読書環境の整え方|明るさ・温度・音の目安と集中できる部屋の作り方

楽しく読書する女性
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読書環境で先に整えるのは明るさ・温度・音の3つです。目安は手元の明るさ500ルクス以上、室温18〜28℃、騒音50デシベル以下。文部科学省「学校環境衛生基準」と厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」が学習・執務の環境に定めている数値で、読書にもそのまま流用できます。

この記事では、3つの数値の目安と部屋の整え方、家・カフェ・図書館・公園それぞれの向き不向き、外で読むときの注意点をまとめます。「本を開いたのに集中できない」ときは、本や気合いより先に環境側を疑ってみてください。

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目次

読書環境の目安は明るさ500ルクス・温度18〜28℃・騒音50デシベル以下

読書に特化した公的な基準はありません。ただし、文字を読む・机で作業するという条件は学校や事務所の環境基準と重なるため、次の数値が実用的な目安になります。

項目目安出典(基準)
明るさ(手元)500ルクス以上(下限300ルクス)文部科学省「学校環境衛生基準」
室温18℃以上28℃以下文部科学省/厚生労働省とも同じ範囲
相対湿度40〜70%(学校基準では30〜80%)厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」
騒音窓を閉めてLAeq 50デシベル以下文部科学省「学校環境衛生基準」

明るさ|手元で500ルクス以上を確保する

文部科学省の学校環境衛生基準では、教室等の照度の下限値が300ルクス、教室と黒板については500ルクス以上が望ましいとされています。パソコンを使う教室の机上は500〜1000ルクス程度が望ましい、という記載もあります。読書も手元の文字を追う作業なので、500ルクス前後を目安にすると無理がありません。

天井のシーリングライトだけでは、座った姿勢の手元が200〜300ルクス程度に落ちることがあります。部屋の照明を明るくするより、手元を照らす一灯を足すほうが手っ取り早いです。タイプ別の違いは「読書灯のおすすめ10選!タイプの違いと選び方についても解説」でまとめています。

同基準はまぶしさにも触れており、視線の先に輝きの強い光源や、紙面・机上の反射があると見え方が妨げられるとしています。照明は正面より斜め後ろや横から当て、光沢のあるページに直接映り込まない角度にしてください。

温度と湿度|18〜28℃、湿度は40〜70%

温度は18℃以上28℃以下が目安です。学校環境衛生基準も、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準(空気調和設備を備えた特定建築物が対象)も、同じ範囲を示しています。学校基準の下限は2022年4月の検査から17℃→18℃に引き上げられました。

湿度は建築物環境衛生管理基準で40〜70%、学校環境衛生基準では30〜80%が望ましいとされています。紙の本は湿気を吸うと波打ちやすく、冬の乾燥時はページがめくりにくくなる傾向が見受けられます。快適さと本の保ちの両面で、40〜60%あたりが扱いやすい範囲です。

音|50デシベル以下が目安、無音が最適とは限らない

学校環境衛生基準では、教室内の等価騒音レベルを窓を閉じているときLAeq 50デシベル以下、窓を開けているとき55デシベル以下が望ましいとしています。50デシベルは静かな事務所や換気扇の音くらいの水準です。

ただし静かなら静かなほど読めるとは限らず、無音だと落ち着かない人もいます。音の好みは分かれるので、無音・環境音・インストゥルメンタルを試して自分の当たりを探すのが早いです。曲の選び方は「読書中の音楽は集中を妨げる?歌詞ありなしの違いとおすすめBGM9選」で解説しています。

部屋の読書環境を整える4つの手順

間接照明に照らされたアロマオイル

効果が出やすい順に並べると、次の4つです。上から順に試すと、費用も手間も小さく済みます。

  1. 手元の照明を足す…デスクライトやクリップライトで500ルクス前後を確保する
  2. 座る場所を決める…姿勢が保てる椅子を選ぶ。ベッドや床は眠くなりやすい
  3. 視界から気が散るものを外す…スマホを手の届かない位置に置く
  4. 音と香りを好みに寄せる…BGM・無音・アロマは効果を狙わず快適さで選ぶ

椅子と姿勢|読書で疲れる原因は目より姿勢にある

本を手で持つと視線が下がり、首や肩に負担が集中します。読書を30分で切り上げてしまう場合、暗さではなく姿勢が原因のこともあります。背もたれと座面の奥行きが体に合う椅子を選び、本はブックスタンドで目線に近づけると楽になります。

寝る前の15分だけベッドで読む、といった使い分けは有効です。ただし「快適すぎて寝落ちする」場所を主な読書スペースにすると読み進みません。眠りたい場所と読みたい場所は分けたほうが機能します。ブックスタンドを含む道具は「読書グッズ17選|疲れない・集中できるおすすめアイテムと選び方」で紹介しています。

観葉植物・アロマ・BGM|効果より「気分の切り替え」に使う

観葉植物やアロマ、ルームスプレーは読書環境の定番ですが、集中力が上がると断定できる根拠は見当たりません。読書の合図として使う、という位置づけが実際的です。「この香りをつけたら読む時間」と決めておくと、机に向かうまでの腰の重さが軽くなります。

逆に、香りが強すぎると本の紙のにおいと混ざって落ち着かないこともあります。読書用に選ぶなら香りは弱めからで十分です。

場所別の読書環境の特徴|家・カフェ・図書館・公園

カフェでお茶を飲む女性

読む場所によって、自分で調整できる要素が変わります。明るさ・音・費用の3点で比べると次のとおりです。

場所音の環境費用向いている読書
自分で調整できる0円長時間・メモを取りながら読む
カフェ会話やBGMがあるドリンク代1〜2時間の集中読み
図書館静かに保たれている0円(公立)調べながら読む・精読
公園天候と時間帯で変わる0円軽めの本・気分を変えたいとき

公立図書館の資料利用が無料なのは、図書館法第17条が入館料その他の対価を徴収してはならないと定めているためです。静かさと費用の両方を満たす選択肢で、借りて自宅で読み継げるのも利点です。使いこなし方は「図書館の利用にはメリットがいっぱいある!具体的にご紹介」にまとめています。

カフェは適度な生活音があるほうが集中できる人に向きます。ブックカフェのように読書前提の店なら、長めに滞在しても気を使いません。場所ごとの具体的な候補は「読書におすすめの場所は?屋内・屋外の人気読書スポットを無料・有料で紹介」で紹介しています。

環境を整えられない日は「聴く読書」に切り替える

明るさも姿勢も関係なく読書時間を確保できるのが、オーディオブックです。通勤中や家事の最中、消灯後の布団の中でも進められるため、環境づくりが間に合わない日の受け皿になります。

紙の本と競合するというより、環境が使えない時間帯を埋める手段として考えると噛み合います。文字を追う集中力が残っていない日でも、耳だけは空いていることが多いはずです。

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外で読書をするときに確認する3つのこと

リビングでタブレットを操作する女性

屋外は明るさも気温も自分で決められません。出かける前に次の3点を押さえておくと、読めずに帰ることを避けられます。

  • 天気と風…風が強い日はページが煩わしく、雨は本を傷めます
  • 気温差の対策…羽織るものと飲み物。屋内は空調が効きすぎることもあります
  • 虫よけ…公園や河川敷では、虫よけがあるだけで滞在時間が変わります

屋外で紙の本を扱いたくない日は、電子書籍リーダーが向きます。データなので冊数を持ち歩けて、フロントライト付きなら日陰でも明るさを確保できます。防水対応の端末なら浴室でも使えます。紙との使い分けは「Kindleと紙の本はどっち?使い分けの基準を機能ごとに比較」で整理しています。

監修者の視点:環境で変わるのは集中力より「読める時間の長さ」

田中寛大

大学院で分厚い学術書を読み続けた時期の実感でいうと、環境を整えて変わるのは集中力そのものより、痛みや疲れが出るまでの時間でした。手元が暗いまま、本を持ち上げた姿勢で読むと、内容に入る前に首と目が先に音を上げます。

手元の一灯とブックスタンドは、読書の道具としては地味ですが効きます。逆に、香りや観葉植物は集中のためというより、読み始めるまでの助走を短くするものだと考えています。

環境が用意できない日は、私はオーディオブックに切り替えています。Audibleは4年以上・累計約2,900時間(2026年7月時点)聴いてきましたが、姿勢も明るさも問わない読書時間が1日に少し混ざるだけで、月の読了数は変わってきます。

読書環境についてよくある質問

読書に適した明るさはどのくらいですか?

手元で500ルクス前後が目安です。文部科学省「学校環境衛生基準」では教室等の照度の下限値を300ルクス、教室と黒板は500ルクス以上が望ましいとしています。天井の照明だけでは手元が暗くなりやすいため、デスクライトを足すのが確実です。

読書に向いている室温は何度ですか?

18℃以上28℃以下が目安です。文部科学省「学校環境衛生基準」と厚生労働省「建築物環境衛生管理基準」がともにこの範囲を示しています。湿度は建築物環境衛生管理基準で40〜70%とされています。

読書環境に専用の椅子は必要ですか?

専用品でなくても構いませんが、姿勢が保てる椅子を選ぶことが優先です。ベッドや床は快適な一方で眠くなりやすく、本を手で持つ姿勢は首と肩に負担が集中します。ブックスタンドで本を目線に近づけると、読める時間が伸びやすくなります。

静かすぎると集中できないのは変ですか?

珍しいことではありません。適した音量には個人差があり、無音より環境音やBGMがあるほうが読み進む人もいます。学校環境衛生基準は騒音レベルを窓を閉じているときLAeq 50デシベル以下が望ましいとしていますが、これは上限の目安で、無音が最適という意味ではありません。

自宅に読書スペースを作れない場合はどうすればいいですか?

公立図書館とカフェが現実的な選択肢です。公立図書館は図書館法第17条により資料の利用が無料で、静かさも保たれています。移動時間も惜しい場合は、明るさや姿勢に左右されないオーディオブックで読書時間を確保する方法もあります。

まとめ:数値で決められるところは数値で決める

読書環境は好みの話に見えますが、明るさ・温度・音の3つは公的な基準を借りて数値で決められます。手元500ルクス以上、室温18〜28℃、騒音50デシベル以下を先に満たし、残りの香りやBGMは自分の快適さで選べば十分です。

家で条件を作れないときは、図書館やカフェに場所を移すか、環境を問わない聴く読書に切り替える。読めない理由を意志の問題にしないことが、続けるうえでは一番効きます。

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