学生を中心に、多くの人から支持を得ている「ボカロ小説」。さまざまなボカロ楽曲が小説化しており、ひとつのジャンルとして盛り上がりを見せています。
この記事では、ボカロ小説のおすすめ作品を紹介します。どれを読めばいいか迷ってしまうという方向けに、選書のポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ボカロ小説とは?
「ボカロ小説」とは、VOCALOIDやUTAU等の音声合成ソフト(通称・ボカロ)を用いて作られた楽曲を原案にノベライズした作品です。2007年に「初音ミク」が登場して以降、ボカロジャンルは動画投稿サイトを中心に数多くの楽曲が制作されました。
その中でも、ストーリー性の高い楽曲や緻密な世界観で構成された楽曲が人気を博し、小説として展開したものが「ボカロ小説」と呼ばれています。
ボカロ小説の選び方
ボカロ小説の選ぶときのポイントを解説します。
原曲や作者(ボカロP)で選ぶ
どの作品を読むか迷ったら、まずは自分の好きなボカロ楽曲を原案にした作品から選んでみましょう。まだノベライズされていない場合は、同じボカロPが制作した曲を探すのもおすすめです。数多くの楽曲がノベライズされているので、知っているタイトルから、ぜひ気軽に手に取ってみてください。
ジャンルで選ぶ
ボカロ小説は「恋愛」「青春」「SF」「ミステリー」など、幅広いジャンルで展開しています。また、現代をテーマにした作品以外にも、近未来的な世界観や中世ヨーロッパ風の貴族階級をモチーフにした作品など、舞台となる時代もさまざまです。自分の興味のあるジャンルから作品を選んでみてください。
ボカロ小説のおすすめ作品
ボカロ小説のおすすめ作品を紹介します。
小説 千本桜
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2011年に黒うさPが発表した大ヒットボカロ曲「千本桜」を原案とした作品です。シリーズとして全5巻(文庫版は全6巻)が発売されています。
主人公は14歳の少女、初音未來。千本桜を前に意識を失ってしまった未來は、別の世界である帝都「桜京」へと迷い込んでしまいました。そこで未來は帝都を守る特殊部隊に入隊し、妖異・影憑と命懸けで戦うことになります。
大正時代をモチーフとした世界観が魅力的な本作は、多くの読者から支持を得ています。初めてボカロ小説を読む方にもおすすめの作品です。
ヴァンパイア
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多くのヒット曲を手掛けるボカロP・DECO*27による「ヴァンパイア」を原案とした小説です。2021年の楽曲発表から人気を博し続け、2024年にノベライズされました。
まだ人の血を吸ったことがないヴァンパイアの主人公は、フォロワー数2万人のインフルエンサー。いつもSNS上の「いいね」で飢餓感を紛らわしていました。そんな中、ふとしたきっかけで運命の相手を発見しますが─…。
恋するヴァンパイアであり、駆け出しのインフルエンサーである少女が、本当の愛と自分の秘密を知るまでのお話です。ポップでキュートな恋愛小説が読みたい方におすすめです。
カゲロウデイズ -in a daze-
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音楽家、小説家、脚本家であるじん(自然の敵P)によるマルチメディアプロジェクト「カゲロウプロジェクト」の作品のひとつです。小説のタイトルである「カゲロウデイズ」は2011年に発表された楽曲が原案ですが、ストーリーや世界観は「カゲロウプロジェクト」内の他の楽曲や作品とつながっています。
引きこもりの少年・シンタローのパソコンに突然現れた電脳少女のエネ。真夏に起こったとあるテロ事件をきっかけに、複雑に絡み合う謎や事件に関わることになっていきます。緻密に作りこまれた圧巻の世界観で、多くの人々を魅了し続ける作品です。ぜひご一読ください。
ベノム 求愛性少女症候群
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2018年に発表されたかいりきベアの人気楽曲「ベノム」を原案にした小説です。表題作の他、「ダーリンダンス」「失敗作少女」もキャラクター化されています。
物語の鍵となるのは、「求愛性少女症候群」。不満を抱える十代の女の子にあらわれるという非日常的な現象が、噂話ではなく現実になってしまいます─…。満たされない日々を過ごす主人公の姿に共感するという声も多い本作。悩める少女たちによる、不思議な青春ストーリーです。
悪ノ娘 黄のクロアテュール
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動画投稿サイトで話題となった名曲「悪ノ娘」「悪ノ召使」を、作曲者の悪ノP本人がノベライズした作品です。原曲の世界観をさらに壮大にし、哀しくも美しいストーリーを織り成しています。
わずか14歳でルシフェニア王国を統治する王女・リリアンヌ。独裁的で暴政を行う彼女の側には、いつも「顔のよく似た召使い」が控えていました。二人が背負う悲しい運命の歯車は、やがて世界を巻き込んで回り始めます。ボカロ小説の原点ともいえる作品です。
ロキ THE CURSED SONG
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2018年にみきとPが発表した同名曲を原案とした作品です。動画投稿サイトで圧倒的な人気を誇り話題となりました。
主人公はバンドに打ち込む高校生・小鳥遊六樹。文化祭の準備に忙しい日々を送る中、SNSで「呪いの曲」と噂される『ロキ』の存在を耳にします。噂を気にしていなかった六樹ですが、ある日突然「ロキロキロックンロール!」と叫ぶ女子生徒たちに襲われてしまい―…。青春小説とミステリー小説の面白さを同時に得られる作風は、ボカロ小説初心者の方にもおすすめです。
六兆年と一夜物語
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作者であるKEMU VOXXの関連楽曲からなる壮大なプロジェクトを小説化した作品です。原案となった「六兆年と一夜物語」以外の楽曲にも繋がる世界観となっています。
忌み子と呼ばれ人々から避けられてきた少年・リクは、同じく孤独な少女・アイと出逢います。アイと関わる中で少しずつ人のあたたかさを知るリクですが、やがて無惨にも彼女を奪われてしまい─…。悲しくも儚い物語ですが、複雑に絡み合う展開に没入して読み込んでしまったという声も。曲の世界観をより深く知りたい方におすすめです。
ココロ
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2008年に発表されたトラボルタPによる楽曲のノベライズ作品です。原案となった「ココロ」は小説の他、舞台化され話題となりました。
「ロボットと心」というテーマを軸に、ヒューマンドラマやSF的な要素を織り交ぜた本作。原曲とは少し異なったストーリーで物語が進むため、読後もさまざまな解釈を思い巡らせて楽しむことができます。シリアスな展開も多く、本格的な小説作品としてもおすすめです。
ボカロ小説を読んで曲の世界観を楽しもう
ボカロ小説は、より楽曲の世界観に没入できるコンテンツです。お気に入りの楽曲や作曲者の本を読んで、小説と音楽がリンクする感動の読書体験を楽しみましょう。初心者の方も読みやすい作品が多く揃っていますので、ぜひお気軽に手に取ってみてください。