読書は「道具・場所・月謝がほぼ要らない趣味」です。必要なのは本一冊と、1日10分ぶんの時間だけ。始めるハードルの低さが、ほかの趣味と比べたときの最大の強みです。
ただし「メリットしかない」わけではありません。時間を使う、目が疲れる、置き場所が増える——趣味として続けるなら、この3つの代償も知っておいたほうが長持ちします。
本記事では、読書を趣味にするメリット6つを一覧で整理したうえで、デメリット、かかる費用、そして趣味として定着させる4ステップを解説します。
読書を趣味にするメリット6つ【一覧表】

読書を趣味にすると得られるものは、大きく6つに整理できます。効果が出るまでの早さがそれぞれ違うので、そこも並べました。
| メリット | 具体的に得られるもの | 実感までの目安 |
|---|---|---|
| 費用がかからない | 図書館・中古・読み放題で月0〜1,000円台に収まる | すぐ |
| どこでも中断できる | 通勤・待ち時間・寝る前の5分が趣味の時間になる | すぐ |
| 気持ちの切り替え | 画面から離れ、目の前の文章だけに戻る時間ができる | 数日 |
| 語彙・表現が増える | 言いたいことを言い換えられる幅が広がる | 数か月 |
| 話題が増える | 初対面でも共通の話題を出しやすくなる | 数か月 |
| 知らない価値観に触れる | 自分と違う立場・時代の考え方を知る | 読んだ本の数だけ |
費用がほぼかからない
趣味としての読書は、初期投資がほとんど要りません。図書館なら0円、中古なら1冊数百円から、電子書籍の読み放題サービスでも月1,000円前後です。用具を買い揃える趣味と比べると、始めてから「合わなかった」と気づいたときの損失がとても小さい趣味だといえます。
5分単位で中断・再開できる
読書は、まとまった時間がなくても成立します。電車の3駅ぶん、レジ待ちの2分、寝る前の10分。細切れの時間をつないで進められるため、休日をまるごと空けられない人でも趣味として抱えられます。1回の量より、開く回数のほうが結果に効きます。
語彙と表現の幅が広がる
本を読んでいると、自分では使わない言い方に何度も出会います。同じ内容を別の言葉で言い換えられるようになると、話すときも書くときも詰まりにくくなります。効果の実感には数か月かかるため、短期で判断せず、続けた先の変化として考えたほうがよいでしょう。
自分と違う価値観に触れられる
小説でもノンフィクションでも、本の中には自分とは違う立場の人間が出てきます。別の時代、別の職業、別の国。その人の理屈を最後まで聞ける機会は、日常ではあまりありません。読書が「最高の趣味」と呼ばれる理由の多くは、この一点に集まっている印象があります。
読んでいる最中の楽しさそのものを言葉にした記事もあります。「面白さがまだピンとこない」という段階の方は、こちらもあわせてどうぞ。
読書は何が楽しい?読書好きが挙げる5つの理由と楽しめない人へのコツ
「読書はメリットしかない」は本当?デメリットは3つ
読書にもデメリットはあります。時間・目の負担・保管場所の3つです。「メリットしかない」と言い切ってしまうと、続かなかったときに自分を責める理由にしかなりません。先に把握しておきましょう。
| デメリット | 中身 | 対処 |
|---|---|---|
| 時間を使う | 1冊読むのに数時間かかる。他の予定と競合する | 「1日10分」のように上限を決めて始める |
| 目が疲れる | 暗い場所・小さい文字・長時間で負担が出る | 手元を明るくする/読み上げ機能を使う |
| 置き場所が増える | 紙の本は物理的にたまっていく | 電子書籍や図書館と併用する |
どれも読書をやめる理由にはなりません。ただ、対処せずに続けると「なんとなくしんどい」で止まります。特に目の負担は、照明を変えるだけで軽くなることがあります。
趣味として読書をしている人はどれくらいいる?
1か月に本を1冊も読まない人は62.6%です。文化庁「令和5年度 国語に関する世論調査」(2024年3月調査・全国16歳以上3,559人回答/2024年9月公表)によると、1か月に読む本の冊数の内訳は次のとおりでした(電子書籍を含み、雑誌・漫画は除く)。
- 読まない … 62.6%
- 1、2冊 … 27.6%
- 3、4冊 … 6.0%
- 5、6冊 … 1.5%
- 7冊以上 … 1.8%
1冊以上読む人は合わせて36.9%。「趣味は読書です」と言える状態は、少数派の側に入ります。逆に言えば、月に1〜2冊のペースでも十分に趣味として名乗れる水準だということです。読書量が減っている理由として最も多く挙がったのは「情報機器で時間が取られる」(43.6%)でした。時間そのものより、時間の取られ先が問題になっている傾向が見受けられます。
監修者の視点:趣味にするなら「繰り返し開ける一冊」から
田中寛大オンライン古書店を運営していた時期(2019〜2022年)に、開業から約2年半で8,000冊超の中古書籍を販売しました。そのとき扱った6,951タイトルのうち、2冊以上売れたのは959タイトル、13.8%でした。大半は一度きりです。
逆に何度も注文が入ったのは『アイデアのつくり方』『チーズはどこへ消えた?』のような、刊行から時間が経った薄めの本でした。趣味として読書を始めるなら、話題の新刊を追いかけるより、こうした長く読まれてきた一冊から入るほうが空振りしにくいと感じています。薄い本なら、読み切れたという手応えも早く来ます。
読書を趣味にする4ステップ

「読もう」と思うだけでは趣味になりません。順番があります。
ステップ1:ジャンルではなく「1冊」を決める
「ビジネス書を読む」ではなく「この本を読む」まで絞ります。ジャンル単位で決めると、書店や検索結果の前で選び直しが発生して、そこで止まりがちです。気になった本を1冊、先に手元に置いてしまうのが早道です。
ステップ2:読む時間帯を1つに固定する
「空いた時間に読む」は、空かないと読まないという意味になります。通勤の電車、昼休みの後半、寝る前——すでに毎日ある行動の直後にくっつけると、思い出す手間が消えます。長さは10分で構いません。
ステップ3:合わない本は途中でやめる
趣味として続かなくなる原因の多くは、面白くない本を義務で読み続けることです。仕事の資料ではないので、最後まで読む義理はありません。50ページ読んで乗れなければ次に移る、と決めておくと、読書そのものが嫌いになる展開を避けられます。
ステップ4:読んだ本を1行だけ記録する
書名と、一言だけの感想でいいので残します。趣味には「積み上がっている実感」が要ります。感想を長く書こうとすると記録自体が続かないので、1行に制限するのがコツです。
読書を毎日の習慣まで持っていきたい場合は、続けるための具体的なやり方をこちらでまとめています。

大人が本を読むことで何が変わるのかを、もう少し掘り下げた記事もあります。

休日にまとめて読む時間を取りたい方は、場所選びから考えるとうまくいきます。
休日の読書におすすめの場所6選|一日中読める場所と時間の決め方
読書を趣味にすることに関するよくある質問
- 読書は最高の趣味といえますか?
-
費用と場所の条件だけで見れば、始めやすさは趣味の中でも上位です。道具が要らず、月0円から続けられ、5分単位で中断できます。ただし「最高」かどうかは目的次第で、体を動かしたい人や人と関わりたい人には別の趣味のほうが合います。
- 読書はメリットしかないというのは本当ですか?
-
いいえ。時間を使う、目が疲れる、本の置き場所が増える、という3つの負担があります。いずれも読書時間の上限を決める・手元を明るくする・電子書籍や図書館を併用する、で軽くできますが、負担がゼロというわけではありません。
- 読書を趣味にすると、どんな効果がいつ出ますか?
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気持ちの切り替えは数日で感じられますが、語彙や表現の変化は数か月単位です。1〜2週間で「効果がない」と判断するのは早すぎます。まず3か月続けてから振り返ることをおすすめします。
- 読書を趣味にするにはお金がかかりますか?
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ほとんどかかりません。図書館なら0円、中古本なら1冊数百円から、電子書籍の読み放題サービスでも月1,000円前後です。読書灯や本棚をそろえる場合だけ初期費用が出ます。
- 読書を趣味にしたいのに続きません。どうすればいいですか?
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読む時間帯を1つに固定し、合わない本は50ページでやめる、の2つを試してください。続かない原因は意志より仕組みにあることが多く、「空いた時間に読む」という決め方だと空かない日に途切れます。
まとめ:読書は「安く始めて細く続ける」趣味
読書を趣味にするメリットは、費用のかからなさ・中断のしやすさ・気持ちの切り替え・語彙の広がり・話題の増加・価値観の拡張の6つです。一方で、時間・目の負担・置き場所という3つの代償もあります。
1か月に本を読まない人が62.6%という調査結果を踏まえると、月1〜2冊でも十分に「趣味は読書」と言える水準です。読む本を1冊決め、時間帯を固定し、合わなければやめる。この3つだけで趣味として残ります。










