事問題をテーマにした社会派ミステリー
- トリックを多用した本格物
- 伏線を回収する謎解きミステリー
作品の中には、場所や犯行可能な人物が限られるクローズドサークル、海外のミステリー作家のオマージュ作品なども見られます。
登場人物の描写が見事
西村京太郎の作品では、登場人物の描き方が魅力的。復讐のために手を染めた犯罪者には、罪を憎んで人を憎まずという気持ちを見せることもあります。被害者であっても人間的に許せない人物には容赦なく叱りつけることも。魅力に満ちた探偵役が大きく支持されています。人気のシリーズを2つ紹介します。
十津川省三警部シリーズ
警視庁刑事部捜査一課の警部、十津川省三(とつがわしょうぞう)が主人公で、上司からも部下からも信頼を寄せられる人物です。部下の『カメさん』こと、亀井定雄(かめいさだお)警部補(当初の役職は巡査部長)たち、『十津川班』のメンバーと殺人事件の捜査を担当。
電車を使った殺人事件の解決に挑むことが多く、警部とカメさんのコンビが乗車してアリバイトリックを崩していきます。容疑者が有力者の場合、上役から捜査を止めるよう圧力がかかっても怯みません。部下による聞き込みや自ら現場に出向いて捜査をし、論理的な組み立てをして冷静に対処していきます。
左文字進シリーズ
アメリカのロサンゼルス出身で、アメリカの弁護士資格を持つ探偵。母は日本人で父はアメリカ人で、日本国内では欧米系の外国人に間違われることも。両親が亡くなり、来日します。
友人の勤務先で起きた誘拐事件(消えた巨人軍)で名を上げて、知り合った女性と結婚。事件をきっかけに、日本に探偵事務所を開設。ヘミングウェイの作品を愛読し、フェアプレーを信条としています。
西村京太郎ミステリー!おすすめ作品10選紹介!
西村京太郎のおすすめミステリーを10編紹介します。なお、トラベルミステリーについては、執筆当時から時間が経過していて、現在では廃線になった電車や路線も。ドラマなどの作品では、小説の設定と変更が見られることもあります。
『終着駅(ターミナル)殺人事件』
表題の『終着駅』は、当時の寝台特急の終着駅である上野駅。旧友の教師から『教え子の女性が行方不明』と相談されて、青森出身の亀井刑事が彼女の行方を探すサブストーリーが挟まれ、登場人物の鬱屈した心や故郷に対する気持ちを強く印象づけています。
青森の高校の同級生同士7人で『卒業して7年経ったら一緒に帰省しよう』と約束していました。上野発の寝台特急ゆうづるに乗車する計画を立てましたが、6人しか集まらすに仕方なく出発。上野駅のトイレでは、同級生の男性の遺体が発見、その後連続殺人事件が起こります。最後の生き残りの犯行が疑われますが、十津川警部は実行不可能と判断しました。
『天使の傷痕(しょうこん)』
本作品は、薬害事件を扱った社会派ミステリー。第11回江戸川乱歩賞を獲得した作品です。犯人探しに終わらず、被害者側の今後を考えさせられる結末となっています。
新聞記者の田島は、彼女の昌子とハイキングデートに。その途中、胸に傷を負った男が『テン』とダイイングメッセージを発して絶命。犯人は見当もつきません。田島の調査では、被害者はゴシップ記事を売り込み、ネタとなった人物から金を強請っていました。田島は本格的に調査をし、被害者のメモから『テン』は天使に関することと判明します。
『炎の墓標』
十津川警部シリーズで、海洋開発の環境汚染問題を扱った社会派ミステリー。(トラベルミステリーではありません。)国を代表する大企業の姿勢が問われる作品です。
新太平洋石油に、『マラッカ海峡を航海中のマンモスタンカーを爆破する。100万ドル支払えば爆破を中止する』という電話連絡が入りました。身代金の振込先は、バリ島にある小さな店舗。爆破の方法や犯人の狙いはよくわかりません。十津川警部と部下の亀井が現場に急いで出向きますが、犯人の罠が仕組まれていました。
『七人の証人』
本作品は十津川警部が登場しますが、限られた場所に閉じ込められたクローズドサークルものの作品。(西村京太郎作のテレビゲームで、似た設定の作品あり。)十津川警部は捜査の腕を買われて、事件の検証役兼依頼者のガード役を務めています。
帰宅途中に不本意ながら拉致された十津川警部と7人が目を覚ましました。『亡き息子の無罪を晴らすため、7人の殺人事件の証人が正しいのか、調査をしてほしい』と男性から依頼。犯行の舞台はある孤島で再現し、解決するまでは出られません。十津川の聞き取りで、証人たちは事実と異なる証言をしたと判明。その上、連続殺人事件が起きてしまいます。
『名探偵なんか怖くない』
国内外のミステリー中の探偵を元にしたオマージュ作品。大富豪が未解決の三億円事件の謎を解くため、国内外の探偵を集めて推理を競い合わせます。登場人物同士で相手の捜査法などを批判したり、手掛けた事件の話をしてネタバレをしたりする場面も。(探偵役の作品を読了していない人は要注意。)
本作品で登場した探偵は以下の4名。
- エラリー・クイーン(エラリー・クイーン作)
- メグレ警部(ジョルジュ・シムノン作)
- エルキュール・ポアロ(アガサ・クリスティー作)
- 明智小五郎(江戸川乱歩作)
『消えた巨人軍(ジャイアンツ)』
左文字進シリーズで、誘拐事件を扱ったサスペンスもの。往年の名選手(ジャイアンツやタイガースの関係者)がそのまま登場人物に。60代後半の野球ファンにおすすめです。本作品はドラマ化され、巨人軍と同系列のテレビ会社で放映されました。
ペナントレース終盤、優勝がかかった巨人対阪神の3連戦。巨人関係者は甲子園球場に新幹線で移動。しかし、大阪の常宿から『予約の翌日になってもまだ到着していない』と連絡。1戦目の試合開始まで数時間程度しかありません。巨人の広報課長は友人の左文字に選手たちを見つけるよう依頼。熱烈な巨人ファンの警視庁の警部、球団社長秘書とともに極秘で調査を開始します。
『寝台特急(ブルートレイン)殺人事件』
西村京太郎がトラベルミステリーを本格的に書くきっかけになった作品。作者も気に入っている作品の1つだということです。あまり電車になじみがない人でも、アリバイが崩れたときにすっきりしたように感じられます。本作品では、十津川警部は部下の情報を集めて推理する安楽椅子探偵に近いです。
雑誌記者の青木は『寝台特急はやぶさ』の取材のため乗車。薄茶色のコートを着た女性を撮影したところ、カメラのフィルムを紛失。食堂車で相席になった弁護士を疑います。深酒をしてぐっすり眠る雑誌記者は、自分が乗車しているのが『はやぶさ』ではなく、『富士』だと気が付きました。その後、女性は溺死体となって発見。政治家の汚職事件にまで発展します。
『殺しの双曲線』
アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』を元にして書かれた、クローズドサークルものの本作品。冒頭で、双生児のトリックの利用を読者に伝える、一卵性双生児の起こした事件と雪に閉ざされた山荘の事件のパートを交互に書いて、うまく読者の注意をそらすなど工夫を凝らしています。読者も作者の評価も高い作品です。
東京では連続強盗事件が問題になりますが、一卵性双生児のうちどちらが事件を起こしているかが不明で容疑者を逮捕できません。同時期に、雪深い宮城県の山荘に性別も年齢も異なる6名の男女が招かれます。復讐を伝えるメッセージが添えられて連続殺人事件が起こっても、雪上車もスキーも壊され逃げることもできません。どのような目的で復讐をしたり、双生児に事件を起こさせたりしているのか、警察は地道な捜査を進めます。
『華麗なる誘拐』
『消えた巨人軍』よりも壮大な誘拐事件を描いた左文字進シリーズの作品です。犯人たちはIQが高く、日本国民全員を人質にする方法を考え付きますが、失言により追い詰められていきます。作家や評論家の評価も高いミステリーです。
左文字進は妻と喫茶店にいると、隣の席の男女が苦しみ出しました。知人の捜査一課の警部から『砂糖入れに毒を仕込んだ殺人事件』と知らされ、協力を求められます。首相官邸に犯行グループから『国民全員を誘拐した。身代金は5000億円。』と犯行声明の連絡を兼ねて連絡。政府が無視をすると、殺人事件や飛行機の墜落事故などが立て続けに起こり…。
『北帰行殺人事件』
後に私立探偵となる十津川警部の部下、橋本に関連したサスペンス。人間関係とそれぞれの心の動きが細やかに描写され、捜査をする警察側が罪を憎みながらも、やるせなさを感じさせる部分も見られます。西村京太郎の作品にしてはめずらしく、橋本と車や船で出会った雑誌記者の女性の視点から話が進む場面もありますよ。
十津川班の橋本刑事が退職し、郷里の北海道に戻ることに。十津川と亀井は羽田空港まで見送りに行っても、彼の姿は見当たりません。ほかの刑事が上野駅で彼を見かけたため、青森に向かう夜行列車『ゆうづる』に乗車して青函連絡船に乗って帰るのではと予測。ゆうづるや青函連絡船で凄惨な遺体が発見され、十津川警部は橋本が関係するのではと不安になります。
トラベルミステリーや本格推理愛好家におすすめ!西村京太郎の作品
西村京太郎の小説は、電車が好きな人や凝ったトリックが使われている本格派のミステリーを好きだという人におすすめです。ドラマやゲームで、ミステリーに興味を持った人でも、文章が簡潔に書かれているところから読みやすいでしょう。廃線になった電車や普段の生活の描写が時代を感じさせ、昭和後半のレトロな雰囲気の小説を好む人にも指示されています。