柚木麻子の代表作は、第28回山本周五郎賞(2015年)を受賞した『ナイルパーチの女子会』です。海外でいちばん読まれているのは、英訳版が2024年のウォーターストーンズ「今年の一冊」に選ばれた『BUTTER』。ただし最初の1冊には短編集『ランチのアッコちゃん』をおすすめします。
この記事では、柚木麻子のおすすめ4作を刊行年と受賞歴つきで紹介し、目的別にどれから読むとよいかを整理します。
柚木麻子とは|女性同士の関係を描く1981年生まれの小説家

柚木麻子は、女性の日常と人間関係を題材にする日本の小説家です。1981年8月2日生まれ、東京都世田谷区の出身。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010年刊行の『終点のあの子』でデビューしました。
| 生年・出身 | 1981年8月2日/東京都世田谷区 |
|---|---|
| 新人賞 | 2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」第88回オール讀物新人賞 |
| デビュー作 | 『終点のあの子』(2010年) |
| 主な受賞 | 第28回山本周五郎賞(2015年・『ナイルパーチの女子会』)/第3回高校生直木賞(2016年・同作) |
| 海外での評価 | 『BUTTER』英訳版がウォーターストーンズ2024年「今年の一冊」 |
柚木麻子作品の特徴3つ

- 女性同士の関係を正面から書く:友情という言葉で覆い隠さず、憧れ・嫉妬・執着まで含めて描きます
- 食べ物が物語を動かす:『ランチのアッコちゃん』のランチ、『BUTTER』のバターのように、食が筋の中心に置かれます
- 短編と長編で読み心地が違う:短編は読後感が軽く、長編は関係のこじれを深く掘ります。目的で選び分けられます
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柚木麻子のおすすめ4選|刊行年・受賞歴と読みどころ

| 作品 | 刊行・受賞 | こんな人に |
|---|---|---|
| 『ランチのアッコちゃん』 | 2013年(短編集) | 柚木麻子が初めての人 |
| 『ナイルパーチの女子会』 | 2015年/山本周五郎賞・高校生直木賞 | 代表作から読みたい人 |
| 『本屋さんのダイアナ』 | 2014年(長編) | 青春小説として読みたい人 |
| 『BUTTER』 | 2017年/英訳版がウォーターストーンズ2024年「今年の一冊」 | 話題作から入りたい人 |
『ランチのアッコちゃん』(2013年)|1冊目に選ぶなら
会社員・三智子の前に、上司のアッコさんが「1週間ランチを交換しよう」と持ちかけるところから始まる短編集です。ランチという小さな習慣が変わることで、主人公の日常が動き出します。
1話ごとに区切りがあるため、まとまった読書時間が取れない人でも読み進めやすい構成です。柚木麻子の文章が自分に合うか試す1冊目に向いています。
『ナイルパーチの女子会』(2015年)|受賞歴で選ぶなら
商社で働く志村栄利子が、愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合するところから始まります。しかし他人との距離感をつかめない栄利子を、翔子はやがて拒みはじめます。第28回山本周五郎賞(2015年)と第3回高校生直木賞(2016年)を受賞した、柚木麻子の代表作です。
友情という言葉で片づけられない女性同士の関係を正面から扱った作品です。読後感は明るくありませんが、柚木麻子の評価を決めた1冊といえます。
『本屋さんのダイアナ』(2014年)|青春小説として読むなら
「大穴」と書いてダイアナという名前と金色の髪を持つ少女と、正反対の環境で育った彩子。本を介して結ばれた2人が、それぞれ試練を越えて大人になっていくダブルヒロイン小説です。
作中に登場する本のラインナップも読みどころのひとつです。書店や図書館が好きな人に向いています。
『BUTTER』(2017年)|海外で最も読まれている1冊
料理上手な女性が起こしたとされる事件を追う記者の物語で、実際の事件から着想を得たフィクションです。食べることと欲望、女性の生き方、メディアの報じ方が絡み合います。
ポリー・バートンによる英訳版が、英国の書店チェーン ウォーターストーンズの2024年「今年の一冊(Book of the Year)」に選ばれました。日本の現代小説としては異例の評価で、柚木麻子の名前を海外に広げた作品です。
監修者の視点:作家に入るときは代表作ではなく短い作品から
田中寛大大学院で本を大量に読んでいた頃から続けているのは、気になる作家に出会ったら代表作ではなく、いちばん短い作品から入るというやり方です。代表作は分量も密度もある場合が多く、その作家の文章が自分に合うかを確かめる前に力尽きることがあります。
柚木麻子の場合、受賞歴で見れば代表作は『ナイルパーチの女子会』ですが、1冊目に選ぶなら短編集の『ランチのアッコちゃん』のほうが区切りがはっきりしています。合うと感じてから長編に進むほうが、結果として読み終わる冊数は増えると考えています。
柚木麻子はどれから読む?目的別の1冊目
- 読書時間がまとまって取れない→『ランチのアッコちゃん』(短編集)
- 評価の定まった作品から読みたい→『ナイルパーチの女子会』(山本周五郎賞)
- 10代〜20代の話が読みたい→『本屋さんのダイアナ』
- いま話題になっている本を読みたい→『BUTTER』
4作の並びに読む順番はありません。シリーズではないため、どこから入っても支障はありません。
柚木麻子に関するよくある質問
- 柚木麻子の代表作は何ですか?
-
『ナイルパーチの女子会』(2015年)です。第28回山本周五郎賞と、翌2016年の第3回高校生直木賞を受賞しています。海外での知名度という点では、英訳版が2024年のウォーターストーンズ「今年の一冊」に選ばれた『BUTTER』(2017年)が代表作にあたります。
- 柚木麻子のデビュー作は何ですか?
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2010年刊行の『終点のあの子』です。その前年にあたる2008年、収録作の「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞しています。
- 柚木麻子はどれから読むのがおすすめですか?
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短編集の『ランチのアッコちゃん』(2013年)です。1話ごとに区切りがあるため、読書時間がまとまって取れなくても進められます。文章が合うと感じたら、長編の『ナイルパーチの女子会』や『BUTTER』へ進む流れがおすすめです。シリーズものではないので、読む順番の制約はありません。
- 『BUTTER』はなぜ海外で話題になったのですか?
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ポリー・バートンによる英訳版が、英国の大手書店チェーン ウォーターストーンズの2024年「Book of the Year(今年の一冊)」に選ばれたためです。食・女性の生き方・事件報道という要素が、日本国外の読者にも届いたと報じられています。
- 柚木麻子の作品は女性向けですか?
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女性が主人公の作品が多いのは確かですが、読者を限定するものではありません。『BUTTER』は事件報道と食を扱った小説として海外でも幅広く読まれており、『本屋さんのダイアナ』は本そのものを主題の一つに据えています。テーマで選べば性別を問わず読める作品です。
まずは1冊、短いものから
柚木麻子の4作は、どれも独立して読めます。迷ったら『ランチのアッコちゃん』から。文章が合うと感じたら、受賞作の『ナイルパーチの女子会』や、海外で評価された『BUTTER』へ進んでみてください。










