本の整理は、①収納できる量を測る → ②残す基準を決める → ③全部出してジャンル分けする → ④並べ直すという4ステップで進めます。収納テクニックから手をつけると必ず途中で行き詰まるので、先に「入る量」と「基準」を決めるのが要点です。
この記事では、その4ステップの進め方に加えて、見た目を整える並べ方、そして手放すと決めた本の行き先までまとめます。手放し方の判断には、古書店を運営していた監修者の販売データも使います。
本の整理整頓の手順

整理は順番を守ると早く終わります。全体像は次のとおりです。半日ほどまとまった時間を確保して取り組んでください。
| 手順 | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 収納できる容量を測る | 減らす冊数を確定させる |
| 2 | 残す・残さないの基準を決める | 1冊ずつ迷わないようにする |
| 3 | 全部出してジャンル分けする | 持っている量と偏りを把握する |
| 4 | 本棚に並べ直す | 取り出しやすさと見た目を整える |
順に見ていきます。
収納可能容量を把握する
まず最初に行うべきことは、自分の本棚や収納スペースの容量を把握することです。書庫や書斎がある家ならば気にしなくてよいかもしれませんが、日常生活を送る部屋に本を置く場合、収納空間は限られてしまうもの。スペースに対して本が多すぎる場合、手放す本を決める必要があります。
残す本、残さない本の判断基準を決める
次に、残すかどうかの判断基準を決めます。基準を先に決めておくと、1冊ずつ悩まずに手が動きます。目安は次のとおりです。
| 残す | 手放す |
|---|---|
| 絶版などで、もう手に入らない本 | 電子書籍でも買える・すでに買った本 |
| サイン入り・初版など付加価値のある本 | 1年以上読んでおらず、買い直せる本 |
| 数か月に一度は開く本 | 書き込みや傷みで状態が悪い本 |
| 見るだけで気分が上がるお気に入り | 統計や制度の解説で情報が古くなった本 |
「絶版は残す」「情報が古い実用書は手放す」の2つは、中古市場の動きとも一致します。手放されにくく需要が残る本ほど値がつきやすく、内容が古くなった実用書は買い手がつきにくくなるためです。
どうしても決められない本は、本棚にしまわずダンボールなどに入れておきます。1年経っても読もうとしなかった本は、今の自分には不要と判断できるでしょう。
すべての本を集め、ジャンル分けする
一度、すべての本を取り出し、一か所に集めます。この作業により、全体の量とどんな本があるのかを確認できます。次に、残す本・残さない本に分けると同時に、ジャンルごとに本を集めておきましょう。
小説、漫画、雑誌、ビジネス書、参考書、趣味の本など、ジャンル分けをすることで、どのような系統の本が多いのか、本棚に入らない場合はどのジャンルの本を削るのかといったことが把握しやすくなります。
課題図書や参考書を整理していて、感想文のまとめ方に悩んでいる方はこちらもどうぞ。

本棚に収納する
本を分類し終えたら、いよいよ本棚に戻していきます。ここからは、見た目や取り出しやすさを考慮しながら収納しましょう。
重い本・サイズの大きい本は下段に
図鑑や写真集といった、重い本や大判の本は、下段に配置するのが基本です。安定感が増し、本棚が倒れるリスクも軽減できます。実用的で安全な収納を心がけることで、日々の本の出し入れもスムーズに行えるでしょう。
基本はジャンル別に収納
分類したジャンルごとに本をまとめて収納しましょう。たとえば、ビジネス書を左側、小説・漫画を右側にまとめるなど、直感的にわかりやすい配置にすることで、必要な本をすぐに見つけられるようになります。
また、自分の読書スタイルに合わせて配置を工夫することで、日常的に本を手に取りやすくなり、読書の効率も向上することでしょう。たとえば、よく読むジャンルの本を手の届きやすい位置に置くことで、すぐに読み始められる環境を整えられます。
本の高さを揃える
見た目を整えるためには、本の高さを揃えることが重要です。高さの違う本がバラバラに並んでいると、どうしても雑然とした印象になります。
並べ方としては、高さが右肩上がりとなるよう配置するか、中央がくぼむよう両サイドに高さが高い本を置くとまとまって見えます。スペースにゆとりがある場合は、表紙を見せる「面出し」というテクニックを使うと、書店のようにおしゃれに見せられることでしょう。
背表紙の色を同系色でまとめる
本は高さで揃えるだけでなく、背表紙の色も意識してみましょう。色がバラバラだと、統一感がなく散らかった印象を与えることがあります。
背表紙の色が似ている本をまとめることで、スッキリとした印象の本棚に仕上がります。とくに、白や黒、青系などの色味でグループ分けすると、視覚的に整理された感じが出せるのでおすすめです。
背表紙の位置を合わせる
本の幅はそれぞれ異なるものです。本を奥側に揃えて入れてしまうと、正面から見たときの背表紙の位置がデコボコになり、整頓されているように見えなくなります。本を収納する際は、本の背が一列になるよう手前で揃えることを意識しましょう。小さな調整ですが、大きな効果があります。
作家別・五十音順に揃えるのもあり
上記では見た目を重視した整理方法を紹介しましたが、作家別や五十音順に並べるのも有効です。とくに、同じ作家の本が多い場合や、シリーズものを揃えている場合は、作家別の並べ方の方が、目当ての本を探しやすくなるでしょう。
また、所有している本の一覧を作成する場合は、五十音順に揃えることで、探したい本がすぐに見つかるようになります。
手放すと決めた本をどうするか
整理でいちばん止まりやすいのが、手放すと決めた本の置き場所です。段ボールに詰めたまま部屋の隅に残ると、結局スペースは空きません。処分先は主に次の4つです。
| 方法 | 向いている本 | 手間 |
|---|---|---|
| 宅配買取 | まとまった冊数を一度に減らしたいとき | 少ない(箱に詰めて送るだけ) |
| 店頭買取 | すぐ現金化したいとき | 運ぶ手間がある |
| フリマ・ネット出品 | 絶版・専門書など需要が限られる本 | 大きい(出品と発送を自分で行う) |
| 寄贈・譲渡 | 状態がよく、値がつきにくい本 | 受け入れ先の確認が必要 |
選ぶときの目安になるのが、その本にどれくらい需要が残っているかです。監修者が2019年から2022年にかけて運営していたオンライン古書店の販売データでは、出品してから売れるまでの日数は中央値で37日、30日以内に45%、90日以内に72%、1年以内に97%が売れました。裏を返すと、半年動かない本はその後もほとんど動きません。
自分で出品するかどうかは、この「動くかどうか」で決めると判断しやすくなります。動きが早いのはビジネス書・自己啓発・実用書・専門書で、文芸はごく少数でした。反対に、値がつきやすかったのは絶版本・専門書・CD-ROMなどの付録つきに集中しています。参考までに、扱った中で最も高く売れた一冊は17,000円台でした。
つまり、大半の本は手頃な価格帯に落ち着き、手放されにくく需要が残る本だけが高くなるという構図です。冊数が多いなら宅配買取でまとめて減らし、絶版や専門書だけ個別に出品するという使い分けが、手間と実入りのバランスが取れます。
もう一点、買取に出す前に状態を確認してください。同じ古書店では、扱った本のコンディションをほぼ「非常に良い」「良い」に絞っていた結果、購入者評価の97%が肯定的でした(累計189件・販売期間中の実績)。書き込みや水濡れのある本は査定額が下がるだけでなく、買取を断られることもあります。
残した本を傷ませない保管のポイント
せっかく残した本も、置き場所によっては数年で日焼けや反りが出ます。紙が傷む主な原因は、直射日光・湿気・詰め込みすぎの3つです。
- 直射日光を避ける…窓際の本棚は背表紙が退色します。カーテンで遮るか、日の当たらない面に本棚を置きます。
- 壁から少し離す…壁にぴったり付けると、裏側に湿気がこもります。数センチ空けて空気が通る状態にします。
- 棚に詰め込みすぎない…きつく詰めると取り出すときに背表紙が傷みます。指が入る程度の余裕を残します。
- 平積みは低くとどめる…積み上げると下の本に重みがかかり、表紙が反る原因になります。
状態を保っておくと、あとで手放すことになったときの選択肢も広がります。
監修者の視点:減らせない原因は基準より行き先
田中寛大古書店を運営していた時期(2019〜2022年)に、開業から約2年半で8,000冊超を扱いました。自分の手元で在庫を回していて実感したのは、本は残す基準を決めただけでは減らないということです。箱に詰めた本が部屋に残っている限り、空くスペースは変わりません。
データで言うと、出品から売れるまでの中央値は37日で、1年以内に97%が売れました。逆に半年動かない本はそのあともほぼ動きません。自分の本棚でも同じで、1年開かなかった本は来年も開かない可能性が高い。整理の日に、手放す本の送り先まで決めてしまうのがいちばん確実です。
本の整理・収納についてよくある質問
- 大量の本はどこから整理すればいいですか?
-
収納できる容量を測るところからです。棚に何冊入るかを先に確定させると、減らすべき冊数がはっきりします。次に残す・手放すの基準を決め、それから全部出してジャンル分けしてください。収納テクニックから始めると、入りきらない本が残って途中で止まります。
- 捨てるか迷う本はどうすればいいですか?
-
本棚には戻さず、段ボールに入れて期限を決めてください。1年開かなかった本は、その先も開かない可能性が高いためです。古書店の販売データでも、出品から1年以内に97%が売れる一方、半年動かない本はその後もほとんど動きませんでした。判断を先送りするより、期限を切るほうが結果が出ます。
- 本棚をおしゃれに見せるコツはありますか?
-
背表紙の位置を手前でそろえる、高さの近い本をまとめる、背表紙の色を同系色で並べる、の3つです。とくに背表紙を手前でそろえるのは手間がかからないわりに効果が大きい方法です。棚に余裕があるなら、表紙を見せる「面出し」を1〜2冊入れると書店のような印象になります。
- 手放す本は買取と個別出品のどちらがいいですか?
-
冊数が多いなら宅配買取でまとめて減らし、絶版本や専門書だけ個別に出品する使い分けが現実的です。中古市場では大半の本が手頃な価格帯に落ち着き、値がつきやすいのは絶版・専門書・付録つきに集中する傾向があります。1冊ずつ出品すると手間が実入りに見合わなくなりやすいためです。
- 本は日焼けや湿気からどう守ればいいですか?
-
直射日光の当たらない場所に本棚を置き、壁から数センチ離して空気が通るようにします。棚に詰め込みすぎず、指が入る程度の余裕を残すと、出し入れで背表紙を傷めません。平積みは低くとどめてください。状態を保っておくと、あとで買取に出すときの査定にも影響します。
容量を測るところから始める
本の整理は、収納できる容量を測り、残す基準を決め、全部出してジャンル分けし、並べ直すという順番で進めます。並べ方は、背表紙を手前でそろえる、高さをまとめる、同系色で並べるの3点を押さえれば十分に整って見えます。
そして、手放すと決めた本の行き先を同じ日に決めてしまってください。段ボールが部屋に残ったままでは、スペースは空きません。整理が終われば、読みたい本がすぐ手に取れる状態になり、積んだままの本も減っていきます。










