今村夏子さんは、日常の中に潜む微細な不穏さを巧みに描き出し、読者を予測不可能な結末へと導く作品が特徴。
また、数々の賞を受賞しており「あたらしい娘」が2010年に「太宰治賞」を受賞、短編集「あひる」で「河合隼雄物語賞」受賞、2017年に「星の子」で芥川賞候補と「野間文芸新人賞」を受賞など高い評価を受けています。
この記事では、今村夏子さんのおすすめの作品を紹介します。ぜひ、今村さんの世界観にどっぷりと浸かってみてください。
目次
今村夏子の作品の魅力
今村夏子さんの作品は、親しみやすい言葉遣いで複雑な表現を避けつつも、引き込まれる世界観が魅力です。普通の生活に対する鋭い批判や、生きづらい思いを抱える人々の声を力強く映し出しています。
読者に身震いするような緊迫感を与えるのも、今村夏子さんの作品の魅力です。
今村夏子のおすすめの作品
今村夏子さんのおすすめの作品を紹介します。
むらさきのスカートの女
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「むらさきのスカートの女」は、第161回芥川賞受賞作であり、今村夏子の代表作の一つです。
商店街で有名なむらさきのスカートを身に纏う女を観察する黄色いカーディガンの女。黄色いカーディガンの女がむらさきのスカートの女と仲良くなろうと同じ職場で働くうちに、むらさきのスカートの女は成長していき、一方で黄色いカーディガンの女は異常な変化をしていきます。
今村夏子さん特有の不思議で不気味な、不穏さと予測不能な展開が魅力の作品です。
あひる
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今村夏子の短編集「あひる」。心をざわつかせる3つの不穏な物語が収録されています。第5回河合隼雄物語賞を受賞し、表題作は芥川賞の候補にもなりました。
表題作「あひる」は、親戚から引き取ったあひるが病気から戻ると全く別のあひるにすり替わっているという不可解な出来事から、主人公の家族に起こる奇妙で不安な出来事を描いています。
短編集なのでサクサクと読めますが、深く考えれば考えるほど、理解不能な不穏な空気が漂っているような読後感を覚える作品です。
星の子
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「星の子」は、第39回野間文芸新人賞を受賞し、2018年の本屋大賞にノミネートされた作品です。2020年には芦田愛菜さん主演で映画化されました。
病弱な少女ちひろの視点から語られる物語は、新興宗教に深くはまっていく両親と、その影響で少しずつ崩壊していく家族の様子を描いています。日常の中に潜む不穏な空気と、平穏を乱される家族の微妙な変化を繊細に捉えた作品です。
こちらあみ子
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「こちらあみ子」は今村夏子さんのデビュー作で、2022年には映画化もされた作品です。太宰治賞を受賞した中編「あたらしい娘」を改題した表題作「こちらあみ子」を含む、計3編の物語が収録されています。
主人公あみ子は、一見普通の日々を送る少女。しかし物語が進むにつれて、彼女の周りには不穏さがただよいはじめます。
日常の中に潜む独特の緊張感と、一体それが何を意味するのか、今村夏子さんの世界観あふれる作品です。
木になった亜沙
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「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の3つの不思議な物語が収録された短編集。
誰からも食物を受け取ってもらえない亜沙の物語、的にされ狙われるものの、誰にも的中されない七未の物語、自堕落な生活を送りながらも誰からも愛されない寂しさを抱えている真由美の物語が収録されています。
不思議、哀しさ、狂気、切なさを感じる今村さんの世界観が炸裂した作品です。
とんこつＱ＆Ａ
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今村夏子さんによる短編集。「とんこつQ&A」「嘘の道」「良夫婦」「冷たい大根の煮物」の4つの物語を収録しています。
なるべく関わりたくないような人物たちが次々に登場し、読者を不思議な感情に誘います。登場人物は人間性が微妙にずれており、そのどこかホラーを感じさせる描写で読む人を引き込む作品です。
まとめ：今村夏子のおすすめ作品
今村夏子さんのおすすめの作品を紹介しました。不思議でゾクゾクする今村さんの世界を、ぜひ楽しんでみてください。
