医療をテーマに、数多くのベストセラー小説を生み出している作家・海堂尊。自身も医師として活躍していた経験から、リアリティあふれる作風を得意としています。
この記事でわかること
- 海堂尊の経歴と代表作
- 選書のポイントとコツ
- 海堂尊のおすすめ小説8選
- 海堂尊の作品選びに関するFAQ
この記事では、海堂尊のおすすめ小説を紹介します。初めて読む方向けに選書のポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
海堂尊とは?経歴と代表作
海堂尊は、1961年千葉県生まれの作家です。1988年に千葉大学医学部を卒業しました。外科医、病理医として勤務した後、2005年に「チーム・バチスタの栄光」でこのミステリーがすごい!大賞を受賞し、翌年にデビュー。その後、医療ミステリーのジャンルで数多くのベストセラー小説を生み出しました。
代表作
- 2006年「チーム・バチスタの栄光」
- 2007年「ブラックペアン1988」
- 2008年「ジーン・ワルツ」
海堂尊の作品選びに迷ったら
シリーズ小説が多い海堂尊作品。初めて読む方向けに、選書のポイントを解説します。
ベストセラー作品から選んでみよう
海堂尊の作品が気になったら、まずは人気のベストセラー作品から手に取ってみましょう。映像化された小説も多いので、聞いたことのあるタイトルから選ぶのもおすすめです。
受賞歴のある作品や、文学賞候補になった作品を読んでみよう
海堂尊の作品は、文学賞の候補に入った作品が多くあります。ぜひ文学界で高く評価されている作品を読んでみてください。
受賞・受賞候補作品
- 2005年「チーム・バチスタの栄光」このミステリーがすごい!大賞受賞
- 2008年「死因不明社会」科学ジャーナリスト賞受賞
- 2008年「ブラックペアン1988」山本周五郎賞候補
- 2010年「マドンナ・ヴェルデ」山本周五郎賞候補
- 2011年「ブレイズメス1990」吉川英治文学新人賞候補
海堂尊のおすすめ小説8選
海堂尊のおすすめ小説を紹介します。
「チーム・バチスタの栄光」
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2006年に刊行された、海堂尊のデビュー作です。大ヒット作としてテレビドラマ化、映画化されました。
物語の舞台は、東海地方にある桜宮市の「東城大学医学部付属病院」。難易度の高い心臓手術「バチスタ手術」に連続失敗が起き、病院内で疑惑が高まる。原因究明のため、医師である田口と厚生労働省の白鳥が調査に乗り出すが──。エリート集団“チーム・バチスタ”でいったい何が起こっているのか?最初から最後まで目が離せない、医療ミステリーの金字塔です。初めて海堂作品を読む方におすすめ。
「ブラックペアン1988」
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2007年刊行の作品です。2018年にテレビドラマ化されています。
東城大学医学部の研修医である世良雅志は、「神の手」と呼ばれる佐伯教授をはじめ、尖ったエリート医師たちが所属する外科教室に入局することに。しかし入局して3日目のある日、帝華大から赴任して来た新任講師・高階と、彼が薦める新型医療機器の導入が教室に波紋を呼ぶ。不敵な言動で周囲の反感を買う高階だが、やがて世良は高階や「オペ室の悪魔」渡海との関わりの中で医師として大きく成長していく──。
「チーム・バチスタの栄光」の過去篇として執筆された本作。医療現場の覚悟と人間ドラマをたっぷりと味わえる作品です。
「ジーン・ワルツ」
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2008年に刊行された作品です。2011年に映画化されています。
帝華大学の産婦人科医・曾根崎理恵は、美貌と冷静さ、そして人工授精の腕で名を知られる存在だった。閉院寸前のクリニックで五人の妊婦を担当しながら高度医療の影に潜む課題と向き合う理恵だが、一方で上司の清川は彼女に「代理母出産」の疑惑を抱いており……。
生殖医療の光と影が交差する、「命」について考えさせられる作品です。
「極北クレイマー」
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2009年に刊行された作品です。
極北市の「赤字五つ星」と呼ばれる市民病院に赴任した外科医・今中は、不衛生な病棟や怠慢な職員、対立する院長と事務長など、崩壊寸前の実態を目の当たりにして衝撃を受ける。改変のために地道な努力をする今中だったが、唯一まじめで人徳がある産科医・三枝の医療事故疑惑や外部ジャーナリスト・西園寺さやかの暗躍も重なり、病院はついに閉鎖の危機へ……。地域医療の過酷な現場で、今中は極北市民病院を立て直せるのか?
地方の財政破綻と地域医療をテーマにした作品です。
「医学のたまご」
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2008年に刊行された児童文学作品です。
全国一位の潜在能力を評価され、中学生ながら東城大学医学部に通うことになった曾根崎薫。戸惑いながらも研究を進めるうち、いつのまにか大きな医学的発見をしてしまい、教授陣は大騒ぎ!しかしこのことをきっかけに、薫は大人の思惑が渦巻く世界へ踏み込むことになってしまう──。コミカルで爽やかな医学青春ミステリーです。
「コロナ黙示録」
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2020年に刊行された作品です。
豪華客船で発生した新型コロナウイルスのパンデミック。東城大学医学部付属病院が患者の受け入れ先として要請を受け、医師である田口は「新型コロナウイルス対策本部」として立ち上がる。しかし、騒動の裏では政治的な闇が深い根を張っていた──。
「バチスタシリーズ」の面々が活躍する本作。医療従事者ならではの視点で描かれた、衝撃の話題作です。
「モルフェウスの領域」
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2010年に刊行された作品です。
右眼を失い、残された左眼にも網膜芽腫が発症した9歳の少年・アツシ。治療法の完成を信じ、仮死状態のまま人工的に凍眠するという「コールドスリープ」で5年間を過ごすことに。未来医学探求センターの非常勤職員である日比野涼子は彼の生命維持を担当し管理を行うが、実験の成功の陰で、二人には新たな試練と問題が迫っていた。
近未来を描いた、最先端医療ミステリーです。
「螺鈿迷宮」
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2006年に刊行された作品です。2014年にテレビドラマ化されました。
東城大学医学部の学生・天馬は、幼なじみの記者からの依頼で、終末期医療の専門施設「碧翠院桜宮病院」に潜入する。理想的なホスピスとして注目される一方、不可解な死亡例が続くという噂も絶えない桜宮病院。医師たちの不可解な行動と異様な死の速さに疑念を抱きながら、天馬はやがて病院に隠された真実へと近づいていく。
終末期医療をテーマとした作品です。読み応えのある作品を求めている方におすすめ。
海堂尊の作品選びのFAQ
- 海堂尊の代表作はどれですか?
-
「チーム・バチスタの栄光」です。海堂尊のデビュー作であり、後に出版されるほとんどの小説の原点となっています。
- 初めて読むならどの作品がおすすめですか?
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「チーム・バチスタの栄光」がおすすめです。シリーズ第一作であり、海堂尊が描く医療の世界観を堪能できます。読みやすい文体を求めている方は、「医学のたまご」を手に取ってみましょう。
- シリーズは時系列順に読まないといけませんか?
-
いいえ。海堂尊の各作品はシリーズとしてのつながりを持っていますが、ひとつひとつが独立しているため、必ずしも時系列順で読む必要はありません。バラバラに読んでも問題なく楽しめます。ただし、より深く海堂尊の世界観に浸りたい方は刊行順に読むのがおすすめです。
- 海堂尊の小説はどんな魅力がありますか?
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現役医師ならではの臨場感あふれる医療現場のリアルと、計算された緻密なミステリーが多くのファンから支持を得ています。また、「桜宮市」を舞台に繰り広げられる壮大な人間ドラマも、読者を魅了するポイントとなっています。
海堂尊が描く「医療現場のリアル」を味わおう
医療現場のリアルを壮大なスケールで書き綴る作家、海堂尊。専門的なジャンルでありながら、どの作品もエンターテイメント性が高く、ページを捲る手が止まらないという声も多く寄せられています。初めて読む方は「チーム・バチスタの栄光」がおすすめです。ぜひ海堂尊の世界観に飛び込んでみてください。