寝る前の読書がよくないと言われる最大の理由は、電子書籍の画面から出る光です。厚生労働省の睡眠ガイドでも、就寝前に明るい画面を見ないこと、寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まないことが推奨されています。裏を返せば、紙の本を、照明を落として、短編で区切って読むならデメリットの大半は避けられます。
この記事では、寝る前の読書がよくないとされる理由を3つに分けて説明し、メリットと4つの対策、寝る前に向いている本まで紹介します。
寝る前の読書がよくないと言われる3つの理由

1. 画面の光が寝つきに影響する
寝る前の読書で問題になりやすいのは、読書そのものより端末の画面です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、スマートフォンに使われているLEDには体内時計への影響が強いブルーライトが多く含まれるとされ、就寝前に明るい画面を見ないこと、寝室にスマートフォンやタブレット端末を持ち込まないことが推奨されています。
つまり、避けるべきなのは「寝る前に本を読むこと」ではなく「寝る前に光る画面を見ること」です。紙の本や、バックライトのないE Ink方式の電子書籍リーダーであれば、この問題は大きく軽減されます。
2. 寝ころんだ姿勢が体に負担をかける
寝る前の読書は、座って読むときと違って寝ころんだ姿勢になりがちです。うつ伏せで首を反らす、横向きで片方の腕に体重をかけるといった姿勢を長く続けると、首や肩、腕に負担が残ります。
本に集中しているときほど同じ姿勢のまま固まってしまうので、体の疲れに気づくのは読み終えたあとです。
3. 面白い本ほど止まらなくなる
いちばん現実的な問題がこれです。続きが気になる長編を読み始めると、区切りどころが見つからず、気づけば1時間、2時間が過ぎています。
「寝る前に少しだけ」のつもりが睡眠時間を削る結果になるのは、本が面白いからです。本選びを間違えると、対策の前提が崩れます。
寝る前の読書で得られるメリット2つ

頭の中の反復を止められる
布団に入ってから、その日の失敗や明日の予定が頭のなかで何度も再生されて眠れない。よくある状態です。
本を読んでいるあいだは、文字を追うことに意識が使われるので、その反復が物理的に止まります。とくに小説のように別の世界に入るタイプの本は、現実の考えごとから距離を取りやすくなります。
読書の時間を確保しやすい
日中は仕事や家事に追われ、読む時間を作れない人は多いはずです。その点、就寝前は予定が入りにくく、毎日同じ時間帯を確保しやすい枠です。
「寝る前の10分」と決めてしまえば、読書を習慣として続けやすくなります。
寝る前の読書でデメリットを避ける4つの対策

| 対策 | やること |
|---|---|
| 光の対策 | 紙の本かバックライトのないE Ink端末で読む。スマホ・タブレットは寝室に持ち込まない |
| 本の選び方 | 1話が短い短編集やエッセイを選ぶ。続きが気になる長編は昼間に回す |
| 照明 | 部屋の明かりを落とし、手元だけを照らす。暗すぎると目が疲れるので手元は確保する |
| 姿勢 | 同じ姿勢を続けない。うつ伏せは避け、上体を起こして背中を支える |
紙の本を選ぶ(電子書籍ならE Ink端末)
もっとも効果が大きい対策です。厚生労働省の睡眠ガイドが求めているのは「就寝前に明るい画面を見ないこと」なので、紙の本にすればこの条件は自動的に満たされます。
どうしても電子で読みたい場合は、スマートフォンやタブレットではなく、バックライトを使わないE Ink方式の電子書籍リーダーを選ぶという手があります。目を使うこと自体を避けたいなら、オーディオブックで聴く方法もあります。
短編集を枕元に置く
寝る前の読書がうまくいかない原因の多くは、本選びにあります。長編は「あと1章だけ」が積み重なるので、寝る前には向きません。
1話が数ページで終わる短編集やエッセイなら、読み終えた時点が自然な区切りになります。読む前から終わりが見えていることが重要です。
部屋を暗くして手元だけ照らす
睡眠ガイドでは、できるだけ暗くして寝ることが良い睡眠につながるとされています。天井の照明を落とし、手元だけを照らす読書灯にすると、明るさを絞りながら読めます。
ただし、暗すぎる場所で読むと目が疲れます。手元の明るさは確保したうえで、視界全体を暗くするのが目安です。
姿勢を固めない
うつ伏せで首を反らす姿勢は、短時間でも負担が大きくなります。上体を起こして背中をヘッドボードやクッションで支えると、首と腕への負担を減らせます。
同じ姿勢のまま固まらないよう、区切りごとに体勢を変えましょう。姿勢の話は「立って本を読む効果とは」でも扱っています。
監修者の視点:寝る前用の本を枕元に固定する
田中寛大寝る前に読む本を、続きが気になる長編にしていた時期があります。その頃がいちばん寝不足でした。面白い本ほど区切りどころが見つからず、気づくと2時間経っています。
対策として、寝る前用と昼間用で本を置く場所を分けました。枕元には1話が数ページで終わる短編集を置き、続きが気になる長編は机に置いて昼間に読む。意志ではなく置き場所で決めたほうが確実でした。
寝る前の読書におすすめの本3選

月とコーヒー(吉田篤弘)|1話数ページの掌編集
『つむじ風食堂の夜』などで知られる吉田篤弘が、24篇の短い物語を集めた一冊です。喫茶店のケーキ、トランプのジョーカーといった、身近だけれど誰も主役にしないものを題材にしています。
1話が数ページで終わるので、読み終えた時点でそのまま眠れます。ファンタジーの手触りがありつつ、話が大きく動かないのも寝る前向きです。
ブレインメンタル強化大全(樺沢紫苑)|項目ごとに区切れる実用書
精神科医・作家の樺沢紫苑による実用書で、睡眠・運動・食事・朝の習慣といった生活の要素ごとに、整え方をまとめています。
項目単位で完結しているため、気になるところだけを読んで閉じられます。睡眠そのものを扱った章もあるので、寝る前の読書と相性がよい一冊です。
本好きの下剋上(香月美夜)|読書習慣がない人でも進む長編
香月美夜によるライトノベルです。TOブックスの発表によると、シリーズ累計は2026年2月時点で1,300万部(電子書籍を含む)を突破しており、アニメ化もされています。
本好きの主人公が、本がほとんど存在しない異世界に少女として転生し、「ないなら自分で作る」と動き出す物語です。文章が平易で場面の切り替わりも分かりやすいため、読書習慣がない人でも読み進められます。
ただし長編なので、寝る前に読むなら「1章まで」と先に決めておくことをおすすめします。
寝る前の読書に関するよくある質問(FAQ)
- 寝る前に本を読むデメリットは何ですか?
-
電子書籍の画面の光が寝つきに影響すること、寝ころんだ姿勢が首や腕に負担をかけること、面白い本だと止まらなくなって睡眠時間を削ることの3つです。厚生労働省の睡眠ガイドでも、就寝前に明るい画面を見ないことが推奨されています。
- 寝る前の読書は睡眠の質を下げますか?
-
読む媒体と本の選び方によります。スマートフォンやタブレットで読むと画面の光が影響するため、紙の本かバックライトのないE Ink端末を選んでください。あわせて、続きが気になる長編ではなく短編集を選べば、睡眠時間を削る心配も減らせます。
- 寝る前にスマホで電子書籍を読んでも大丈夫ですか?
-
おすすめしません。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、スマートフォンのLEDには体内時計への影響が強いブルーライトが多く含まれるとされ、寝室に持ち込まないことが推奨されています。電子で読むならE Ink方式のリーダーを選んでください。
- 寝る前にはどんな本を読めばいいですか?
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1話が数ページで終わる短編集やエッセイ、項目ごとに区切れる実用書です。読み始める前から終わりが見えている本を選ぶことが、寝る前の読書ではいちばん効きます。長編を読むなら「1章まで」と先に決めてください。
- 寝る前の読書で寝落ちしてしまいます
-
そのまま眠れているなら問題ありません。ただし、うつ伏せや横向きで固まった姿勢のまま眠ると首や腕に負担が残ります。上体を起こして背中を支えた姿勢で読み、眠くなったら本を置いて横になるのが安全です。
問題は読書ではなく画面と本選び
寝る前の読書そのものが悪いわけではありません。問題になるのは、光る画面で読むことと、止まりどころのない本を選ぶことの2点です。
紙の短編集を1冊、枕元に置く。それだけで、寝る前の読書はデメリットより先にメリットが出る習慣になります。










