ミステリー小説用語一覧・21選!ミステリ小説初心者向けの基礎用語まとめ

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トリックを解明する爽快感や、事件の非日常感が楽しいミステリー小説。

推理小説や探偵小説とも呼ばれ、古今東西で愛されているジャンルです。

さまざまな作品が映像化されているため、ドラマの原作が気になる!という方も多いのでは?

今回は、ミステリー小説がもっと楽しめる「ミステリー用語」を解説します。 

目次

ミステリー小説用語一覧・21選

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ミステリー小説を読み始める方に向けて、押さえておきたいミステリー用語21選をご紹介します。

物語を深く楽しむためにも、ぜひチェックしてくださいね。

アリバイ(alibi)

アリバイは、ラテン語のalibi(他の所に)に由来する言葉です。

現場不在証明とも呼ばれます。

事件発生時に事件現場にいなかったことを証明するもので、無罪を立証する方法のひとつです。

犯罪捜査において重要な役割を果たすことがあります。

被疑者が犯罪現場にいたという証拠がある場合、その被疑者がアリバイを持っている場合、それはその被疑者が犯罪を犯したという可能性を排除できます。

ただし、アリバイは偽造されることがあり、それを見抜くことが重要な課題です。

したがって、警察や捜査官たちは、アリバイを確認するために、証言や証拠の確認、監視カメラ映像の確認などを行います。

また、アリバイの裏付けが不十分である場合、被疑者を犯罪容疑で逮捕することがあります。

安楽椅子探偵

現場に行かず、情報を分析して犯人を割り出す探偵を「安楽椅子探偵」と呼びます。

捜査や立証は、警察や助手に任せるのが一般的です。

アガサ・クリスティ『ミス・マープル』シリーズや、北村薫『円紫さんと私』シリーズなどが該当します。

安楽椅子探偵のおすすめミステリー小説10選!安楽椅子探偵とは?」の記事もぜひチェックしてみてください!

イヤミス

読むと嫌な気持ちになるミステリーのこと。

不快感やスッキリしない読後感、後味の悪さや救いのない結末が特徴です。

怖いもの見たさから、イヤミスの虜になる方が増えています。

とくに有名なのが、真梨幸子、湊かなえ、沼田まほかるの3氏です。

イヤミスの三大女王と呼ばれ、人気を集めています。

奇妙な味

ミステリー小説のジャンルのひとつです。

論理的な謎解きよりも、ストーリーやキャラクターの不気味さ、後味の悪さを楽しむことに主軸が置かれています。

海外では1950年代から60年代にかけて流行し、日本でも江戸川乱歩などが作品を発表しましたが、次第に忘れられていきました。

近年、魅力が再発見されつつあるジャンルです。

クローズド・サークル(closed circle)

孤島で起きた殺人事件など、外界と接触できない閉ざされた空間で起きた事件や、そのような事件を扱った作品を指します。

アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』『そして誰もいなくなった』、綾辻行人『十角館の殺人』、森博嗣『すべてがFになる』などが、クローズド・サークルの代表例です。

このジャンルでは、犯罪が起こった場所から逃げられないため、被疑者は必ずその場にいるという限定条件があります。

そして、読者はその中にいる犯人を探すために、アリバイや動機、手がかりなどを推理することになります。

このミステリーがすごい!

宝島社のムックシリーズ・別冊宝島から発行されている、ミステリー小説のガイドブックです。

「このミス」とも呼ばれます。

ミステリー小説の紹介文やランキング、ミステリー小説にまつわる座談会の様子などが掲載されています。

2002年には、新人作家を対象とした「このミステリーがすごい!大賞」が創設されました。

受賞作はベストセラーとなることも多く、ミステリー愛好家から注目されています。

バカミス

おバカなミステリーや、バカバカしいミステリーの略です。

このジャンルでは、ミステリーでありながら読者を爆笑させる作品が多く発表されています。

リアリティの追求よりも、エンターテイメント性やありえない展開を楽しむジャンルです。

叙述トリック

ミステリー小説の技法のひとつです。

あえて詳細を書かない、大切なことを省くなど、文で読者をミスリードして物語の意外性を高めます。

読者の思い込みや先入観を、逆手に取ったトリックです。

新本格ミステリ

1980年代後半から1990年代にかけて発表されたミステリー小説や、その当時デビューしたミステリー作家を指します。

トリックを重視した、謎解きを楽しむ知的な作風が特徴です。

綾辻行人、有栖川有栖、法月綸太郎、貫井徳郎などが、新本格ミステリの作家として挙げられます。

倒叙ミステリ

犯人や犯行方法が序盤で提示され、それを探偵役が解明するミステリー小説です。

読者には犯人がわかっているため、完全犯罪を崩す爽快感や推理の過程を楽しめます。

読者への挑戦状

読者の挑戦とも呼ばれる、ミステリー小説の技法のひとつです。

犯人の解明の直前に、登場人物(おもに探偵役)から読者に「犯人はわかったか」という旨のメッセージが提示されます。

エラリー・クイーン「国名シリーズ」、有栖川有栖「学生アリスシリーズ」などで用いられています。

どんでん返し

思いもよらなかった結末を迎えることを指します。

最後の最後でだまされた!と読者を唸らせる作品や、巧妙な伏線によりすべてがつながっていく作品など、読者の意表をつく展開がクセになる中毒性の高いジャンルです。

例えば、物語の終盤に、ある登場人物が実は別の人物であることが明らかになる、あるいは事件の真犯人が最初に疑われていた人物とは別の人物であることが分かる、などが代表的などんでん返しの例です。

また、どんでん返しを利用して、物語のテーマやメッセージを強調することもあります。

日常の謎

コージーミステリーや日常ミステリーとも呼ばれる、推理小説のジャンルのひとつです。

惨劇などではなく、日常のちょっとした謎や不思議を扱います。

人間の心理に焦点を当てた作品が多いことも特徴のひとつです。

三上延「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズなどが「日常の謎」に該当します。

不可能犯罪

常識では考えられない犯罪のことです。

密室殺人など、トリックの解明を楽しむ作品に多く見られます。

犯人がどのように犯罪を行ったかが読者にとって謎となるため、推理小説やミステリ小説のファンから愛されています。

密室

鍵のかかった部屋のような、外部から侵入できない環境を指します。

古くから使用されている、ミステリー作品の代表的な要素のひとつです。

密室要素のある作品は、犯人捜しだけでなく、密室での犯行方法や密室からの脱出の仕方などトリックの解明も楽しめます。

ハードボイルド

暴力的な内容を簡潔な文体で描いた文学作品を「ハードボイルド」と呼びますが、ミステリー作品におけるハードボイルドとは、行動的な探偵が登場する作品のことです。

安楽椅子探偵など頭脳で事件を解明する従来の探偵とは異なり、探偵のワイルドな行動を楽しむのがハードボイルドの醍醐味です。

代表作として、ダシール・ハメット『マルタの鷹』が挙げられます。

フーダニット

「誰が犯人なのか」に焦点を当てたミステリー小説です。

Who done it?(誰がやった?)を口語調に略したもので、フダニトとも呼ばれます。

最初に事件が起こり、登場人物のやりとりによって読者にヒントが与えられ、物語の最後で謎が解明される、ミステリー小説の古典的な型です。

フーダニットのバリエーションとして、犯行方法の解明に重きを置いた「ハウダニット」、犯行動機の解明がメインとなる「ホワイダニット」があります。

プロファイリング(profiling)

犯罪者の心理や行動特徴から、犯人像を分析することです。

プロファイリングは、犯罪現場や被害者、証拠品などから犯人の性格や特徴、犯行のモチベーションなどを推測し、犯人像を作り出すことで、捜査の効率化や犯人逮捕につなげることができます。

プロファイリングは、シリアルキラーや犯罪組織のリーダー、テロリストなどの特定にも役立っているようです。

ただし、プロファイリングは科学的な方法に基づいたものではなく、経験や専門知識に依存する場合があり、推定された犯人像が正確であるとは限りません。

また、プロファイリングの利用には倫理的な問題も存在し、犯罪者の権利や人権を侵害する可能性があるため、適切な利用が求められます。

ライトミステリー

サクッと気軽に読めるミステリー小説を指します。

ミステリー小説は難しいというイメージを抱いている方や、普段あまり本を読まない方におすすめです。

コメディ要素が強くライトノベルのように楽しめる作品のほか、ミステリーを扱ったライトノベルを指すこともあります。

館もの(やかたもの)

古びた洋館や古城など、大きな屋敷で事件が起こる作品のことです。

おもに、連続殺人事件などの惨劇が発生します。

『十角館の殺人』をはじめとする綾辻行人の「館シリーズ」が日本の代表的な館ものです。

謎解きだけでなく、怪しげな住人や屋敷にまつわる秘密が物語に華を添えます。

ワトソン役

作品の語り手や、探偵の助手役を指す言葉です。ワトスン役とも。

コナン=ドイルの『シャーロック=ホームズ』シリーズに登場する医師・ワトソンに由来します。

この役割は、探偵の推理や解決方法を分かりやすく伝えることや、探偵のキャラクターをより鮮明に描写することなどが目的とされています。

ワトソン役は、『シャーロック=ホームズ』シリーズに限らず、多くの推理小説やミステリ小説で用いられる役割です。

主人公である探偵の推理能力を強調するため、ワトソン役は主人公よりも明らかに推理能力が劣っている場合があります。

しかし、ワトソン役は、探偵の直感的な推理に疑問を投げかけたり、物語の謎解きに貢献することがあるため、探偵と同じくらい重要な役割を持つことがあります。

ミステリー用語を押さえよう

押さえておきたいミステリー用語21選をご紹介しました。

イヤミスやバカミスなど、ミステリー小説は謎解きのタイプだけでなく読後感でも分類できます。

ミステリー用語を押さえて、ご自分の好みに合ったミステリー小説を楽しんでくださいね。

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この記事を書いた人

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