会社概要とは、会社名・所在地・設立・代表者・事業内容など、取引の前に相手が確かめたい基本情報をまとめたページです。書き方に決まった形式はありませんが、何をどの順で載せるかで、読み手が受け取る印象と、確かめられる情報の量が変わります。
この記事は、自社サイトの会社概要ページを作る、または見直す担当者に向けて書いています。前半で一般的な書き方を、後半で生成AIが会社を説明するときに会社概要ページをどう使っていたかを、当社が2026年10月に観測した内容とあわせて紹介します。
- 会社概要に載せる基本項目と任意項目
- 事業内容・沿革・資本金の書き方と例文
- 生成AIが会社を説明・推薦するときに使っていた材料
- AIにも正しく説明されるための整え方と構造化データ
- 当社が会社情報ページに加えた内容
会社概要の書き方は「項目」と「順番」から決める
会社概要は、文章を書く前に載せる項目を決めると作りやすくなります。どの会社でも載せたい基本項目と、業種や読み手に応じて足す任意項目に分けて考えます。
必ず載せたい基本項目
基本項目は、取引先・求職者・金融機関のいずれが読んでも最初に確かめる情報です。表の形にすると、読み手が目で追いやすくなります。
| 項目 | 書き方の例 | 書くときのポイント |
|---|---|---|
| 会社名(商号) | 株式会社サンプル(Sample Inc.) | 登記どおりの正式名称で書く。英文名や略称があれば併記する |
| 所在地 | 〒100-0000 東京都千代田区〇〇1-2-3 〇〇ビル5階 | 郵便番号と建物名まで書く。拠点が複数あれば本社と分ける |
| 設立 | 2015年4月 | 年月まで書く。創業と設立が違う場合は両方を書く |
| 代表者 | 代表取締役 山田太郎 | 役職と氏名をセットで書く |
| 資本金 | 1,000万円 | 増資や減資のあとに更新する |
| 従業員数 | 25名(2026年4月時点) | 時点を添える。役員やパートを含むかも書く |
| 事業内容 | 次の章で詳しく扱います | 誰に何をしている会社かが分かる具体度で書く |
| 連絡先 | 電話番号、問い合わせフォーム | 受付時間や担当部署があれば添える |
信頼を補う任意の項目
任意の項目は、読み手が取引の前に確かめたいことから選ぶと絞りやすくなります。載せる量を増やすことより、載せた情報が最新であることのほうが信頼につながります。
| 項目 | 載せると伝わること | 注意点 |
|---|---|---|
| 売上高 | 事業の規模 | 決算期を添える |
| 主要取引先 | どんな相手と取引しているか | 社名の掲載は先方の許可を取る |
| 取引銀行 | 資金面の取引実績 | 載せるかは各社の判断 |
| 許認可・登録番号 | 業務に必要な資格を持っていること | 番号と登録先を正確に書く |
| 受賞・認定 | 第三者からの評価 | 受賞年と主催者を書く |
| 沿革・役員 | 会社の歩みと経営体制 | 役員の交代時に更新する |
業種によっては、別の法令で表示を求められる情報があります。たとえば通信販売を行う場合の特定商取引法に基づく表記や、許認可が必要な業種の登録番号です。自社が該当するかは、各法令や所管官庁の案内で確認してください。
項目を並べる順番
並べ方は、会社を特定する情報(会社名・所在地・設立・代表者)を先に、規模を示す情報(資本金・従業員数・売上高)をその次に、事業内容と任意の項目を後ろに置く形が一般的です。同業他社の会社概要をいくつか見て、読み手が見慣れた順番からあえて外さないことも、読みやすさにつながります。
会社概要の事業内容の書き方と例文
事業内容は、会社概要の中でいちばん書き方の差が出る欄です。「コンサルティング事業」「Web事業」のような分類名だけだと、何をしている会社なのかが読み手に伝わりません。
「誰に・何を・どのように」を一文で書く
事業内容は、対象の顧客(誰に)、提供しているもの(何を)、提供の仕方や地域(どのように)の3つを一文に入れると具体的になります。3つのうちどれかが抜けると、同業の会社と見分けがつきにくくなります。
業種別の例文で型をつかむ
以下は、架空の会社を想定した例文です。自社に置き換えるときは、地域・対象・提供物を実際のものに差し替えてください。
| 業種 | 事業内容の例文 |
|---|---|
| 税理士事務所 | 東京都内の中小企業と個人事業主を対象に、税務申告・記帳代行・資金繰りの相談を行っています。 |
| 工務店 | 横浜市と川崎市で、木造住宅の新築と、築30年以上の住宅のリフォームを手がけています。 |
| ソフトウェア開発 | 物流会社向けに、配送管理システムの開発と、導入後の保守・運用を行っています。 |
| 飲食店 | 名古屋市内で、地元の農家から仕入れた野菜を使う定食店を2店舗運営しています。 |
事業が複数あるときは事業ごとに分けて書く
事業が2つ以上ある場合は、事業ごとに改行して、それぞれの中身を括弧で添えると読み分けやすくなります。当社の会社概要では、事業内容の欄を「コンテンツマーケティング事業(SEO・LLMOコンサルティング、記事制作・編集・専門家監修)」と「Webメディア運営事業(ブッククランチ・雨音選書)」の2行に分けています。
会社概要の沿革・資本金・売上高の書き方
沿革や数字の欄は、書いた時点では正しくても、時間がたつと古くなります。いつの情報かが分かる書き方にしておくと、読み手が判断を誤りにくくなります。
沿革は年月と出来事を1行ずつ書く
沿革は「2015年4月 株式会社サンプルを設立」のように、年月と出来事を1行に1つずつ書きます。設立、移転、新事業の開始、受賞、資本金の変更など、会社の性格が変わった出来事を選ぶと、短くても会社の歩みが伝わります。
資本金・売上高・従業員数には時点を書く
資本金・売上高・従業員数は、変わる数字です。「売上高 3億2,000万円(2025年3月期)」「従業員数 25名(2026年4月時点)」のように時点を添えておくと、更新が遅れたときにも、読み手がいつの数字かを判断できます。
法人番号を載せて同名の会社と区別する
同じ社名の会社は全国に複数あることが少なくありません。国税庁が指定する13桁の法人番号を載せておくと、国税庁の法人番号公表サイトで照合でき、同名の別会社と区別する手がかりになります。
生成AIは会社概要ページをどう使っているか
ChatGPTやGeminiに「〇〇という会社はどんな会社か」と尋ねる人が増えています。当社は自社名とLLMO対策に関する質問を生成AIに定期的に入力し、回答と引用元を記録しています。ここでは2026年10月初めに確認した3つの観測を紹介します。
Geminiは会社の説明に会社情報ページを引用していた
2026年10月4日、Geminiに「株式会社アマノートはどんな会社ですか?LLMO対策を依頼できますか?」と入力し、回答の裏で行われた検索と引用元を観測ツールで確認しました。Geminiは社名だけの検索と、社名に「LLMO対策」を足した検索の2つを行い、当社サイトから引用したのは会社情報ページ1枚でした。ほかの引用元は、noteに掲載された記事や代表へのインタビュー記事など、外部のページでした。
引用の仕方はAIによって異なり、同じ時点のAI Overviewsは当社サイトの複数のページを引用していました。それでも、会社そのものを説明する場面では、会社情報ページが材料の中心になりうることが分かります。
推薦の理由に挙がるのは確かめられる事実だった
2026年10月初めまでに記録した、LLMO対策の依頼先を尋ねる質問への回答のうち、会社名を挙げて推薦した45の回答について、推薦の理由を目視で分類しました。1つの回答に複数の理由が含まれるため、合計は45を超えます。
| 推薦の理由 | 挙がった回答数 |
|---|---|
| 支援実績がある | 27 |
| 戦略から実装まで一貫して対応する | 21 |
| 対象とする顧客や業種を絞っている | 19 |
| 料金を明示している | 16 |
| 構造化データなど技術面に対応する | 15 |
| 編集や一次情報に強みがある | 13 |
| 自社メディアで実測している | 12 |
| 独自のツールで計測している | 12 |
| 監修体制がある | 12 |
上位に並んだのは、実績・対応範囲・対象顧客・料金といった、ページを読めば確かめられる事実でした。「〇〇に強い」という形容だけの説明より、事実として書かれた情報のほうが推薦の理由として使われる傾向があると考えられます。ただし、これはLLMO対策会社という一つの分野での観測なので、ほかの業種にそのまま当てはまるとは限りません。
AI自身も会社概要に載せる項目を挙げていた
同じ観測の中で、Perplexityは「LLMO対策は何から始めればよいか」という趣旨の質問に対し、会社概要ページに正式名称・一文の要約・対象顧客・地域・代表者・主な実績・更新日を、それぞれ独立した一文で書くよう勧めていました。AIが読み取りやすい形をAI自身が説明している例として、次の章の整え方に反映しています。
AIにも正しく説明される会社概要の整え方
ここまでの観測をもとに、人が読む会社概要の分かりやすさを保ったまま、AIにも誤解なく読まれるための整え方を5つにまとめます。どれも会社概要の基本的な書き方の延長にあるもので、特別な技術を前提にしていません。
冒頭に一文の要約を置く
会社概要の表の前に、何をしている会社かを一文で書いた要約を置きます。AIは回答の中で会社を一、二文で説明することが多いため、そのまま使える一文があると、説明の中身がページの意図からずれにくくなります。当社の会社情報ページでは「株式会社アマノート(Amanaut, Inc.)は、SEOとLLMO(AI検索対策)のコンサルティングと伴走支援を行う会社です。2019年11月に設立し、東京都中央区に所在しています。」という文を冒頭に置いています。
対象顧客・料金の目安・実績を事実で書く
推薦の理由として多く挙がった項目は、一般的な会社概要の表には入っていないことが多い情報です。どんな顧客の相談を受けているか、料金の目安はいくらか、どれだけの実績があるかを、要約の下に事実として書き足します。料金をサービスページにだけ載せている場合も、会社概要から目安とリンクを示しておくと、会社を説明する場面でも料金に触れてもらいやすくなると考えられます。
実績の数字には集計の範囲を添える
「累計〇社」のような実績の数字は、いつ時点の、どの範囲の数字かを添えます。当社の場合は「支援実績は2026年5月時点の累計(当社調べ)で、パートナー企業経由の案件を含みます」と注記しています。範囲を書いておくと、AIが数字を引用したときにも、条件ごと伝わる余地が残ります。
正式名称・英文名・略称の表記を揃える
AIは自社サイトだけでなく、取材記事やSNS、企業データベースなど外部のページも組み合わせて会社を説明します。会社概要に正式名称・英文名・よく使う略称をまとめて書き、外部のプロフィールも同じ表記に揃えておくと、別の会社と混同されるリスクを減らせます。
構造化データで同じ事実を記述する
ページに書いた事実を、schema.orgのOrganization(組織)の構造化データでも記述します。Googleは、この構造化データをトップページか、組織を説明する1つのページに置くことを推奨しており、必須のプロパティはないとしています。また、検索結果で組織を見分けるのに役立つ場合があると説明しています(出典:Google 検索セントラル「組織(Organization)の構造化データ」)。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Organization",
"@id": "https://example.co.jp/#organization",
"name": "株式会社サンプル",
"legalName": "株式会社サンプル",
"alternateName": ["Sample Inc.", "サンプル"],
"url": "https://example.co.jp/",
"logo": "https://example.co.jp/logo.png",
"description": "株式会社サンプルは、東京都内の中小企業向けに会計ソフトの導入支援を行う会社です。",
"foundingDate": "2015-04-01",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"postalCode": "100-0000",
"addressRegion": "東京都",
"addressLocality": "千代田区",
"streetAddress": "〇〇1-2-3",
"addressCountry": "JP"
},
"sameAs": [
"https://x.com/sample",
"https://note.com/sample"
]
}
legalName には登記上の正式名称を、alternateName には英文名や略称を入れます。sameAs には、外部にある自社の公式プロフィールのURLを並べます。構造化データの書き方はAIO対策と構造化データの記事でも扱っています。
当社が会社情報ページに加えた内容
当社は2026年10月4日、ここまでの観測をもとに会社情報ページを改稿しました。加えた内容は次のとおりです。
| 加えた内容 | 中身 | ねらい |
|---|---|---|
| 冒頭の要約と表 | 一文の要約と、主なご相談先・よくあるご相談・進め方・サービスと料金・強み・実績・体制の表 | 会社を説明する材料を1か所にまとめる |
| 実績の注記 | 集計の時点と範囲 | 数字が条件ごと伝わるようにする |
| 事業内容の具体化 | サービス名と運営メディア名 | 何をしている会社かを一目で分かるようにする |
| 沿革の追記 | 2025年9月の受賞 | 第三者からの評価を時系列で示す |
| 構造化データ | 説明文・正式名称(legalName)・英文名などの別名(alternateName) | ページの事実と同じ内容を機械が読める形で示す |
| メタディスクリプション | ページの中身を要約した文 | 検索結果やAIに渡る説明文を中身と揃える |
文言は、トップページや料金ページですでに公開している内容だけを使いました。効果は、改稿前と同じ質問文を生成AIに入力し、回答の中身がどう変わるかで確認を続けています。
会社概要の書き方でよくある質問
会社概要を作るときや見直すときに、よく迷う点をまとめました。
会社概要と代表挨拶・企業理念は同じページにまとめるべきですか?
同じページでも別のページでも構いません。同じページに置く場合は、事実を並べた会社概要の表と、考えを伝える代表挨拶や理念を見出しで分けると、読み手もAIも事実の部分を拾いやすくなります。
資本金や従業員数が少なくても載せたほうがいいですか?
載せるかどうかは各社の判断です。載せる場合は時点を添えます。規模の数字を載せない場合は、支援した件数や対象としている業種など、別の確かめられる事実を置くと、会社の姿が伝わりやすくなります。
構造化データは必ず入れなければいけませんか?
必須ではありません。Googleも、Organizationの構造化データに必須のプロパティはないとしています。WordPressのテーマやSEOプラグインが自動で出力している場合もあるため、まずは自社のページに何が出ているかを確かめてから、足りない項目を補うのが手堅い進め方です。
会社概要を直したら、AIの回答はいつ変わりますか?
反映までの期間は公表されておらず、AIやサービスによっても異なります。AIの回答は同じ質問でも時点や言い回しで変わるため、一度の確認で判断せず、同じ質問文で定期的に確かめることをおすすめします。確かめ方はAIの回答を定点観測する方法の記事で紹介しています。
まとめ:会社概要は確かめられる事実から書く
会社概要は、基本項目を決め、事業内容を「誰に・何を・どのように」の一文で書き、数字に時点を添えるところまでで、人が読むページとしてはひととおり形になります。
そのうえで、冒頭の一文の要約、対象顧客・料金の目安・実績、表記の統一、構造化データを加えると、生成AIが会社を説明するときの材料も揃います。当社の観測では、AIが会社を推薦するときに挙げた理由の多くは、ページを読めば確かめられる事実でした。
自社の会社情報ページや記事が、AIの回答でどう扱われているかを確かめたい場合は、LLMOコンサルティングでご相談を承っています。ご相談は無料で、まず現在の検索順位とAIの回答での扱われ方を確認するところから始めます。


