柚月裕子のおすすめ作品と作風について!シリーズ4選と単発小説5選を紹介!

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柚月裕子の作品というと、人間の心理を丁寧に追ったミステリーというイメージが強いでしょうか。映像化された作品の印象から、任侠団体や警察を舞台にした硬派な小説という印象を持つ人もいるかもしれません。

この記事でわかること
  • 柚月裕子の作風と特徴
  • 柚月裕子のおすすめのシリーズ作品と小説について


本記事では、作風を解説した後に、柚月裕子の作品やおすすめのシリーズものを分けて、あらすじを紹介しています。

目次

柚月裕子の作風と特徴

柚月裕子のおすすめ作品と作風について!シリーズ4選と単発小説5選を紹介!
  • 社会派ミステリーとハードボイルド
  • 登場人物の心理を丁寧に描く

柚月裕子の作品は、一般社会の問題点や闇をあぶり出す社会派ミステリーと、任侠団体や警察組織、探偵や司法を舞台にしたハードボイルド小説が目立ちます。立場や状況を描写しながら、登場人物の動きを丁寧にわかりやすく表現するのも特徴です。硬派な雰囲気の作品を読みたい人、人物の描き方をじっくりと味わいたい人におすすめです。

柚月裕子おすすめシリーズ4つと単発小説5つを紹介!

柚月裕子おすすめシリーズ4つと単発小説5つを紹介!

柚月裕子のおすすめシリーズごとに、読む順番とあらすじを紹介します。

シリーズ名特徴
『孤狼の血』シリーズ昭和末期の広島で、警察とヤクザの抗争を描く
『佐方貞人』シリーズ元検事の弁護士が事件の真相に迫る
『朽ちないサクラ』シリーズ女性警察官が警察の闇を暴く
『合理的にあり得ない 上水流涼子』シリーズ元弁護士の女性探偵が相棒とともに事件を追う

『孤狼の血』シリーズ

読む順番

  • 孤狼の血…強引な捜査をする上司を内偵する新米刑事。上司の真意を知り、徐々に理解を示す。
  • 凶犬の眼…暴力団の抗争で暗殺事件が勃発。かつての新米刑事は、暗殺犯の仁義を信じて解放する。
  • 暴虎の牙…暴力団との抗争で半グレ団体が壊滅。半グレのリーダーは、必死で裏切り者を探す。

シリーズ3作を通じて、昭和末期から平成中期までの広島を舞台にした一連のミステリー。任侠団体の抗争や警察組織の腐敗を描いたハードボイルド、半グレ(暴力団に準ずる新興の勢力)の抗争と抗争のスパイを探すサスペンスタッチの作品が書かれたシリーズです。

『佐方貞人』シリーズ

読む順番

  • 最後の証人…長編小説。主人公が検事を辞職後、弁護士として活動する(なぜ転身したのか理由も明記)
  • 検事の本懐…短編集。主人公が検事だった頃の活躍を描く
  • 検事の死命…短編集。主人公の検事だった頃を書く。『検事の本懐』収録作の完結編も含まれる
  • 検事の信義…短編集。主人公が検事だった頃の話。『孤狼の血』の登場人物の姿も

広島の地方検察庁の検事、ある事件がもとで辞職して弁護士になった『佐方貞人(さかたさだと)』が主人公のミステリー。主人公は、検事時代は『罪をまっとうに裁く』、弁護士時代は『罪をまっとうに裁かれなくてはいけない』という信条を持つ、強い正義感の持ち主です。

『朽ちないサクラ』シリーズ

読む順番

  • 朽ちないサクラ…情報漏えいの疑いがある親友が殺害され、広報広聴課の主人公の女性が解決に挑む
  • 月下のサクラ…刑事に配属された主人公。盗難と殺人事件も発生。警察内部の犯行の疑いが濃厚となる

警察の職員の主人公の女性が、能力を買われ刑事に転属した話を軸に進行するシリーズもの。事件を追ううちに、人のありさまや腐敗した警察組織が徐々に明らかになり、タイトルの意味が判明して興味深く読めると評価されています。『朽ちないサクラ』は映画化され、3冊めの発行を望む人もいるようです。

『合理的にあり得ない 上水流涼子』シリーズ

読む順番

  • 合理的にあり得ない 上水流涼子の解明…短編集
  • 合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明…短編集

弁護士資格を剥奪された主人公『上水流涼子(かみずるりょうこ)』は、頭脳明晰で優秀なアシスタントと探偵事務所を運営しています。『殺人と障害以外は依頼を受ける』のが彼女の信条です。不合理な難題をものともせず、知恵と美貌で解決する姿が魅力的。柚月裕子の作品の中でも、主人公の活躍がユニークで楽しく読めると高評価です。

おすすめの柚月裕子の単発の小説は以下の5作品です。あらすじを紹介します。

作品名特徴
『盤上の向日葵』将棋(棋士たちの戦い)を舞台にしたミステリー
『慈雨』定年退職した刑事が捜査に協力しつつ過去と向き合う
『教誨(きょうかい)』死刑囚の贖罪の意味を考える話
『臨床真理』臨床心理士が少女の死の真実を調査する
『ウツボカズラの甘い息』平凡な主婦が容疑者にされて殺人事件に巻き込まれる

『盤上の向日葵』

埼玉県の山奥で発見された白骨化の遺体のそばに、名作の将棋の駒がありました。ベテラン刑事と棋士を志望していた新米刑事が捜査を担当します。将棋の駒を巡り、世紀の対局とも称される棋士の戦いの場に姿を現す刑事たち。将棋界を巻き込んだ事件の結末が解き明かされます。

『慈雨』

主人公の定年退職をした警察官と妻が、四国のお遍路の旅に向かった先で起こるミステリー。主人公夫妻がお遍路で霊場を回る際に誘拐事件に出くわし、かつて捜査を担当した事件と似ている点が多いことに気づきます。主人公にとって自責の念に苛まれる過去の事件。真相を解明して明らかになった事実は、彼に何をもたらすのでしょうか。

『教誨(きょうかい)』

女性死刑囚と遠い親族にあたる身柄引受人の女性が主人公で、事件を未然に防げなかったのか、死刑囚の罪と償いの仕方は何かを考えさせる小説です。逆境の死刑囚が追い詰められて、自分の子どもを含む2人を殺害し、報道で散々に責められました。主人公が知る死刑囚の印象は異なり、彼女が謎の言葉を最期に述べたことが気になりだします。

『臨床真理』

臨床心理士の主人公と特殊な感覚を持つ青年が協力し、失語症の少女の自殺事件を調査するサスペンスミステリー。主人公の担当の男性患者は、同じ施設の少女の自殺を受け入れられず、ようやく心を開き『彼女が殺された』と告白。主人公の同級生の警察官の助けで調査を始め、明らかになった事実はおぞましいものでした。

『ウツボカズラの甘い息』

かつての美貌を失った主人公の主婦が、同級生のサングラスをかけた女性に再会し、化粧品販売の仕事に誘われました。収入と張り合いを得た主人公ですが、鎌倉の殺人事件の犯人と疑われ逮捕。同級生の正体もわからないまま消え失せ、無実を訴えても証明できるものはありません。詐欺の疑いもかけられてしまいます。

柚月裕子のおすすめ小説でよくある質問(FAQ)

柚月裕子のおすすめ小説でよくある質問(FAQ)
柚月裕子の代表作は何ですか?

単発小説なら『盤上の向日葵』、シリーズものなら『孤狼の血』です。

柚月裕子の作品の中でコメディタッチの作品はありますか?

女性探偵の活躍を描いた短編集『合理的にあり得ない 上水流涼子』シリーズが読みやすいです。

柚月裕子の小説をおすすめ!人の心を丁寧に描くミステリーを探す人に!

柚月裕子の作品をおすすめしたいのは、登場人物の心の動きを丁寧に描き、信条や心に秘めた決意などの内面をじっくりとあぶり出すような本を読みたい人です。ハードボイルドや警察などの組織を舞台にした重厚な作品から、軽快な探偵ものまで幅広い書籍があります。まず、代表作や映像化された作品から、手に取ってみるとよさそうです。

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この記事を書いた人

海辺のつばくろのアバター 海辺のつばくろ ライター・監修者

『乳がん闘病マニュアル: 乳がんステージ4 はじめての乳がん治療「はじめてのがん治療」第1巻(Kindle版)』(ペンネーム:芹澤絵里子名義)を出版しました。治療経験を生かし、治療や抗がん剤の副作用などについて書いています。文学部日本文学科を卒業し、『平家物語』について卒業論文を作成しました。『平家物語』に関連して『保元物語』『平治物語』などの軍記物も読んだ経験があります。現在は、『吾妻鏡』や『太平記』も読み進めています。

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