図書館の最大のメリットは、本を無料で読めて借りられることです。これは各館の方針ではなく法律で決まっていて、図書館法第17条が公立図書館に対して利用料の徴収を禁じています。加えて、絶版本が読める、専門書や資料が使える、調べものを司書に相談できる、冷暖房のきいた学習席が無料で使えるといった利点があります。
この記事では、図書館を使うメリット7つとデメリット4つを対処法つきで整理し、大人こそ使いたい機能まで紹介します。
図書館を利用するメリット7つ

- 本を無料で読める・借りられる(法律で決まっている)
- 絶版・品切れの本が読める
- 買う前に中身を確かめられる
- 思いがけない本に出会える
- ネットにない専門書・資料が使える
- 調べものを司書に相談できる
- 冷暖房のきいた学習スペースが無料
1. 無料で読める・借りられるのは法律で決まっている
公立図書館が無料なのは、サービスとしての親切ではなく法律上の決まりです。図書館法(昭和25年法律第118号)の第17条は「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と定めています。いわゆる「図書館無料の原則」です。
つまり、入館料も貸出料も取られません。読書が習慣になっていない人にとっては、合わなければ途中でやめてもいい環境で本を試せる場所ということでもあります。買った本だと「元を取らなければ」と思ってしまいますが、図書館の本なら気楽です。
2. 絶版・品切れの本が読める
書店に並ぶのは基本的に流通中の本です。一方、図書館には刊行時に受け入れた本がそのまま残るため、いまはもう手に入らない本を読めることがあります。
絶版本は中古市場では価格が上がりやすく、買おうとすると高くつきます。まず図書館で探すのが、費用の面でも確実です。
3. 買う前に中身を確かめられる
目次と数ページを立ち読みしただけでは、その本が自分に合うかどうかは分かりません。図書館なら一度通して読んだうえで、手元に置くかどうかを決められます。
とくに数千円する専門書や大型本は、この使い方の効果が大きくなります。
4. 思いがけない本に出会える
図書館の棚は分類順に並んでいるので、目当ての本を取ったとき、その隣に同じテーマの本が並んでいます。買うつもりがなくても手に取れるため、自分では検索しなかった本に出会えます。
面白いかどうか分からない本を片っ端から開けるのは、無料であることの副産物です。読書の幅は、この「たまたま」で広がります。
5. ネットにない専門書・資料が使える
調べものはインターネットが基本になりましたが、専門的な内容ほどネット上には断片しかないことがあります。図書館には専門書のほか、郷土資料・行政資料・新聞の縮刷版・統計資料など、Webで検索しても出てこない資料が置かれています。
ある地域の昔の様子や、業界の古い統計を調べたいときは、検索するより図書館に行くほうが早いことも珍しくありません。
6. 調べものを司書に相談できる(レファレンスサービス)
意外と知られていないのが、調べものの相談に応じてもらえることです。「このテーマを調べたいが、どの資料を見ればいいか分からない」と伝えると、司書が資料を案内してくれます。多くの公立図書館がこのレファレンスサービスを行っており、もちろん無料です。
また、探している本が所蔵されていない場合でも、ほかの図書館から取り寄せてもらえることがあります(相互貸借)。「うちの図書館にはない」で終わらせず、まずカウンターで聞いてみる価値があります。
7. 冷暖房のきいた学習スペースが無料
自宅は誘惑が多く、カフェは飲み物代がかかります。その中間として、静かで空調のきいた席を無料で使えるのが図書館です。
席の数や利用ルール(予約制か、飲食可か、電源やWi-Fiがあるか)は館によって大きく違います。はじめて行く図書館は、開館時間とあわせて公式サイトで確認しておくと空振りしません。休日にじっくり読みたい人向けの場所選びは「休日の読書におすすめの場所」でも紹介しています。
図書館のデメリット4つと対処法

| デメリット | 対処法 |
|---|---|
| 行く手間と返却の手間がかかる | 移動図書館、駅や公共施設の返却ポスト、勤務先の近くの館を使う |
| 人気の新刊はすぐ借りられない | 予約を入れて待つ/どうしても早く読みたい本は買う |
| 書き込みや線引きができない | 付箋とメモで代用し、繰り返し読む本は買い直す |
| 返却期限に追われる | 期限を短い締切として使い、読む日をあらかじめ決めておく |
行く手間と返却の手間がかかる
生活圏内に図書館があれば負担はほとんどありませんが、離れていると往復そのものが億劫になります。借りるときと返すときの2回行く必要がある点も見落とされがちです。
対策としては、移動図書館の巡回先を調べる、駅や公共施設に設置された返却ポストを使う、自宅より勤務先や通学先の近くの館に登録する、といった方法があります。
人気の新刊はすぐに借りられない
話題の本は予約が集中し、順番が回ってくるまで時間がかかります。待つ期間は本や館によって大きく変わるので、予約時に自分が何番目かを確認しておくと見通しが立ちます。
いま読みたい本は買い、いつか読めればいい本は予約に回す。この線引きをしておくと、無理なく併用できます。
書き込みや線引きができない
図書館の本は公共のものなので、線を引いたり書き込んだりはできません。読みながら考えを書き込みたいタイプの人には、この点がいちばん不便に感じられます。
気になった箇所はノートやスマホにページ番号と一文だけ控えておき、それが何か所も出るようなら買い直す、という進め方が現実的です。
返却期限に追われる
貸出期間は多くの館で2週間程度です。何冊も借りると読み切れずに返すことになります。
一方で、期限があることを締切として使えば読むペースは上がります。借りるのは3冊までと決めておくと、積んだまま返す本が減ります。
監修者の視点:高い本ほど図書館で確かめる
田中寛大オンライン古書店を2019〜2022年に運営していたとき、値が張ったのは決まって絶版になった専門書や資料でした。もっとも高く売れた一冊は17,000円台です。
そういう本こそ図書館の棚に残っていることがあります。買う前に中身を確かめられる場所として使うと、手元に置くべき一冊かどうかの判断がつきます。実際、私も高い本ほど図書館で一度読んでから買うかどうかを決めています。
大人こそ使いたい図書館の機能
図書館は子どもや学生のための場所という印象があるかもしれませんが、大人が使ってこそ元が取れる機能がそろっています。
- 仕事の下調べ…業界の専門書、統計資料、新聞の縮刷版。ネット検索では出てこない一次資料が使える
- 資格・学び直し…参考書を借りて相性を確かめてから買える。学習席もそのまま使える
- 新聞・雑誌の閲覧…複数紙・複数誌をまとめて読める。定期購読の前に中身を比べられる
- 電子書籍の貸出…導入する自治体が増えており、来館せず借りられる館もある
利用者カードは、住んでいる自治体だけでなく、勤務先や通学先のある自治体でも作れる場合があります。生活圏に複数の館があるなら、両方に登録しておくと蔵書の選択肢が広がります。
図書館に関するよくある質問(FAQ)
- 図書館はなぜ無料なのですか?
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法律で決まっているからです。図書館法(昭和25年法律第118号)第17条が「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない」と定めており、これを図書館無料の原則と呼びます。なお、この規定は公立図書館に対するもので、私立図書館は対象外です。
- 図書館で本を借りるメリットは何ですか?
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費用がかからないこと、絶版で買えない本が読めること、そして買う前に中身を通して確かめられることの3つです。とくに数千円する専門書は、借りて一度読んでから購入を判断すると失敗が減ります。
- 図書館のデメリットは何ですか?
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借りるときと返すときで2回足を運ぶ手間、人気の新刊がすぐ借りられないこと、本に書き込めないこと、返却期限があることの4点です。返却ポストの活用や「借りるのは3冊まで」といったルール決めで、多くは軽くできます。
- 大人でも図書館を使えますか?
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使えます。むしろ専門書・統計資料・新聞の縮刷版・レファレンスサービスなど、大人の調べものに向いた機能がそろっています。利用者カードは住んでいる自治体のほか、勤務先や通学先のある自治体でも作れる場合があります。
- 探している本が図書館にないときはどうすればいいですか?
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カウンターで相談してください。ほかの図書館から取り寄せてもらえること(相互貸借)があります。テーマは決まっているが本が分からないという段階なら、レファレンスサービスで司書に資料を案内してもらえます。
まずは1冊借りるところから
図書館は、無料であること以上に「合わなければ途中でやめられる」ことに価値があります。買った本ほど気負わずに読めるので、読書が続かない人ほど向いています。
近所に図書館があるのに使っていないなら、利用者カードを作って1冊借りるところから始めてみてください。棚を歩くだけでも、読みたい本のリストは増えます。個性的な棚に触れたい人は「独立書店(インディペンデント書店)」もあわせてどうぞ。










