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SF小説のおすすめ20選!細かなジャンルについても解説!
SF小説のイメージはどのようなものでしょう。ロボットなど科学技術の進化で豊かな暮らしができたり、宇宙人と交信できたりといった楽観的な世界か、科学文明が進みすぎて退廃する悲観的な未来でしょうか。本記事では、細分化したジャンル分けの説明とともに、SF小説のおすすめ作品を紹介していきます。
ジャンル分けが細分化したSF小説
『SF』は、英語の『サイエンスフィクション(science fiction)』の略語。SF小説のもともとの意味とジャンル分けについて解説します。
もともとのSF小説の意味とは?
SF小説のもともとの意味は、科学技術に基づいた題材や空想の世界を表した小説のこと。いわば、科学研究が発達した世界を想像しながら描いた小説です。日本では『科学小説』『空想科学小説』などの呼称がありましたが、2024年12月現在では、『SF小説』でも十分通用します。
基本的なSF小説のジャンルは以下の3つ。
- スペースオペラ…宇宙空間がテーマ。ほかの星との侵略戦争や友好的に交流する形で、オペラのように複数の人の視点から話を進めていく形が特徴。
- サイバーパンク…コンピューターやインターネット関連の科学技術が発達したところから描かれるジャンル。人体(もしくはその一部)がサイボーグ化したり、ロボットが活躍したりする世界や、ネットなどの仮想空間に入り込むなど。
- タイムトラベラー…過去や未来などを行き来する内容の小説。乗り物を使ったり、超能力を使ったりして時間旅行ができる話や、強制的に巻き込まれ類似した世界に迷い込むパラレルワールドを描いたものも。過去を変えてしまい、現在の世界でトラブルが起こることもある。
新しいSF小説のジャンル
新しいSF小説には、下記のようなサブジャンルもあります。
- ハードSF…SFの中でも現実に存在している科学技術をテーマにした作品。設定に無理がなく、技術の知識を把握する必要。日本語で明確な定義はない。
- 近未来…数年先など近い将来が舞台。第三次世界大戦、核戦争など現実に起こる可能性があるものを取り入れるのが特徴。空中に浮かぶ都市やコールドスリープ(低体温状態に管理し、長期に睡眠を取らせること)、管理社会が行き過ぎた不幸な世界など。
- 遠未来…数千年~数億年経過した未来を描くジャンル。地球以外の惑星に移住していたり、荒廃した地球や太陽系を描いていたりすることも。
- スチームパンク…蒸気機関が原動力になっている時代を描いた小説。19世紀に蒸気機関車など、蒸気を動力源にしていたヨーロッパやアメリカが舞台になることも多い様子。
SF小説のおすすめ20選!あらすじも紹介
SF小説はジャンルが多岐にわたり、なかなか選ぶのが難しいです。おすすめの読みやすい小説を、あらすじとともに20編紹介します。
『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)
標題は、友人と恋人に裏切られた主人公の凍った心を溶かす明るい未来に通じる場所を示しているようです。主人公の忠実な飼い猫ピートが愛らしく、猫好きな人にもおすすめ。
主人公のダンは親友で経営者の友人とタイピストの恋人と一緒に働いています。自分以外の二人が結託し、ダンの発明品を奪い、会社から追放。ダンは夏への扉を探すため、愛猫ピートと一緒に冷凍睡眠を試みますが、失敗。軍事機密のタイムマシンを使うある計画を立てます。
『1984年』(ジョージ・オーウェル)
本作品は、近未来の徹底された管理社会の恐ろしさを描いたディストピア小説で救いようがない世界という印象を受けるかもしれません。しかし、巻末でどんでん返しがあります。
第三次世界大戦と核戦争が行われて30年ほど経過した1984年が舞台。ロンドンに住む下級役人の主人公ウィンストンは、双方向のテレビ画面や町中の監視カメラ、密告し合う人々など、管理社会にうんざり。使える言葉も限られ、恋愛も違反になります。彼は同じく体制に飽き飽きしているジュリアに告白され、隠れて付き合うことになりますが…。
『タイムマシン』(H・G・ウェルズ)
SF小説の古典的な作品で、映画化もされています。上流階級と下層階級の区別が原因で、深刻な危機が訪れることを警告しています。
主人公の時間旅行者(名前はないが、語り手の友人によると有名な科学者)は、過去と未来を自由に行き来できるタイムマシンを開発。彼は友人たちを前に未来の世界に向かいます。戻ってきた彼が語る人類の行く末、遠い世界の地球の様子とはどのようなものでしょうか。
『地底旅行』(ジュール・ヴェルヌ)
日本では、子供向けの冒険小説を書いているイメージの強い作者。SF小説と冒険小説が組み合わされて海外で高く評価。本作は主人公の教授の甥で地底旅行の同行者、甥のアクセルの視点で書かれています。
ドイツの鉱物学者、リーデンブロック教授は購入した古本の中に、ルーン文字のようなメモの羊皮紙があるのに気づきます。甥のアクセルとともに文字を解読すると、ラテン語で『アイスランドの火山の火口を降りていくと、地球の中心に到着する』と書かれていました。二人と現地の優秀なガイド、ハンスは地底への入口を見つけましたが…。
『ソラリス(ソラリスの陽のもとに)』(スタニスワフ・レム)
本作品は、意味がよくわからないと考える人も少なくありません。読者の感じ方に委ねているのではないかという印象を持つ人もいるのではないでしょうか。
全体が海に覆われた惑星、ソラリス。心理学者の主人公は、謎めいた惑星の様子を探ろうと決心します。惑星について調査をする研究者たちは、精神的に追い詰められている様子。それは、惑星にいるはずのない人物が『客』として研究者の元を訪問しているから。主人公のところにも亡くなった恋人にそっくりの人物が会いにやってきます。
『われはロボット』(アイザック・アシモフ)
作者は巻頭に『ロボット三原則』を示し、その決まりから外れるロボットについて書いた連作の短編SF小説。後の長編ミステリー小説で、ロボットと宇宙人、地球人の姿を描いた『鋼鉄都市』に繋がっていきます。
ロボットの心理学者、スーザンが記者から取材されて若い頃を回顧する形を取っています。人の支持に従わない自我を持ったロボットたちの謎を探るミステリー仕立て。それぞれの短編の主人公は若い頃のスーザンか、ロボットテスト担当者のドノヴァンとパウエルの2名が務めています。
『星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)
本作はシリーズの第1作目。全5作で日本国内では、2024年12月11日に最終巻『ミネルヴァ計画』が発行される予定です。本格的なハードSFで、人類の進化の謎、月の表側と裏側の様相の違いなどの解釈がされています。
月で5年前に死亡したと推測される宇宙服を着た遺体を発見。チャーリーと名付けられた遺体について、物理学者のハント、生物学者のダンチェッカーにも調査を命じられます。チャーリーは5万年前になし得なかった高度な原子力の装置を持っていたり、地球人の遺伝子の特徴を持っていたりと謎は深まり…。
『華氏451度』(レイ・ブラッドベリ)
標題は、本の紙面が燃える温度のこと。密告が奨励されお互いが監視し合う国で、本を読むことが禁止されている徹底された管理社会の話です。前述の『1984年』と似ていますが、厳しい中にも明るい未来が感じられる様子です。
主人公は、禁じられた本を焼却処理する焚書担当の役人。隣に引っ越してきた若い女性の影響を受け、本が読めない世界について疑問を持ち始めます。テレビやラジオ、マンガは許可されていますが、本を読めずに考える能力もつきません。自分で考えることを規制されて、人々は国の危機的状況にも気づけません。反体制的な行動を決意する主人公の闘いが始まります。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(フィリップ・K・ディック)
本作品は、第3次世界大戦後の近未来が舞台。人間がアンドロイドを狩って賞金を稼いでいる話を主軸にして進められています。あまりにも人間とアンドロイドが似ていて区別がつきにくく、アンドロイドが人間のように夢を見るだろうかという意味が含まれているのかもしれません。(電気羊は、主人公が最初に飼っていたロボットの羊のこと。)
サンフランシスコに住む主人公は警察官、アンドロイドを捕まえて賞金稼ぎをしています。ある日、火星から地球に8体のアンドロイドが侵入。2体は処分しましたが、後6体が逃亡。上官からアンドロイドの始末を命じられた主人公は、さっそく捜索に取り掛かります。
『歌う船』(アン・マキャフリイ)
本作は、生まれつきの障害で四肢が動かない新生児を機器に格納してサイボーグ化させ、宇宙船の運転に従事させる話です。連作短編集で、完全版では旧6作に新作2作を追加しています。
主人公のヘルヴァは歌う宇宙船として知られ、機器を使って幅広い音域で歌います。歌声を使って、危機を脱することも。彼女の筋肉の代わりをする人を相棒に、教育費や船の建造費などの借金を返済するため、命じられた任務を遂行していきます。相棒との出会いと別れを繰り返し、彼女は大きく成長する姿が印象的です。
『たったひとつの冴えたやりかた』(ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア)
最初は一人の少女が宇宙を旅する冒険物語のようにも感じられるかもしれません。しかし、本作品で、主人公が親しみを覚えた存在と世界を助けるために、たった一つのやりかたを選択してすることに。彼女の決心に呆然とする読者が続出したとのこと。
主人公のコーティーは、両親から16歳の誕生日に宇宙船をプレゼントされます。行方不明者が続出している星に向かって単独で旅立ち、コーティーの脳内にシベローンという生命体が寄生。生命体と仲良くなったコーティーですが、非常にやっかいな問題が潜んでいました。
『銀河英雄伝説』(田中芳樹)
本作はアニメやマンガなどの原作になるほど、人気の小説。遠い未来で起こる銀河系内の戦闘、両軍を率いる2人の人物を中心に、複数の視点から話が進行します。
地球から銀河系にまで勢力を広めた人類。彼らは貴族や皇帝を中心とした銀河帝国と、帝国に反する共和主義の人々の建国した自由惑星同盟の2つの陣営が争っていました。開戦から150年経過し勢力は拮抗。帝国側の元帥ラインハルト、同盟側の司令官ヤンの2人の有能なリーダーの出現により、にわかに歴史が動くことになります。
『スチームオペラ (蒸気都市探偵譚)』(芦辺拓)
本作品は、別の科学が発達したパラレルワールドと蒸気機関をテーマにしたSFでありながら、ミステリーにも分類されるもの。作者による叙述トリックが使われ、どんでん返しのある小説といえるかもしれません。恋愛小説やファンタジーの要素もあり、若い世代の人にも読みやすいでしょう。
主人公エマは、蒸気機関がすべての機械を動かす世界に暮らす女の子。空中船の船長の父を出迎えに行った際に、船内に閉じ込められていたユージンという少年を助けます。その場にいた名探偵に弟子入りし、地域で起こる不可能犯罪を調べる手伝いをすることに。
『さやかに星はきらめき』(村山 早紀)
作者による愛情がこもった優しい雰囲気の5章からなるSF小説。人に温かい気持ちを寄せる素敵な内容です。殺伐とした小説や、難しい科学用語が出てくる小説は気が進まない人にもおすすめの作品。
地球が生物が住めない星に化した遥かな未来。地球人とともに故郷を脱出して、宇宙に住む猫や犬は『ネコビト』『イヌビト』に進化を遂げています。月に住むキャサリンはネコビトにあたり、出版社の編集者に。すべての人類への贈り物となる本を出版しようと、さまざまな星に出向き語り継がれたクリスマスに関わる話を集めていきます。
『南海ちゃんの新しいお仕事 階段落ち人生』(新井素子)
歳を重ねた人で、かわいらしい雰囲気のSF小説が好みの人なら、作者の本を読み漁っていたのではないでしょうか。登場人物の心の動きを丁寧に描き、ドジで頑張り屋で明るく突っ走る主人公を微笑ましく感じるかもしれません。主人公の『あたし』という一人称は健在です。
主人公の高井南海は超能力者で、階段などから転んで落ちることで空間を修復する力を持っています。世界を救うため、空間の日々をモヤとして感知する超能力がある板橋さんと一緒に、修復課を立ち上げることを決定。まずは練馬区から修復していくことになりました。
『電気じかけのクジラは歌う』(逸木裕)
本作品は、AIが発達した近未来が舞台。小説では『作曲』が問題になっていますが、AIで簡単に制作できるとなると、多くの文化的な作品が作られなくなるのではという恐ろしさが感じられます。
主人公の岡部は元作曲家。AIを搭載した作曲アプリの登場で、作曲の仕事は絶滅します。失意の中、岡部のもとに自殺した友人からオブジェと曲が送付。未完といえども素晴らしい曲でした。友人が送付した理由に見当がつきません。岡部は友人を尊敬するピアニストの女性とともに、意味を探っていきます。
『時をかける少女』(筒井康隆)
映像化された作品で、根強い人気を誇るSF小説。タイムリープ(時間移動)を扱いながらも、ミステリーの要素もあります。高校生向けの雑誌に連載されたことから、若い世代にも親しみやすいでしょう。
主人公の和子は高校生。幼馴染の吾郎や一夫と掃除をしていた際に、ラベンダーの香りで気絶。それがきっかけで、1日時間が戻ったり、瞬間移動をしたりといった能力に目覚めます。先のことを予言して幼馴染の二人も納得。理科の教師が、きっかけとなった4日前の理科室に戻って原因を突き止めたらどうかと助言しました。和子は意を決して、時間をさかのぼることに。
『なぞの転校生』(眉村卓)
本作品は、核戦争や科学技術の進歩が幸せをもたらすのかという疑問、異次元を題材にした学園もののSF小説。中学生向けの雑誌に連載され、読者人気も高かったとのこと。
主人公の広一の住む団地の隣の部屋に、山沢典夫とその一家が引っ越してきました。彼は文武両道で美男子、クラス中の人気者。しかし、エレベーターのドアをレーザーで切断しようとしたり、雨や飛行機の音に怯えたりと不思議な行動が目立ちます。彼だけではなく、同じ時期に転校してきた生徒にも同じような行動が見られて大騒ぎに。広一は山沢家の人々にある秘密を打ち明けられます。
『日本沈没(上下巻)』(小松左京)
映画やドラマ化もされ、本作品が記憶に残っている人もいるでしょう。地震や地殻変動で科学の力をもっても防ぎきれないことも。限界まで多くの人を助けようとする登場人物、日本列島と運命をともにする覚悟を、鮮明に描き出しています。
近未来、小笠原諸島の無名の島が突然海中に沈む現象が起こります。現地調査に向かった田所博士、潜水艇の運転手小野寺、海洋地質学者の幸長助教授は、海底に不思議な亀裂を発見。伊豆半島に地震や噴火があり、田所は日本列島全体が海中に沈む可能性を指摘します。
『ボッコちゃん』(星新一)
表題作は、作者が開拓したSF小説の『ショートショート(通常の短編小説よりも非常に短い小説)集』に含まれる代表作です。現在でも人気があり、ユーモアと皮肉がきいている作品が多く見られます。
ボッコちゃんは、バーで接客する女性の格好をしたアンドロイド。男性客は彼女に淡い恋を抱き、店に通います。しかし、彼女はプログラムどおりに客の言葉をオウム返しにするだけ。彼は絶望します。
SF小説がおすすめ!普段とかけ離れた世界に想像を巡らせたい人向け!
SF小説は、日常では体験できない進んだ未来の世界に目を向けて、想像を膨らませたい人におすすめです。ハッピーエンドではないものもありますし、難しくて途中で投げ出してしまうのを心配する人もいるでしょう。映画や、ドラマ、コミックなどで評価が良く、自分の求める雰囲気と合いそうであれば、そちらから選ぶのもいいですね。