綾辻行人のおすすめミステリー小説8選!人気のシリーズも解説

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綾辻行人のミステリー小説は、読者が驚くトリックがふんだんに使われていて、どんでん返しがおもしろいと評判です。本記事では綾辻行人のおすすめの小説を8作品紹介し、人気のシリーズについても解説しています。

目次

綾辻行人のミステリーの作風

綾辻行人のおすすめ小説を紹介する前に、作風について説明します。トリックが凝っているため、一読しただけでなく、再読して細部を確認する人も多く見られますよ。

叙述トリックが見事

綾辻行人のミステリーには、多くの作品で叙述トリックが使われています。叙述トリックは、読者の決めつけや錯覚を利用して誤解させるような仕掛けのこと。ただ、読者の側では騙されたと怒りの気持ちよりも、すごいと感嘆するような気持ちにさせられます。後から、トリックの確認のために、何度読んでも楽しめますよ。

怖い雰囲気が味わえるミステリー

作品の舞台になる古びた洋館や人里離れた屋敷など、怖い雰囲気が楽しめます。しかし、綾辻行人のミステリーは、場所だけでなく、人の心の機微や心霊などの要素をふんだんに用いて、じわじわと追い詰められるような恐怖を感じさせるのも見事です。

綾辻行人のミステリーのシリーズ

綾辻行人のミステリーは、あるテーマでシリーズになっている作品もあります。それぞれのシリーズの特徴を紹介します。

『館』シリーズ

『館』シリーズは、すでに亡くなった建築家、中村青司が設計した『館』が舞台になる一連の小説です。凝った造りで一風変わった館であるのが特徴。殺人事件が起こると、屋敷の見学に訪れる探偵の島田潔が解決に向かって動き出すのがお約束です。

『Another』シリーズ

『Another』シリーズは夜見山北中学校の3年3組が舞台。クラスに死者が紛れ込む年があり、1人の生徒をいないものとして取り扱わないと、クラスの生徒や家族に災いが起こるということです。ミステリーの中に恐怖を感じさせます。若い世代を中心に人気の作品です。

『囁き』シリーズ

『囁き』シリーズは、ミステリーよりもホラーに近い内容で、作品全体に幻想的な雰囲気が広がっているのが特色です。3作のシリーズでつながりのある部分はありますが、基本的に単独で完結しているため、どの作品から読んでも構いません。

『深泥丘(みどろがおか)』シリーズ

『深泥丘』シリーズは、『もう一つの京都』が舞台。ミステリー色が薄く、怪談の世界が描かれています。病院やかつての神社など、静かで不気味な雰囲気。はっきりとした結末が書かれていないため、読者側ではいろいろと想像をふくらませてしまいそうです。

『殺人方程式』シリーズ

『殺人方程式』シリーズは、警視庁捜査一課の刑事の明日香井叶と、一卵性双生児の兄で学生の響(二人とも名前の読みは『あすかいきょう』)が殺人事件に挑むシリーズ。途中で手がかりを開示して、読者に真っ向勝負を挑んでいます。

『殺人鬼』シリーズ

『殺人鬼』シリーズは、名前の通り残虐な連続殺人事件がテーマ。タイトルさながらに不気味で異様なグロテスクな描写が多く、苦手な人は読み進めるのが難しいかもしれません。叙述トリックが巧みに描かれていて、オカルトめいた描写がされていることから、真相を途中で見破るのは極めて難しいでしょう。

綾辻行人のおすすめミステリー8選

綾辻行人のおすすめミステリーを、8作品紹介しています。トリックの凄さや話の展開のおもしろさで定評がある作品を選びました。

『十角館の殺人』

孤島の『十角館』で合宿をする推理小説研究会の学生達。元会員の学生に、亡き同好会員の女性の死を告発する手紙が届きます。心配した学生は、友人と女子学生の親族の知人島田潔とともに調査を開始。巧みな叙述トリックの効果で、ミステリーファンの多くが騙されます。

『水車館の殺人』

亡き画家が遺した古城のような『水車館』で、1年前に事件が起こりました。現在の当主は画家の息子で、事故の傷を隠すため仮面を付けています。友人の行方を探し、館を見学する目的で訪れた島田潔は、次々と起こる事件を解決に導きます。作中人物の視点をずらす叙述トリックが効果的。

『時計館の殺人』

オカルト雑誌の編集者の男性は、10年前に亡くなった少女の霊が『時計館』に出るため、3日間の泊まり込み取材をすると、友人の推理小説家に伝えます。編集部の人間のほか、霊能力者や大学の研究会のメンバーも同行するが、連続殺人事件が発生。小説家は館の管理者から捜査を依頼されます。ラストは非常に劇的です。

『暗黒館の殺人』

山奥の湖の島に建設された漆黒の『暗黒館』が舞台。中也と呼ばれる大学生は、当主の息子に招かれて滞在します。『ダリアの日』という宴会に参加することになり、連続殺人事件が起こります。かなり長く、ホラー小説のような展開です。初めて読むのはおすすめできません。できれば、『館シリーズ』は1作めから順番に読むと、ネタバレせずに楽しめます。

『霧越邸殺人事件』

山奥で吹雪に見舞われる8人の劇団員達。『霧越邸』という名の洋館を発見し、遭難をした医師と一緒にとどまらせてもらうことになりました。当主も使用人も変わり者で、彼らとは会おうとしません。劇団員のメンバーが続々と、北原白秋の詩をもとにした『見立て殺人』の犠牲になってしまいます。犯人の動機は芸術的で恐怖を感じさせますね。

『Another』

病気の療養で亡き母の実家に身を寄せた中学3年生。転校先では、一人の女生徒をその場にいない者として扱うなど、おかしな雰囲気に気づきます。3年3組は呪われたクラスで、死者が紛れているとのこと。1人を無視して犠牲にすることで呪いを防ぐ効果があるようです。一体、誰が死者なのでしょうか。

『どんどん橋、落ちた』

『どんどん橋、落ちた』は短編集です。1つの小説に対して、『問題編』『挑戦状』『解答編』の3つの順に進む三部構成。初めに問題を出して、読者に謎解きをするように対戦を挑んでいる作りです。叙述トリックが使われ、真相を解明するのはかなり困難。本作品は、探偵気分で謎解きをしてみたい人におすすめの本です。

『フリークス』

『フリークス』は3つの作品からなる中編小説集。病棟に入院している患者の日常を描いたような作風で、ミステリーとホラーが融合している作品です。心霊的な恐ろしさではなく、主人公の患者の考え方が怖い雰囲気を醸し出しています。結末は、このような理由だったのかと驚かされるでしょう。

まとめ:綾辻行人のおすすめミステリー小説

綾辻行人のミステリーがおすすめの人は、叙述トリックが好きな人、あっという結末で何度も読み返して楽しみたい人です。叙述トリックは、人の目をごまかすようなイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし、綾辻行人の小説は、どんでん返しの結末に驚かされるものが多く、期待を裏切らない小説がほとんどです。

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この記事を書いた人

『乳がん闘病マニュアル: 乳がんステージ4 はじめての乳がん治療「はじめてのがん治療」第1巻(Kindle版)』(ペンネーム:芹澤絵里子名義)を出版しました。治療経験を生かし、治療や抗がん剤の副作用などについて書いています。文学部日本文学科を卒業し、『平家物語』について卒業論文を作成しました。『平家物語』に関連して『保元物語』『平治物語』などの軍記物も読んだ経験があります。現在は、『吾妻鏡』や『太平記』も読み進めています。

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