Bingウェブマスターツール(Bing Webmaster Tools)は、Microsoftが無料で提供しているサイト運営者向けのツールです。Bingでの表示回数やクリック数、インデックスの状況を確かめられるほか、2026年2月からは「AI Performance」で、Microsoft CopilotなどのAIの回答に自社のページが何回引用されたかも見られるようになりました。
株式会社アマノートは、自社サイトと運営メディアをBingウェブマスターツールに登録し、Copilotでの引用を定期的に記録しています。本記事では、登録の手順と主な機能、AI Performanceの数字の読み方、推奨事項のうち追わなくてよい指摘を、当社の実際の画面と数字をもとに解説します。
- BingウェブマスターツールとSearch Consoleの違い
- Search Consoleからインポートする登録手順
- IndexNowで更新をBingに伝える方法
- AI PerformanceでCopilotの引用を確かめる方法と、数字を読むときの注意点
- 推奨事項のうち、日本語のサイトでは追わなくてよい指摘
Bingウェブマスターツールとは
Bingウェブマスターツールは、Bingの検索結果での見え方を確かめるためのツールで、GoogleでいうSearch Consoleにあたります。日本ではBingの利用者がGoogleより少ないため後回しにされがちですが、Microsoftは、Copilotの検索がBingの検索結果をもとに回答を作ると説明しています(Microsoft)。Bingにどう扱われているかは、AIの回答で引用されるかどうかにも関わります。
| 主な機能 | できること | Search Consoleとの比較 |
|---|---|---|
| 検索パフォーマンス | Bingでの表示回数・クリック数・掲載順位 | Search Consoleの「検索パフォーマンス」とほぼ同じ |
| URL検査 | ページがインデックスされているか | 同じ機能がある |
| サイトマップ | XMLサイトマップの送信と読み込み状況 | 同じ機能がある |
| URLの送信・IndexNow | 新しいページや更新したページをBingに伝える | Search Consoleは1URLずつのリクエストのみ |
| AI Performance | CopilotなどのAIの回答で引用された回数とページ | 該当する機能はない |
| 推奨事項(Recommendations) | タイトル・ディスクリプション・画像などの改善点の指摘 | 該当する機能はない |
| 被リンク・キーワード調査 | 被リンクの一覧、Bingでのキーワードの検索数 | Search Consoleにはキーワード調査の機能はない |
Bingウェブマスターツールの登録手順
Search Consoleにサイトを登録済みであれば、インポートを使うと手早く済みます(Bing Webmaster Tools ヘルプ)。
Microsoft・Google・Facebookのアカウントでサインインする
Bingウェブマスターツールには、Microsoftアカウントのほか、GoogleアカウントやFacebookアカウントでもサインインできます。Search Consoleからインポートする場合は、Search Consoleを使っているGoogleアカウントでサインインしておくと手順が少なく済みます。
Search Consoleからサイトをインポートする
サイトを追加する画面でSearch Consoleからインポートする方法を選び、Googleアカウントへのアクセスを許可します。取り込んだサイトは所有確認が済んだ状態になり、Search Consoleに登録したサイトマップも一緒に取り込まれます。データが表示されるまでには、48時間ほどかかることがあります。
インポートしない場合は所有権を確認する
インポートを使わない場合は、次の4つのいずれかで所有権を確認します。WordPressなら、SEOプラグインの認証コード欄に入れて、メタタグとして出力する方法が手軽です。
- DNSの自動確認(対応しているDNS事業者のみ)
- 認証用のXMLファイル(BingSiteAuth.xml)をサーバーに置く
- メタタグをトップページに入れる
- DNSにCNAMEレコードを追加する
同じドメインに別のサイトがある場合を確かめる
当社の登録では、会社サイト(amanaut.co.jp)のプロパティに、同じドメインの下層で運営している書評メディアも含まれていました。推奨事項やAI Performanceの数字は、プロパティ内のすべてのページを合わせたものです。下層に別のWordPressを置いている場合は、数字を見るときにURLで分けて確かめます。
IndexNowで更新をBingに伝える
Bingウェブマスターツールの「URLの送信」では、1日に1ドメインあたり1万件までURLを送れます。ただしMicrosoftは、この手動送信とAPIは将来廃止される可能性があるとして、IndexNowを使うよう勧めています(Bing Webmaster Tools ヘルプ)。
IndexNowは、ページの追加・更新・削除を検索エンジンに知らせる仕組みです。1か所に送ると、参加しているBing、Yandex、Naver、Seznam、Yepなどに共有されます(IndexNow)。Googleは、2026年9月時点でIndexNowへの対応を発表していません。
WordPressなら、Microsoft(Bing Webmaster Tools)が配布しているプラグイン「IndexNow」を入れて有効にすると、記事を公開・更新したときに自動で送信されます。当社は2026年9月に自社サイトへ導入しました。導入後は、次の2点で動いているかを確かめています。
- プラグインが作る認証キーのファイル(
/キー.txt)が、ブラウザで開けてキーと同じ文字列を返すこと - 記事を更新したあと、プラグインの設定画面の送信済み一覧にURLが載ること
Bingウェブマスターツール側のIndexNowの画面は、最初の送信が届くまでは紹介ページのままでした。導入直後に何も表示されなくても、記事を1本更新してから確かめると状況が分かります。
AI PerformanceでCopilotの引用を確かめる
AI Performanceは、2026年2月10日にパブリックプレビューとして公開された機能です(Bing Webmaster Blog)。対象は、Microsoft Copilot、BingのAIによる要約、一部の提携先のAIサービスです。
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| Total Citations | 期間中に、AIの回答で自社のページが出典として表示された回数 |
| Average Cited Pages | 1日あたりに引用された、重複しないページ数の平均 |
| Grounding Queries | AIが引用元のページを探すときに使った検索語(利用者が入力した質問そのものではない) |
| ページ別の引用数 | URLごとの引用回数 |
2026年6月には、同じ検索語で引用された全サイトのうち自社が占める割合を示す「Citation Share」などが、プレビューとして追加されました(Bing Search Blog)。
引用されたページと検索語を見る
当社のプロパティ(書評メディアを含む)では、2026年3月25日から9月20日までに、合計12万6,000回を超える引用が記録されていました。このうちコラム(/blog/)では64ページが引用され、ページ別の値を合計すると約1万回です。
ページ別に見ると、最も多く引用されていたのは「LLMOとは」の記事で、検索語は「llmo とは」「llmo対策」などでした。ほかにも「サイテーションとは」「GEO対策とは」「リッチリザルトとは」のように、用語の意味を説明する記事が上位に並んでいます。Copilotは、用語の定義を短く言い切っている段落を、回答の出典として使いやすいと考えられます。
引用の数字を正しく読む
AI Performanceの数字は、検索パフォーマンスのクリック数と同じようには読めません。当社は次の点に気をつけて記録しています。
- 引用は「出典として表示された回数」で、サイトへの訪問数ではない。訪問はGoogleアナリティクスなどの参照元で別に確かめる
- ページ別・検索語別の値は、全体の一部を抜き出したサンプル。推移を追うときは、日別の合計を使う
- 画面の数字は「1.1K」のように丸めて表示される。前月との細かい差は、日別の値で確かめる
- 記事を書き換えた日を記録しておき、引用の増減と並べて見る
AIの回答での見え方は、Bingウェブマスターツールだけでなく、同じ質問を定期的にAIへ投げて記録する方法でも追えます。やり方は「AIの回答の定点観測」で紹介しています。
Bingウェブマスターツールの推奨事項で追わなくてよい指摘
「推奨事項(Recommendations)」は、以前「SEOレポート」と呼ばれていた機能で、サイト内のページを点検して改善点を一覧にします。英語のサイトを前提にした基準も含まれるため、日本語のサイトでは、直す必要のない指摘も出ます。当社サイトで出た指摘のうち、対応を見送ったものは次のとおりです。
| 指摘 | 当社サイトで出た理由 | 判断 |
|---|---|---|
| メタディスクリプションが短い | 日本語で80〜120字程度の説明文でも指摘された | 日本語の検索結果で読める長さなので追わない |
| 画像にalt属性がない | テーマが出す関連記事のサムネイルや著者アイコンが alt="" になっている | 隣に記事タイトルや著者名があるため、空のaltで正しい |
| h1が複数ある | テーマのページタイトルと、本文の見出しが両方h1になるページがある | テンプレート全体の作り直しになるため、優先度を下げている |
指摘の件数を減らすことを目的にせず、検索結果での見え方や読者の使いやすさに関わるものから直すのが現実的です。
Bingウェブマスターツールに関するよくある質問
Googleで上位に表示されていれば、Bingの対策は要りませんか?
GoogleとBingでは、ページの処理が異なることがあります。当社が運営に関わる別のサイトでは、canonicalで小文字のURLを指定しているのに、Bingだけが大文字を含むURLでインデックスしていました。CopilotがBingの検索結果をもとに回答を作ることを考えると、Bing側の状況も一度は確かめておくと安心です。
Microsoft Clarityの「AIの可視性」とは何が違いますか?
アクセス解析ツールのMicrosoft Clarityにも、Copilotでの引用を見られる画面があります。当社が2026年9月に確かめたときは、直近の数日分しか表示されていませんでした。長い期間の推移は、Bingウェブマスターツールで見ています。
登録すると、Bingでの順位は上がりますか?
登録しただけで順位が上がるわけではありません。Bingでの表示やインデックスの状況を確かめ、問題があれば直すための道具です。IndexNowを使うと、更新したページがBingに伝わるまでの時間を縮められます。
まとめ:BingウェブマスターツールでAIの回答での見え方を確かめる
- CopilotはBingの検索結果をもとに回答を作るため、Bingでの扱いはAIの回答にも関わる
- Search Consoleからインポートすれば、所有確認とサイトマップの登録がまとめて済む
- 更新の通知は、手動のURL送信よりIndexNowが勧められている
- AI Performanceの引用数は訪問数ではない。推移は日別の合計で見る
- 推奨事項は英語を前提にした指摘もあるため、件数を減らすことを目的にしない
株式会社アマノートは、Bingウェブマスターツールや定点観測で自社のAIでの見え方を記録しながら、LLMO対策を支援しています。自社のページがAIの回答でどう使われているかを把握したい場合は、LLMOコンサルティングの現状診断からご相談いただけます。


