古書店などの「本屋」を舞台にした小説はたくさんあります。本が好きな人にとっては、より楽しめる作品が豊富です。
今回は、その中でもおすすめの11冊を紹介していきます。
本好きだけではなく、何の本を読もうか悩んでいる人は要チェックです。
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CONTENTS
本屋を舞台にした小説11選

本屋を舞台にした小説
本屋を舞台にした小説11作品を紹介します。
東京・神保町が舞台の小説
本の街「神保町」を舞台にした小説を紹介していきます。
1. 『幻想古書店で珈琲を 招かれざる客人』
本の街・神保町にある不思議な古書店『止まり木』で働く名取司は、大天使のアザリアから、最近この辺りで『魔神アスモデウス』が目撃されているので気を付けるように、と注意を促された。
アスモデウスの事をほとんど知らない司は、彼について聞こうと『止まり木』の店主・亜門の元へ向かった。
聞けばアスモデウスは亜門の友人だというが、その亜門の表情はいつになく複雑だった―。
一体アスモデウスとは何者なのか!?大人気シリーズ待望の第五弾!!
出典:Amazon
亜門が淹れるコーヒーだけは興味深い!
このシリーズもこの作品で5作目。1作目の司と亜門の出会い、古書店なのにカフェでもある「止まり木」、でもここの扉が見えて且つコーヒーを飲むことができるのは、ある条件を満たした客だけ。異世界ファンタジーにハマッテいた私はこの異質な物語に飛びつきました。人間に親しんでしまい日本の神保町の古書店街で余生を過ごしている何百歳ーーこの後の文章は途中で投稿されちゃいましたので再度書かせてもらいました。
悪魔亜門と、割と平凡な就活(失業)中の司との摩訶不思議な人間性(?)のほっこりな進展具合。なかなか秀悦です。ただ、司がもう少し賢ければ尚良いのですが。
出典:Amazon
2. 『定価のない本』
終戦から復興を遂げつつある古書の街・神田神保町の一隅で、ひとりの古書店主が人知れずこの世を去った。
古書の山に圧し潰される皮肉な最期を遂げた商売敵を悼み、同じく古書店を営む琴岡庄治は後処理を申し出るが、彼の周囲では次第に奇妙な出来事が起こり始める。
行方を眩ませる被害者の妻、注文帳に残された謎の名前、暗躍するGHQ――名もなき古書店主の死を巡る探偵行は、やがて戦後最大級の“計画"を炙りだす。
直木賞受賞作家の真骨頂と言うべきミステリ長編。
出典:Amazon
GHQ占領下の神田神保町で、古書店主が大量の古書の下敷きになって死んでいるのが発見されたが・・・
『定価のない本』(門井慶喜著、東京創元社)は、何から何まで、私好みの推理小説です。
太平洋戦争後のGHQ占領下の東京。神田神保町の古書店街で、ある古書店主が崩落した大量の古書の下敷きになって死んでいるのが発見されるところから、物語の幕が開きます。
その死に不審を抱いた、先輩格の古書店主・琴岡庄治が、謎の解明に乗り出します。行方を眩ました被害者の妻、被害者の注文帳に残された不可解な注文主――さらに、庄治の周辺で奇怪な事件が続発します。
嬉しいことに、徳富蘇峰、太宰治も登場します。
あれこれ探り回る庄治の前に、やがて、戦後日本の巨大な闇が姿を現してきます。
古書好き、神保町好き、ミステリ好きには、堪らない逸品です。
出典:Amazon
映画化された小説
映画化もされたほど、人気となった小説を紹介します。
3. 『ビブリア古書堂の事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』
鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。
そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。
残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。
接客業を営む者として心配になる女性だった。
だが、古書の知識は並大低ではない。
人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。
これは“古書と秘密”の物語。
出典:Amazon
成長の物語
何度読み直したのだろう。其度に新しい面白さに気づく。
ストーリーを中心に読んでみたり、出てくる書籍や作家を中心に読んでみたり、淡い恋愛小説として読んでみたり。
でも改めて読んでみるとふと思う。登場人物が全員物語を通じて成長していく様が一番の醍醐味なんだと。
主人公はもちろんのこと、本の事しか頭にないヒロインの視野も拡がり、脇を固める周辺人物達も新しい自分を手に入れていく。
読み手は其の様子を見守りつつも彼らの今後から目がはなせなくなってしまうのだ。
出典:Amazon
ドラマ化された小説
小説や作者の人気によっては、ドラマ化されることも。メディアミックスを楽しみたい人におすすめの小説を紹介します。
4. 『淋しい狩人』
東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。
店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。
しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。
平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挟まれていた名刺。
父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。
本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。
ブッキッシュな連作短編集。
出典:Amazon
萌えキャラに頼らない、しっかりした小説作りに感心
古本屋を舞台にしたミステリと言えば、近年話題の「ビブリア・・・」を想起するが、宮部みゆきの方が格違いで小説がうまい。やっぱり「ライトノベル」と呼ばれる代物と違い、ちゃんとした読み物になっていると感じた。私は素人なのでその違いを説明する事はできないが、例えば一切萌えキャラを使わず勝負している所かな、と思う。別の言い方をすれば、リアリティが感じられるのである。
さて本作、いきなり「歯と爪」が出て来て、とても懐かしかった。が、実作が出て来るのはこれと、山本周五郎だけであり、それを売りにしてない小説作りもラノベと違う感じがした。で、古本と関わって事件が発生するミステリ仕立てだが、児童虐待など意外と陰惨な話を扱っている。が、本書のメインキャラの老人と孫息子が名コンビ。孫息子の成長物語になっているのが秀逸で、解後感はとても良かった。
宮部みゆきの巧みな物語作りに感心。
出典:Amazon
5. 『書店ガール』
吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。
協調性がなく、恋愛も自由奔放。
仕事でも好き勝手な提案ばかり。
一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。
そんなある日、店にとんでもない危機が…。
書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。
本好き、書店好き必読。
出典:Amazon
本の魅力復活!
Kindleを愛用する一方で、本屋さんに行く機会が減って来て、自分の読書力が落ちてきたのでは?と思っていました。ゆっくりと本屋さんで過ごしていた日々が懐かしく、「書店ガール」の題に惹かれて、本屋さんで購入。
お仕事ほんとしての魅力、女性の応援歌としての魅力、そしてなにより、「本が好きだ!」という熱意が直球となってズドンと伝わってきました。本好きの人なら絶対楽しめます。
出典:Amazon
「せどり」が出てくる小説
本を安く仕入れて高く売る手法の「せどり」。個人で稼ぐ方法としても認知されています。そんな、せどりが登場する小説を紹介します。
6. 『月魚』
古書店『無窮堂』の若き当主、真志喜とその友人で同じ業界に身を置く瀬名垣。
二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた―。
瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、幼い二人は兄弟のように育ったのだ。
しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていき…。
透明な硝子の文体に包まれた濃密な感情。
月光の中で一瞬魅せる、魚の跳躍のようなきらめきを映し出した物語。
出典:Amazon
さすがです。
三浦しをんさんの作品が好きで、色々読んでみましたが まだ全作品読んだ訳ではないので、一番 とは言えないですが上位に入るぐらい好きな本です。
同性愛だなんだと言ってる方もいますが、私はそれだとは思いません。(事実的にはそういう物語なんでしょうが)
なんていうか、そういう言葉にあてはめることができないぐらい、繊細で、綺麗で美しいお話でした。
不思議な感じで、強弱のある激しいお話ではありませんが、それがなぜか心地よくてハマってしまいます。
死ぬ前にこの本に出逢えて良かったなあと、しみじみ思いました。
出典:Amazon
7. 『せどり男爵数奇譚』
“せどり”(背取、競取)とは、古書業界の用語で、掘り出し物を探しては、安く買ったその本を他の古書店に高く転売することを業とする人を言う。
せどり男爵こと笠井菊哉氏が出会う事件の数々。
古書の世界に魅入られた人間たちを描く傑作ミステリー。
出典:Amazon
75歳の活字中毒人間。60年読書歴にあって、この面白さは中毒になる筈だ。
本当に面白かった。本音は桃源社の初版で読みたかったが、テレビの影響で入手叶わず文庫で我慢。夜半、布団に入り読破。久し振りの読書三昧を堪能。梶山秀之、恐るべしストーリーテーラーであった。
出典:Amazon
古書ファンタジー小説
本屋とファンタジー要素が組み合わさった小説を紹介します。
8. 『緑金書房午睡譚』
高校へ通わなくなって数ヵ月。
16歳の木守比奈子は、大学教授である父親が研究でイギリスへ行くことになったため、古本屋の「緑金書房」に居候する。
店を営む金子緑朗は亡き母の親戚だというが、どこで寝ているのかがわからず、また同居しているはずの大叔母も一向に姿を見せない。
多くの謎を秘めた古書店で、比奈子の前に突如、現れたのは?そして、彼女を襲う事件が―。
「8つの謎」が隠された異世界へ通じる古書店―。
「建築探偵シリーズ」の著者による“古書と不思議”の物語。
出典:Amazon
飽きずに、一気に読めました。
不思議の国のアリス風で、面白かったです。
私も月島の「緑金書房」へ行けるかもと感じる所がありました。
こんな本屋があったら、絶対に行きます。月島も好きな所です。
出典:Amazon
東京・神楽坂が舞台の小説
実は出版社や書店が多く、本の街としても知られる「神楽坂」。そんな神楽坂が舞台の小説を紹介します。
9. 『ぼくもだよ。神楽坂の奇跡の木曜日』
「読書はどんなに孤独な行為に見えたとしても、人や世界とつながることです」
神楽坂に盲導犬と住むよう子は、出版社の担当・希子と隔週の木曜日に、打ち合わせを兼ねたランチをするのが楽しみだ。
一方、神楽坂で“古書Slope”を切り盛りするバツイチの本間は、五歳になる息子のふうちゃんと、週に一度会えるのが木曜日だ。
書物への深い愛、物語への強い信頼、それを分かち合える大切な人。
本に込められた“想い”を伝えていく―。
出典:Amazon
健康な目があるなら、本を読まないなんて勿体ない
盲目の女性、よう子と、古本屋を経営する本間が本を通して、過去から現代へ繋がる物語。
目が見えない生活が語られていて、勿論現実はもっと辛いことが沢山あるのだろうが、
この作品はとても読みやすく、悲壮感少なめなのは、このよう子の、持ち前の性格ではないのだろうかと思う。日々を前向きに生きている様が描かれていて、盲導犬のアンちゃんもとてもお利口で、2人の絆が愛おしく感じた。
盲目の世界というものに触れられて、色々な形で本を読むことができるということ、健康な目があるなら尚更、人生において、本はとても大切なものだと、この作品は発信している。
古本屋経営、今風の古本屋など、古本屋改革の様も書かれており、とても面白かった。
本好きさんに読んで欲しい作品。
出典:Amazon
本格的な書店ミステリ小説
本屋に関する小説はミステリー系が多くみられますが、その中でも本格的なミステリ小説を紹介します。
10. 『配達あかずきん』
「いいよんさんわん」―近所に住む老人から託されたという謎の探求書リスト。
コミック『あさきゆめみし』を購入後失踪した母を捜しに来た女性。
配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。
駅ビルの六階にある書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の鋭いアルバイト・多絵が、さまざまな謎に取り組んでいく。
本邦初の本格書店ミステリ、シリーズ第一弾。
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つかみが良いですね
本屋にまつわる日常?の謎を解くという一風かわった設定の連作短編集。大崎作品は初読。
なんといいますか、まさに北村薫系の作品。エピソードも良いし、作者の筆致もすぐれていてどんどん作品世界に引き込まれる感じ。
そもそもこの作品をミステリ好きが読むと、まず第一作のツカミの部分でやられてしまう。ようするに単なる書名当てなのだが、ここに知っている作品がちょろちょろ出てくるので、それだけでうれしくなってしまうのだ。第4作にはハインラインまで登場。いやいや楽しいです。
謎解きはちょっと強引か、と思えるところもあるものの、まあ全体として、安心してドキドキしながら読める、貴重な作家&作品ですね。当たりです。
出典:Amazon
11. 『平台がおまちかね』
作り手と売り場を結ぶ糸をたくさん鞄に詰め込んで、出版社の新人営業、井辻智紀は今日も本のひしめくフロアへと向かう。
―でも、自社本をたくさん売ってくれた書店を訪ねたら何故か冷たくあしらわれ、文学賞の贈呈式では受賞者が会場に現れない!?
他社の先輩営業マンたちにいじられつつも、波瀾万丈の日々を奮闘する井辻君の、こころがほっとあたたまるミステリ短編集第一弾。
出典:Amazon
望・シリーズ化
大崎梢といえば書店員を主人公にしたシリーズがあるが、
本書はそれに関連し、同じ出版が業界の中で、
出版社の営業マンを主人公にすえている。
舞台を変えても同じ本に纏わるミステリ。
やっぱり本好きにはたまらない物語に仕上がっています。
本好きは本に纏わる本も好きというのが定説ですが、
やっぱり本書もそういう本好きに勧めたい一冊です。
出典:Amazon
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本屋を舞台にした小説のまとめ
今回は、古本好きや古書店好きの人におすすめの本屋を舞台にした小説を紹介しました。
本屋を舞台にした小説は、全体を通してミステリー小説が多い印象です。
本屋好きでミステリー好きな人にとっては、よい選択肢になるでしょう。