浅倉秋成の代表作は『六人の嘘つきな大学生』(2021年3月・KADOKAWA)です。第19回本屋大賞で5位に入り、2024年11月に映画も公開されました。デビュー作は第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『ノワール・レヴナント』(2012年12月)です。
この記事では、浅倉秋成のおすすめ小説7作品を刊行年・出版社・受賞歴つきで紹介します。伏線の張り方が作品ごとに違うので、最初の1冊の選び方も目的別に整理しました。
浅倉秋成とは|1989年生まれ・伏線で読ませる千葉県出身のミステリー作家

浅倉秋成(あさくら あきなり)は、1989年11月8日生まれ・千葉県出身の小説家です。2012年に『ノワール・レヴナント』で第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞してデビューし、その後『教室が、ひとりになるまで』『六人の嘘つきな大学生』『俺ではない炎上』と話題作を続けています。
表記は「浅倉」で、「朝倉秋成」ではありません。読みは「あさくらあきなり」です。伏線を終盤で一気に回収する構成が持ち味で、書店の帯やレビューでは「伏線の狙撃手」と紹介されることが多い書き手です。
浅倉秋成の作品を選ぶ3つの基準

どの作品も伏線回収が中心にありますが、テーマと読み口は大きく違います。選ぶ基準は次の3つです。
- 話題性で選ぶ…映像化された『六人の嘘つきな大学生』『俺ではない炎上』から入る
- 主人公の年代で選ぶ…就活生・会社員・高校生と幅があり、近い立場の主人公だと没入しやすい
- 長さで選ぶ…長編がきついなら連作短編集の『失恋の準備をお願いします』『まず良識をみじん切りにします』から
重いテーマが苦手なら、まず連作短編集を1冊読んで文体を確かめるのが安全です。逆に人間の暗部まで踏み込んだ話を読みたいなら、『六人の嘘つきな大学生』か『俺ではない炎上』が向いています。
浅倉秋成のおすすめ小説7選

代表作から短編集まで、系統を散らして7作品を選びました。まず一覧で刊行年と受賞歴を確認してください。
| 作品 | 刊行年・出版社 | 受賞・映像化 |
|---|---|---|
| 『六人の嘘つきな大学生』 | 2021年3月・KADOKAWA | 本屋大賞第19回5位/2024年11月映画公開 |
| 『ノワール・レヴナント』 | 2012年12月・講談社BOX | 第13回講談社BOX新人賞Powers(デビュー作) |
| 『教室が、ひとりになるまで』 | 2019年3月・KADOKAWA | 第20回本格ミステリ大賞候補/第73回日本推理作家協会賞候補 |
| 『俺ではない炎上』 | 2022年5月・双葉社 | 2025年9月映画公開 |
| 『失恋の準備をお願いします』 | 2020年12月・講談社タイガ | 『失恋覚悟のラウンドアバウト』の改題・加筆版 |
| 『家族解散まで千キロメートル』 | 2024年3月・KADOKAWA | ― |
| 『まず良識をみじん切りにします』 | 2024年10月・光文社 | 収録作「ファーストが裏切った」が第76回日本推理作家協会賞候補 |
『六人の嘘つきな大学生』(2021年3月・KADOKAWA)
『六人の嘘つきな大学生』は浅倉秋成の代表作で、第19回本屋大賞で5位に入った長編ミステリーです。2024年11月22日には映画が公開されました。
成長中のIT企業の最終選考に残った6人の大学生が、グループディスカッションで内定を勝ち取る課題に挑みます。ところが課題は突然「6人のなかから1人だけを選ぶ」に変更され、会場には参加者それぞれの過去を告発する文書が置かれていました。
就職活動という誰もが通る場面を舞台にしながら、人が人を評価することの怖さを扱っています。前半で読者が抱いた印象が後半でひっくり返る構成なので、浅倉作品を1冊だけ読むならこれが基準になります。
『ノワール・レヴナント』(2012年12月・講談社BOX)
『ノワール・レヴナント』は第13回講談社BOX新人賞Powersを受賞したデビュー作です。
他人の背中に幸福度が数字で見える、5分後の未来がわかるなど、それぞれ奇妙な能力を持つ4人の高校生が主人公。能力の意味と、4人が引き寄せられた理由が終盤で結び直されます。
特殊設定とミステリーを組み合わせた作りで、デビュー作の時点で伏線の畳み方は完成しています。特殊能力もの全般が好きなら、青春とダークさを行き来する乙一のおすすめ作品も近い読み心地です。
『教室が、ひとりになるまで』(2019年3月・KADOKAWA)
『教室が、ひとりになるまで』は、第20回本格ミステリ大賞と第73回日本推理作家協会賞の両方で候補になった青春ミステリーです。
仲が良いはずだったクラスで生徒の自殺が続きます。主人公の垣内友弘は、幼馴染みの美月から「他人を自殺させる力」を持つ者がいると告げられ、証明のしようがない罪に一人で挑むことになります。
高校生の閉じた人間関係の描写が丁寧で、特殊設定を使いながら動機の部分は生々しく書かれています。ページ数も浅倉作品では読みやすいほうなので、最初の1冊にも向いています。
『俺ではない炎上』(2022年5月・双葉社)
『俺ではない炎上』は、SNSでの炎上をそのまま追跡劇にした長編です。2025年9月26日に映画が公開されました。
ある日突然「女子大生を殺した犯人」としてSNSで名前と顔を拡散された中年会社員が主人公。身に覚えがないのに会社も友人も家族も信じてくれず、逃亡しながら真犯人を探すことになります。
拡散が加速していく過程の描写に無理がなく、読んでいて他人事に思えない一冊です。ミステリーとしての仕掛けと社会的なテーマが同じ強さで入っています。
『失恋の準備をお願いします』(2020年12月・講談社タイガ)
『失恋の準備をお願いします』は「失恋」をテーマにした連作短編集です。2016年7月に講談社BOXから出た『失恋覚悟のラウンドアバウト』を改題し、加筆・改稿した版にあたります。
告白を断るために魔法少女だと嘘をついた女子高生、ブラック企業勤めの会社員、モテすぎて人間関係が壊れる男子高校生。同じ街に住む彼らの話が、後半で大きくつながります。
文体が軽く、1話が短いので読書に慣れていない人でも進みます。浅倉秋成の伏線を、重い題材抜きで味わえる入口です。
『家族解散まで千キロメートル』(2024年3月・KADOKAWA)
『家族解散まで千キロメートル』は、ミステリーと家族小説を組み合わせた長編です。
29歳の喜佐周は、実家の取り壊しを機に家族が解散することを知ります。片付けの最中、父が青森の神社から持ち帰ったとしか思えないご神体が見つかり、返しに行く道中で「父は本当に盗んだのか」「なぜ持ち帰ったのか」を家族で探ることになります。
前半のロードムービー的な空気が後半で反転します。伏線回収と先の読めない展開が好きなら、次の1冊として乾くるみの作品もあわせて確かめてみてください。

『まず良識をみじん切りにします』(2024年10月・光文社)
『まず良識をみじん切りにします』は、5編を収めた短編集です。収録作「ファーストが裏切った」は第76回日本推理作家協会賞の候補になりました。
どの短編も常識の一歩外側から始まり、風刺を効かせたまま着地します。長編とは別の筋肉で書かれていて、浅倉秋成の引き出しの広さがいちばんわかる1冊です。
1編ずつ独立しているので、通勤中や寝る前に少しずつ読むのに向いています。
浅倉秋成を初めて読むなら『六人の嘘つきな大学生』から
シリーズものがないため刊行順に読む必要はありません。目的別の入口は次の3つです。
- 評判の作品から入りたい…『六人の嘘つきな大学生』(2021年)。映画を先に観た人にもこちらを勧めます
- 青春ミステリーが好き…『教室が、ひとりになるまで』(2019年)
- 長編は重いので短く読みたい…『失恋の準備をお願いします』(2020年)か『まず良識をみじん切りにします』(2024年)
デビュー作の『ノワール・レヴナント』(2012年)は特殊設定の色が濃いので、最初の1冊より2〜3冊目に回すほうが作風の変化を楽しめます。
監修者の視点:話題作は中古でも回転が早い
田中寛大オンライン古書店を運営していた時期(2019〜2022年)に、開業から約2年半で8,000冊超の中古書籍を扱いました。出品した本が売れるまでの日数は中央値で37日、1年以内に売れたものが97%という結果で、動く本と動かない本ははっきり分かれる傾向が見受けられます。
映像化やランキング入りで名前が広がった本は、中古でも早く回ります。浅倉秋成のように映画化が続いている作家は文庫や電子版が手に入りやすいので、まず1冊試して合うかどうかを確かめる読み方がしやすいと考えています。
浅倉秋成についてよくある質問
- 浅倉秋成の代表作は何ですか?
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『六人の嘘つきな大学生』(2021年3月・KADOKAWA)です。第19回本屋大賞で5位に入り、2024年11月22日には映画も公開されました。次に名前が挙がるのは『俺ではない炎上』(2022年5月・双葉社)と『教室が、ひとりになるまで』(2019年3月・KADOKAWA)です。
- 浅倉秋成を初めて読むならどれがおすすめですか?
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『六人の嘘つきな大学生』です。就職活動という身近な場面が舞台で予備知識が要らず、前半の印象が後半でひっくり返る浅倉作品の型がそのまま味わえます。長編が重いと感じるなら、連作短編集の『失恋の準備をお願いします』から入ってください。
- 浅倉秋成の新刊・最近の作品は何ですか?
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2026年9月時点で確認できる最新の単行本は『まず良識をみじん切りにします』(2024年10月・光文社)です。その前が『家族解散まで千キロメートル』(2024年3月・KADOKAWA)で、2024年に単行本が2冊刊行されています。
- 浅倉秋成の作品で映画化されたものはありますか?
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2作あります。『六人の嘘つきな大学生』が2024年11月22日、『俺ではない炎上』が2025年9月26日に公開されました。どちらも原作は先に読んでおくと、伏線の見え方が変わります。
- 「朝倉秋成」と「浅倉秋成」はどちらが正しいですか?
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「浅倉秋成」が正しい表記です。読みは「あさくら あきなり」で、「朝倉」ではなくさんずいの「浅」を使います。検索では朝倉表記も多く見られますが、同一の作家を指しています。
- 浅倉秋成の読む順番は決まっていますか?
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決まっていません。続きものの長編シリーズがないため、どの作品からでも読めます。刊行順に追うならデビュー作『ノワール・レヴナント』(2012年)からですが、作風の完成度で選ぶなら『六人の嘘つきな大学生』(2021年)が入口として向いています。
受賞歴と映像化から浅倉秋成の1冊を選ぶ
浅倉秋成は、就職活動・SNS炎上・学校といった身近な場所を舞台にしながら、終盤で読者の前提をひっくり返す作家です。長編2作が映画化され、短編でも日本推理作家協会賞の候補に入っています。一覧表の刊行年と受賞歴を見比べて、いま読みたい1冊を選んでみてください。










