三浦しをんのおすすめ本10選!特殊な分野を究める人々の物語が魅力

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三浦しをんの作品は魅力的なキャラクターたちが織りなす人間模様が魅力で、多くドラマ・映画化されています。本屋大賞を受賞した『船を編む』では辞書の編集者、直木賞を受賞した『まほろ駅前多田便利軒』では便利屋、『神去なあなあ日常』では林業など専門的な職業に焦点を当てた作品が多いのも特徴です。

何かに打ち込み、成長していくストーリーや人間味あふれる心理描写をぜひ味わってみてください。

目次

特殊な職業と人間模様を丁寧に描く三浦しをんの作風

本を探す女性

三浦しをんの作風や経歴を見てみましょう。

三浦しをんの作風

辞書編纂や林業、駅伝など特殊な分野を究める人たちの真剣な姿と、温かな人間模様が描かれることの多い三浦しをんの小説。物語を読み終わったあとには充実感や満足感を感じられるでしょう。映画・ドラマ化作品も多く、読みやすいのも特徴。普段本を読みなれない人でも、物語の世界に入っていきやすい作風です。作者自身の生活がユニークな語り口で書かれた、痛快なエッセイもおすすめです。

三浦しをんの経歴

2006年に『まほろ駅前多田便利軒』で20代としては山田詠美に続いて4人目の直木賞を受賞した作者。小説家となるきっかけは就職氷河期の中、採用試験の作文で才能を見いだされたこと。担当面接官だった編集者村上達朗の勧めで、読書エッセイの連載をスタートします。書店でアルバイト後、村上から小説を書くよう促され、執筆を開始しました。

2006年に『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞、2012年『船を編む』で本屋大賞、2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞など数多くの賞を受賞。直木賞、太宰治賞などの選考委員も務めています。

ジブリ映画『思い出のマーニー』の映画では宣伝コピーを担当。「あの入江で、わたしはあなたを待っている。永久に──。」は依頼した鈴木敏夫から、期待に応えてくれたと高く評価されました。

三浦しをんのおすすめ作品10選

原稿用紙とノート

三浦しをんの本は、受賞作品、映画・ドラマ化された作品、特殊な業界をテーマに取り上げた作品など話題になったものが多くあります。今まで詳しく知らなかった職業についても、興味の幅が広がるかもしれませんよ。

船を編む

本屋大賞を受賞した、作者の代表作です。主人公の馬締光也を通して、辞書の編纂という特殊な職業について知ることができるのも大きな魅力。松田龍平、宮崎あおい主演で映画化されました。丁寧に、慎重に、熱量を持って仕事に携わる人々の姿勢と、その人間らしさに魅了される1冊です。

まほろ駅前多田便利軒

便利屋を営む多田と、変人として有名だった高校の同級生行天が再会。引き受けた依頼を遂行する中で、町の個性的な人々と交流が生まれる様子を描いた作品です。この作品で、直木賞を受賞。瑛太、松田龍平によりドラマ・映画化され、続編も人気となりました。

きみはポラリス

恋や愛にまつわる物語を集めた短編集です。短いながらも、それぞれ映像化されることを想像できるほどに、キャラクターの個性や感情がリアルに描かれています。一辺倒ではない、様々な恋愛の形が紡がれている1冊です。

風が強く吹いている

駅伝を舞台にした、青春物語です。仲間と力を合わせる。自分の走りを高める。10人のメンバーそれぞれの思いと共に、チームがゴールを目指す過程が活き活きと描かれています。疾走感あふれる展開は、これまで駅伝の魅力を知らなかった人の心にもさわやかな風を送り込んでくれるかのようです。

神去なあなあ日常

高校を卒業したらフリーターになろうと思っていた平野勇気は、親と先生によって、神去(かむさり)村での林業の世界に放り込まれます。村の人たちに山仕事を教わりながら、山での暮らしを日記に綴る主人公。「ゆっくり行こう」「まあ落ち着け」というニュアンスの言葉である「なあなあ」の通り、どこかのんびりとして味わい深いストーリーは染谷将太主演で映画化もされています。

月魚

古書店の若き当主である真志喜とその友人の瀬名垣。古書の世界と二人の特別な感情、そしてある「罪」を描いた物語。秀でた才能を発揮することは、時に誰かを傷つけ、誰かの人生を左右してしまう。濃密さを感じるストーリーの中で、古書の買取、値の付け方、価値の見出し方など古書にまつわる作法についても知ることができます。

愛なき世界

作家としては初の日本植物学会賞特別賞を受賞した作品です。恋愛小説として読み進めるうちに、植物の世界に打ち込む登場人物を通して植物という専門分野を垣間見ることができます。植物の研究をする大学院生本村、本村に恋する町の洋食屋で働く藤丸、その他の登場人物も含めて「愛ある」世界を生きていることに心温まる作品です。

あの家に暮らす4人の女

古い屋敷での4人の女性の共同生活が第三者目線で語られていく物語。その語り手が一体誰なのかが読み進めるうちにわかります。ほのぼのとした日常のストーリーでありながら、ファンタジーの要素あり、笑いありのにぎやかな1冊です。

ののはな通信

ののとはな、2人の女性が高校生から40代になるまでの往復書簡のみで構成された1冊です。手紙のやり取りから、2人の心境や環境の変化、2人とその周りの人間模様が読み取れます。2人の特別な感情、関係性が手紙という個人的なツールで描写されており、赤裸々な内容を盗み見ているような感覚にも。島清恋愛文学賞と河合隼雄物語賞を受賞した作品です。

しんがりで寝ています

小説とはまた違った作者の魅力を感じられるエッセイです。ピカチュウのかわいさに抗えなくなった作者の買い物の話や、EXILE愛が止まらない話、家族とのエピソードなど雑誌「BAILA」の連載をまとめた1冊。笑ってしまったり、シンパシーを感じてしまったり、作者の人間味があふれる作品です。

三浦しをん作品はこんな人におすすめ

小説を通して、特殊な職業や専門的な世界を垣間見ることができるのが三浦しをん作品の大きな魅力です。これまで身近ではなかった分野を究める人たちの真剣な姿と、温かな人間模様が描かれた小説は、読み終わったあとに充実感や満足感を与えてくれるでしょう。映像化されたヒット作も多く、物語の世界に入りやすい作品が多いため、久しぶりに本を読むという方にもおすすめですよ。

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この記事を書いた人

2006年に詩集『コドクノコドウ』を出版し、現在はWebライターとして活動しています。絵本が大好きで、月に一度小学校で読み聞かせを行っています。週末には近隣の6つの図書館を巡り、絵本、小説、エッセイ、ビジネス書、専門書、短歌集、インテリア、料理、漫画など多岐にわたるジャンルの本を借りて読んでいます。読者の方が「私もやってみようかな、読んでみようかな」と思えるような情報をお届けすることを心がけています。

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