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安楽椅子探偵とは?おすすめミステリー小説10選!
殺人事件の現場や描写が苦手な方におすすめなのが「安楽椅子探偵」の登場する物語です。
人から聞いた話を解決するタイプのミステリーなのでワンクッションありますし、殺人のない小説もあります。
本記事では、「安楽椅子探偵」のおすすめ小説を10選を紹介します。
安楽椅子探偵とは?
安楽椅子探偵の概要について紹介します。
安楽椅子探偵とはどんな探偵か?
安楽椅子探偵とは、現場に行かずに部屋の中で推理する探偵のこと。
探偵は安楽椅子でくつろぐかのように、依頼人との会話や新聞記事などの情報をもとに推理します。
こうした探偵が登場するミステリーを安楽椅子探偵ということもあり、登場人物の会話をメインに話が進んでいきます。
主人公が事件の謎を解くために、頭脳を駆使する様子が描かれますよ。
安楽椅子探偵の魅力とは?
安楽椅子探偵の魅力は、何と言ってもその知性と洗練された雰囲気にあります。
物語の中で、他の登場人物たちとは一線を画す存在感を持っており、その知識や経験、推理力を駆使して、さまざまな事件を解決します。
また、安楽椅子探偵は社交界で活躍する人物でもあり、高級なパーティーやダンスパーティーにも参加しがちです。
そのため、安楽椅子探偵の物語には、社交界の裏側に関する情報も含まれています。
さらに、安楽椅子探偵は読者にとって、推理の楽しさや知的好奇心を刺激する存在でもあります。
そのため、推理小説のファンだけでなく、一般の読者にも愛されるキャラクターとなっています。
安楽椅子探偵のおすすめ小説10選!名作・代表作を厳選
安楽椅子探偵のおすすめ小説を10選、ご紹介します。
空飛ぶ馬
北村薫のデビュー作。
上橋菜穂子が「日常が〈物語〉に変わる、その瞬間を鮮やかに浮かび上がらせた名品」と称し推薦する作品です。
女子大生と噺家の円紫師匠のコンビが活躍する5話の短編集で、日常の中の謎を解き明かしていきます。
殺人はありませんが、ロジックは殺人事件と同等のもの。ほっこりしながらも本格的な謎解きを楽しめる1冊です。
太鼓叩きはなぜ笑う
鮎川哲也による作品で「三番館シリーズ」の第一作。
私立探偵の「わたし」が行きつけのバー「三番館」で行き詰っている事件の話をすると、話を聞いていバーテンがたちまち真相を言い当てていきます。
5話の短編集となっており、1つの話の中にもいくつかのトリックが組み合わさっている本格ミステリーです。
奇談蒐集家
太田忠司の作品で、さまざまな奇談が楽しめる連続短編集です。
「求む奇談!」という新聞広告を目にし「strawberry hill」に老若男女がさまざまな奇談を持って集まります。
奇談蒐集家の恵美酒は喜んで聞き入りますが、助手の氷坂が一刀両断。
鏡の中の世界や魔術師など、一見して不可解な出来事ばかりなのに、合理的に解き明かされてしまいます。
ママは何でも知っている
アメリカのジェイムズ・ヤッフェによる作品。
安楽椅子探偵の最高峰と呼ばれる「ブロンクスのママ」シリーズ8編が収録されています。
刑事のデイビットは毎週金曜日、妻を連れてブロンクスの実家へ行きます。
いつもディナーの席ではママが聞きたがるので捜査中の殺人事件の話に。
ママは簡単な質問から難事件を容易く解決してしまいます。
どこにでもいそうなママが事件を言い当ててしまうのが痛快なミステリーです。
ななつのこ
加納朋子著、第3回鮎川哲也賞受賞作です。
主人公の女子短大生が「ななつのこ」を読み、作者にファンレターを書くことから話がスタート。
主人公が身近で起こった「スイカジュース事件」をつづったところ、作者から謎の解決編とも言える返事が届きます。
手紙のやり取りによる謎解きも新鮮で、作中に出てくる「ななつのこ」という本と本作がリンクしているという仕掛けも楽しみのひとつです。
九マイルは遠すぎる
ハリイ・ケメルマンによる安楽椅子探偵の金字塔ともいえる作品。
イギリスを舞台とした8編からなる短編集です。
表題作「九マイルは遠すぎる」は、主人公の大学教授が偶然耳にした「九マイルは遠すぎる、まして雨の中ともあれば」という言葉から始まります。
この言葉を元に、主人公は全く関係のない前日に起こった殺人事件を推理します。
ほかにも難事件を次々と解決していく様子は、ドラマのようです。
黒後家蜘蛛の会
SFの巨匠、アイザック・アシモフの作品です。
弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者という全く違う職業を持つ6人によって組織されている「黒後家蜘蛛の会」。
会では毎回ミステリーの話になり、会員各自が推理を披露します。
しかし、いつも真相をズバリと言い当てるのは、静かに皆の話を聞いている給仕なのです。
シリーズ化されており、続編もあります。
火曜クラブ
ミステリーの巨匠、アガサ・クリスティーによる名作です。
甥を始めとするさまざまな人がミス・マープルの家に集い、「火曜クラブ」が結成されました。
ここでは各自が真相を知っている昔の事件を紹介し、皆で謎を推理しあいます。
素敵な老婦人の優しさと、古き良き英国の雰囲気をまとう作品です。
花の下にて春死なむ
第52回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞した、北森鴻の作品。
三軒茶屋の裏路地にあるビアバー「香菜里屋」を舞台に、訪れる人が持ち込む謎をマスターが鮮やかに解き明かしていきます。
ビアバーの雰囲気そのまま、優しくほろ苦いと評される連作短編集です。
遠きに目ありて
天藤真による作品。
子どもで障がい者が探偵役という珍しい物語です。
ある刑事が、ふとしたことで脳性麻痺の少年と出会うところから物語は始まります。
刑事が少年に捜査が難航している事件の話をすると、驚くことに少年はぴたりと真相を言い当ててしまいます。
安楽椅子探偵小説を楽しむためのポイント
安楽椅子探偵小説を楽しむためのポイントを紹介します。
安楽椅子探偵小説を楽しむためには、物語の背景にある社交界の情報や登場人物たちの人間関係、安楽椅子探偵の推理過程や謎解き、言葉遣いや文体に注目することが大切です。
安楽椅子探偵小説の読み方のコツとは?
安楽椅子探偵小説の読み方のコツは、以下のとおりです。
物語の背景にある社交界の情報を理解する
安楽椅子探偵小説は、社交界を舞台にした物語が多いため、社交界のルールや慣習を理解することが大切です。
物語の中で出てくる贅沢な食事や華やかなパーティーなども、社交界の文化を反映したものです。
社交界の情報を知ることで、物語の世界観により深く入り込むことができます。
登場人物たちの個性や思惑を把握する
安楽椅子探偵小説には、多様な登場人物が登場します。
それぞれのキャラクターには個性や思惑があり、物語の展開に大きく関わってきます。
登場人物たちの関係性や行動、発言などから、それぞれの思惑を把握することで、物語の謎や事件の真相に迫れるでしょう。
推理過程や謎解きを追いかける
安楽椅子探偵は、推理小説の代表的なキャラクターであり、彼の推理力によって事件が解決されます。
そのため、推理過程や謎解きに注目することが重要です。
読者自身も推理に参加することで、物語のおもしろさをより実感できますよ。
安楽椅子探偵小説の見どころとは?
安楽椅子探偵小説の見どころは、以下のようになります。
安楽椅子探偵の知性と魅力的なキャラクター
安楽椅子探偵は、推理小説の古典的なキャラクターであり、知性に溢れ、洗練された雰囲気があります。
そのため、読者は彼の推理力に魅了されると同時に、彼自身の人格魅力にも惹きつけられます。
登場人物たちの多様なキャラクターと人間関係の複雑さ
安楽椅子探偵小説に登場する人物たちは、それぞれに個性や思惑があり、複雑な人間関係を持っています。
登場人物たちの言動や行動から、彼らの心情や思考を読み解くことができ、事件の真相に迫る手掛かりを得られるでしょう。
推理過程と謎解きのスリリングな展開
安楽椅子探偵小説の醍醐味は、推理過程と謎解きのスリリングな展開にあります。
安楽椅子探偵が、自宅の安楽椅子に座って、クライアントや友人たちから話を聞き、謎を解いていく過程は、読者を引き込みます。
社交界のエレガントな雰囲気
安楽椅子探偵小説の舞台となる社交界は、エレガントな雰囲気が漂います。
上流社会の人々が集まる、華やかなパーティーや高級なレストラン、贅沢な暮らしの描写など、読者を物語の世界に引き込む魅力的な要素がたくさんあります。
安楽椅子探偵のおすすめ小説をチェックしてみよう
安楽椅子探偵のおすすめ小説を10作品紹介しました。普段ミステリーを読まない方も、短編集であればサクッと読めるでしょう。
また、安楽椅子探偵は会話などから推理するので、事件の描写も生々しくなく、リラックスして読むことができます。
探偵たちと一緒に、謎を解決する楽しみを味わってみましょう。