SFファンタジーや歴史、ミステリーの分野など、さまざまなジャンルにまたがる小説を書いている冲方丁。映像化だけでなく、アニメの脚本も担当した作品もあります。どの作品を読もうか迷ってしまう人もいますよね。
この記事でわかること
- 冲方丁の作風やジャンルについて
- 冲方丁のおすすめの作品のあらすじを紹介
本記事では、冲方丁の作風、多彩なジャンルについて解説したのちに、おすすめの作品のあらすじを紹介しています。
目次
冲方丁の作風とジャンルについて解説!
- 独特な文体
- SF小説や歴史小説の分野で人気
- ゲームやアニメ、漫画の原作も手掛ける
冲方丁の小説は独特な文体が目立ちます。たとえば、自らが作り出した語句と傍点の多用をするような記号の使い方が斬新なところです。ジャンルは多岐にわたり、SFファンタジーやミステリー、歴史小説が人気。映像化された作品も多くみられます。苦難にさらされる主人公が、必死に運命を切り開こうとする姿が魅力的です。先のわからないストーリーを評価する声も。
冲方丁の著作からおすすめの作品を7つ紹介!
冲方丁の作品の中からなるべく多くのジャンルを厳選して、7作品を紹介します。
| 作品名 | ジャンル | 特徴 |
|---|
| 『天地明察』 | 歴史小説(江戸時代) | 暦を作った渋川春海の姿 |
| 『光圀伝』 | 歴史小説(江戸時代) | 水戸光圀公の生涯 |
| 『はなとゆめ』 | 歴史小説(平安時代) | 清少納言の生き様 |
| 『ばいばい、アース』 | SF小説(ライトノベル・異能) | 同志を求める異形の女子の戦い |
| 『マルドゥック・スクランブル』 | SF小説 | 事件の謎をめぐり戦う少女 |
| 『十二人の死にたい子どもたち』 | 推理小説 | 安楽死を希望する子どもたちの話 |
| 『もらい泣き』 | ショートエッセイ | 泣ける話をまとめる |
『天地明察』
リンク
歴史的な改暦に取り組む主人公の姿を描いた歴史小説。江戸幕府の四代将軍徳川家綱の時代に、日本の生活様式に合わせた暦を作る計画が持ち上がります。改暦に抵抗する者もいて、困難を極めました。囲碁の名門出身の渋川春海が責任者に任命され、天文の観測や計算に粘り強く取り組みます。彼は20年をついやして奮闘して周囲の人間関係も巻き込み、壮大な計画に必死で立ち向かいました。
『光圀伝』
リンク
水戸光圀の生きざまを描いた歴史小説。諸国を漫遊するイメージとは違い、荒々しい『虎』にたとえられる新たな光圀の姿が示されます。隠居所にて過去を振り返りながら語る老年の主人公。兄を差し置いて藩主になり、若い頃は悩みを重ねて傾奇者(かぶきもの)として荒れた生活を送ります。しかし、ある人物との出会いにより悔い改め名君へと成長。大切な人との別れを経て、多くの仲間とともに大日本史を編纂をはじめます。
『はなとゆめ』
リンク
平安期の藤原氏の権力争いに敗れて没落していく中宮定子。彼女の女房である清少納言が主人公の歴史小説です。後世では高慢で知識のひけらかす女性との悪評もあります。しかし、本作では権力争いに巻き込まれながらも、主人を守り通そうとする忠実な女性という印象です。実際の姿は定かではありませんが、作中の主人公の姿に共感する女性も多く、心を寄せる読者も多く見られます。
『ばいばい、アース』
リンク
ライトノベルに分類されるSF小説で、独特な文体や表現がほかにない世界観を生み出しています。ほかの者のように牙もなく、毛皮や鱗も持たない異質な『のっべらぼう』として生まれた少女ブラック=ベル。自分と同じような存在を探し、剣を手に戦いに挑む旅に出ます。さまざまな出会いと別れを経験しながら、彼女は大きく成長していきます。
『マルドゥック・スクランブル』
リンク
身寄りのない少女バロットは、ギャンブラーの計略で炎に巻き込まれ命を落としかけます。事件の担当官たちに助けられた彼女は、科学技術の特別利用により特殊な体に改造。なぜ自分が事件に巻き込まれたのか見当もつかないまま、捜査官と手を組み、ギャンブラー側に戦いを挑みます。疾走感があふれるストーリー展開が魅力の本作。アニメや漫画の原作にもなっています。
『十二人の死にたい子どもたち』
リンク
誰が首謀者なのかわからないサスペンス調のミステリー作品。元病院の廃墟に集まった十二人の少年と少女は、安楽死を望んで集まりました。しかし、指定された部屋にはすでに一人の遺体があり、一同は驚きます。すぐに死を選ぶべきか、少し時間をとって正体を探るべきか、なかなか意見がまとまりません。話し合いを重ねる子どもたちは、互いに疑いあいますが、果たして真相はどのようなものでしょうか。
『もらい泣き』
リンク
雑誌に3年間にわたって連載されていたショートエッセイ。作者の実体験だけでなく、直接会った人たちから聞いたことをもとにした話を収録しています。非常に短くてもこころを揺さぶる話が多く、感情移入したと感想を述べる人もいるようです。それぞれの人生を感じさせてくれる作品です。
冲方丁のおすすめ作品についてよくある質問(FAQ)
- 冲方丁の歴史小説の代表作は何ですか?
-
江戸時代の人物をモデルにした『天地明察』と『光圀伝』です。
- では、冲方丁のSFのジャンルの代表作は何でしょうか?
-
日本SF大賞を受賞した『マルドゥック・スクランブル』が広く知られています。
一生懸命生きようとする人へ!冲方丁の作品をおすすめ!
冲方丁の作品をおすすめしたいのは、一生懸命努力をして生きようとしている人です。作者は多才で多くのジャンルにまたがる作品を書いています。それぞれに共通する点は、主人公が逆境にあってもへこたれずに大きく成長していることです。努力を重ねている人にとって、大きな励ましに感じられるのではないでしょうか。