哲学本のおすすめ10選|初心者が読みやすい入門書と選び方

右手で本を持ち頬杖をする女性
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哲学本を初めて読むなら、飲茶『史上最強の哲学入門』か池田晶子『14歳からの哲学』からです。どちらも原典を読まずに済み、哲学者の名前と主張が結びつく状態まで一気に運んでくれます。

この記事では哲学本のおすすめ10冊を、読み物として面白い入門書・仕事に効く実用書・体系を押さえる教養書の3つに分けて紹介します。原典(古典)から入らないほうがよい理由もあわせて説明します。

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目次

哲学本のおすすめ10選【一覧表】

目的別に並べました。1冊目は「入門」の3冊から選んでください。

分類書名著者特徴
入門史上最強の哲学入門飲茶対決形式で哲学史を通す。読み物として速い
入門14歳からの哲学 考えるための教科書池田晶子問いを立てる練習。中学生から読める
入門哲学的な何か、あと科学とか飲茶科学の側から哲学の問題に入る
実用武器になる哲学山口周50の概念をビジネスの文脈で使う
実用働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える村山昇働くことの概念73個を図解
実用仕事に悩む君へ はたらく哲学佐藤優会話形式で仕事の悩みに応じる
実用ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 哲学小川仁志基礎から最新トピックまで平易に
教養哲学と宗教全史出口治明哲学と宗教を並走させて通史で読む
教養バカロレアの哲学坂本尚志フランスの哲学試験に学ぶ思考の型
教養哲学入門戸田山和久唯物論の立場から意味・機能・目的を扱う

「哲学は難しい」と感じる原因の多くは、いきなり原典に手を出すことにあります。上の10冊はすべて解説書・入門書で、原典を読んでいなくても内容が追えます。

哲学本とは、人生や世界の前提そのものを問い直す本

哲学本は、人生や世界の根本にある前提を問い直す本です。「正しさとは何か」「自分とは何か」「なぜ働くのか」といった、答えが一つに定まらない問いを扱います。

扱うテーマは抽象的に見えますが、生・死・愛・仕事・社会など、実際には日常で誰もがぶつかる問題ばかりです。答えを教えてくれる本ではなく、考えるための道具を渡してくれる本だと考えるとずれません。

哲学本は、大きく次の3種類に分かれます。

  • 原典(古典):プラトン、カント、ニーチェなど本人が書いたもの。訳文が硬く、前提知識も必要になる
  • 入門書・解説書:哲学史や個々の思想を後世の書き手がまとめたもの。本記事で紹介するのはこの種類
  • 応用書:哲学の概念をビジネスや働き方など特定の領域に当てはめたもの

初めての1冊は入門書からにしてください。原典は、名前と主張が一致するようになってからのほうが読み通せます。

哲学本の選び方は「目的」「形式」「年齢」で決まる

階段に座って読書する女性

目的で選ぶ|教養として読むか、仕事に使うか

哲学史をひととおり知りたいなら『史上最強の哲学入門』『哲学と宗教全史』のような通史型を、仕事の判断に使いたいなら『武器になる哲学』『働き方の哲学』のような応用型を選びます。この2つは求めているものが違うため、間違えると「役に立たない」という感想になりがちです。

形式で選ぶ|図解・マンガ・会話形式なら詰まりにくい

哲学の概念は、文章だけだと輪郭がつかみにくいことがあります。図解の入った本、対話形式の本、マンガ形式の本を選ぶと、同じ内容でも進む速度が変わります。本記事のなかでは『働き方の哲学』が図解、『仕事に悩む君へ はたらく哲学』が会話形式にあたります。

年齢で選ぶ|中学生から大人まで入り口が違う

哲学に初めて触れる中高生には、日常の疑問から入る本が向いています。『14歳からの哲学』はタイトルのとおり中学生を想定して書かれており、問いの立て方そのものを扱うため、大人が読んでも内容は薄まりません。

大学生や社会人には、進路や仕事の判断に接続できる本が実用的です。『武器になる哲学』『働き方の哲学』はこの層に向けて書かれています。

無料で読める古典から試したい場合は、青空文庫の作品もあわせてどうぞ。

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読み物として面白い哲学の入門書3冊

室内で本を読む女性

史上最強の哲学入門|哲学者どうしの対決として哲学史を読む(飲茶)

真理、国家、神、存在という4つのテーマごとに、古代から現代までの哲学者を「対決」させる形で並べた入門書です。ある哲学者の主張を次の哲学者が否定し、それをまた次が乗り越える——という流れで哲学史が進みます。

誰が誰に反論したのかが順番でわかるため、個々の思想を暗記しなくても全体の地図が頭に残ります。哲学書を最後まで読めたことがない人の1冊目として、もっとも失敗しにくい選択肢です。

14歳からの哲学 考えるための教科書|問いの立て方を練習する(池田晶子)

「考えるとはどういうことか」「自分とは何か」「死とは何か」といった問いを、一つずつ短い章で扱う本です。中学生を読者に想定して書かれています。

哲学者の名前や学説はほとんど出てきません。扱われるのは、思うことと考えることはどう違うのかというような、誰でも自分の頭だけで検討できる問いです。知識を増やす本ではなく、考える手順を身につける本として読んでください。

哲学的な何か、あと科学とか|科学の側から哲学に入る(飲茶)

科学の話題を入り口にして、哲学の問題へ橋を渡す入門書です。科学が答えを出せる範囲はどこまでで、その外側に何が残るのか、という線引きが本書の軸になっています。

文体は平易で、専門用語には必ず言い換えが添えられます。理系の話題のほうがなじみやすい人にとっては、『史上最強の哲学入門』よりこちらのほうが入りやすいかもしれません。

仕事に使える哲学本4冊

哲学の概念を、そのまま仕事の判断材料として使うことを目的にした本です。哲学史の知識より、いま抱えている問題に効くかどうかで選んでください。

武器になる哲学|50の概念をビジネスの文脈に置き直す(山口周)

哲学・思想のキーコンセプト50個を取り上げ、それぞれが仕事のどの場面で使えるかを解説した本です。「人」「組織」「社会」「思考」の4分野に整理されています。

有名な哲学者の言葉を、原典の文脈から一度切り離して実務の判断基準として読み替えているのが特徴です。哲学史として正確に学びたい人には向きませんが、使える道具として持ち帰りたい人には効率がよい一冊です。

働き方の哲学|働くことの概念73個を図解する(村山昇)

「働くこと」に関わる概念73個を6つのパートに分け、イラストと図解で1項目ずつ説明した本です。著者の村山昇は、企業勤務を経て独立したキャリア論の書き手です。

扱われるのは、仕事とは何か、成長とは何か、プロフェッショナルとは何かといった、日常では言語化しないまま使っている言葉です。図解が多く1項目が短いので、通読せず必要な項目だけ引く使い方もできます。

仕事に悩む君へ はたらく哲学|会話形式で悩みに応じる(佐藤優)

働くことの悩みに、さまざまな哲学者の考えを引きながら答えていく本です。会話形式で進むため、抽象的な概念でも話の流れとして追えます。

扱われるのは、なぜ働くのか、成果が出ないときにどう考えるか、評価されないことをどう受け止めるかといった具体的な問題です。哲学の教科書というより、悩みに対する応答集として読むほうが実態に合っています。

ビジネスエリートのための!リベラルアーツ 哲学|基礎から最新トピックまで(小川仁志)

哲学の基礎から現代のトピックまでを、平易な言葉で一冊にまとめた本です。初めて哲学に触れる人でも読めるように書かれています。

後半には、さらに学びを進めるための読み方や次に読むべき本の案内が置かれています。哲学を1冊で終わらせず、継続して学ぶ入り口にしたい人に向いています。

体系を押さえるための哲学の教養書3冊

入門書で全体像をつかんだあと、もう一段深く進むための3冊です。

哲学と宗教全史|哲学と宗教を並走させて通史で読む(出口治明)

古代から現代までの哲学と宗教の流れを、時代背景とあわせて追った通史です。哲学だけを切り離さず、同じ時代の宗教と並べて説明するのが本書の特徴です。

著者の出口治明は、ライフネット生命の創業者で、のちに立命館アジア太平洋大学(APU)の学長を務めた人物です。本書はビジネス書大賞2020の特別賞(ビジネス教養部門)を受賞しています。

分量は多いものの、章ごとに時代が区切られているため途中で止めても戻りやすい構成です。

バカロレアの哲学|フランスの哲学試験に学ぶ思考の型(坂本尚志)

フランスの大学入学資格試験「バカロレア」の哲学科目を題材にした本です。フランスでは高校生全員が哲学の小論文試験を受けるため、答案を書くための決まった型が存在します。

本書はその型を分解して示します。他人の意見をそのまま受け取るのではなく、問いを立て、対立する立場を並べ、自分の結論に運ぶという手順を練習できます。哲学の知識より、考えを文章にする技術を身につけたい人向けです。

哲学入門|唯物論の立場から意味・機能・目的を扱う(戸田山和久)

唯物論の立場に立ち、意味・機能・表象・目的といった「あるようでない」概念を科学の言葉で説明し直す新書です。デネットやミリカン、ドレツキらの研究をもとに議論が進みます。

本記事の10冊のなかではもっとも歯ごたえがあります。語り口自体は親しみやすいものの、扱う内容は本格的な現代哲学です。入門書を数冊読んだあとの2段目として選んでください。

監修者の視点:哲学書でつまずくのは語彙より一文の長さ

田中寛大

大学院で学術書を読み続けた経験からいうと、難しい本で止まる原因は用語の難しさより一文の長さと構文の込み入り方にあります。哲学の原典は翻訳の都合で一文が長くなりやすく、内容を理解する前に文の構造を追うだけで消耗します。先に解説書で主張の骨格を知っておくと、同じ原典でも読める文章に変わります。

もうひとつ、声に出して読むか、朗読で聴いてみるのも有効でした。黙読だと文の切れ目を見失いますが、音にすると主語と述語の対応が自然に見えてきます。『14歳からの哲学』のように一文が短い本は、この方法との相性が特によいはずです。

哲学本についてよくある質問

哲学本は初心者ならどれから読むべきですか?

飲茶『史上最強の哲学入門』です。哲学者どうしの対決という形で哲学史を通すため、誰が誰に反論したのかが順番でわかり、全体の地図が頭に残ります。知識より考え方を身につけたい場合は、池田晶子『14歳からの哲学』が向いています。

哲学の原典(プラトンやカント)から読んではいけませんか?

禁止ではありませんが、最初の1冊にはおすすめしません。翻訳された原典は一文が長く前提知識も必要になるため、内容を理解する前に文の構造を追うだけで止まりやすいためです。入門書で哲学者の名前と主張が一致する状態にしてから読むほうが確実です。

中学生でも読める哲学本はありますか?

池田晶子『14歳からの哲学 考えるための教科書』です。中学生を読者に想定して書かれており、哲学者の名前や学説はほとんど出てきません。「思うことと考えることの違い」など、自分の頭だけで検討できる問いを扱います。

仕事に役立つ哲学本はどれですか?

山口周『武器になる哲学』です。哲学・思想のキーコンセプト50個を、仕事のどの場面で使えるかという観点で解説しています。働くこと自体を考え直したい場合は村山昇『働き方の哲学』(概念73個を図解)、いま抱えている悩みに答えてほしい場合は佐藤優『仕事に悩む君へ はたらく哲学』が候補です。

哲学と宗教はどう違いますか?

答えの出し方が違います。哲学は理性による推論で結論を導こうとし、宗教は啓示や信仰を出発点にします。ただし歴史的には互いに影響し合ってきたため、出口治明『哲学と宗教全史』のように両方を並べて読むと流れがつかみやすくなります。

哲学本を読むと何が身につきますか?

前提を疑う手順が身につきます。議論の出発点になっている条件を言葉にして、反対の立場を並べ、そのうえで自分の結論を出すという流れです。坂本尚志『バカロレアの哲学』は、この手順を答案の型として明示的に扱っています。

まとめ:哲学本は入門書から入って原典へ進む

哲学本のおすすめ10冊を、入門・実用・教養の3つに分けて紹介しました。1冊目は『史上最強の哲学入門』か『14歳からの哲学』、仕事で使いたいなら『武器になる哲学』が選びやすい入り口です。

原典から入ると止まりやすい一方、入門書で全体像をつかんでから読むと最後まで届きます。教養の範囲をさらに広げたい場合は、教養が身につくおすすめ本もあわせてご覧ください。

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