大人が本を読むメリットは、①想像力②ストレス解消③語彙力④批判的思考力⑤記憶力と集中力⑥視野の広がり、の6つです。子どもの習慣というイメージがありますが、社会経験を積んだ大人のほうが、読んだ内容を実生活に結びつけやすい面があります。
しかも、いま読書は少数派の習慣です。文化庁の「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年9月公表)によると、1か月に本を1冊も読まないと答えた人は62.6%。月に1〜2冊読むだけで、上位3割ほどに入る計算です。
以下では6つのメリットを1つずつ、さらに小説を読む意味と、忙しい大人が読書時間をつくる方法までまとめます。
大人が本を読むメリット6選【一覧】

| メリット | 効いてくる場面 |
|---|---|
| 1. 想像力が高まる | 企画を考える/人の立場を想像する |
| 2. ストレスが減る | 寝る前/通勤中の気持ちの切り替え |
| 3. 語彙が増える | 会議での説明/メールや資料の作成 |
| 4. 批判的思考力がつく | 情報の真偽を判断する/意思決定 |
| 5. 記憶力と集中力が上がる | 長い作業を続ける/内容を覚えておく |
| 6. 視野が広がる | 異なる価値観の相手と話す |
効果1. 想像力を高められる
本を読むことは想像力を刺激し、思いもよらない世界へ連れていってくれます。フィクションでもノンフィクションでも、本には読者の頭の中に鮮明なイメージを描き出す力があります。
ファンタジー小説を読めば魔法の世界での冒険を、歴史書を読めば過去の時代や文化を、それぞれ頭の中で組み立てることになります。映像作品と違って情報が文字しかないぶん、足りない部分を自分で埋める作業が発生するのがポイントです。
効果2. ストレス解消になる
本の世界に没頭すると、仕事や金銭問題といった日常の心配事から一時的に離れられます。物語や情報を追ううちに、現実の問題が遠ざかっていく感覚です。
2009年にイギリスのサセックス大学の研究者が行った調査では、6分間の読書でストレスレベルが68%低下したと報告されています(Mindlab International実施。企業の委託調査として発表されたもので、学術論文としては公開されていません)。読書に没頭している状態が、一種のマインドフルネスに近い効果をもたらすためと説明されています。
数字そのものは検証の余地がありますが、短時間でも読書の時間を設けると気持ちが切り替わる、という点は試しやすいところです。5分でも本を開いてみると、効果の有無は自分で判断できます。
参考:Reading ‘can help reduce stress’(The Telegraph)
本を読むと眠くなるのはなぜかについては、下記の記事で詳しく解説しています。

効果3. 語彙を増やせる
読書は語彙力を伸ばす手段として効率がよい方法です。新しい言葉や表現に文脈ごと触れるため、意味だけでなく使いどころも一緒に身につきます。
ジャンルを広げるほど効果は大きくなります。専門用語、文学的な表現、日常会話ではまず使わない言い回し。手持ちの言葉が増えると、自分の考えをより正確に説明できるようになり、相手の発言や文章も深く理解できるようになります。
ビジネスに役立つ読書をしたい方は「ビジネス本30選!年代別におすすめのベストセラーやロングセラーの名著を紹介」もチェックしてみてください。
効果4. 批判的思考力を高める
読書は情報を吸収するだけでなく、その情報を分析して評価する力も養います。小説なら登場人物の動機や行動を推し量り、ノンフィクションなら著者の主張が根拠に支えられているかを検討することになります。
この習慣は、情報の真偽を見分ける場面や、仕事の意思決定でそのまま役に立ちます。断定的な言い方に出会ったとき「その根拠は何か」と一拍置けるようになるのが、いちばん実務的な効用です。
効果5. 記憶力と集中力が向上する
本を読むときは、物語の展開を追い、登場人物を覚え、離れた情報どうしを関連づける必要があります。長編小説や内容の込み入った本を読み通すことは、長時間集中を保つ訓練になる可能性があります。
通知が届かない状態で1つの対象に向き合う時間そのものが、いまは希少です。読書はその時間を確保する口実としても機能します。
効果6. 視野が広がる
異なる文化、時代、価値観に触れることで、自分とは違う視点や生き方を理解する機会が得られます。外国の小説からはその国の習慣を、歴史書からは現在の社会問題の背景を知ることができます。
読書量と収入の関係については、読書と年収の関係を調べた記事でも扱っています。
海外の文化や考え方に原文で触れてみたい方や、語学学習を兼ねて読書を楽しみたい方は、洋書を手に取ってみるのも方法の一つです。
洋書の購入方法については、下記の記事で詳しく解説しています。

小説を読むメリット|フィクションだけで得られる3つ
ビジネス書は知識をくれますが、小説にしかない効用もあります。大きく3つです。
- 他人の内側を体験できる……自分とはまったく違う立場の人物の思考を、何時間も内側からたどる経験は小説でしか得にくいものです
- 答えの出ない問題に慣れる……小説は結論を出しません。割り切れない話をそのまま受け取る練習になります
- 目的なしに読める……役に立てようとしなくていい読書は、それ自体が休息になります
「役に立つ本しか読まない」と決めてしまうと、読書は仕事の延長になります。実用書と小説を行き来できるようにしておくと、読書が休息としても機能します。
大人になってからの読書は遅い?──むしろ有利
結論から言うと、遅くありません。人生経験を積んだ大人だからこそ、本の内容を実体験と結びつけて理解でき、著者の主張を多角的に検討できます。語彙力や集中力の向上は何歳からでも見込めます。
むしろ現状は、始めた人が目立ちやすい環境です。前掲の文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」では、1か月に読む本の冊数は次の内訳でした。
- 読まない … 62.6%
- 1〜2冊 … 27.6%
- 3〜4冊 … 6.0%
- 5〜6冊 … 1.5%
- 7冊以上 … 1.8%
「1か月に1冊も読まない」人が6割を超えています。裏を返せば、月に1〜2冊読むだけで、読む人の中でも上位3割ほどに入るということです。ハードルは思っているより低いところにあります。
忙しい大人が読書時間をつくる3つの方法
- 読む場所を先に決める……「通勤電車」「寝る前のベッド」など場所と時間をセットで固定すると、意志の力が要らなくなります
- 1冊を持ち歩く……選ぶところから始めると腰が重くなります。読みかけの1冊だけをかばんに入れておくのが確実です
- 手がふさがる時間を音声に充てる……移動中・家事中・運動中はオーディオブックが使えます。目を使う時間を増やさずに冊数を確保できます
読書そのものを楽しめるようになるまでの入り方は、読書が楽しくなるコツもあわせて参考にしてください。
監修者の視点:紙と音声を使い分けると冊数は増える
田中寛大読む時間が取れないという状態は、私自身も経験があります。転機になったのは、移動中や家事の時間を音声に充てるようにしたことでした。Audibleでの実績は累計約2,907時間・読了244冊(2026年7月時点)です。
紙とオーディオを両方使ってきた実感としては、内容をじっくり考えたい本は紙、量を確保したい本は音声、と分けるのが続けやすい方法です。同じ本を音声で通したあとに紙で読み直すこともあります。
大人の読書は、まとまった時間が空くのを待っていると始まりません。細切れの時間をどう使うかで冊数が決まります。まずは月1冊を目標にすれば、それだけで読む側の3割に入ります。
大人の読書効果に関するよくある質問
- 大人が本を読むメリットは何ですか?
-
主に6つです。①想像力が高まる②ストレスが減る③語彙が増える④批判的思考力がつく⑤記憶力と集中力が上がる⑥視野が広がる。社会経験がある大人のほうが、読んだ内容を実体験と結びつけて理解しやすいという利点もあります。
- 日本の大人はどのくらい本を読んでいますか?
-
1か月に1冊も読まない人が62.6%です。文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年9月公表)によると、内訳は読まない62.6%、1〜2冊27.6%、3〜4冊6.0%、5〜6冊1.5%、7冊以上1.8%でした。月に1〜2冊読むだけで、読む人の中では上位3割ほどに入ります。
- 大人になってから読書を始めても遅くないですか?
-
遅くありません。むしろ社会経験を積んだ大人だからこそ、本の内容を実体験と結びつけて深く理解でき、著者の主張を多角的に検討できます。語彙力や集中力の向上は何歳からでも見込めるため、思い立った日から始める価値があります。
- 毎日長時間読まないと効果は期待できませんか?
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短時間でも構いません。イギリスのサセックス大学の研究者が2009年に行った調査では、6分間の読書でストレスレベルが68%低下したと報告されています(Mindlab International実施。企業の委託調査で学術論文としては公開されていません)。数字の扱いには注意が必要ですが、通勤中や就寝前の隙間時間に少しずつ読む形でも習慣にはなります。
- 小説を読むメリットは何ですか?
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実用書では得にくい3つの効用があります。①自分とはまったく違う立場の人物の思考を内側からたどれる②結論の出ない問題をそのまま受け取る練習になる③役に立てようとせずに読めるため、それ自体が休息になる、の3点です。
- ビジネス書と小説、どちらを読むべきですか?
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目的によります。知識や批判的思考力を伸ばしたいならビジネス書やノンフィクション、想像力や共感力を養いたいなら小説が向いています。どちらか一方に絞る必要はなく、実用書と小説を行き来できるようにしておくと読書が続きやすくなります。
大人の読書は「月1冊」から始めれば十分
大人が本を読むメリットは、想像力・ストレス解消・語彙力・批判的思考力・記憶力と集中力・視野の広がりの6つ。加えて小説には、他人の内側を体験する、答えの出ない問題に慣れる、目的なしに読める、という固有の効用があります。
1か月に1冊も本を読まない人が62.6%という現状(文化庁・令和5年度 国語に関する世論調査)を踏まえると、月1〜2冊で十分に読む側です。まとまった時間を待たず、通勤や寝る前の10分から始めてみてください。
一方で、読みすぎによる目の疲れや時間の使い方など、注意しておきたい点もあります。気になる方は「読書のデメリット6つと対策|本の読みすぎで起きることをメリットと比較」もあわせてご覧ください。










