心温まる読書で癒やされたいときには、食べ物小説を選んでみてはいかがでしょうか。おいしい物語は、心にもじんわりと栄養を与えてくれるはずです。作中のメニューを想像しながら読み進めるうちに、ほっこりと優しい気持ちになれますよ。
目次
ほっこり癒され幸せな気分になれる食べ物小説
ほっこり癒されるような読書体験がしたいなら、食べ物小説がおすすめです。食べ物をテーマにした物語は、おだやかで心温まる展開のものが多く、読後に幸せな気持ちになれるものが多くあります。
誰かのためを思って準備された温かい食事の周りには、人が集い、居場所が出来ていきます。おいしい食べ物が心も身体も満たしてくれるように、グルメ小説を読むと元気が湧いてくるはずです。作中のおいしそうな食べ物の数々に、ついついお腹がすいてしまうかもしれませんね。
おいしいグルメがテーマの食べ物小説10選
食堂、レストラン、デパ地下など様々な場所を舞台に、おいしい食べ物とそこに集まる人々を描いたグルメ小説を10冊ご紹介します。心が満たされ、人生が動き出す。そんなきっかけになる小説をぜひ見つけてくださいね。
ランチのアッコちゃん
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彼氏にフラれた派遣社員の三智子は、営業部の上司敦子からランチの交換を提案されます。三智子の作るお弁当の代わりに、敦子からお昼代とランチ先の情報を受け取ることに。
敦子とのやりとりや美味しいメニュー、指定されたお店で出会う人々との交流を通して三智子の心も少しずつ変化していきます。三智子が敦子に説明するお弁当のメニューも魅力的なので、お弁当作りに奮闘している人にもおすすめの1冊です。
鴨川食堂
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元警察官で今は調理長の流と、探偵事務所をしている娘のこいしの親子が営む鴨川食堂。店には看板がありません。グルメ雑誌の一行広告だけを頼りに食堂にやってくる客には、こころの中に忘れられない味が。
客のリクエストに応じて、『食捜し』として思い出の料理を捜し出し、再現してくれるのがこの店の特徴です。記憶を辿り、なつかしい味に思いを馳せたくなる物語はシリーズ化・ドラマ化されています。
パンとスープとネコ日和
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生い立ちなどを理由に複雑な思いを抱いていた母が亡くなると、アキコは残された食堂を改装し店を開きます。ボリュームのあるサンドイッチとスープ、サラダにメニューを絞り、信条を持って厨房に立ちます。
しかし、母の店の常連だった客たちに受け入れられず、悩むアキコ。自分の生い立ちについて、人づてに聞くうちに父への思いにも変化が。作中にはネコの愛くるしさが度々描かれていて、ネコ好きの人にもおすすめの1冊です。
食堂かたつむり
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失恋のショックから声が出なくなったりんごは、10年ぶりに実家に戻り「食堂かたつむり」を開店します。作中にはザクロカレー、ジュテームスープ、ウサギのためのビスケットなど食べる相手を思って作られた料理が次々と登場。
次第に、食堂かたつむりの料理は願い事を叶えてくれるという噂が広まります。おかんと飼い豚エルメスとの暮らしや別れから教わる、命の大切さ。食べること、生きることに誠実に向き合いたくなる物語です。
まずはこれ食べて
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大学時代に友人たちで会社「ぐらんま」をたちあげた胡雪たち。ある日、家政婦の筧が雇われ、通ってくることになります。筧の作る、あたたかく懐かしさを感じる料理の数々は「ぐらんま」のメンバーたちの日々の楽しみに。
メンバーそれぞれの人生模様や人間の影の部分の描写と、食事シーンのコントラストが印象的です。筧がメンバーに料理の作り方を教えたり、献立を説明するシーンを読んでいると、誰かのためにおいしいごはんを作りたいと思えてきます。
とにもかくにもごはん
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波子は夫を事故で亡くしたことをきっかけに、子ども食堂を始めます。小説では子ども食堂に集うスタッフ、子供、親など様々な人の視点で交代にストーリーが語られます。その真ん中には食堂のあたたかいごはんが。
それぞれが思い出や後悔や苦い気持ちを胸に抱えたまま、食堂で言葉を交わすうちに、お互いに少しずつ影響し合っていきます。食堂に集う一員になって、共にごはんを食べているような、読むうちに癒されていくような1冊です。
食堂のおばちゃん
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仲の良い嫁姑が営む「はじめ食堂」は焼き魚、コロッケ、春キャベツのペペロンチーノなどの他、たらこの白滝の炒り煮など小鉢も人気です。大衆食堂に集う人情味あふれる魅力的な人物たちが登場する、おだやかでほっこりするストーリーです。
作中の料理は素朴で食欲をそそり、自分でも作ってみたい気持ちが湧きます。その気持ちに応えるように巻末にはレシピ付きです。人気シリーズとして続編が刊行されていて、読み進めるたび自分も常連になった気分を味わえますよ。
キッチン常夜灯
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火事をきっかけに住み始めた街には、夜から朝にかけて開店する「キッチン常夜灯」がありました。眠れない夜にも、あたたかなスープが身体を温めてくれます。物静かなシェフが丁寧に作る料理には、食べた人を癒し元気にする力が。
主人公のみもざは店に集う人々との関わりを通して、自分の進む道を見つめ直します。作中には、温度感まで伝わってきそうなほど魅力的な料理が数多く登場。読んでいるだけでも心の芯からあたためてくれるような作品です。
和菓子のアン
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デパ地下の和菓子店でアルバイトを始めた杏子は、店で巻き起こるちょっとしたミステリーを推理するうちに、和菓子に込められた意味や魅力を知ります。店の個性的なメンバーの働く姿や客とのやり取りから、販売の仕事の奥深さも学ぶ日々。
思いを季節の和菓子になぞらえる、風流な世界。和菓子を買いに走りたくなる、誰かに和菓子のうんちくを話してみたくなる、そんな物語です。続編も出版されています。
タルト・タタンの夢
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小さなフレンチレストラン<パ・マル>は本当にフランス料理が好きな客のために、無口で変わり者のシェフが、手間暇かけた料理を提供してくれます。店では日常に潜むささいなミステリーが次々と巻き起こります。
客のふとした言葉から心情を察し、謎を解明していくシェフ。そんなシェフを始めとする魅力的な人物が登場する物語は「シェフは名探偵」の名でドラマ化も。料理と謎解きが融合した格別なストーリーはつい唸ってしまう読み応えです。
お腹がすくほど美味しそうな食べ物小説を読もう
おいしいごはんやおやつが出てくる小説は、読んでいるとお腹がすいてきそう。読後は心が満たされ、元気になるのを感じる人も多いはずです。日々の疲れを感じたら、ぜひ食べ物小説でほっこりしてみてくださいね。
食べ物小説を読むと、作中の料理を再現したり、誰かと食事の約束をしたり、小説の舞台となる町へグルメ旅にでかけたりなど、新たな楽しみにもきっとつながりますよ。