積読(つんどく)とは、買った本を読まないまま積んでおくこと、またはその状態の本を指す言葉です。「積んでおく」と「読書」を掛けた言葉で、明治時代から使われています。
本が増えるほど罪悪感を覚えがちですが、積読そのものは悪いことではありません。問題になるのは「読みたかったのに読めない」状態が続くときだけです。
本記事では積読の意味と読み方、増えてしまう原因を整理したうえで、無理なく減らす5つの方法を紹介します。
積読とは?意味と読み方
積読は「買ったまま読んでいない本」と、「本を買っても読まずに積んでおく行為」の両方を指します。まずは言葉としての基本を押さえておきましょう。
読み方は「つんどく」
積読の読み方は「つんどく」です。「積ん読」と表記されることもあり、どちらも同じ意味で使われます。「せきどく」とは読みません。
語源は明治時代までさかのぼる
「積んでおく」と「読書」を掛け合わせた言葉で、「積んどく」という言い回しにも掛かっています。最近生まれた俗語のように思われがちですが、実際には明治時代から使われており、1879(明治12)年の雑誌『東京新誌』に「ツンドク家」「ツンドク先生」という記述が確認されています。
言葉を広めた人物については、田尻稲次郎(田尻北雷)や和田垣謙三など諸説あります。いずれにせよ、本を買っても読み切れないという悩みは、100年以上前から読書家についてまわってきたわけです。
英語でも「tsundoku」で通じる
積読に対応する英単語はもともとありませんでしたが、近年は日本語がそのまま「tsundoku」として英語圏でも紹介されています。買った本が読まれないまま積み上がる現象は、言語を問わず共通のようです。
積読が増えてしまう3つの原因
積読が増える背景には、意志の弱さとは別の要因があります。よくある3つの原因を見ていきましょう。
買う基準と読む基準がずれている
本を買うときは「面白そう」「役に立ちそう」という期待で選びますが、実際に読むときは「いま読みたいか」で選びます。この2つの基準がずれていると、買った本が後回しになり続けます。
とくにセールやポイント還元でまとめ買いをすると、購入の判断が「安いかどうか」に寄ってしまい、読む動機と切り離されがちです。
読む時間を先に確保していない
「時間ができたら読もう」と考えていると、その時間は基本的にやってきません。読書は締め切りがないため、予定に組み込まないかぎり後回しになります。
読書時間の作り方は「読書習慣を身につけて、自分のスキルを高めよう!習慣化のコツを解説」でも詳しく解説しています。
最後まで読み切ろうとしている
「一度開いた本は最後まで読まなければならない」と考えていると、読み始めること自体のハードルが上がります。読み切る自信がないから開かない、開かないから積み上がる、という循環です。
積読は悪いことではない3つの理由
積読に罪悪感を持つ必要はありません。むしろ読書の質を高める側面があります。
そもそも、本を買って手元に置いている時点で少数派です。文化庁の「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年9月公表)によると、1か月に本を1冊も読まない人は62.6%にのぼります。積読を気にしている人は、すでに本と向き合っている側だといえます。
読みたいときにすぐ読める
手元に本があれば、興味が湧いた瞬間に読み始められます。読みたくなってから買いに行くと、その熱が冷めてしまうことも少なくありません。積読は「未来の自分への仕込み」として機能します。
背表紙が知識の地図になる
読んでいなくても、どんな本を持っているかを把握していれば「あの件はあの本に書いてあるはず」と当たりをつけられます。必要になったときに引ける状態であること自体に価値があります。
選択肢があると読書が続く
その日の気分に合う本を選べると、読書は続きやすくなります。1冊しか手元にないと、その本に乗れなかった時点で読書そのものが止まってしまいます。
積読を解消する5つの方法
とはいえ、積んだまま何年も動かない本が増えると管理が負担になります。無理なく減らす方法を5つ紹介します。
| 方法 | やり方 | 向いている人 |
| 10ページだけ読む | 読み切らず、冒頭だけ開くと決める | 読み始めるのが億劫な人 |
| 読まない本を決める | 1年開かなかった本は手放す候補に | 冊数が増えすぎた人 |
| 積読を見える場所に置く | 本棚の奥ではなく机や枕元へ | 買ったこと自体を忘れがちな人 |
| 並行して読む | 気分で数冊を行き来する | 1冊に飽きて止まる人 |
| 耳で読む | オーディオブックで移動中に消化 | 読む時間が取れない人 |
まず10ページだけ読む
読み切ることを目標にせず、「冒頭だけ開く」と決めます。合わなければそこでやめてよい、というルールにすると手が伸びやすくなります。読み始めさえすれば、そのまま進むことも珍しくありません。
読まない本を決めて手放す
1年以上開かなかった本は、興味が変わった可能性があります。処分に抵抗があるなら、いったん別の場所へ移すだけでも構いません。積読の山が小さくなると、残った本への意識が戻ってきます。
本の整理の進め方は「大量の本を整理して、読書効率を高めよう!おしゃれ収納のコツを解説」を参考にしてください。
積読を見える場所に置く
本棚に差してしまうと背表紙だけになり、存在を忘れます。机の上や枕元など、日常の動線に置くだけで手に取る回数は変わります。
数冊を並行して読む
1冊ずつ順番に読むと、詰まった時点で全体が止まります。気分に合わせて数冊を行き来すれば、読書のペース自体は落ちません。
並行読書のコツは「並行読書(併読)とは?メリット・デメリットと効果的なやり方を解説」で解説しています。
耳で読んで消化する
通勤や家事の時間にオーディオブックで聴けば、読む時間を新たに作らずに積読を減らせます。紙で積んだまま動かない本ほど、耳から入ると進むことがあります。
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積読を増やさないための本の選び方
積読が減らない根本の原因は、買う時点の選び方にあることがほとんどです。読む前提で選べているかを見直してみましょう。
効果的なのは「いつ読むか」を決めてから買うことです。週末に読む、通勤中に読むといった見当がつかない本は、買っても動かない可能性が高いといえます。
自分では選びきれないときは、第三者に選んでもらう方法もあります。選書サービスの仕組みは「選書とは?新書や「選書レーベル」と「選書サービス」の違いについて」で解説しています。
監修者の視点:積読は「量」ではなく「動くかどうか」で見る
田中寛大大学院で大量の専門書を読む必要があった時期に痛感したのは、積んだ本の冊数そのものは問題ではないということです。困るのは「読むつもりだったのに、いつ読むか決まっていない本」が混ざっているときでした。
おすすめは、積読を「いつか読む本」と「今月読む本」に分けることです。今月の山だけ手の届く場所に置き、残りは棚に戻す。これだけで、読める本と持っているだけの本の区別がつき、罪悪感がかなり軽くなります。
積読に関するよくある質問(FAQ)
積読についてよく聞かれる疑問をまとめました。
- 積読の読み方は?
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「つんどく」と読みます。「積ん読」と書く場合も読み方は同じです。「積んでおく」と「読書」を掛けた言葉なので、「せきどく」とは読みません。
- 積読は英語で何と言いますか?
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対応する英単語はなく、日本語がそのまま「tsundoku」として紹介されています。説明的に言う場合は「buying books without reading them(本を買っても読まないこと)」のように表現します。
- 何冊からが積読ですか?
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冊数の基準はありません。1冊でも読まずに置いていれば積読です。冊数より「読むつもりがあるのに手をつけられていないか」で判断すると、対処すべきかどうかが分かりやすくなります。
- 積読に罪悪感を感じるときはどうすればいいですか?
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「いつか読む本」と「今月読む本」に分けると軽くなります。すべてを読む対象と考えるから負担になるので、今月の分だけ手元に置き、残りは資料として持っていると考え方を切り替えるのがおすすめです。
まとめ:積読は減らすより「動かす」
積読とは、買った本を読まずに積んでおくことです。明治時代から続く読書家共通の悩みであり、それ自体は悪いことではありません。
気になるのは冊数ではなく、読むつもりの本が動いていないことです。10ページだけ開く、耳で聴く、今月読む本だけ手元に置く。どれか1つでも試せば、積んだ本は動き出します。










