米澤穂信(よねざわ ほのぶ)は、高校生の身の回りで起きる小さな謎から戦国時代の籠城戦まで、幅広い舞台でミステリーを書いている作家です。最初の1冊には、直木賞を受けて2026年6月に映画にもなった『黒牢城』か、デビュー作で古典部シリーズの1作目『氷菓』がおすすめ。続きものは古典部・小市民・太刀洗万智・図書委員の4つで、初めてならどれも刊行順に読めば迷いません。
2026年9月時点で刊行済みの最新の小説は、4月30日に出た小市民シリーズの短編集『倫敦スコーンの謎』です。次の新刊は、11月25日発売予定の『石の刃』(KADOKAWA)。この記事では、おすすめの12作と、シリーズの読む順番(刊行順と作中の時系列)、最新刊、映画・アニメの原作、文庫とAudibleの有無までを整理します。犯人や結末には触れていません。
米澤穂信のおすすめ小説一覧【2026年9月時点】
この記事で紹介する12作を、おすすめ順に並べました。文庫とAudibleの欄は、2026年9月時点で出ているかどうかです。シリーズの2作目以降は、次の「読む順番」の章にまとめています。
| 作品 | 刊行年 | シリーズ | 文庫 | Audible |
| 黒牢城 | 2021年 | — | 角川文庫 | あり |
| 満願 | 2014年 | — | 新潮文庫 | あり |
| 氷菓 | 2001年 | 古典部 | 角川文庫 | あり |
| 春期限定いちごタルト事件 | 2004年 | 小市民 | 創元推理文庫 | あり |
| さよなら妖精 | 2004年 | 太刀洗万智 | 創元推理文庫 | あり |
| 王とサーカス | 2015年 | 太刀洗万智 | 創元推理文庫 | あり |
| 可燃物 | 2023年 | — | 文春文庫 | あり |
| 儚い羊たちの祝宴 | 2008年 | — | 新潮文庫 | あり |
| インシテミル | 2007年 | — | 文春文庫 | なし |
| ボトルネック | 2006年 | — | 新潮文庫 | なし |
| 折れた竜骨 | 2010年 | — | 創元推理文庫(上下巻) | なし |
| 本と鍵の季節 | 2018年 | 図書委員 | 集英社文庫 | あり |
12作とも電子書籍版があり、Audible(オーディブル)では12作のうち9作が聴けます。シリーズものは古典部・小市民・太刀洗万智・図書委員のどれも、既刊すべてがAudibleで配信されています(『倫敦スコーンの謎』は2027年1月29日の配信予定・2026年9月時点)。Audibleには30日間の無料体験があります(無料体験後は月額1,500円・2026年9月時点)。
米澤穂信とは|日常の謎から歴史ミステリーまで書く作家
米澤穂信は1978年、岐阜県生まれの小説家です。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞の奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受けてデビューしました。2026年はデビュー25周年にあたります。
初期は『氷菓』や『春期限定いちごタルト事件』など、高校生が身の回りの謎を解く作品で知られました。その後、戦国時代の『黒牢城』、群馬県警の警部が主人公の『可燃物』、魔術が存在する中世ヨーロッパを舞台にした『折れた竜骨』と、時代も舞台も広げています。
米澤穂信の主な受賞歴
- 2011年:第64回日本推理作家協会賞(『折れた竜骨』)
- 2014年:第27回山本周五郎賞(『満願』)
- 2021年:第12回山田風太郎賞(『黒牢城』)
- 2022年:第166回直木賞(2021年下半期)、第22回本格ミステリ大賞(『黒牢城』)
- 2025年:第10回吉川英治文庫賞(〈小市民〉シリーズ)
年末のミステリーランキングでも、『満願』(2014年)、『王とサーカス』(2015年)、『可燃物』(2023年)が3つのランキングで1位の「3冠」になり、『黒牢城』(2021年)は『このミステリーがすごい!』、週刊文春ミステリーベスト10、『ミステリが読みたい!』、『本格ミステリ・ベスト10』の4つすべてで1位になりました。3冠を3度、4冠を1度取っています。
米澤穂信の読む順番|シリーズは刊行順、単発の作品はどれからでも
米澤穂信の続きものは、古典部・小市民・太刀洗万智・図書委員の4つです。『黒牢城』『満願』『可燃物』『インシテミル』など、シリーズの外の作品は1冊で話が終わるので、どれから読んでもかまいません。シリーズは、初めてなら刊行順に読むのが安全です。古典部と小市民には刊行順と作中の時系列がずれる巻があるので、下の表で確かめてください。
最初の1冊の選び方
- 迷ったら:『黒牢城』。直木賞と、年末のミステリーランキング4つの1位を取った代表作
- 短編から試したいなら:『満願』。6編の短編集で、1編ずつ読める
- 学園もののミステリーが好きなら:古典部の『氷菓』か、小市民の『春期限定いちごタルト事件』
- アニメを見て原作を読みたいなら:アニメ『氷菓』は古典部シリーズ、アニメ『小市民シリーズ』は『春期限定いちごタルト事件』から
古典部シリーズの読む順番(全6作)
「やらなくてもいいことなら、やらない」が信条の折木奉太郎と古典部の仲間たちが、高校の日常で起きる謎を解くシリーズです(KADOKAWA・角川文庫)。2012年に京都アニメーションが『氷菓』の題でテレビアニメにしました。
| 順番 | 作品 | 刊行年 | 形式 | 作中の時期 |
| 1 | 氷菓 | 2001年 | 長編 | 高校1年の春 |
| 2 | 愚者のエンドロール | 2002年 | 長編 | 高校1年の夏休み |
| 3 | クドリャフカの順番 | 2005年 | 長編 | 高校1年の秋(文化祭) |
| 4 | 遠まわりする雛 | 2007年 | 短編集 | 高校1年の1年間 |
| 5 | ふたりの距離の概算 | 2010年 | 長編 | 高校2年の春 |
| 6 | いまさら翼といわれても | 2016年 | 短編集 | 部員たちの過去にふれる話を含む |
4作目の『遠まわりする雛』は短編集で、1〜3作目と同じ高校1年の1年間の話を、季節の順に収めています。時系列では1〜3作目のあいだに入る話もありますが、刊行順(4番目)に読んで問題ありません。
2026年9月時点の最新刊は、2016年の『いまさら翼といわれても』です。7作目の書名や発売日は、KADOKAWAの発表には見当たりません。その後に雑誌に載った短編「三つの秘密、あるいは星ヶ谷杯準備滞ってるんだけど何かあったの会議」は、角川文庫には入らず、2024年3月の『愛蔵版〈古典部〉シリーズIII』に収められています。
1作目『氷菓』の紹介は、下の「おすすめ小説12選」の章にあります。2作目以降は次のとおりです。
小市民シリーズの読む順番(全6作・7冊)
目立たず穏やかに暮らす「小市民」を目指す小鳩常悟朗と小佐内ゆきが、それでも事件に巻きこまれていくシリーズです(東京創元社)。全巻が創元推理文庫から出ていて、単行本はありません。2024年と2025年にテレビアニメになり、2025年には第10回吉川英治文庫賞を受けました。
| 刊行順 | 作品 | 刊行年 | 形式 | 時系列の順 |
| 1 | 春期限定いちごタルト事件 | 2004年 | 連作短編集 | 1(高校1年の春) |
| 2 | 夏期限定トロピカルパフェ事件 | 2006年 | 連作短編集 | 4(高校2年の夏) |
| 3 | 秋期限定栗きんとん事件(上下) | 2009年 | 長編 | 5(高校2年の秋から) |
| 4 | 巴里マカロンの謎 | 2020年 | 短編集 | 2(高校1年の秋〜冬) |
| 5 | 冬期限定ボンボンショコラ事件 | 2024年 | 長編 | 6(高校3年の冬) |
| 6 | 倫敦スコーンの謎 | 2026年 | 短編集 | 3(高校1年の冬〜2年) |
刊行順は春期→夏期→秋期→巴里→冬期→倫敦ですが、作中の時系列では春期→巴里→倫敦→夏期→秋期→冬期になります。あとから出た短編集2冊は、どちらも春期と夏期のあいだの話です。
初めて読むなら刊行順をすすめます。春・夏・秋・冬の4作は東京創元社が「四部作」と呼ぶ本筋で、あいだに短編集を挟まずに読むほうが、2人の関係の変化を追いやすいからです。2周目や、アニメで結末まで見た人は、春期の次に巴里・倫敦を挟む時系列順で読むと、高校1年の2人をまとめて楽しめます。
1作目『春期限定いちごタルト事件』の紹介は「おすすめ小説12選」の章に、最新刊『倫敦スコーンの謎』は「最新刊・新刊」の章にあります。2作目から5作目は次のとおりです。
太刀洗万智が登場する作品の読む順番(全3作)
記者の太刀洗万智が登場する3作です(東京創元社)。Amazonなどでは「ベルーフ」シリーズとしてまとめられていますが、東京創元社の書誌ページはシリーズ名を掲げていません。
| 順番 | 作品 | 刊行年 | 形式 | 太刀洗万智の立場 |
| 1 | さよなら妖精 | 2004年 | 長編 | 高校生(語り手は同級生の守屋路行) |
| 2 | 王とサーカス | 2015年 | 長編 | フリーの記者(『さよなら妖精』の10年後) |
| 3 | 真実の10メートル手前 | 2015年 | 短編集 | フリージャーナリスト |
『さよなら妖精』の太刀洗は主人公ではなく、語り手の同級生として出てきます。刊行順に読むと、高校時代の太刀洗を知ったうえで、記者になった彼女を追えます。なお文庫は『真実の10メートル手前』(2018年3月)のほうが『王とサーカス』(2018年8月)より先に出ていますが、読む順番は単行本の刊行順で問題ありません。
『さよなら妖精』と『王とサーカス』は「おすすめ小説12選」の章で紹介しています。3作目はこちらです。
図書委員シリーズの読む順番(全2作)
高校2年の図書委員、堀川次郎と松倉詩門が謎を解くシリーズです(集英社)。1作目『本と鍵の季節』(2018年)は6編の連作短編集、2作目『栞と噓の季節』(2022年)は長編で、1作目の続きなので刊行順に読みます。
米澤穂信は集英社のPR誌『青春と読書』のインタビューで、このシリーズは「三部作にするのが一番きれい」だと考えていると話しています。ただし3作目の告知はまだありません(2026年9月時点)。『栞と噓の季節』は2025年6月に集英社文庫になりました。
米澤穂信のおすすめ小説12選
ここからは、おすすめの12作を1冊ずつ紹介します。あらすじは版元の紹介の範囲にとどめ、犯人や結末には触れていません。
『黒牢城』|籠城中の有岡城で起きる4つの事件(2021年)
本能寺の変の4年前、天正6年(1578年)の冬。織田信長に背いて有岡城に立てこもった荒木村重は、城内で起きる難事件の謎を、土牢に閉じこめた織田方の軍師・黒田官兵衛に解かせます。KADOKAWAは「城で起きた四つの事件」と紹介しています。
第166回直木賞、第12回山田風太郎賞、第22回本格ミステリ大賞を受け、年末のミステリーランキング4つすべてで1位になりました(KADOKAWAの発表)。2024年6月に角川文庫になり、上下巻に分かれず1冊で読めます。2026年6月19日には、黒沢清監督・本木雅弘主演の映画が公開されました。
『満願』|人生の岐路に立つ人を描く6編の短編集(2014年)
交番に勤める警官、海外で働くビジネスマン、学生時代に世話になった女性の弁護を引き受けた弁護士。6編の主人公は、それぞれ仕事や暮らしの岐路に立っています。1編ずつ独立しているので、長編に構えずに読めます。
第27回山本周五郎賞を受け、年末のミステリーランキングでは3つで1位になりました。新潮社は「史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集」と紹介しています。2018年8月にはNHKで3編がドラマになりました。
『氷菓』|省エネ主義の高校生が日常の謎を解く古典部シリーズ1作目(2001年)
「やらなくてもいいことなら、やらない」が信条の高校1年生・折木奉太郎は、姉に言われて古典部に入ります。好奇心の強い部員・千反田えるに頼まれて学校の小さな謎を解くうちに、33年前の出来事と文集「氷菓」をめぐる謎に行き着きます。
米澤穂信のデビュー作で、古典部シリーズの1作目です。2012年に京都アニメーションがテレビアニメにし、2017年には山﨑賢人・広瀬アリス主演で実写映画になりました。殺人事件の起きない「日常の謎」のミステリーなので、ミステリーを読み慣れていない人にも向いています。同じタイプの作品は日常の謎ミステリーおすすめ10選で紹介しています。
『春期限定いちごタルト事件』|目立たず暮らしたい2人の高校生の連作(2004年)
小鳩常悟朗と小佐内ゆきは、目立たず穏やかに暮らす「小市民」を目指す高校1年生です。ところが2人の身の回りでは小さな事件が次々に起き、そのたびに巻きこまれていきます。
小市民シリーズの1作目で、東京創元社は連作短編集としています。2024年からのテレビアニメの原作です。題名はかわいらしいお菓子ですが、2人がなぜ「小市民」を目指すのかは、読み進めるうちに少しずつ見えてきます。
『さよなら妖精』|ユーゴスラヴィアから来た少女との2か月(2004年)
1991年4月、高校生の守屋路行たちは、雨宿りをしていた外国人の少女マーヤに出会います。ユーゴスラヴィアから来たマーヤと約2か月を過ごしたあと、彼女が帰った故郷はどこだったのかを、守屋たちは記憶を頼りに推理します。
太刀洗万智が初めて登場する作品で、太刀洗は守屋の同級生として出てきます。当時のユーゴスラヴィアの情勢が物語に深く関わり、青春小説としても読める1冊です。
『王とサーカス』|2001年のネパールで記者が王族殺害事件を追う(2015年)
新聞社を辞めてフリーの記者になった太刀洗万智は、海外旅行特集の仕事でネパールのカトマンズに滞在していました。そこで王族殺害事件が起き、太刀洗は取材を始めます。『さよなら妖精』の10年後の話です。
前年の『満願』に続き、年末のミステリーランキング3つで1位になりました。2年続けての3冠は史上初です。謎解きと並んで、記者が「何を、どう伝えるか」を問われる話でもあります。
『可燃物』|群馬県警の葛警部が主人公の警察小説(2023年)
群馬県警捜査一課の葛警部が、事件の手がかりを一つずつ確かめて真相にたどり着く、5編の短編集です。派手な立ち回りよりも、推理の筋道をじっくり追うタイプの警察小説です。
年末のミステリーランキング3つで1位になり、『満願』『王とサーカス』に続く3度目の3冠でした。2026年9月2日に文春文庫になり、解説は有栖川有栖が書いています。警察小説をほかにも読みたい人は警察小説のおすすめ10選も参考にしてください。
『儚い羊たちの祝宴』|読書会「バベルの会」につながる5編(2008年)
上流家庭の令嬢や、その家に仕える使用人が語り手になる5編の連作短編集です。5編はどれも、読書サークル「バベルの会」とつながっています。
どの編も読み終えたあとに苦い余韻が残り、後味の悪い話が好きな人に向いています。こうした作風は「奇妙な味」とは?でも紹介しています。
『インシテミル』|時給11万2000円の実験に集まった12人(2007年)
時給11万2000円という求人に応じて集まった12人が、「暗鬼館」と呼ばれる施設で7日間を過ごす実験に参加します。外と連絡の取れない建物の中で、やがて事件が起きます。
閉ざされた場所で事件が起きる「クローズドサークル」のミステリーで、2010年に藤原竜也主演で『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』として映画になりました。Audibleは配信されていません(2026年9月時点)。クローズドサークルのほかの作品はクローズドサークルとはで紹介しています。
『ボトルネック』|自分が生まれなかった世界に迷い込む少年(2006年)
亡くなった恋人を弔うために東尋坊を訪れた少年リョウは、崖から落ちたはずが、気づくと見慣れた金沢の街にいました。家に帰った彼を迎えたのは、見知らぬ「姉」。そこは、自分が生まれなかった世界でした。
青春小説の形をとりながら、読後に苦さが残る作品です。イヤミスのおすすめ小説20選でも取り上げています。Audibleは配信されていません(2026年9月時点)。
『折れた竜骨』|魔術と騎士の時代を舞台にした謎解き(2010年)
舞台は12世紀末、ロンドンから北海を進んだ先にあるソロン諸島。魔術が存在する世界で、領主の娘アミーナと騎士ファルクが、領主を殺した犯人を探します。
魔術がある世界でも、推理は手がかりと論理で組み立てる本格ミステリーです。2011年に第64回日本推理作家協会賞を受けました。創元推理文庫は上下巻で、Audibleは配信されていません(2026年9月時点)。
『本と鍵の季節』|高校2年の図書委員2人が謎を解く連作(2018年)
高校2年の図書委員、堀川次郎と松倉詩門は、図書室に持ちこまれる頼みごとをきっかけに、いくつもの謎に向き合います。6編の連作短編集です。
古典部や小市民と同じ高校生が主人公のミステリーで、2人の軽い掛け合いと、頼みごとの裏にある事情との落差が読みどころです。続編の長編『栞と噓の季節』とあわせて、図書委員シリーズとして読めます。
米澤穂信の最新刊・新刊【2026年9月時点】
2026年9月時点で、刊行済みの最新の小説は『倫敦スコーンの謎』、次の新刊は11月25日発売予定の『石の刃』です。
『倫敦スコーンの謎』|小市民シリーズ2冊目の短編集(2026年4月)
2026年4月30日に創元推理文庫から出た、小市民シリーズの最新刊です。『巴里マカロンの謎』に続く2冊目の短編集で、4編のうち「維納ザッハトルテの謎」は書き下ろしです。東京創元社は、小鳩君と小佐内さんの「高校一年生の冬から二年生にかけて」の話と紹介しています。
作中の時系列では、春期と夏期のあいだに入ります。Audible版は2027年1月29日の配信予定で、予約を受け付けています(2026年9月時点)。
『石の刃』|米澤穂信が初めて書くリーガルミステリー(2026年11月25日発売予定)
KADOKAWAから2026年11月25日に発売予定の長編です。勝ち目の薄い控訴審を引き受けた弁護士・絵島が主人公で、米澤穂信にとって初めてのリーガルミステリー(法廷もの)になります。
2018年に星野源の発案で始まった企画で、星野源がプロデュース・写真ディレクション・出演を担当しています。『小説 野性時代 特別編集 2024年冬号』から連載され、初回出荷分は2人のコメントとサインを印字した限定カバーになるとKADOKAWAが発表しています。
最近文庫になった作品
- 『可燃物』:2026年9月2日、文春文庫(解説・有栖川有栖)
- 『栞と噓の季節』:2025年6月20日、集英社文庫
- 『米澤屋書店』:2024年11月6日、文春文庫(書評・エッセイ集)
- 『黒牢城』:2024年6月13日、角川文庫
このほか、2026年8月にはデビュー25周年のエッセイ集『談話室米澤』(日経BP 日本経済新聞出版)が単行本で出ています。
米澤穂信作品の映像化|映画・アニメ・ドラマの原作
映像になった米澤作品は、次の5作です。
| 原作 | 映像化 | 公開・放送 | 監督・主な出演 |
| インシテミル | 映画『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』 | 2010年10月 | 中田秀夫監督、藤原竜也 |
| 氷菓 | テレビアニメ(京都アニメーション) | 2012年 | 武本康弘監督 |
| 氷菓 | 実写映画 | 2017年11月 | 安里麻里監督、山﨑賢人・広瀬アリス |
| 満願 | NHKのドラマ(3夜連続) | 2018年8月 | 「万灯」「夜警」「満願」の3編 |
| 小市民シリーズ | テレビアニメ第1期 | 2024年7月 | 神戸守監督 |
| 小市民シリーズ | テレビアニメ第2期(秋期・冬期が原作) | 2025年4月 | 神戸守監督 |
| 黒牢城 | 映画 | 2026年6月19日 | 黒沢清監督、本木雅弘・菅田将暉 |
映画『黒牢城』の原作は、角川文庫の1冊(2024年6月)です。映画のBlu-ray・DVDは2026年11月6日に発売予定です(松竹の映画公式サイト)。小市民シリーズの第3期は、2026年9月時点で告知されていません。小説が原作のアニメは小説が原作のアニメ10選でも紹介しています。
編集長のひとこと:映画で『黒牢城』を知った人は、次に『満願』か『可燃物』を
田中寛大月間検索数(推計)を見ると、映画が公開された2026年6月、「黒牢城」は301,000回まで増えました。前年の秋は月2,400〜2,900回です。8月には22,200回まで戻りましたが、作家名の「米澤穂信」は8月も33,100回と、前年秋(18,100〜22,200回)より多いままです。映画をきっかけに、次の1冊を探している人がまだ多いと見ています。
『黒牢城』から入った人には、『氷菓』より先に『満願』か『可燃物』をすすめます。3作とも大人が主人公で、事件ごとに章や編が区切られる構成だからです。『満願』は6編、『可燃物』は5編の短編集で、どちらも年末のミステリーランキングで3冠を取りました。学園ものの古典部・小市民シリーズは、そのあとでも遅くありません。
もうひとつ気になったのは、「古典部シリーズ 新作 2026」という検索が2026年2月から出はじめ、8月には720回になっていることです。「氷菓 続編」も8月は480回と、ふだんの2倍を超えました。ただ、KADOKAWAの発表に古典部の7作目は見当たりません(2026年9月時点)。KADOKAWAが次に出す米澤作品は、古典部とは別の『石の刃』です。
米澤穂信についてよくある質問
- 米澤穂信の小説で、最初に読むならどれですか?
-
『黒牢城』です。直木賞を受け、年末のミステリーランキング4つすべてで1位になった代表作で、1冊で話が終わります。短編から試すなら『満願』、学園もののミステリーが好きなら古典部シリーズの『氷菓』から読むのもおすすめです。
- 米澤穂信の最新刊・新刊は何ですか?
-
2026年9月時点で刊行済みの最新の小説は、4月30日に出た小市民シリーズの短編集『倫敦スコーンの謎』(創元推理文庫)です。次の新刊は、11月25日発売予定のリーガルミステリー『石の刃』(KADOKAWA)。8月にはエッセイ集『談話室米澤』、9月には『可燃物』の文春文庫版も出ています。
- 古典部シリーズの新刊(7作目)はいつ出ますか?
-
2026年9月時点では、KADOKAWAの発表に7作目の告知は見当たりません。最新刊は2016年の『いまさら翼といわれても』です。その後に雑誌に載った短編「三つの秘密、あるいは星ヶ谷杯準備滞ってるんだけど何かあったの会議」は、『愛蔵版〈古典部〉シリーズIII』(2024年)で読めます。
- 小市民シリーズは刊行順と時系列順のどちらで読めばいいですか?
-
初めてなら刊行順(春期→夏期→秋期→巴里→冬期→倫敦)がおすすめです。作中の時系列は春期→巴里→倫敦→夏期→秋期→冬期で、短編集2冊が春期と夏期のあいだに入ります。2周目や、アニメを見終えた人は時系列順で読むのもおすすめです。
- 小市民シリーズの新刊が2027年1月に出るというのは本当ですか?
-
紙の新刊ではありません。2027年1月29日は、『倫敦スコーンの謎』のAudible版の配信予定日です(2026年9月時点)。紙の本の続刊は、東京創元社から告知されていません。
- 映画『黒牢城』の原作は文庫で読めますか?
-
読めます。2024年6月に角川文庫になっていて、上下巻に分かれず1冊です。電子書籍版とAudible版もあります。
- Audibleで聴ける米澤穂信作品はありますか?
-
あります。古典部シリーズ6作、小市民シリーズ(『倫敦スコーンの謎』は2027年1月29日の配信予定)、太刀洗万智が登場する3作、図書委員シリーズ2作のほか、『黒牢城』『満願』『可燃物』『儚い羊たちの祝宴』『Iの悲劇』が配信されています。『インシテミル』『ボトルネック』『折れた竜骨』は配信されていません(2026年9月時点)。
- 米澤穂信の名前は何と読みますか?
-
「よねざわ ほのぶ」と読みます。
まとめ|米澤穂信は『黒牢城』か『氷菓』から、シリーズは刊行順に
- 最初の1冊:『黒牢城』(直木賞・年末のミステリーランキング4冠)。学園ものなら『氷菓』
- 短編から試すなら:『満願』『可燃物』(どちらも3冠)
- シリーズ:古典部(全6作)・小市民(全6作)・太刀洗万智(全3作)・図書委員(全2作)は刊行順に。小市民は時系列順でも読める
- 最新刊:『倫敦スコーンの謎』(2026年4月30日)。次は『石の刃』(2026年11月25日発売予定)
ミステリーを読み慣れていない人向けの本はミステリー小説が苦手な人におすすめの15選、ジャンル別に名作を探すならミステリー小説のおすすめ30選、直木賞の受賞作を耳で聴くならオーディブルの直木賞受賞作おすすめ10選も参考にしてください。次に読む本を自分の好みに合わせて選んでほしい場合は、読書タイプチェックをもとに本を選ぶ選書サービス「雨音選書」もあります。









