読書通帳とは、図書館で借りた本の書名や貸出日を、銀行の通帳のような冊子に印字して残せる仕組みです。2010年に山口県の下関市立中央図書館が日本で初めて導入し、現在は全国100か所以上の図書館や学校で使われています。専用の「読書通帳機」を図書館に置き、利用者が自分で通帳に記帳します。
- 読書通帳に何が印字されるのか
- 導入している図書館の例と、探し方
- 図書館が導入する背景(文化庁の調査より)
- 近くに無いときの代わりの記録方法
読書通帳とは|借りた本が通帳に印字される仕組み
読書通帳は、図書館システムの貸出データと連携した「読書通帳機」で記帳します。銀行ATMで通帳に記帳するのと同じ感覚で、借りた本の記録が1行ずつ増えていきます。
印字される内容は、図書館流通センター(TRC)の製品説明によれば貸出日と書名です。機種によっては本の価格が印字されるものもあります。TRCの機種では、ICタグで利用者を認証し、借りた資料のISBNを自分で読み取らせる運用もできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主なメーカー | 内田洋行、図書館流通センター(TRC) |
| 機械の形 | 自立型(据置きのキオスク型)と卓上型の2種類 |
| 印字される情報 | 貸出日・書名。機種により本の価格も |
| デザイン | ご当地キャラ・名所・特産品などを表紙や中面に入れて自治体ごとに作れる |
| 学校との連携 | 学校図書館で借りた本を、地域の図書館で印字できるデータ連携がある(内田洋行) |
なお「読書通帳」は内田洋行の登録商標で、同社のプレスリリースでは「読書通帳(R)」と表記されています。図書館によって呼び名が違う場合があるのはこのためです。
導入している図書館の例
メーカーが公開している導入事例のうち、時期が明記されているものを並べます。
| 自治体 | 開始 | 内容 |
|---|---|---|
| 下関市(山口) | 2010年 | 中央図書館の開館時から。日本で最初の導入 |
| 鴻巣市(埼玉) | 2010年9月 | 3館。TRCの資料では「日本で2番目、東日本で初」 |
| 八尾市(大阪) | 2015年8月 | 4館。2021年4月にページめくり機能つきの新モデルへ更新 |
| 彦根市(滋賀) | 2021年11月 | 小学生を対象に開始 |
近くの図書館にあるかを知りたい場合は、自治体の図書館サイト内を「読書通帳」で検索するのが早いです。名称が違うこともあるので、見つからなければカウンターで直接聞くほうが確実です。通帳の配布対象を子どもに限っている館もあります。
そもそも図書館をあまり使っていないなら、先に図書館のメリット7つとデメリット4つ|無料で本が読める法的な理由も解説を読むと、通帳以外の使い道も見えてきます。
図書館が読書通帳を導入する背景
読書通帳が広がっている背景には、読書量の減少があります。文化庁の令和5年度「国語に関する世論調査」(調査は2024年3月実施、2024年9月17日公表)では、1か月に読む本の冊数について「読まない」が62.6%でした。ここでいう本には電子書籍を含み、雑誌と漫画は除きます。
同じ調査では、以前と比べた読書量について「減っている」が69.1%。その理由の1位は「情報機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機等)で時間が取られる」の43.6%で、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」38.9%、「視力など健康上の理由」31.2%と続きます。調査結果は文化庁の発表ページで公開されています。
読んだ量が目に見える形で残ると、続ける動機になりやすい。読書通帳は、この「見えない読書」を数と行に変える道具として置かれています。平均的な読書量との比較は読書は何冊が理想?日本人の平均読書量と月に何冊も読む方法を紹介にまとめています。
近くに読書通帳が無いときの代わり3つ
導入館は全国100か所以上とはいえ、自治体単位ではまだ限られます。同じ効果を自分で作るなら、次の3つです。
| 方法 | 向いている人 | 続けるコツ |
|---|---|---|
| 読書ノート・手帳 | 感想も残したい | 書く項目を3つまでに絞る |
| 読書記録アプリ | 冊数を数えたい | バーコード読み取りがあるものを選ぶ |
| 表計算ソフト | あとで並べ替えたい | 日付・書名・著者の3列から始める |
手で書く場合の項目の決め方は、読書ノートの書き方3つの型|何を書く?続かない人向けの実例つきで型ごとに解説しています。読書通帳の良さは「書く負担がゼロ」な点なので、自分でやるときも項目を増やしすぎないほうが続きます。
監修者の視点:冊数は動機になるが、目的にはならない
田中寛大大学院で学術書を読んでいた頃、読んだ冊数を数えていた時期があります。数字が増えるのは確かに気持ちがよく、机に向かう回数は増えました。一方で、冊数を目標にすると薄い本を選ぶようになり、1冊に時間をかける読み方から離れていきました。
読書通帳のような記録は、続ける動機としてはよく効きます。ただ数を増やすこと自体が目的になると本末転倒なので、冊数と別に「読み返した本」を分けて記録しておくと、自分にとって何が残ったかが見えます。
読書通帳のよくある質問
- 読書通帳とは何ですか?
-
図書館で借りた本の書名や貸出日を、銀行の通帳のような冊子に印字して残せる仕組みです。図書館に置かれた読書通帳機で、利用者が自分で記帳します。
- 読書通帳はどこの図書館にありますか?
-
2010年に下関市立中央図書館が日本で初めて導入し、現在は全国100か所以上で使われています。鴻巣市(2010年9月)、八尾市(2015年8月)、彦根市(2021年11月)などの事例がメーカーから公開されています。近くの館にあるかは、自治体の図書館サイトを「読書通帳」で検索するか、カウンターで確認してください。
- 読書通帳には何が印字されますか?
-
図書館流通センターの製品説明によれば、貸出日と書名です。機種によっては本の価格が印字されるものもあります。
- 大人でも読書通帳をもらえますか?
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図書館によって異なります。配布対象を子どもに限っている館もあるため、利用したい図書館に直接確認するのが確実です。
- 読書通帳が近くに無い場合はどうすればいいですか?
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読書ノート・読書記録アプリ・表計算ソフトのいずれかで代用できます。読書通帳の利点は記入の手間がない点なので、自分で記録するときも項目を絞ったほうが続きます。
まとめ:まず自分の図書館にあるか確かめる
読書通帳は、図書館で借りた本の貸出日と書名を通帳に印字して残す仕組みです。2010年の下関市立中央図書館を皮切りに全国100か所以上へ広がり、内田洋行とTRCが自立型・卓上型の機械を提供しています。
まずは自治体の図書館サイトを「読書通帳」で検索してみてください。無ければ、読書ノートやアプリで同じ効果は作れます。大事なのは通帳そのものではなく、読んだ記録が目に見えることのほうです。










