ビル・ゲイツがすすめる本のうち、最初の1冊に選びやすいのは『FACTFULNESS』です。世界の現状を思い込みでなくデータで見る方法を扱った本で、ゲイツ本人が米国の大学卒業生に無料で配ったことでも知られています。
ビル・ゲイツは自身のブログ「Gates Notes」で、夏と年末の年2回、読んだ本のリストを公開しています。この記事では、そこで取り上げられた10冊をテーマ別に整理して紹介します(各項目に本人の書評ページを出典として付けています)。
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ビル・ゲイツがおすすめする本10選【一覧表】
10冊を、扱うテーマごとに並べました。
| テーマ | 書名 | 著者 | 内容 |
| 世界の見方 | FACTFULNESS | ハンス・ロスリングほか | 思い込みを外してデータで世界を見る |
| 世界の見方 | 21 Lessons | ユヴァル・ノア・ハラリ | 21世紀の課題を21の切り口で考える |
| 人類史 | サピエンス全史 | ユヴァル・ノア・ハラリ | ホモ・サピエンスが支配種になった理由 |
| データ・予測 | シグナル&ノイズ | ネイト・シルバー | 予測が当たるとき・外れるとき |
| 伝記 | レオナルド・ダ・ヴィンチ | ウォルター・アイザックソン | 多才さの源泉をたどる評伝 |
| 伝記 | SHOE DOG | フィル・ナイト | ナイキ創業から上場までの自伝 |
| 生き方 | いま、希望を語ろう | ポール・カラニシ | 末期がんの脳神経外科医の手記 |
| 生き方 | 新インナーゲーム | ティモシー・W・ガルウェイ | 自分の内側の声との付き合い方 |
| 社会課題 | いま、翔び立つとき | メリンダ・ゲイツ | 女性のエンパワーメントと開発援助 |
| 小説 | 異星の客 | ロバート・A・ハインライン | 火星育ちの青年が地球に帰還するSF |
10冊のうち小説は『異星の客』1冊だけで、残りはノンフィクションです。統計・人類史・伝記が中心という偏りが、ビル・ゲイツの読書リストの特徴といえます。
ビル・ゲイツは年2回、読書リストを公開している

ビル・ゲイツは1955年10月28日生まれ、マイクロソフトの共同創業者です。無類の読書家として知られ、自身のブログ「Gates Notes」で読んだ本の書評を継続的に公開しています。
リストが出るのは主に次の2つのタイミングです。
- 夏(Summer Books):休暇に読むための5冊前後
- 年末(Holiday Books):その年に読んだなかから選んだ5冊前後
選ばれる本は、感染症、気候変動、教育、統計といった自身の慈善活動と重なる分野が多い一方、自伝や小説も一定数入ります。本記事で紹介する10冊も、そのリストから取り上げたものです。
ビル・ゲイツがおすすめする本10選
FACTFULNESS|思い込みを外して世界をデータで見る(ハンス・ロスリングほか)
人が世界を実際より悪く捉えてしまう10の思い込みを取り上げ、データで確認し直す方法を示した本です。所得や乳幼児死亡率といった指標が、多くの人の想像より着実に改善していることが具体的な数字で示されます。
著者のハンス・ロスリングは医師・公衆衛生の研究者で、本書は息子夫妻との共著として刊行されました。「開発途上国」という区分そのものを使わないほうがよい、という主張はビル・ゲイツの書評でも中心に取り上げられています。
出典:Why I want to stop talking about the “developing” world(Gates Notes)
21 Lessons|21世紀の課題を21の切り口で考える(ユヴァル・ノア・ハラリ)
テクノロジー、雇用、宗教、教育、テロといった現代の論点を、21のテーマに分けて論じた本です。『サピエンス全史』が過去を、『ホモ・デウス』が未来を扱ったのに対し、本書は現在を扱う位置づけになっています。
結論を一つに絞らず、問いの立て方そのものを検討していく書き方です。答えを求めて読むと物足りませんが、自分の判断の前提を点検したい人には向いています。
出典:A guide to worrying in the 21st century(Gates Notes)
サピエンス全史|ホモ・サピエンスが支配種になった理由(ユヴァル・ノア・ハラリ)
人類をホモ・サピエンスという一つの動物種として捉え直し、なぜこの種だけが地球全体に広がったのかを追った通史です。認知革命、農業革命、科学革命という3つの転換点で章立てされています。
本書の中心的な主張は、サピエンスの強みは実在しないもの(貨幣、国家、企業、宗教)を大人数で共有できる点にある、というものです。上下巻ありますが、章ごとに区切って読めます。
出典:How did humans get smart?(Gates Notes)
シグナル&ノイズ|予測が当たるときと外れるとき(ネイト・シルバー)
野球、天気予報、地震、経済、インフルエンザ、ポーカーなど、分野をまたいで「予測」がどこまで可能かを検証した本です。著者のネイト・シルバーは、選挙予測で知られるデータアナリストです。
扱われるのは予測の当て方ではなく、どの領域なら予測が効き、どの領域では効かないのかという線引きです。不確実性を数字で表現することの重要性が繰り返し述べられます。
出典:Politics, baseball, and poker(Gates Notes)
レオナルド・ダ・ヴィンチ|多才さの源泉をたどる評伝(ウォルター・アイザックソン)
レオナルド・ダ・ヴィンチの生い立ちから代表作の制作過程までを追った評伝です。上巻は「最後の晩餐」の制作にあたる時期までを扱い、オールカラーで図版144点を収録しています。
本書が繰り返し示すのは、レオナルドの発想が芸術と科学を分けずに観察を続けたことから生まれた、という点です。著者のウォルター・アイザックソンは、スティーブ・ジョブズやアインシュタインの評伝でも知られる書き手です。
出典:Leonardo is one of the most fascinating people ever(Gates Notes)
SHOE DOG|ナイキ創業から上場までの自伝(フィル・ナイト)
ナイキの共同創業者フィル・ナイトによる自伝です。1962年に日本製シューズの輸入から始めた事業が、1980年の株式公開に至るまでの18年間が語られます。
成功譚というより、資金繰りと訴訟に追われ続けた記録に近い内容です。起業を美談として書いていないところが、この本が読まれ続けている理由といえます。
出典:An honest tale of what it takes to succeed in business(Gates Notes)
いま、希望を語ろう|末期がんの脳神経外科医の手記(ポール・カラニシ)
36歳で肺がんと診断された脳神経外科医が、医師と患者の両方の立場から書いた手記です。著者は本書の完成を待たずに亡くなり、妻が結びの章を書いています。
扱われるのは、残された時間をどう使うか、医師として告げてきた言葉を患者として受け取るとどうなるか、という問いです。ビル・ゲイツも書評で強い反応を示した一冊です。
出典:This book left me in tears(Gates Notes)
新インナーゲーム|自分の内側の声との付き合い方(ティモシー・W・ガルウェイ)
テニスを題材に、「うまくやろう」と指示してくる内側の声を静め、身体の感覚に任せる方法を説いた本です。著者はテニスコーチのティモシー・W・ガルウェイ。
扱われるのは技術指導ではなく、自分で自分の邪魔をしてしまう構造のほうです。そのためスポーツに限らず、プレゼンや商談など緊張する場面全般に応用できる内容になっています。コーチングの原型としても参照される一冊です。
出典:The best guide to getting out of your own way(Gates Notes)
いま、翔び立つとき|女性のエンパワーメントを扱う(メリンダ・ゲイツ)
ビル・ゲイツの元妻であるメリンダ・フレンチ・ゲイツによる著書です。20年以上にわたる慈善活動で出会った人々の実話と統計をもとに、性差別、家庭内暴力、教育機会といった問題を扱います。
本書の主張は、女性が意思決定に加われる状態をつくることが地域全体の状況を変える、というものです。なお2人は2021年に離婚しており、メリンダ・フレンチ・ゲイツは2024年6月にゲイツ財団の共同議長を退任しています(財団の名称も「ゲイツ財団」に変更されました)。
出典:Melinda has a terrific new book coming out(Gates Notes)
異星の客|火星育ちの青年が地球に帰還するSF(ロバート・A・ハインライン)
1961年に発表されたアメリカのSF小説です。1962年のヒューゴー賞と1975年のローカス賞を受賞しています。
火星探検隊の遺児として火星人に育てられた青年ヴァレンタイン・マイケル・スミスが地球に帰還し、地球の常識とまったく異なる価値観のまま人々と関わっていく物語です。1960年代のカウンターカルチャーに大きな影響を与えた作品としても知られています。
ビル・ゲイツは書評で、本作を大人向けSFの入り口として挙げています。10冊のなかで唯一の小説なので、ノンフィクションが続いて疲れたときの一冊にも向きます。
出典:The best introduction to grownup sci-fi(Gates Notes)
監修者の視点:著名人の推薦本は「選び方」のほうを見る
田中寛大著名人のおすすめ本リストは、書名をなぞるだけだと自分に合わない本まで買ってしまいます。見るべきなのは、その人がどういう基準で選んでいるかのほうです。ビル・ゲイツのリストは統計・人類史・伝記に偏っており、小説は10冊に1冊程度しか入りません。この偏りを知ったうえで、自分の関心と重なる範囲だけを拾うほうが失敗が少ないはずです。
オンライン古書店を運営していた時期(2019〜2022年)に扱った本を振り返ると、売れ筋の中心はビジネス書・自己啓発・実用書・専門書で、文芸はごく少数でした。『FACTFULNESS』や『サピエンス全史』のように話題になった翻訳ノンフィクションは、刊行から時間がたっても中古で探され続ける側の本だと考えています。
ビル・ゲイツのおすすめ本についてよくある質問
- ビル・ゲイツのおすすめ本はどこで発表されていますか?
-
自身のブログ「Gates Notes」です。夏(Summer Books)と年末(Holiday Books)の年2回、読んだ本のリストと書評が公開されます。本記事の10冊も、そこで取り上げられた本から選んでいます。
- ビル・ゲイツのおすすめ本で最初に読むならどれですか?
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『FACTFULNESS』です。世界の現状を思い込みではなくデータで見る方法を扱った本で、統計の知識がなくても読めます。ほかの9冊に出てくる「データで確かめる」という姿勢の土台にもなります。
- ビル・ゲイツはどんなジャンルの本を読んでいますか?
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統計・人類史・伝記を中心としたノンフィクションが大半です。本記事で紹介した10冊のうち小説は『異星の客』1冊だけで、感染症や気候変動など自身の慈善活動と重なる分野の本も多く選ばれています。
- 『いま、翔び立つとき』の著者メリンダ・ゲイツはいま何をしていますか?
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自身の慈善活動を続けています。ビル・ゲイツとは2021年に離婚しており、2024年6月にはゲイツ財団の共同議長を退任しました。財団の名称もこのとき「ゲイツ財団」に変更されています。
- ビル・ゲイツのおすすめ本は日本語で読めますか?
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本記事で紹介した10冊はいずれも邦訳が出ています。『サピエンス全史』『21 Lessons』は河出文庫、『異星の客』は創元SF文庫に収録されており、文庫で入手できます。
まとめ:ビル・ゲイツの読書リストは『FACTFULNESS』から
ビル・ゲイツがおすすめする本10選を、テーマ別に紹介しました。最初の1冊は『FACTFULNESS』、人類史に関心があるなら『サピエンス全史』が選びやすい入り口です。
リストの傾向は統計・人類史・伝記に偏っています。書名をそのままなぞるのではなく、自分の関心と重なる範囲を選ぶほうが読み切れる本に当たります。
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