森絵都のおすすめ8選|直木賞『風に舞いあがるビニールシート』ほか代表作

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森絵都の代表作は、1998年の『カラフル』と、2006年に第135回直木賞を受けた短編集『風に舞いあがるビニールシート』です。初めて読むなら、映画・アニメ映画にもなった『カラフル』が入口として確実で、大人向けの作品を読みたいなら直木賞受賞作が向いています。

この記事では、森絵都のおすすめ小説8選を、受賞歴と映像化情報つきで紹介します。経歴と選書のポイントもあわせて解説します。

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目次

森絵都とは?経歴や作品の特徴

森絵都は、1968年4月2日生まれ、東京都出身の小説家です。1990年にデビュー作「リズム」で講談社児童文学新人賞を受賞し、1995年に「宇宙のみなしご」で野間児童文芸新人賞、1999年に「カラフル」で産経児童出版文化賞を受賞するなど、日本の児童文学界を牽引する一人として活躍してきました。日本ペンクラブの常務理事も務めています。

若年層向けの小説を多く手掛ける一方、一般向けの作品も高く評価されています。2006年に「風に舞いあがるビニールシート」で第135回直木賞、2017年には「みかづき」で中央公論文芸賞を受賞しました。ほかに1991年の椋鳩十児童文学賞、1998年の路傍の石文学賞・野間児童文芸賞、2003年の小学館児童出版文化賞など、受賞歴は多岐にわたります。

心の内側を丁寧に描く森絵都さんの作品は、幅広い世代から共感を集めています。瑞々しく爽やかな小説が多く、読みやすいのが特徴です。学生はもちろん、読書で癒されたい社会人にもおすすめの作品が多く揃っています。

森絵都作品の選び方

多くの名作小説を手掛けている森絵都さん。作品を選びに迷った際のポイントを紹介します。

代表的な受賞作や映像化作品から選ぶ

まずは話題になった代表作から読んでみましょう。森絵都さんの作品には、受賞作や映像化作品が数多くあります。聞いたことのあるタイトルや気になった作品から気軽に手に取ってみてください。

受賞作
・1990年「リズム」 講談社児童文学新人賞
・1995年「宇宙のみなしご」 野間児童文芸新人賞
・1999年「カラフル」 産経児童出版文化賞
・2003年「DIVE!!」 小学館児童出版文化賞
・2006年「風に舞いあがるビニールシート」 第135回直木賞
・2017年「みかづき」 中央公論文芸賞

映像化作品
・2000年「カラフル」 映画
・2008年「DIVE!!」 映画
・2009年「風に舞いあがるビニールシート」テレビドラマ
・2010年「カラフル」 アニメ映画
・2017年「DIVE!!」 テレビアニメ
・2019年「みかづき」 テレビドラマ

作品の長さで選ぶ

どの本を読むか迷ったら、作品の長さで決めるのもおすすめです。森絵都さんは人気の長編小説を多く手掛ける一方で、短編の名手としても知られています。世界観に思い切り没入したいならシリーズ物の長編小説、隙間時間にサクッと楽しみたいならショートショートなど、自分の読書スタイルに合わせて作品を選んでみてください。

森絵都のおすすめ小説8選

8作品を、形式と受賞歴つきで一覧にしました。長編か短編か、児童向けか大人向けかで選ぶと迷いにくくなります。

作品形式受賞映像化
カラフル長編産経児童出版文化賞(1999年)映画2000年/アニメ映画2010年
DIVE!!長編(全4巻)小学館児童出版文化賞(2003年)映画2008年/アニメ2017年
永遠の出口長編
風に舞いあがるビニールシート短編集第135回直木賞(2006年)ドラマ2009年
みかづき長編中央公論文芸賞(2017年)ドラマ2019年
気分上々短編集

※このほか2作品を本文で紹介しています。1作だけ選ぶなら『カラフル』、大人向けなら直木賞受賞作『風に舞いあがるビニールシート』から読んでください。

カラフル

1998年に刊行された、森絵都さんの代表作品です。第46回産経児童出版文化賞を受賞しており、ヤングアダルト小説の代表格として知られています。

主人公は、生前の罪により輪廻のサイクルからはずされた「ぼく」。天使業界の抽選にあたり、自殺を図った少年・小林真の体にホームステイして「修行」をすることになりました。自分の罪を思い出すために「小林真」としての生活を強いられた「ぼく」が、苦悩や葛藤を乗り越え自分を見つめ直す様子が描かれています。

不朽の名作青春小説と評価されるこの作品は、家族や友人との関係に悩む学生にはもちろん、大人にも読んで欲しい一冊です。

風に舞いあがるビニールシート

森絵都の傑作短編集です。2006年に第135回直木賞を受賞し、表題作は2009年にドラマ化されました。

お金よりも大事なモノのために懸命に努力し、誇りを持って生きる人たちを描いた6作品が収録されています。主人公たちの力強い生き方に、自分の「人生」や「価値観」について考えるきっかけになったという声も。読後に背中を押してくれるような、勇気の出る珠玉の作品集です。

永遠の出口

主人公・紀子の小学三年生から高校を卒業するまでを綴った長編小説です。「どこにでもいる普通の少女」の、思春期の日常を巧みに描いています。

誕生日会をめぐる小さな事件や高校時代の初恋など、等身大の十代の姿に誰もが共感してしまうはず。ユーモアたっぷりの瑞々しい文体で、主人公の成長過程をリアルに感じられます。大人なった紀子と同年代の現代人に、ぜひ読んで欲しい一冊です。

みかづき

昭和から平成にかけての塾業界を舞台に、奮闘を続ける家族を描いた長編小説です。2017年に中央公論文芸賞を受賞し、2019年にはテレビドラマ化されました。

戦後の学校教育の在り方を、三代にわたって塾経営している主人公たちの視点から綴った本作。世代によって登場人物が変わり、物語の壮大さを感じさせる構成になっています。教育に対する熱い思いや繊細に描かれた人間ドラマは圧巻です。感動巨編と呼ぶに相応しい読み応えがあります。

DIVE!!

飛込競技に人生をかけた中高生の姿を描く青春小説です。2003年に小学館児童出版文化賞を受賞し、その後2008年に実写映画化、2017年にはテレビアニメ化されました。

弱小ダイビングクラブの存続をかけ、オリンピック出場を目指す少年たちの熱い闘いが描かれています。スポーツに対する真摯な姿勢のほか、家族やライバルとの軋轢、コーチとの信頼関係など、十代のありのままの姿がいきいきと綴られている作品です。シリーズ化しているので、長編を楽しみたい方におすすめ。

気分上々

著者の魅力を凝縮したと評されている短編集です。児童向けから大人向けまで、幅広いジャンルから9作品が収録されています。

親友と絶交した女子高生、理不尽な家族の掟に悩む大女優、無銭飲食の罪を着せられた中学生男子など、さまざまな人々が描かれている本作。ほろりと泣ける話や、クスッと笑える話まで多彩な作品が集まっています。サクッと読書を楽しみたい方におすすめの一冊です。

ショート・トリップ

「旅」をテーマにしたショートショート集。一般的な短編小説よりも短いため、隙間時間の読書におすすめです。

「刑罰としての旅」を続けるならず者18号や世界中を旅する「眉毛犬ログ」など、個性豊かなキャラクターが楽しめる作品集です。柔らかいテイストながら皮肉の効いた話の数々に、思わず笑ってしまうこと必至。癒されたい人におすすめです。

リズム

1991年に刊行された、森絵都さんのデビュー作です。講談社児童文学新人賞を受賞しました。

小さい頃から近所に住んでいる従兄・真ちゃんを慕う中学1年生のさゆき。平穏な日々を送っていたはずが、徐々に周囲の環境が変化していくさゆきの物語が描かれています。自分らしさを探すさゆきの姿や中学生の繊細で複雑な感性に、多くの読者の共感を得ました。多感な十代はもちろん、大人になった社会人にも今一度読んで欲しい不朽の名作です。

森絵都に関するよくある質問(FAQ)

森絵都作品の選び方や楽しみ方について、よくある疑問に答えます。

児童文学出身の作家ですが、大人が読んでも楽しめますか?

はい、十分に楽しめます。初期の『カラフル』や『DIVE!!』などは児童文学(ヤングアダルト)として発表されましたが、普遍的な人間の悩みや成長を描いており、大人の読者からも「泣ける」「勇気をもらえる」と高い評価を得ています。また、直木賞を受賞した『風に舞いあがるビニールシート』や『みかづき』などは、社会人や親世代の葛藤を描いた大人向けの作品として非常に読み応えがあります。

映像化された作品を教えてください。

多くの作品が映像化されています。代表的なものとして、アニメ映画化・実写映画化された『カラフル』、林遣都主演で映画化・アニメ化もされた『DIVE!!』、高橋一生と永作博美主演でNHKドラマ化された『みかづき』などがあります。映像作品から入って、原作のより細やかな心理描写を楽しむのもおすすめです。

最初に読むならどの作品がおすすめですか?

森絵都作品の温かさとメッセージ性を味わいたいなら、やはり代表作の『カラフル』がおすすめです。読みやすい文体で物語に引き込まれやすく、読後の爽快感も格別です。もし短編でサクッと読みたい場合は『ショート・トリップ』や『気分上々』、大人向けの人間ドラマをじっくり味わいたい場合は『風に舞いあがるビニールシート』から入ると良いでしょう。

森絵都が直木賞を受賞したのはいつですか?

2006年です。『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞(2006年上半期)を受賞しました。表題作を含む6編を収めた短編集で、2009年にはテレビドラマ化もされています。

監修者の視点:児童文学の印象で判断しない

田中寛大

古書店を運営していた時期(2019〜2022年)に扱った6,951タイトルのうち、2冊以上繰り返し売れたのは959タイトル、全体の13.8%でした。何度も買われるのは刊行時に話題だった本ではなく、長く読み継がれてきた本のほうです。

森絵都は児童文学から出てきた作家なので、大人が読むには物足りないのではと敬遠されがちです。ただ実際には、直木賞を受けた『風に舞いあがるビニールシート』は働く大人を描いた短編集ですし、『みかづき』は戦後の教育を三代にわたって追う長編です。児童文学の印象で判断せず、まず1冊読んでみるのがいい作家だと思います。

森絵都の作品でお気に入りの小説を見つけよう

森絵都さんの作品は、等身大の十代を描いた青春小説から大人向けの短編集まで幅広いジャンルが揃っています。気分や読書スタイルに合わせて、お気に入りの一冊を見つけてください。

繊細で瑞々しい森絵都さんの世界観に触れて、よりよい読書体験をしましょう。

中学生・高校生が読みやすい感動作は「中学生におすすめの感動小説10選!人気作品と選び方のポイントを解説」でも紹介しています。

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