投資本のバイブル10冊|金融庁公開・個人投資家279票のベスト10

投資本
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投資本のバイブルとして個人投資家からもっとも多くの票を集めたのは、水瀬ケンイチさんの『お金は寝かせて増やしなさい』です。金融庁が公開している資料「初めての投資!おススメの一冊ベスト10」に、総得票数279票・個人投資家の投票によるランキングとして記載されています。

この記事では、そのベスト10を金融庁の順位のままではなく、「投資を始めるか迷っている」「これから始める」「すでに始めている」の3段階に並べ替えて紹介します。投票が行われたのは新NISAが始まる前なので、あわせて新NISA対応の改訂版が出ている本も整理しました。

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目次

投資本のバイブル ベスト10一覧(個人投資家279票)

順位書名著者
1お金は寝かせて増やしなさい水瀬ケンイチ
2敗者のゲームチャールズ・エリス
3ウォール街のランダム・ウォーカーバートン・マルキール
4投資家が「お金」よりも大切にしていること藤野英人
5全面改訂 ほったらかし投資術山崎元、水瀬ケンイチ
5難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!山崎元、大橋弘祐
5臆病な人でもうまくいく投資法竹川美奈子
8忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術カン・チュンド
8全面改訂 超簡単 お金の運用術山崎元
8図解 山崎元のお金に強くなる!山崎元

出典は金融庁が公開している初めての投資!おススメの一冊ベスト10(PDF)です。5位と8位はいずれも同率で3冊ずつ入っています。

この資料が公開されたのは新NISAが始まる2024年より前です。ただし上位の本のうち3冊は、その後に新NISAへ対応した版が出ています。

  • 『お金は寝かせて増やしなさい』… 改訂版(フォレスト出版、2024年2月)。版元が「新NISA完全対応版」と案内
  • 『ほったらかし投資術』… 全面改訂 第3版(朝日新書、2022年3月)。2024年からの新NISAにも言及
  • 『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』… 超改訂版(文響社、2023年12月)。新NISA対応

なお、ベスト10のうち4冊に著者として関わっている経済評論家の山崎元さんは、2024年1月1日に65歳で亡くなりました(日本経済新聞)。上に挙げた改訂版はいずれも生前に刊行されたものです。

投資を始めるか迷っている段階に読む3冊

オレンジのオフィスで本を読む男性

投資そのものをやるかどうか決めかねている段階では、商品や口座の話より先に、お金と投資の意味づけを扱った本のほうが読み進みやすくなります。

(1)『投資家が「お金」よりも大切にしていること』藤野英人(ベスト10・4位)

ファンドマネージャーである著者が、お金と投資の意味そのものを問い直す星海社新書の1冊です。著者は「お金を考えることは、まさに人生を考えることに他ならない」と述べ、増やしたお金をどう使うかまでが投資だと説きます。

消費も投資であり、選挙で1票を入れることも投資である、という捉え方が示されます。運用の手順は出てきません。投資に踏み出すかどうかを考えている段階に向いています。

(2)『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』山崎元、大橋弘祐(ベスト10・5位)

お金の知識がまったくない聞き手と、経済評論家の山崎元さんの対話で進むシリーズです。専門用語をそのつど噛み砕きながら、貯蓄・保険・投資信託といった話題を順に扱います。

現在の最新版は『超改訂版』(文響社、2023年12月)で、新NISAに対応しています。版元によると、シリーズは累計60万部を突破しています。中古で探すときは初版・図解版・超改訂版が並ぶので、制度の話を参考にするなら超改訂版を選んでください。

(3)『図解 山崎元のお金に強くなる!』山崎元(ベスト10・8位)

収入の増やし方、借金との付き合い方、投資信託の特徴など、お金まわりの判断材料を図解でまとめた入門書です。1つのテーマが短くまとまっているので、気になる項目だけ拾い読みできます。

投資信託の説明も入っていますが、力点は「投資を始める前に知っておくこと」に置かれています。(2)と同じ著者なので、対話形式が合わなければこちらから読む手もあります。

これから始める段階に読む5冊

コワーキングスペースで勉強をする女性

始めると決めたあとは、何をどう買うかを具体的に書いた本に移ります。ここから紹介する5冊は、いずれもインデックス投資の積み立てを軸にしています。

(4)『臆病な人でもうまくいく投資法』竹川美奈子(ベスト10・5位)

副題が「お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話」で、実際に投資信託を続けている11人の事例を追う構成です(プレジデント社、2016年3月)。インデックスファンド・バランスファンド・確定拠出年金といった手段を、事例に沿って見ていきます。

毎月1000円から始められる投資信託の使い方が紹介されており、まとまった資金がないと始められないという前提を外してくれます。「損をするのが怖い」で止まっている人に向いた1冊です。

(5)『お金は寝かせて増やしなさい』水瀬ケンイチ(ベスト10・1位)

ベスト10で1位になったインデックス投資の実践書です。「投資を始める前に最低限すべきこと」から、売り方=出口戦略までを一続きで扱います。版元の紹介文によれば、著者の20年以上の投資経験がもとになっています。

最新は改訂版(フォレスト出版、2024年2月)で、版元は「新NISA完全対応版」として案内しています。この記事で挙げた10冊のうち、制度の説明がもっとも新しいのはこの本です。

(6)『ほったらかし投資術』山崎元、水瀬ケンイチ(ベスト10・5位)

(5)の水瀬ケンイチさんと山崎元さんの共著で、運用の手順をできるだけ減らすことに振り切った新書です。口座の開き方から素朴な疑問への回答まで入っており、そのまま実行マニュアルとして使えます。

最新は『全面改訂 第3版』(朝日新書、2022年3月)です。第2版までとは推奨する運用方法自体が変わっているので、中古で買うときは背表紙の「第3版」を確認してください。

(7)『毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』カン・チュンド(ベスト10・8位)

正式なタイトルは『忙しいビジネスマンでも続けられる 毎月5万円で7000万円つくる積立て投資術』です。毎月の積み立て額を決め、放置して増やすという型を、金額の目標から逆算して説明します。

タイトルの7000万円は、毎月5万円を長期で積み立てた場合の試算です。実際の利回りは市場しだいなので、金額そのものより「積立額と期間で結果が決まる」という考え方のほうを持ち帰ってください。

(8)『超簡単 お金の運用術』山崎元(ベスト10・8位)

ベスト10には『全面改訂 超簡単 お金の運用術』(朝日新書)として入っています。運用の手順を1つの型に絞り込み、迷う余地を減らしたのが特徴です。

新書1冊分の分量なので、(5)や(6)を読む前の下地づくりにも、読んだあとの確認にも使えます。ページ数の少なさが読み通しやすさに直結する本です。

すでに始めている段階に読む2冊

勉強のためカフェで読書

積み立てを始めたあとに効いてくるのは、相場が動いたときに手を出さずにいられるかどうかです。ここからの2冊は、その根拠になる古典です。

(9)『敗者のゲーム』チャールズ・エリス(ベスト10・2位)

著者は「成功の秘訣はインデックス・ファンドだ」と述べています。プロのテニスが勝つためのプレーで決まる「勝者のゲーム」であるのに対し、アマチュアのテニスはミスの少なさで決まる「敗者のゲーム」だという比喩が本書の軸です。運用も同じで、うまく勝ちにいくより、余計なことをしないほうが結果が残るという主張になります。

日本語版の最新は『敗者のゲーム[原著第8版]』(日本経済新聞出版、2022年1月)です。版が新しいほど収録データが更新されているので、中古で選ぶときは版数を見てください。

なぜ人は余計なことをしてしまうのかを掘り下げたい場合は、行動経済学のおすすめ本9選で扱っている本のほうが直接的です。損失を過大評価する傾向など、本書が前提にしている人間の癖を実験ベースで説明しています。

(10)『ウォール街のランダム・ウォーカー』バートン・マルキール(ベスト10・3位)

1973年の初版以来、全米累計200万部を超えたロングセラーです。著者はインデックス・ファンドを辛抱強く持ち続けるべきだと主張し、アクティブ運用がインデックス投資に及ばないことをデータで示していきます。

日本語版の最新は『ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版> 株式投資の不滅の真理』(日本経済新聞出版、2023年5月)です。原著初版から50年の記念版にあたり、暗号資産・NFT・ミーム株といった新しい対象にも触れています。

厚みはありますが、章ごとに独立して読めます。この記事の10冊のなかでは分量が最も多いので、読む順番としては最後に回して構いません。

監修者の視点:投資本は「版」で選ぶ

田中寛大

2019年から2022年にかけてオンライン古書店を運営し、開業から約2年半で8,000冊超を販売しました。売れ筋の中心はビジネス書・自己啓発・実用書で、出品から売れるまでの日数は中央値37日でした(出品日が特定できた2,986件の集計)。

そのなかで長く動き続けたのは、『アイデアのつくり方』のように時勢に左右されない考え方を書いた本だったという傾向が見受けられます。投資本も同じで、制度や税制の解説が中心の本は最新の版を、考え方を扱う古典は訳とデータが新しい版を選ぶ、と分けたほうが失敗しにくいと感じています。

最初の1冊を決める3ステップ

  1. いまの段階を決める。迷っている=(1)〜(3)、始める直前=(4)〜(8)、運用中=(9)(10)
  2. 制度の数字を知りたいかを決める。知りたいなら新NISA対応の改訂版がある3冊から選ぶ
  3. 中古で買うなら発行年と版数を確認する。古典は版が新しいほどデータが更新されている

10冊すべてを読む必要はありません。金融庁の資料でも上位3冊に票が集まっており、まずは1位の『お金は寝かせて増やしなさい』改訂版から手を付ければ、積み立てを始めるところまでは足ります。

本を読むこと自体を習慣にしたい場合は、読書量と年収の関係を扱った記事も参考にしてください。

投資本のバイブルに関するよくある質問

投資本のバイブルとして一番支持されている本はどれですか?

『お金は寝かせて増やしなさい』(水瀬ケンイチ)です。金融庁が公開している資料「初めての投資!おススメの一冊ベスト10」で1位に挙げられており、資料には総得票数279票・個人投資家の投票によるランキングと記載されています。現在は新NISAに対応した改訂版(フォレスト出版、2024年2月)が出ています。

投資初心者はどの順番で読めばいいですか?

3冊に絞るなら『投資家が「お金」よりも大切にしていること』→『お金は寝かせて増やしなさい』改訂版→『敗者のゲーム』の順です。1冊目で投資の意味づけ、2冊目で具体的な手順、3冊目で相場が動いたときに動かない理由を押さえる流れになります。

金融庁のランキングは今でも参考になりますか?

考え方の部分は参考になりますが、制度の数字はそのまま使えません。ランキングが公開されたのは新NISAが始まる2024年より前だからです。『お金は寝かせて増やしなさい』改訂版、『ほったらかし投資術』全面改訂第3版、『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』超改訂版の3冊は新NISAに対応した版が出ています。

投資本は中古で買っても大丈夫ですか?

考え方を扱う本なら問題ありません。ただし制度・税制の解説が中心の本は、中古だと旧NISA時代の版が混ざります。奥付の発行年と、「改訂版」「第3版」といった版の表記を確認してから買ってください。

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