本の読み方のコツは4つです。①読む前に「知りたいこと」を1つ決める ②目次で読む順番を決める ③手を動かしながら読む ④読み終えたら24時間以内に思い出す。この順で進めると、読んだ内容が記憶に残りやすくなります。
本を最初のページから最後まで均等に読む必要はありません。とくに実用書・ビジネス書・新書は、必要な箇所を先に読んでも成立する作りになっています。
本の読み方のコツは4つ

| コツ | やること | かかる時間 |
|---|---|---|
| 1. 知りたいことを1つ決める | 読む前に問いを1文で書く | 1分 |
| 2. 目次で読む順番を決める | 関係する章に印をつける | 3分 |
| 3. 手を動かしながら読む | 付箋・線引き・余白メモ | 読書中 |
| 4. 24時間以内に思い出す | 本を閉じて3行書き出す | 5分 |
1. 読む前に「知りたいこと」を1つ決める
本を開く前に、「この本から何を知りたいか」を1文で書いてください。「文章を速く書けるようになる方法」「部下への伝え方の型」といった粒度でかまいません。
問いが決まっていると、本文のどこが自分にとって重要かを判断しながら読めます。反対に「なんとなく勉強のため」で開いた本は、読み終えても何が残ったか説明できないことが多くなります。
2. 目次で読む順番を決める
目次は、著者がつくった本の設計図です。3分かけて全体を眺め、決めた問いに関係しそうな章に印をつけてください。
実用書やビジネス書なら、印をつけた章から読んで問題ありません。前提知識が要る本かどうかは、第1章の見出しを見れば判断できます。「〜とは」で始まる章が前半にある本は、そこだけ先に読んでから目当ての章に飛ぶと理解が早くなります。
3. 手を動かしながら読む
読みながら何かしら手を動かすと、内容が残りやすくなります。方法は3つあり、負担の軽い順に付箋・線引き・余白メモです。
- 付箋…気になった見開きの端に貼るだけ。書き込みたくない本や借りた本向き
- 線引き…引くのは「初めて知ったこと」に限る。共感した箇所すべてに引くと後で使えなくなる
- 余白メモ…本文への反論や、自分の状況への置き換えを書く。後から読み返す価値が最も高い
線を引く量は、1ページに1か所を上限の目安にしてください。ページの半分が黄色くなった本は、どこが要点だったか判別できなくなります。
4. 読み終えたら24時間以内に思い出す
読了後、本を閉じた状態で「覚えていること」を3行だけ書き出してください。本を見ながら書き写すのではなく、思い出して書くことが重要です。
思い出せなかった箇所は、印をつけたページを見返して補います。この往復を1回はさむだけで、1週間後に残っている量が変わります。読んだ内容をもう少し整理してまとめたい場合は、要約の手順に沿って書くのが確実です。

読んだ内容が記憶に残らない2つの原因
読んだのに残らない原因は、読解力ではなく読み方と読む環境にあることがほとんどです。
原因1. 読書中に中断が入っている
文化庁の「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年9月公表)では、読書量が減っている理由の1位が「情報機器で時間が取られる」の43.6%でした。読む時間そのものだけでなく、読んでいる最中の集中も削られます。
数ページごとに通知で中断されると、文脈が切れて内容がつながりません。読む前にスマホを別の部屋へ置く、通知を切るなど、環境側を先に整えてください。
原因2. 目で追うだけで終わっている
文字を追うことと、内容を理解することは別の作業です。読み終えた直後に何も思い出せない場合、目だけが動いていた可能性があります。
対処法は、章の終わりごとに本を閉じて「今の章は何の話だったか」を口に出すことです。言えなければ、その章だけ読み直せば済みます。
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本の種類別の読み方
ここまでの4つのコツは、実用書・ビジネス書・新書に向いた読み方です。本の種類によって適した読み方は変わります。
| 本の種類 | 読む順番 | 手の動かし方 |
|---|---|---|
| 実用書・ビジネス書 | 必要な章から読んでよい | 線引き・余白メモ |
| 新書 | 序章と終章を先に読むと全体像がつかめる | 付箋 |
| 学術書・専門書 | 最初から順に読む | 要約を章ごとに書く |
| 小説 | 最初から順に読む | 基本は何もしない |
小説にこの読み方を持ち込むと、物語の流れが途切れます。小説には別のコツがあります。

監修者の視点:難しい本ほど「章ごとに要約」が効く
田中寛大大学院で社会学の専門書を読んでいた頃、通読してから内容を思い出そうとしてもほとんど残りませんでした。切り替えたのは、章を読み終えるたびに3行程度で要約を書く方法です。書けない章はその場で読み直すため、あとから全体を読み返す必要がなくなりました。
難しい本ほど、読む速度を上げるより、確認の回数を増やすほうが結果的に早く終わります。実用書でも同じで、線を引く量を減らして書く量を増やすと残り方が変わります。
本の読み方に関するよくある質問
- 本を最初から最後まで読まないといけませんか?
-
実用書・ビジネス書・新書であれば、必要な章から読んで問題ありません。目次に印をつけ、知りたいことに関係する章から読んでください。学術書と小説は、最初から順に読むほうが理解しやすくなります。
- 本の内容を記憶に残すにはどうすればいいですか?
-
読み終えてから24時間以内に、本を閉じた状態で覚えていることを3行書き出してください。書き写すのではなく思い出して書くことが重要です。思い出せなかった箇所だけ見返せば補えます。
- 本を読むときのメモはどう取ればいいですか?
-
負担の軽い順に、付箋・線引き・余白メモの3つがあります。線を引くのは「初めて知ったこと」に限り、1ページ1か所を目安にしてください。共感した箇所すべてに引くと、後から要点を判別できなくなります。
- 読んでも内容が頭に入らないのはなぜですか?
-
読書中に中断が入っているか、目で追うだけになっている可能性があります。文化庁の令和5年度 国語に関する世論調査では、読書量が減っている理由の1位が「情報機器で時間が取られる」の43.6%でした。まず通知を切って読む環境を整えてください。
- 読書を習慣にするにはどうすればいいですか?
-
読む時間ではなく、読む場所と時刻を固定するほうが続きます。「通勤電車では本を開く」「寝る前に椅子に座ったら読む」のように、すでにある行動に結びつけてください。1日のノルマをページ数で決めると、達成できない日が続いたときにやめる理由になります。
次の1冊は「知りたいこと」を決めてから開く
本の読み方のコツは、読む速度を上げることではなく、読む前と読んだ後に少し手を加えることです。問いを1つ決めてから開き、読み終えたら思い出して書く。この2つを足すだけで、同じ本から残るものが変わります。
読む本そのものを探している段階なら、「ためになる本おすすめ25選!一度は読みたい役立つ本をジャンル別で紹介」も参考にしてください。










