司馬遼太郎のおすすめ作品8選!歴史小説の名作や選び方も紹介

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幕末・維新期を代表する歴史小説家として知られる「司馬遼太郎」。『坂の上の雲』『竜馬がゆく』など数々の名作を生み出し、歴史を「個」の視点から描き出すことで、日本人の生き方や国のあり方を問い続けた作家です。

この記事では、今なお多くの読者の心を捉え続けている司馬正太郎作品の魅力と、時代を超えて読み継がれる8作品について紹介します。

目次

司馬遼太郎とはどのような作家?

司馬遼太郎

司馬遼太郎(本名・福田定一)は、1923年大阪生まれの作家です。学徒出陣を経験後、新聞社に勤めながら作家を目指し、文学賞入選でデビューしました。『梟の城』で直木賞を受賞後、専業作家となり、『竜馬がゆく』『燃えよ剣』『坂の上の雲』など数々の名作を残しています。

1993年に文化勲章を受章し、晩年の10年間は小説執筆から離れ、日本の将来を見据えた随筆や紀行文の執筆に注力しました。1996年に逝去するまで日本という国のあり方を問い続け、今なお多くの読者に読まれています。

司馬遼太郎作品の魅力

司馬遼太郎作品の魅力

歴史小説界の巨星と称される司馬遼太郎は、戦国・幕末・明治を舞台に多くの歴史小説を執筆しました。「司馬史観」と呼ばれる独自の明晰な歴史観と、膨大な資料に基づく綿密な物語構成で、が特徴です。

歴史に新たな解釈を加え、登場人物を自由かついきいきと描く手腕は、多くの読者を魅了しました。会話主体の初心者向けから、資料的価値のある上級者向けまで幅広い作品を残し、歴史ファンはもちろん、歴史入門としても適しています。

司馬遼太郎のおすすめ作品8選

読書の秋・積読・読書家

数多くの司馬作品の中から、選りすぐりの8選を紹介します。

初めて読む人におすすめの司馬遼太郎作品

歴史小説を読み慣れていない人には、以下の作品から始めてみてはいかがでしょうか。

『燃えよ剣』

新選組副長・土方歳三の生涯を描いた歴史小説です。武州石田村の百姓の子として生まれた土方は、ケンカ好きで組織づくりの才能に長けており、寄せ集めだった新選組を当時最強の集団へと成長させました。沖田総司との軽妙な関係性、近藤勇との深い友情、お雪との恋愛など、人物同士の絆も魅力的に描かれています。

500万部を超えるベストセラーとなり、新選組ブームの火付け役となりました。2021年には映画化されるなど、現代でも高い人気を誇る作品です。

『梟の城』

豊臣秀吉暗殺を企てる忍者の物語を描いた長編小説。織田信長により一族を惨殺された伊賀忍者・葛籠重蔵と、忍びの道を捨てて出世を求める相弟子・風間五平という対照的な2人の生き様を中心に、信長や秀吉といった権力者の陰で死闘を繰り広げる忍者たちの姿を通して、その実像に迫った作品です。

司馬遼太郎の直木賞受賞作で、映像化も複数回されている人気作品です。

じっくり読みたい人におすすめの司馬遼太郎作品

司馬作品をよりじっくりと読みたい人は、どっぷりと世界に浸れる次の作品がおすすめです。

『竜馬がゆく』

坂本竜馬の生涯と幕末維新期の青春群像を壮大に描いた歴史小説です。物語は、12歳でも寝小便をする弱虫で、字も満足に覚えられなかった竜馬が、14歳で小栗流の道場に通い始めてから大きく変貌していく様子から始まります。人斬り以蔵や桂小五郎との出会いなど、竜馬の成長過程が丹念に描かれています。

司馬遼太郎の代表作ともいわれ、シリーズ総発行部数2500万部を超える大ベストセラーとなりました。

『坂の上の雲』

明治期の日本と近代国家誕生への道のりを描いた全8巻の大長編歴史小説です。日露戦争で活躍した秋山好古・真之兄弟と、近代俳句の確立に尽力した正岡子規という、伊予松山出身の3人の若者が主人公。貧乏士族の秋山兄弟と、幼なじみの「のぼさん」(子規)が、学問と天下を目指して上京していく姿を軸に、近代国家の形成に関わった多くの人物の生き様が描かれています。

2000万部を超えるベストセラーとなり、ドラマ化もされました。

『国盗り物語』

戦国時代初期を舞台に、斎藤道三と織田信長という2人の英雄の生涯を描いた全4巻の歴史小説です。前半では、妙覚寺で「知恵第一の法蓮房」と呼ばれた松波庄九郎(後の斎藤道三)が、京都の油商の財を奪い、美濃を拠点として守護大名・土岐頼芸の腹心となるまでの策略と活躍が描かれます。

映像化されたおすすめの司馬遼太郎作品

司馬の作品はその多くが映像化され、親しまれています。その中でも人気を博した3作品を紹介しましょう。

『功名が辻』

戦国時代を舞台に山内一豊とその妻・千代の出世物語を描いた全4巻の歴史小説です。織田家臣団の中で「ぼろぼろ伊右衛門」と呼ばれた五十石の小身の武士が、賢妻・千代の支えを得て、土佐二十万石の大名にまで上り詰めていく過程が描かれています。温かみのある時代小説です。

『項羽と劉邦』

紀元前3世紀末の中国、秦の始皇帝崩御後の動乱期を舞台にした歴史小説です。沛県の無頼の徒から身を起こした劉邦が、楚の英雄・項羽と天下を争う壮大な物語で、劉邦が幾多の敗北を経ながらも最終的に勝利し、漢帝国を建国するまでが描かれています。史実に基づきながら手に汗握る展開で、劇画化もされた大作です。

『翔ぶが如く』

明治維新とその後の激動期を、西郷隆盛と大久保利通という2人の盟友の視点から描いた全10巻の大河小説です。新生明治政府が内外の諸問題に直面する中、西郷の唱えた「征韓論」を契機に、両者の対立が国家存亡の危機にまで発展していく様子が克明に描かれています。明治という時代を描いた代表的作品です。

司馬遼太郎の名作を読んでみよう

司馬遼太郎は、さまざまな時代や人物を真摯に見つめ、作品として世に残した作家です。緻密な調査に基づいた作品は、どれも読みごたえがあり感動を与えてくれます。この記事を参考に、ぜひ司馬作品に触れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

すずみなつのアバター すずみなつ ライター

図書館勤務、会社員を経て現在ライターとして活動中。幼い頃からの趣味である読書を活かし、言葉に関するコラム記事やライフスタイル記事などを執筆。好きなジャンルは心理学・哲学・小説など。地元メディアでの取材ライターとしても活動している。

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