読書初心者におすすめの本9選|最初の1冊はミステリー・冒険・名作から選ぶ

雑誌を読みながらお茶する女性3
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読書の初心者が最初の1冊で失敗しにくいのは、①1話または1冊が短い ②冒頭で謎や事件が動く ③新訳版・児童書版があって文章が読みやすい——この3条件を満たす本です。

本記事では、ミステリー・冒険小説・少女名作の3ジャンルから、その条件を満たす9冊を紹介します。すべて刊行から数十年以上読まれ続けている作品で、あらすじを知らなくても1ページ目から入っていけます。

文化庁の「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年9月公表)によると、1か月に本を1冊も読まないと答えた人は62.6%でした。最初の1冊でつまずくと読書そのものが止まりやすいので、入口は「読みやすさ」を優先して選ぶのが確実です。

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目次

読書初心者の本選びは「3条件」で絞る

考える女性

ジャンルの好みは人それぞれですが、最初の1冊に関しては、好み以前に「読み切れるかどうか」で決まります。次の3つを満たす本から選ぶと、途中で止まりにくくなります。

  • 1話・1冊が短い:短編集や連作なら、1回20〜30分で1話を読み終えられる
  • 冒頭で事件や謎が動く:先が気になる力が強いほど、読書の習慣がない人でもページが進む
  • 新訳版・児童書版がある:同じ作品でも訳が新しいほど文章が現代的で読みやすい

この3条件で選んだ9冊が下の表です。「どのジャンルから読むか」で迷ったら、表の右列を見て自分に近いものから選んでください。

ジャンル作品著者こんな人に
ミステリーシャーロック・ホームズの冒険アーサー・コナン・ドイル1話ずつ短く区切って読みたい
ミステリーオリエント急行の殺人アガサ・クリスティー結末で驚かされたい
ミステリー闇からの声イーデン・フィルポッツホラーの気配がある話が好き
冒険小説十五少年漂流記ジュール・ヴェルヌサバイバルもの・無人島ものが好き
冒険小説海底二万里ジュール・ヴェルヌ謎の人物が出てくる話が好き
冒険小説神秘の島ジュール・ヴェルヌ理科や工作の話が好き
少女名作赤毛のアンL・M・モンゴメリ笑える日常ものが読みたい
少女名作あしながおじさんジーン・ウェブスター手紙形式でサクサク読みたい
少女名作長くつ下のピッピアストリッド・リンドグレーン文字が大きく1話が短いものがいい

ミステリー:冒頭で謎が動く3冊

ルームウェアの女性

謎解きが好きな人には、まずミステリーをおすすめします。最初のページで事件や謎が提示されるので、読書に慣れていなくても「次が知りたい」という力でページが進みます。ここでは古典として100年前後読まれてきた3冊を挙げます。

シャーロック・ホームズシリーズ|まずは短編集から

名探偵の代名詞になっているシャーロック・ホームズですが、名前は知っていても本を読んだことはない、という人は少なくありません。作者はイギリスの作家アーサー・コナン・ドイルで、シリーズは長編4作・短編56作で構成されています。

初心者が最初に手に取るなら短編集『シャーロック・ホームズの冒険』が読みやすいです。1話が数十ページで完結するので、通勤や寝る前の30分でも1話ずつ進められます。上で紹介している『緋色の研究』は、ホームズとワトソンが出会う第1作(長編)にあたるので、シリーズの入口から順に読みたい人はこちらから入るのもよい選択です。

シリーズの刊行順・おすすめの読む順番はシャーロック・ホームズの読む順番で整理しています。

オリエント急行の殺人|アガサ・クリスティー

エルキュール・ポアロは、イギリスの作家アガサ・クリスティーが生み出したベルギー人の私立探偵です。「灰色の脳細胞」と自称する強烈な個性で、シリーズを通して人気を保っています。

『オリエント急行の殺人』(1934年刊)は、そのポアロが雪で立ち往生した列車のなかで起きた殺人を追う長編です。容疑者が乗客に限られる「閉じた場所」の設定なので、初心者でも人物関係を追いやすいのが利点です。結末の意外性はミステリー史でも有名で、犯人を当てるつもりで読むと気持ちよく裏をかかれます。

闇からの声|イーデン・フィルポッツ

『赤毛のレドメイン家』で知られるイギリスの作家イーデン・フィルポッツの長編です(創元推理文庫・橋本福夫訳)。

隠退した名刑事リングローズが、滞在先のホテルで夜ごと子どもの悲鳴を聞きます。ところが同宿の老婦人によれば、その子は1年以上前にこのホテルで亡くなっているというのです。怪談のような入り方をして、最後は論理で決着する構成なので、ホラーの雰囲気とミステリーの解決を両方味わえます。

冒険小説:ジュール・ヴェルヌの3冊

ノートを抱える女性 note

冒険小説で押さえておきたいのが、フランスの作家ジュール・ヴェルヌです。19世紀の作品ですが、無人島・潜水艦・気球といった舞台立てが分かりやすく、いまの読者でもすぐ状況をつかめます。以下の3冊はいずれも児童向けの版があり、そこから入ると負担が軽くなります。

ヴェルヌの作品全体を見渡したい場合は、ジュール・ヴェルヌのおすすめ作品もあわせてご覧ください。

十五少年漂流記|無人島に流された15人の子どもたち

原題は『二年間の休暇』。ニュージーランド沿岸を航海するはずだった帆船が流され、無人島にたどり着いた15人の少年たちの物語です。最年長は14歳のアメリカ人ゴードン、最年少は8歳。大人はひとりも乗っていません。

食料の確保、住居づくり、役割分担と、やることが一つずつ片づいていく展開なので、読み進めた分だけ進捗が見えるのが読みやすさにつながっています。講談社青い鳥文庫など児童向けの版が複数出ています。

海底二万里|ノーチラス号とネモ船長

海に投げ出されたパリ博物館のアロナックス教授、その従者コンセイユ、カナダ人の銛打ちネッド・ランドの3人は、海中を自在に進む潜水艦ノーチラス号に助けられます。

船を操るのは、正体も過去も語らないネモ船長。「この人物は何者なのか」という謎が最後まで引っぱるので、冒険小説でありながらミステリーのような読み方もできます。潜水艦がまだ実用化されていない時代に書かれた作品だという点も、読みながら効いてきます。

神秘の島|何もない島から暮らしを組み立てる

気球で脱出した4人の男と1人の少年が、嵐に流されて無人島に不時着します。持ち物はほぼゼロ。そこから鉄を精錬し、爆薬を作り、生活を組み上げていきます。

理科の実験を読んでいるような楽しさがあるので、小説より説明文のほうが読みやすいという人にも向いています。『海底二万里』で正体が明かされなかったネモ船長についても、この作品で答えが出ます。『海底二万里』→『神秘の島』の順で読むと効果が大きい2作です。

少女名作:80年以上読まれてきた3冊

ベッドで読書する女性

児童文学・少女小説として長く読まれてきた作品群は、初心者向けとしても優秀です。文字が大きい版があり、1話が短く、主人公の感情がはっきり書かれているので、状況を想像する負担が小さいためです。

赤毛のアン|L・M・モンゴメリ

カナダの作家L・M・モンゴメリが1908年に発表した長編です。そばかすだらけの赤毛の孤児アンが引き取られたのは、独身の女性マリラと、その兄マシュウのふたり暮らしの家でした。

おしゃべりでそそっかしいアンの失敗が次々に起こるので、1章ごとに小さな山があり、区切って読みやすいのが特徴です。舞台はカナダのプリンスエドワード島。続編が複数刊行されているシリーズなので、気に入ればそのまま続きに進めます。

あしながおじさん|ジーン・ウェブスター

アメリカの作家ジーン・ウェブスターが1912年に発表した作品です。孤児院育ちのジュディ(ジェルーシャ・アボット)が書いた文章が、孤児院の評議員のひとりの目に留まります。ジュディは毎月手紙を書くことを条件に、大学進学の費用を出してもらうことになります。

会ったこともなく名前も知らない恩人を、ジュディは「あしながおじさん」と呼び、手紙を書き続けます。本文のほとんどが手紙なので、1通ずつ読み進められて分量の圧迫感がありません。初心者に最も勧めやすい形式の1冊です。

長くつ下のピッピ|アストリッド・リンドグレーン

スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンが1945年に発表した代表作です。世界一力が強く、金貨の入ったかばんを持ち、大人の言うことをまったく聞かない少女ピッピの物語です。

児童書なので文字が大きく、1話ずつ独立しているので、10分あれば1話読めるのが強みです。リンドグレーンには『やかまし村の子どもたち』『名探偵カッレくん』など他にも作品が多く、ピッピが合えばそのまま横に広げられます。

監修者の視点:長く読まれてきた本は、中古市場でも動き続ける

田中寛大

オンライン古書店のNAUT BOOKSを2019年から2022年にかけて運営し、開業から約2年半で8,000冊超の中古書籍を販売しました。扱った6,951タイトルのうち、2冊以上売れたのは959タイトル(13.8%)です。繰り返し買われたのは、刊行から時間が経ってもなお名前が挙がり続ける本でした。

最初の1冊を選ぶときは、話題の新刊よりも、こうした長く読まれてきた本のほうが外れが少ない傾向が見受けられます。何十年も読者が入れ替わりながら残ってきた本は、それだけ入口の広さが検証されているためです。

もうひとつ、状態のよい中古から始めるのも手です。コンディション表記を「非常に良い」以上に絞れば、読書体験は新品とほとんど変わりません。

読み進められないときの対処3つ

最初の1冊が合わないこと自体は珍しくありません。読書が続かない原因は、本人の集中力より本の選び方にあることが多いためです。次の順で切り替えてください。

  1. 途中でやめる:50ページ読んで乗れなければ閉じてよい。最後まで読む義務はありません
  2. 同じ作品の別の版を試す:訳者が変わると文章の読みやすさが大きく変わります。新訳版・児童書版を探してみてください
  3. ジャンルを変える:小説が進まないなら、エッセイやノンフィクションのほうが合う場合もあります

読書そのものが楽しくなるまでの過ごし方は、読書が楽しくなる方法でもまとめています。

よくある質問

読書初心者は何から読むのがおすすめですか?

短編集からです。1話が数十ページで完結する『シャーロック・ホームズの冒険』のような短編集なら、1回30分程度で読み切れるので達成感が得られます。長編に慣れていない段階で500ページの本を選ぶと、読み切れないまま止まりやすくなります。

大人が読書を始めるとき、児童書から入ってもいいですか?

問題ありません。『長くつ下のピッピ』『十五少年漂流記』などの児童書は文字が大きく1話が短いので、読む速度を取り戻すのに向いています。内容が幼稚になるわけではなく、大人が読んでも成立する作品が多くあります。

小説が苦手でも読める本はありますか?

『あしながおじさん』のような書簡形式の作品と、『神秘の島』のような「作る」過程が中心の作品です。前者は手紙単位で区切れ、後者は説明文に近い読み味なので、物語の情景を想像するのが苦手な人でも進めやすい傾向があります。

読書初心者にミステリーはおすすめですか?

おすすめです。冒頭で謎や事件が提示されるジャンルなので、「先を知りたい」という動機がページをめくらせてくれます。最初は『オリエント急行の殺人』のように舞台と登場人物が限定されている作品を選ぶと、人物関係で混乱しにくくなります。

本は新品で買うべきですか、中古でもいいですか?

中古でも十分です。コンディション表記が「非常に良い」以上のものを選べば、読書体験は新品とほとんど変わりません。古典・名作は中古市場に出回る量が多いので、入口の1冊を安く試すのに向いています。

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