マスカレードシリーズは、刑事・新田浩介とホテルウーマン・山岸尚美が、一流ホテル「ホテル・コルテシア東京」で起こる事件に挑む東野圭吾のミステリーです。全5作で、読む順番は2011年の『マスカレード・ホテル』から2025年の『マスカレード・ライフ』までの刊行順。2作目の『マスカレード・イブ』は2人が出会う前を描いた前日譚ですが、刊行順どおり2作目に読むのがおすすめです。
東野圭吾は2026年7月23日に亡くなり、2026年9月時点で6作目の発表はありません。この記事では全5作の刊行順と時系列、映画2作と原作の対応、文庫になっているかどうか、シリーズが完結したのかまでを整理します。
マスカレードシリーズ全作品の一覧【刊行順】
5作を刊行順に並べました。すべて集英社から出ています。文庫の欄は2026年9月時点の状況です。
| 順番 | 作品 | 刊行年 | 文庫 | 形式 | 映画化 |
| 1 | マスカレード・ホテル | 2011年 | 集英社文庫(2014年) | 長編 | 2019年 |
| 2 | マスカレード・イブ | 2014年 | 文庫オリジナル | 連作短編集(4話) | ― |
| 3 | マスカレード・ナイト | 2017年 | 集英社文庫(2020年) | 長編 | 2021年 |
| 4 | マスカレード・ゲーム | 2022年 | 集英社文庫(2025年) | 長編 | ― |
| 5 | マスカレード・ライフ | 2025年 | 単行本のみ | 長編 | ― |
5作とも電子書籍版とAudible版は出ていないので、読むには紙の本を選ぶことになります。
マスカレードシリーズとは|刑事とホテルウーマンが組む東野圭吾のミステリー
マスカレードシリーズは、ホテル・コルテシア東京を主な舞台にしたミステリーです。1作目では、次の殺人がこのホテルで起こると分かり、警視庁の刑事・新田浩介がホテルマンに扮して潜入します。教育係としてつくのが、フロントクラークの山岸尚美です。以降の作品でも、この2人が中心になって話が進みます。
シリーズの累計部数は550万部です(2025年8月・集英社の発表)。集英社の旧特設サイトは、取材協力先としてロイヤルパークホテル(東京・日本橋)を紹介しています。
マスカレードシリーズの主な登場人物
- 新田浩介:警視庁捜査一課の刑事。1作目では若手のエリートで、国際弁護士の息子で、10代前半の2年あまりをロサンゼルスで過ごした
- 山岸尚美:ホテル・コルテシア東京のフロントクラーク。『イブ』ではコルテシア大阪に勤め、『ナイト』ではコンシェルジュになっている
- 梓真尋:警視庁捜査一課の警部。『ゲーム』の事件で新田と意見が対立した
作者・東野圭吾について
東野圭吾は1958年、大阪府生まれ。1985年に『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受けてデビューし、2026年7月23日に68歳で亡くなりました(講談社の発表による)。シリーズ以外の作品も含めて選びたい場合は、東野圭吾のおすすめ小説15選にまとめています。
マスカレードシリーズの読む順番は刊行順|時系列順との違い
刊行順と、物語の中の時系列は、2作目の『イブ』だけが入れ替わります。
| 並べ方 | 順番 |
| 刊行順(おすすめ) | ホテル → イブ → ナイト → ゲーム → ライフ |
| 時系列順 | イブ → ホテル → ナイト → ゲーム → ライフ |
集英社は『イブ』を「二人が出会う前の、それぞれの物語」と紹介しています。大阪で働く尚美と、東京の事件を追う新田を別々に描く短編集なので、2人のコンビを『ホテル』で知ってから読んだほうが、それぞれの話の面白さが伝わりやすくなります。
最初の1冊の選び方
- 基本:1作目の『マスカレード・ホテル』から。2人が初めて組む話
- 映画を観た人:映画2作の原作は1作目と3作目。映画で筋を知っていても、2作目の『イブ』を挟んで刊行順に読むと人物の背景が分かる
- 短い話で試したいなら:4話の連作短編集『マスカレード・イブ』。ただし2人が出会う前の話なので、シリーズの雰囲気をつかむ入口と割り切って
『ゲーム』を読む前に『ライフ』の紹介文を見ない
5作目『マスカレード・ライフ』の出版社のあらすじには、新田の立場が変わったことが書かれています。この変化は4作目『マスカレード・ゲーム』の結末に関わるので、『ゲーム』を読む前に『ライフ』の紹介文や帯を見ると、結末の一部を知ってしまいます。4作目と5作目は続けて読むのがおすすめです。この記事の『ライフ』の紹介では、その部分を伏せています。
マスカレードシリーズ全作品のあらすじ【刊行順】
集英社の紹介をもとに、各作品の内容を結末に触れない範囲でまとめます。
『マスカレード・ホテル』|新田と尚美が初めて組むシリーズ1作目(2011年)
暗号から、次の犯行現場がホテル・コルテシア東京だと分かります。若手刑事の新田浩介はホテルマンに扮して潜入し、フロントクラークの山岸尚美が教育係につきます。2019年に木村拓哉・長澤まさみの主演で映画になりました。
『マスカレード・イブ』|2人が出会う前を描く前日譚の連作短編集(2014年)
コルテシア大阪で働く尚美と、東京で殺人事件を追う新田。2人が出会う前の、それぞれの事件を描く4話の連作短編集です。単行本を経ずに文庫で出ました(集英社広報部の話としてMANTANWEBが報道)。
『マスカレード・ナイト』|カウントダウン・パーティに犯人が現れる長編(2017年)
殺人事件の犯人が、ホテル・コルテシア東京のカウントダウン・パーティ(仮面舞踏会)に現れるという密告状が届きます。新田は再びフロントに立ち、尚美はコンシェルジュになっています。2021年に映画になりました。
『マスカレード・ゲーム』|過去に人を死なせた被害者たちの連続殺人(2022年)
手口が共通し、被害者がみな過去に人を死なせた者という3つの殺人が起こります。被害者を憎む遺族たちがコルテシア東京に泊まると分かり、警部になった新田が再び潜入します。2025年3月に集英社文庫になりました。
『マスカレード・ライフ』|推理小説新人賞の選考会を舞台にした5作目(2025年)
コルテシア東京で「日本推理小説新人賞」の選考会が開かれ、死体遺棄事件の重要参考人が候補者として現れるらしいと分かります。新田は、それまでとは違う立場でこの事件に関わります(どう変わったかは『ゲーム』の結末に触れるので伏せます)。尚美はロサンゼルスでの研修を経て、コルテシア東京に戻っています。選考会に出てくる作家たちは、短編集『黒笑小説』『歪笑小説』にも登場します(集英社のPR誌『青春と読書』の書評による)。2026年9月時点では単行本だけで、文庫化の予定は発表されていません。
マスカレードシリーズの映画と原作の対応|映画3作目は発表なし
映画は2作あり、どちらも木村拓哉が新田浩介、長澤まさみが山岸尚美を演じ、鈴木雅之が監督しています。
| 映画 | 公開 | 原作 | 興行収入 |
| 『マスカレード・ホテル』 | 2019年1月18日 | シリーズ1作目『マスカレード・ホテル』 | 46.4億円 |
| 『マスカレード・ナイト』 | 2021年9月17日 | シリーズ3作目『マスカレード・ナイト』 | 38.1億円 |
興行収入は日本映画製作者連盟の集計(2019年・2021年)によります。「映画3作目」と検索されることがありますが、映画の2作目『マスカレード・ナイト』は原作では3作目にあたります。『ゲーム』『ライフ』の映画化や、ドラマ化は2026年9月時点で発表されていません。
映画のほかに、2020年1月には宝塚歌劇団の花組が『マスカレード・ホテル』を舞台で上演しています。
マスカレードシリーズは完結した?最新作と文庫の状況【2026年9月時点】
2026年9月時点の最新作は、2025年7月30日に出た5作目『マスカレード・ライフ』です。東野圭吾は2026年7月23日に亡くなり、講談社の訃報に添えられた著作一覧でも、マスカレードシリーズは『ライフ』が最後になっています。集英社からは、未発表作の刊行や「完結」についての発表は出ていません。
なお、集英社は2022年の『ゲーム』を「シリーズいよいよ総決算!」と宣伝していましたが(集英社の告知)、その3年後に『ライフ』が出ました。文庫は4作目の『ゲーム』まで出ていて、『ライフ』は単行本だけです。
編集長のひとこと:訃報のあと「順番」を調べる人が増えた。『ゲーム』と『ライフ』は続けて読んでほしい
田中寛大月間検索数(推計)を見ると、「東野圭吾」は2026年6月の約11万回から、訃報のあった7月には約224万回に増えました。シリーズの「順番」を調べる検索も、6月から8月にかけて、ガリレオが1,000回から9,900回、加賀恭一郎が1,000回から6,600回、マスカレードが720回から1,900回に増えています。「マスカレード シリーズ 完結」は、6月の10回から7月には590回になりました。新作が出ないかもしれないと知って、シリーズを最初から読もうとする人が増えたのだと受け止めています。
そのうえで、マスカレードシリーズは5作と少ないので、時系列にこだわらず刊行順で読めば十分です。いちばん気をつけたいのは順番より、『ライフ』のあらすじが『ゲーム』の結末に触れていることです。ここから読み始める人には、4作目と5作目の間を空けず、続けて読むことをすすめています。
マスカレードシリーズについてよくある質問
- マスカレードシリーズは何作ありますか?
-
2026年9月時点で5作です。『マスカレード・ホテル』(2011年)、『マスカレード・イブ』(2014年)、『マスカレード・ナイト』(2017年)、『マスカレード・ゲーム』(2022年)、『マスカレード・ライフ』(2025年)の順に出ています。
- 『マスカレード・イブ』は何番目に読めばいいですか?
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刊行順どおり、『ホテル』の次の2作目がおすすめです。物語の時系列では2人が出会う前の話なので最初にあたりますが、2人のコンビを『ホテル』で知ってから読んだほうが楽しめます。
- マスカレードシリーズの映画3作目はありますか?
-
2026年9月時点で、映画3作目の発表はありません。映画は『マスカレード・ホテル』(2019年)と『マスカレード・ナイト』(2021年)の2作で、映画2作目の『ナイト』は原作では3作目にあたります。
- マスカレードシリーズは完結していますか?
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集英社から「完結」の発表は出ていません。作者の東野圭吾は2026年7月23日に亡くなっており、2026年9月時点では2025年の『マスカレード・ライフ』が最新作です。
- 『マスカレード・ライフ』は文庫や電子書籍で読めますか?
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2026年9月時点では単行本だけで、文庫化の予定も発表されていません。シリーズ5作とも電子書籍版とAudible版は出ておらず、紙の本で読むことになります。
- ガリレオや加賀恭一郎シリーズとつながりはありますか?
-
公式に確認できる共通の登場人物はいません。どのシリーズからでも独立して読めます。ガリレオはガリレオシリーズの読む順番、加賀恭一郎は加賀恭一郎シリーズの読む順番で整理しています。
まとめ|マスカレードシリーズは『ホテル』から刊行順に、『ゲーム』と『ライフ』は続けて
- 読む順番:ホテル → イブ → ナイト → ゲーム → ライフの刊行順
- 時系列:前日譚の『イブ』だけが最初に来るが、読むのは『ホテル』の後で
- 注意:『ライフ』の紹介文は『ゲーム』の結末に触れるので、4作目と5作目は続けて読む
- 文庫:2026年9月時点で『ゲーム』まで。『ライフ』は単行本だけ
東野圭吾のほかのシリーズはガリレオシリーズの読む順番と加賀恭一郎シリーズの読む順番で整理しています。刑事が主人公の小説をほかにも探すなら警察小説のおすすめ10選を参考にしてください。次に読む本を自分の好みに合わせて選んでほしい場合は、読書タイプチェックをもとに本を選ぶ選書サービス「雨音選書」もあります。










